【定義】
曹洞宗と臨済宗とが相承している禅戒について、その理念が相似していることを指して、洞済一轍という。
【内容】
特に道元禅師が明全和尚から臨済宗黄竜派の戒脈と、如浄禅師から曹洞宗の戒脈とを相承したため、その両者を並列していたときもあり、現行の『血脈』は、多くそのような形状をしているが、その時、禅戒の理念を記した一文が、以下のように伝わっている。
東林の敞和尚天台に在りし日、維摩室に於いて示して曰く、菩薩戒は宗門の一大事因縁、汝航海し来りて禅を予に問う。因みに先ず此の戒・法衣・応器・座具・宝瓶・拄杖・白払を授く。一物も遺さず授け畢んぬ。
于時大宋淳熙己酉九月望日、懐敞記す。
大宋宝慶元年乙酉九月十八日、前住天童浄和尚示して曰く、仏戒は宗門の大事也。霊山・少林・曹渓・洞山皆嫡嗣に附す。如来より嫡嫡相承して吾に到る。今、弟子日本国僧道元に附法す。伝附既に畢んぬ。今、覚心、心瑜に附す。
時正応三年九月十日、覚心示す。
これは、臨済宗法灯派の心地覚心がその弟子に伝えた『授覚心戒脈』だが、覚心は道元禅師より禅戒の相承を受けたという。そしてその覚心の戒脈に、以上のような文が記載される。ここをみれば、なるほど菩薩戒と仏戒、或いは宗門の一大事と解釈しており、内容は相似している。このことから、曹洞宗と臨済宗の禅戒の理念が同じだとされるのである。
曹洞宗と臨済宗とが相承している禅戒について、その理念が相似していることを指して、洞済一轍という。
禅家室内に仏祖嫡伝する所の十六事條、洞済一轍の禅戒儀なり。いわゆる達磨大師所伝の一乗戒なり。 卍山道白禅師『禅戒訣』
【内容】
特に道元禅師が明全和尚から臨済宗黄竜派の戒脈と、如浄禅師から曹洞宗の戒脈とを相承したため、その両者を並列していたときもあり、現行の『血脈』は、多くそのような形状をしているが、その時、禅戒の理念を記した一文が、以下のように伝わっている。
東林の敞和尚天台に在りし日、維摩室に於いて示して曰く、菩薩戒は宗門の一大事因縁、汝航海し来りて禅を予に問う。因みに先ず此の戒・法衣・応器・座具・宝瓶・拄杖・白払を授く。一物も遺さず授け畢んぬ。
于時大宋淳熙己酉九月望日、懐敞記す。
大宋宝慶元年乙酉九月十八日、前住天童浄和尚示して曰く、仏戒は宗門の大事也。霊山・少林・曹渓・洞山皆嫡嗣に附す。如来より嫡嫡相承して吾に到る。今、弟子日本国僧道元に附法す。伝附既に畢んぬ。今、覚心、心瑜に附す。
時正応三年九月十日、覚心示す。
これは、臨済宗法灯派の心地覚心がその弟子に伝えた『授覚心戒脈』だが、覚心は道元禅師より禅戒の相承を受けたという。そしてその覚心の戒脈に、以上のような文が記載される。ここをみれば、なるほど菩薩戒と仏戒、或いは宗門の一大事と解釈しており、内容は相似している。このことから、曹洞宗と臨済宗の禅戒の理念が同じだとされるのである。
師、説戒すること三日、因みに曰く、血脈の下段、両様の知るべきあり。汝等意を注いで記取せよ。虚庵、栄西に示すときは、則ち曰く、菩薩戒は禅門の一大事因縁なりと。天童、永平に示すときは、則ち曰く、仏戒は宗門の一大事因縁なりと。彼は菩薩戒といい、禅門という。此は仏戒といい、宗門という。同一の戒なりと雖も、亦挙する所、異なるのみ。 『見聞宝永記』
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