セイジの部屋−
独身男の部屋らしく、掃除なんぞ滅多にしないので中はほこりだらけで陰毛なんかも
結構落ちている。リョーコがここ最近、セイジの部屋ではなく自分の部屋に呼び出して
いるのはやはりこんな汚い部屋ではプレーをしたくないからであろう。



ある日の日中−
ピンポーン
セイジが部屋にいるとチャイムが鳴った。セイジは玄関に迎えに行く。
「ああ、よく来たね。さあ、入って」
「サキでーす。今日はよろしくお願いします」
サキと名乗ったこの女はデリヘルの女である。セイジは懲りもせず違う女に
手を出しているのである。リョーコにバレたら只では済まないというのに。でもセイジに言わせると
SMプレーばかりでは嫌だから違うプレーで楽しみたいらそうだ。
全くリョーコが悪いのか、セイジが悪いのか。
女は服を脱いで下着姿になると、
「サキ、只今入りましたー」
携帯で事務所に連絡を入れ、下着も脱いで全裸になるとシャワーを借りた。
セイジも服を全部脱ぎシャワールームに入り一緒に浴びる。中でたわいのない会話と共に
ちょっとしたお触りなどもしながらシャワーを済ませた。そしてベッドに行き、セイジは女を
仰向けにし、上から覆いかぶさり唇を重ね口の中に舌を入れた。そしてうなじ、乳房、乳首、
腋、臍、下腹部へと進み、恥部を舐め回す。
「はあ、あああ…」
女が甘い声を漏らす。セイジが舐め回すたびに恥部から愛液が湧き出てくる。すると、
「…指、入れてもいいよ」
女がそう言ったのでセイジは遠慮なく恥部に人差し指を入れた。クチュ、クチュと
いやらしい音が部屋に響く。
「ああん、もっと突いて…」
さらに中指も入れて激しく突く。クチュ、クチュと部屋に濡れた音がなおも響く。
「あっ、ああっ…ああああ!」
女が一際大きな声を上げると恥部からは大量の潮が噴き出し、シーツに透明のシミを作った。
どうやら濡れやすい体質らしい。

「気持ちよかった…あ、ごめんね、ベッド濡らしちゃった…」
女が気にすると、
「いいよ、気にしなくても」
「…じゃ、仰向けになって」
今度は女がセイジを仰向けにし、セイジの全身に舌を這わせた。
そしてペニスに到達し、口で包み込むとセイジの身体に電気が走った。
女の舌使いはプロらしくさすがに上手で、このままでは早々と暴発してしまいそうだ。
これはたまらん、といった様子でセイジは女の頭を抑えて制すると、
「じゃ、素股でいかせてあげる」
女はセイジにまたがり、股間にこすりつけると思いきや、そのままペニスを自分の中に入れた。
(ああ、気持ちいい…って、こ、これは本番じゃないのか!?)
セイジが戸惑っていると、
「…ふふっ、これが私の素股よ」
そういうと女は腰の動きを激しくした。セイジは少しでも長く粘膜の擦れあう感触を味わおうと
イクのを我慢するが、間もなく限界を迎えた。
「おおっ、そろそろ出そうだ、あおぅ…」
「ああっ、中に出して…!」
セイジはたまらず女の中に大量の精液を女の子宮の奥に放出した。降って湧いたような幸運な
快楽の余韻をしばし楽しんだ後、再び二人でシャワーを浴びた。ちょうど身体を拭いている時に
女の携帯が鳴った。どうやら事務所から時間が来た事を知らせてきたようだ。
「サキ、只今上がりまーす」
そして女は帰り支度を整え玄関で帰り際に軽く唇にキスをすると、
「また、指名してねー」
そういって女は出て行った。セイジは首を縦にブンブン振りながら女を見送った。


その日の夜−
またもやリョーコの部屋に呼び出しを食らうマサヒコ。嫌な予感はするのだが、
有無を言わせない口調なので断れない。
「おう、マサヒコよく来たな。まあ、一杯やんな」
「オレ、未成年なんですけど…」
「いいから!固いこと言うなよ」
言われるままに酒が注がれたコップを受け取るマサヒコ。しかし、それには口をつけずリョーコの様子をうかがった。
リョーコは何か話しかけるわけでもなく、黙々と酒をあおっている。それなら別にマサヒコを呼ぶ必要など
無いはずだが、単に独りで飲むのが嫌だったのか。

しばらくすると玄関でガチャという音がして、セイジが部屋に入ってきた。すると、マサヒコと目が合った。
卒業式以来、久々の対面である。
「お邪魔しています」
「お、小久保じゃないか。おいリョーコ、未成年に酒なんか飲ますなよ」
「…ちょっとアンタに聞きたいことが有るんだけど」
セイジの言葉には応えず、トーンの低い声でセイジの顔を見据えた。
「これ、一体なんだ?」
そういうとリョーコは一本の髪の毛を取り出した。やや茶色く染まってある。したがってロングの黒髪の
リョーコのものでは無い事がわかる。
「さあな、オレのじゃないぞ」
セイジはしらばっくれている。さらにリョーコはセイジを寝室に連れて行くと、
「じゃあ、これは何なんだ!?」
語気を荒げてリョーコがベッドの掛け布団をめくると、シーツが濡れていた。
もうお分かりであろう。あろうことかセイジは自分の汚い部屋に女を呼ぶのが嫌だったので
リョーコの留守の間にリョーコの部屋を使っていたのである。こうなったらもう修羅場になるのは確実である。
「お、俺、これで失礼します」
危機を察知したマサヒコは素早く外に出た。
「じゃ、じゃあな、リョーコ」
とマサヒコに続いてセイジも出ようとすると、
「おっと、アンタはまだ帰さないわよ」
とリョーコに髪の毛をつかまれた。ズン、ズンと一歩ずつ、確実に部屋の中に引き戻される。痛い、痛い、
というセイジを強引に部屋に引き込むとリョーコは、
「マサ、気をつけて帰れよ」
と言ってドアを閉め、鍵を掛けた。
この様子を見た時、マサヒコの頭の中にはジョーズのテーマ曲が確かに流れた。
その後、セイジがどんな目に合ったかは分からない。ただ、セイジがようやく解放されたころには
部屋の中には毛根から抜けている髪の毛が二、三十本散乱していたとだけ言っておこう。

セイジの部屋では、
「…シホ、カルナ、ユーリ…」
とつぶやきながらトリプルブッキングのポスターを布団の横に敷いて寝ている
セイジの姿があった。トリプルブッキングのCDを聞きながら全くめげる様子もない。

一方リョーコは、
(クソッ、セイジの奴…)
とふて腐れながら毛布にくるまり、ソファーで寝ていた。見ず知らずの女の愛液で
びしょびしょになったベッドの上でなど寝られるわけがないからである。


第四話 おわり

おかしな二人 第五話 負けるもんか

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