「女王様とお呼び!」
よく聞く決め台詞が部屋に響く。声の主はリョーコ。で、例によってセイジは
またまたリョーコに縛られている。毎度の事とはいえ何故こんな事になったのか。

それは前の晩のこと−
照明がいくつかともった薄暗い部屋の中でセイジともう一人の男がジャンケンをしている。
「「ジャンケン、ポン!!」」
二人の気合のこもった掛け声が上がる。その結果、セイジが勝った。
「へへへ、じゃ遠慮なく」
しまりのない笑いを浮かべながらセイジはステージの上にあがった。ステージの上には全裸の女が一人。
そう、ここはストリップ劇場であり、先程のジャンケンは本番ショーの権利を賭けていたのである。
セイジはダンサーに五千円を渡すと、ズボンを脱ぎ捨てた。既にペニスは固くなっている。
「兄ちゃん、元気じゃねえか」
「すぐイクんじゃねえぞ」
と観客席から下品な声が掛かる。
「よろしく、お兄さん」
そういうとステージ上のダンサーが口でセイジのペニスにコンドームを装着し、四つん這いに
なって挿入を促した。セイジは遠慮なく一気にペニスを恥部に挿入した。

「あっ、あっ、あああ!」
ダンサーの喘ぎ声が館内に響く。それと共に観客席から歓声と口笛が聞こえてくる。
セイジは両手で尻を掴み腰を前後に動かす。クチュ、クチュと粘膜のこすれる音がする。
「ああっ、いいっ、こんなの初めて!」
ダンサーが大げさとも言える声を響かせる。その声を聞いてさらにセイジの興奮が
高まってきて、さらに動きが激しくなる。粘膜のこすれる音と共に恥部からは透明な液体が
滴り落ちてくる。でも、それは愛液ではなく、事前に塗っておいたローションだろうが。
「こらー、もっと腰振れ」
「手がお留守になってるぞ」
などの野次が飛び交う。
「あああ、顔が、顔が熱いのぉ!」
ダンサーが顔を赤くして声を上げる。ただ、ここまでくると演技であるのは明らかだが、
逆にこの位の演技をしなくてはショーは盛り上がらない。
「ああっ、そろそろ…」
セイジの絶頂が近づいてきた。
「私も、いっちゃうわ、きて!」
「ううう、おうっ、おうっ…」
セイジは腰の動きを早めてダンサーを突き上げると、一気にコンドームの中に発射した。

「お兄さん、気持ちよかったわよ」
「へへへ…どうもいたしまして」

「兄ちゃん、気持ちよかったか!?」
「ちょっと早くないか!?」
などの野次も意に介さずセイジは締まりの無い顔をしながらダンサーに会釈をし、
ステージから降りてズボンを穿く。すると一転、セイジの顔から血の気が一気に引いた。
ズボンの中に入れていた財布が無いのである。ステージ上で本番ショーを満喫している
間にすられたのだ。
仕方が無いのでセイジはその足で警察に行き、財布を道で落とした事にして届けた。
まさか、本番ショーの最中にすられたとは言えない。そして、給料日までの間、リョーコに
金を借りる事にしたのである。当然、本当の事はリョーコには内緒である。もちろんそれは
リョーコの慰み物になる事を意味するのであるが、背に腹は変えられない。これが事の顛末である。



リョーコがセイジに馬乗りになり、遠慮なく鞭で叩きながら言った。
「アンタはどうしようもない奴隷だよ!」
全くその通りである。


おかしな二人 第四話 ショート寸前

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