裁判で負けても金払う気まるでなし

私本 西村博之伝』目次へ
前のページへ

2種類の人間がいる。

交通違反の切符を切られたとき

 あ〜またやっちゃた。警察署行って罰金払わなきゃ(T_T)

と嘆く人間と。

 さて、今度はどうやってもみ消すかな

と悪知恵を巡らせる人間である。
 
そして、学生時代に西村が最初につくったHPは「交通違反のもみ消し方」であった。

「2ちゃんねる宣言」(文藝春秋社、井上トシユキ著)でのインタビューで西村はこう述べている。
「だって、金払うの嫌だもん。だって、一時停止したくねぇもんとか。それで、やってみると、おっ通るじゃーんって(笑)なんだ、俺、いいんじゃんっていう」

これが西村の根幹をなす人生哲学である。

さて、最初の損害賠償の判決が下りたころのこと、西村はとあるサイト(現在は消滅)でのインタビューでこんなことをのたまわっていた。

>うーん、でも困るっていっても、日本において民事裁判で何かあっても、
>金取られる以外は何も発生しないんですよ。
>だから、いくらがんばっても、金とる以外できないんですよ。
>お金とるっていっても、生活基準以上のお金はとることができないんですよ。
>だから、僕が生活のためにお金を稼ぐ分には何も変わらなくて。
>借金がいくらあっても。
>  
>yb<取り立てられても?

>取り立てられても生活費以上はもってけない。
>それに、不法行為の損害賠償って7年が時効なんですよ。
>7年たてばそれでゼロ。
>だから32歳になったから、借金なくなったしまた別のことするか、って。

またこの男は世の中を舐めくさったことを言って〜。
金がないから払えないで済まそうだなんて、なに言ってんだか。現に2ちゃんねるは●(2ちゃんねるビューア)で有料サービスをしているし、バナー広告(月額150万円〜30万円)だってベタベタ貼ってるし、出版物からロイヤリティーを取ってもいる。こういった諸々の収益が損害賠償にどんどん取られて、やがて金が回らなくなってサーバ代が払えなくなって2ちゃんねるは潰れるのさ。

西村も所詮は若僧だな。まったく甘いとしか言いようが、おおかた強がりを言っているだけだろ…あれ??ちょっと持てよ…これは…動物病院裁判の被告の定義は・・・

>被告は,インターネット上で閲覧可能な電子掲示板である本件掲示板を設置・運営し,
>そのシステムを管理している者である。
◆H14. 6.26 東京地方裁判所 平成13年(ワ)第15125号 損害賠償等請求事件
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/2075F93E3210745...

判決文を見たところ、被告って西村博之“だけ”しかいないよね…他に誰も訴えられていないよね…6億円D*C裁判も確かそのはず。他の裁判もそうなんだろうね…これはもしや
…あーして、こうーして、こうなるから…こーゆー風に言われた、こう言い返せばいいんだよな…ありゃゃ!?

しまった!!そーゆーカラクリだったのか!!!!!!

ひでー!こんなことが世の中でまかり通っていいのかよ!!!!!

このままでは原告たちは裁判に勝っても損害賠償をまったく取れないし、それどころか、2ちゃんねるの金の流れに彼らは指一本触れることもできません。2ちゃんねるは何も変わりません。

西村が裁判に負けまくった結果、いったい何が起こるであろうか予測してみよう。

1.西村博之という一青年が数億円の「不法行為による損害賠償」(時効は7年)という負債を抱える。しかし、彼は生活水準なる最低限度の所得分しか働こうとしない、労働意欲と向上心に著しく欠けた貧乏人であり、もちろん、資産価値のある動産・不動産は全く所有していない。
よって原告たちは幾ら激しく取立てをしても、(それが合法手段である限り)西村博之なる素寒貧から負債を回収すること極めて困難である。

2.裁判所命令により、2ちゃんねるから幾つかのカキコが「あぼーん」される。しかし、それらはゴミのように書き捨てられた便所の落書きであり、削除されたとしても別にどうでもいいものである。少なくとも2ちゃんねるの運営陣は誰も腹も痛まない。

3.2ちゃんねるは●(2ちゃんねるビューア)、バナー広告、出版物からロイヤリティーその他の収益を夜勤氏の会社のサーバ代に充てて変わりなく運営される。管理人の西村が裁判に負けて多額の負債を抱えたが、それは2ちゃんねるの金の流れとは何の関係も無いことであった。

結論 民事裁判では仮に全部満額で負けまくっても2ちゃんねるは潰せない。

Why? だって、だって、ひろゆきさんって2ちゃんねるの管理人でしょ?いちばん偉いひとなんでしょ?そのひろゆきさんが2ちゃんねるに関する裁判に負けて多額の負債を抱えたら、運営資金(主にサーバ代)が払えなくなって2ちゃんねるは潰れないの?
(Aさんの(12歳)の質問)

そうですね。わたしも単純にさっきまでそう考えていたんですよ。
簡単に言うと、2ちゃんねるの管理人西村博之という個人と2ちゃんねるを運営する金の流れは分離されているんです。これは間違いないです。だから、西村博之個人が何億円負債を抱えても2ちゃんねるの金の流れには手を突っ込めないんです。

まず、●(2ちゃんねるビューア)、これはN社という米国の会社によって運営されているサービスです。この売上はおそらく西村個人をいちいち介さずにサーバ代に直結していると考えられます。

バナー広告(月額150万円〜30万円)、これは西村が社長をしている東京アクセスで運営されています。

重要なこと。一連の裁判で被告となっているのは2ちゃんねるの管理人・西村博之という個人です。2ちゃんねるの心臓部であるサーバを動かす動脈である金の流れを司っている東京アクセスはもちろん、米国のN社や札幌のサーバ屋の夜勤さんの会社は裁判とは関係ないのです。よって、これらの会社(法人格)の動産・不動産に裁判の原告たちは手をつけることはできません。

西村は東京アクセスの代表だけど、西村と東京アクセスはあくまでも法的には“別人”なんですよ。だから、西村個人の負債を東京アクセスが払う義務も理由も無いです。だって、東京アクセスは訴えられていないもん。まして、N社や札幌の夜勤の会社は…
原告たちが手をつけられるのは、西村個人が所有する動産不動産だけなのです。

しかしそれは…

わたし(筆者)は過去に西村と何度かお会いしてお話しをする機会がありました。その印象から言います。

「この人は金持ってなさそうだな〜」

この人からは差し押さえるべき動産不動産はほとんど全くないでしょう。家もないし、車もないし、土地も持ってないし…
こういう人物には民事裁判で訴えて何億円負債をかぶせても、何の打撃にもならないのです。
実際に払う意思の無い資産を持たない低所得者から民事裁判で勝ち取った損害賠償を回収するは困難を極めると言います。今回はこのケースに見事にはまりますね。日本では損害賠償を払わなくても刑務所には送られませんし。

おそらく原告たちは2ちゃんねるの管理人・西村博之がこんな非常識な男とは想像もせずに社会通念に従って彼を訴えた筈です。これは原告も弁護士も責めることはできません。

普通の人は400万円とか損害賠償をくらったらうゎーこれから返済しないとならないのか、給与を差し押さえられて天引きされるよ、厳しいな〜とビビリます。7億円もくらったら人生お先真っ暗です。家も預金も車も何もかも取られて家族を抱えて路頭に迷ってしまいます。首くくるしかないです。

普通の人なら困りまくります。しかし、西村博之は何億円「不法行為による損害賠償」(時効7年)を抱えてもあまり困らないし、生活実態もそれほど変化しない人なのです。

ほんとうにひどい話しです。

しかも、口惜しいことにこのままでは2ちゃんねるを動かす数百万円だか数千万円だか数億円だかの金の流れには手を突っ込むことができないのです。何度も言うように、そこを扱っている法人は被告ではないから。

でも、2ちゃんねるの管理人・西村博之って何者なんでしょう?ひょっとしたら、「管理人」って削除人のいちばん偉い人という意味で、板の設置と廃止の権限をもち、それにシステム管理の責任者というだけの人かもしれませんね。

そもそも「2ちゃんねる」ってなんなんでしょう?その実態は非常にあやふやで謎につつまれています。そこが実にやっかいなんです。

事業化と法人化による健全運営という「9.1路線」で提唱した「2ちゃんねる」の法人化を行わなず、「2ちゃんねる」の実態をあやふやにしている理由がここにあります。法人化したら法人としての「2ちゃんねる」が告訴の対象になってしまいます。しかし、「2ちゃんねる」は法人ではありません。人格のないものは訴えられないから、2ちゃんねるに侵害された人たちは勢い「管理人」なる西村博之という個人を訴えてしまいます。訴状送付先の住所が明記されていたのだから普通そうしますね。それが巧妙に仕掛けられたトラップだったのです。

2ちゃんねるに向けられたクレームも損害賠償も西村個人にブラックホールのように吸収されて「金なら返せん!天の巻」 「総裁は何もしない」(by大川豊総裁)と言われて闇に消えて分解され消滅してしまいます。

とにかく、ひどい話しもあったものです。

      • ところが、西村はこのわたしの想定をも凌駕する。もっとひどい男だった。


次のページへ


============
この作品は実話を元にしたフィクションであり、実在の人物、団体、インターネットサイトとは関係ありません。
ここに書かれている内容は、実際とは異なる場合がかなり多いでしょう。
============
2008年03月22日(土) 05:54:41 Modified by battlewatcher




スマートフォン版で見る