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【定義】

天性融石が著した仏祖の史伝。全1巻、応永6年(1399)に成立。撰者の自筆本とされる写本が、福井県永福庵にて所蔵される。現在は『続曹洞宗全書』「寺誌?史伝?」巻にて見ることが可能。

【内容】

筆者の天性については、大分県泉福寺?や福岡県明光寺等で住職などを務めたこと以外は、詳しいことは分からない。自らを「永平九代伝法沙門天性」とし、無着妙融系統である。

本書は、過去七仏から、西天二十八祖東土二十三祖、そして日本では初祖道元禅師・二祖懐弉禅師・三祖義介禅師・四祖瑩山禅師・五祖峨山禅師・六祖無外?円昭禅師・七祖無着?妙融禅師と、大分泉福寺?の系統に至るまでの列祖について、主にその大悟機縁を記すものである。具に見ていけば、釈迦牟尼仏から懐弉禅師に至る一仏五十二祖の部分は、瑩山禅師提唱伝光録』の本則部分にほぼ相当し、それを受けて編纂されたことは明らかである。その意味では、『伝光録』の影響を受けた文献で最古のものの1つといえる。

ただし、『伝光録』は漢字仮名混じり文だが、『仏祖正伝記』は漢文体である。冒頭には、筆者天性の「序」があり、仏祖の伝灯の意義を高らかに謳いあげるが、本書を書いた動機や経緯については不明である。

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