タグ検索で短編連作29件見つかりました。

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Re:負け犬達のガールズトーク+α

「結婚式が上手く行った事を祝って!」 「「「カンパーイッ!」」」  春希と雪菜の結婚式翌日。負け犬達は今日も今日とて集まって無為な話を花咲かせようとしていた。  何故、当日じゃなかったかって? 麻理の仕事が終わらなかったという単純な理由だ。時間が間に合わない事を察した麻理は次の日の分まで即断で手を付けて、翌日を開けた結果、こうなった。 「ングングング、プッハーっ!」 「麻理、おっさん臭い」 「いいじゃない。今日ぐらいというか。あんたたちの前ぐらい」 「まぁ、別にいいけどな」  一人グラスを一気に飲…

https://seesaawiki.jp/white_album2_ss/d/Re%3a%c9%e... - 2014年10月11日更新

小春日和

 夜の街。仕事が終わり、帰路に着く人達もすでに帰宅し終えた時間。夜の街に繰り出した者達はほろ酔い加減にすでになっている時間。そんな中でもそこは煌々と明かりを洩らしていた。  飛び交う言葉、鳴り止まない電話、止まる事をしらないタイプ音。本日も開桜社は休むことを知らないのか、喧騒が響いている。 「お〜い、杉浦、頼んでおいたレイアウト、出来たか?」 「万端です。メールできちんと送りましたので確認の程、お願いします。後、集計の方も仕上がってます。浜田さん、折角先輩がマクロ作ってくれたんですから使いこなす事をいい…

https://seesaawiki.jp/white_album2_ss/d/%be%ae%bd%... - 2012年03月24日更新

夢現(ゆめうつつ)2

大学の夏休みが終わった。 最近まで学校が休みだったため、春希はたくさん開桜社のバイトに出ることができたので、3ヶ月もしないうちに一般社員と変わらないほ どの仕事っぷりを発揮していた。 その成果の要因は、直属の上司があの、無茶な仕事を押し付ける、風岡麻理なのも理由の一つだった。 春希にとって憧れの職業である、雑誌編集者。 麻理の指導は厳しいが、春希は仕事が楽しくて仕方がなかった。 「お〜い北原!今鈴木さんと一緒なんだけど北原も一緒に休憩しようぜ!麻理さんは今取材中でいないんだろ?」 新入社…

https://seesaawiki.jp/white_album2_ss/d/%cc%b4%b8%... - 2014年07月13日更新

夢現(ゆめうつつ)1

夢現(ゆめうつつ)1 ------------------------ 初夏春の日差しが降り注ぐ冬馬邸に、美味しそうな朝食が用意されていた。 洗い物を済ませた春希は水道の蛇口を閉めるとかずさの寝室へと向かった。 「朝ごはん出来たぞ。そろそろ起きないと遅刻するぞかずさ。」 「………すぅ……。」 かずさは一向に起きる気配がなく気持ちよさそうに眠っていた。 毎日、毎晩、毎朝、何度見ても春希はかずさの寝顔を見るたびに顔がほころんでしまう。 優しく頭を撫でると、春希はかずさの耳元で囁いた。 「今日…

https://seesaawiki.jp/white_album2_ss/d/%cc%b4%b8%... - 2014年05月30日更新

five years after that time~あれから五年~ √S-下

[[:Tags:短編連作]][[:Tags:ほのぼの]]  ……数日後。 「……ふうっ」 「……はあぁ」  ゆっくりとベッドに沈み込む二つの裸体。充実した満足感を全身に漲らせた様子だ。 「……ありがとね春希くん。疲れてるのに」 「いや、俺も気持ちよかったし。でもさすがに間隔狭くないか、今回は?」 「いいじゃない。間隔が開くよりは」 「まあ、な。今の俺たちのルールだもんな」 「そうだよ。一週間ルールは絶対なんだよ」  春希と雪菜が結婚して数年。どういう訳か一週間ルールは未だに存在している。しかし、か…

https://seesaawiki.jp/white_album2_ss/d/five%20yea... - 2012年12月09日更新

five years after that time~あれから五年~ √S-中

[[:Tags:短編連作]][[:Tags:ほのぼの]]  ……冬馬曜子の葬儀は、厳密には行われなかった。  曜子の病気自体が世間に知れ当たっていた訳ではなかったうえに、残された娘への配慮も考慮していたようで、曜子の腹心的存在の工藤美代子に対して生前から言い残していたらしい。『自分の死に関しては公にしないように』と。  実際、葬儀の段取りともなると、本来は娘であるかずさが中心になって行うべきことなのだが、人と接すること自体苦手なかずさにできることではないのは誰の目から見ても明らかだし、ましてや喪主の立場に…

https://seesaawiki.jp/white_album2_ss/d/five%20yea... - 2012年11月17日更新

five years after that time~あれから五年~ √S-上

[[:Tags:短編連作]][[:Tags:ほのぼの]] 「……そうか、いよいよお前たちもか」 「ああ、そういうことだ」  北原春希の向かいの席で、飯塚武也が頷いた。そして横には十年以上の腐れ縁ともいえる存在である、水沢依緒。 「あれからあたしたちも色々あったけどさ、自分たちを見詰め直して二人で話し合ったんだよ」 「で、やっぱり俺たち何だかんだで今までこうしてやってこれたんだし」 「で、そのことをあんたたちに言いたくてね」 「俺たち……結婚することにした」  はっきりと春希の目を見据えて二人が報告す…

https://seesaawiki.jp/white_album2_ss/d/five%20yea... - 2012年11月03日更新

five years after that time~あれから五年~ √K-下

[[:Tags:短編連作]][[:Tags:ダーク]] 「お帰りなさい」 「……どうも」 「旧交を温め直すことは……できなかったようね」 「……すみません。せっかく気を遣っていただいたのに」 「気にしないで。わたしも無理言っちゃったって思ってるんだし」  あれから俺は、真っ直ぐ冬馬邸へ足を運んだ。もうこれ以上、どこかへ行こうという気持ちはなかったから。早く、今の俺を受け入れてくれる場所に帰りたかった。 「春希君、あなたたちは、どんな風に始まったの?」  曜子さんが唐突に聞き出した。俺はいきな…

https://seesaawiki.jp/white_album2_ss/d/five%20yea... - 2012年09月08日更新

five years after that time~あれから五年~ √K-中

[[:Tags:短編連作]][[:Tags:ダーク]] 「……ほらよ」 「サンキュ」  ……小木曽家を引き上げ、俺と武也は曜子さんと別れた後に武也のアパートにいた。俺としては曜子さんの具合もあったので共に引き上げるつもりだったが、『久しぶりに話でもしてきなさい』と気を利かせた曜子さんの提案を無下にもできず、こうして武也と共に来たのだった。  しかし、部屋に入ってからずっと、武也は一言も発しない。ただ黙ってペットボトルに口を付けているだけだった。  そんな沈黙に居たたまれなくなって、俺の方から口を開いた。…

https://seesaawiki.jp/white_album2_ss/d/five%20yea... - 2012年09月08日更新

five years after that time~あれから五年~ √K-上

[[:Tags:短編連作]][[:Tags:ダーク]] 『冬馬かずさ、急死  2月14日、ピアニストの冬馬かずさ(28)が現在活動拠点としているウィーンの病院で亡くなった。  1月末に行われた野外コンサート期間中に演奏を行ったことで体調を崩し、その後の活動の強行で肺炎を引き起こし、入院時には既に手術や投薬治療も間に合わない程弱っていたという。  彼女の所属する冬馬曜子オフィスでは、故人の葬儀をウィーンで行った後、遺骨を日本に送り、社長である故人の母冬馬曜子が引き取る流れになっているという。  冬馬かずさ…

https://seesaawiki.jp/white_album2_ss/d/five%20yea... - 2012年09月08日更新

彼と彼女の週末 後編

「おお、エアフォースの新作だ。・・・思ってたより軽いな」  依緒はシューズを片手にふむ、と頷く。シューズ全般を扱う総合ショップには大学生だけでなく、家族連れも多くそこかしこで店員が対応に追われている。 「けどこれ涼しいかな。なあ、春希はどう思う?」 「・・・どう思うも何も、依緒がいいと思ったものがいいんじゃないのか?」  一方の春希は人の多さに中てられているのか曖昧に返事をする。 「ぶっぶー、0点だ。良いとも悪いとも言わないのはNGだぞ、春希」 「だって依緒はいつも買った靴を最後には履き潰すだろ。どんなも…

https://seesaawiki.jp/white_album2_ss/d/%c8%e0%a4%... - 2012年09月03日更新

彼と彼女の週末 前編

 彼と彼女の週末  前編 「よ、相変わらず不景気そうな顔してるな、春希」  水沢依緒は軽い口調で悪びれもなく青年、北原春希に話し掛けた。春希は講義ノートを閉じながら息を吐く。 「言葉の通り世の中不景気なんだ。政経はそれを学ぶ学部だろ?」 「政経捨てた文学部がよく言う。少しはロマンチックな思考を身に付けたらどうなんだ?」  そんなことを言いながら依緒は週末の講義を終えた学生達の顔を眺める。どの顔も学生らしい気楽さと気だるさと開放感に満ちている。 「偏見だな。そんな子供じみた夢なんてないのを学ぶのが文学部…

https://seesaawiki.jp/white_album2_ss/d/%c8%e0%a4%... - 2012年08月29日更新

Bloody Cross ~SETSUNA side~

[[:Tags:雪菜]][[:Tags:短編連作]] 『話があるんだ。  どうしても言わなくちゃならない、大事な……』  やめて。  嫌だよ、そんな……。  言わないで。お願いだから……。 『俺……もう雪菜とは、一緒に歩いていけない』  どうして?どうしてなの?  わたし、何かあなたに嫌われるようなことを……。  わたしは、何をすればよかったの? 『どうも……しなくていい。  雪菜は、間違ってない。  悪いところなんかひとつもない』  じゃあ、どうすればいいの?  どうすれば、あなたは、戻ってき…

https://seesaawiki.jp/white_album2_ss/d/Bloody%20C... - 2012年05月24日更新

Bloody Cross ~YOKO side~

[[:Tags:短編連作]] 「社長……本当によろしかったんですか?」  空港から帰る道すがら、車の中。  美代ちゃんが唐突に問い詰めてくる。 「……なにが?」 「本当に、これでよろしかったんでしょうか?」 「あの娘が決めたことだもの。ならいいんじゃない」 「でも、でもぉ……」 「分かってる。美代ちゃんが何を言いたいのかは」 「社長のご病気もあるのに、結局ウィーンに戻ってしまって……」 「今のあの娘が求めている人は、少なくともわたしじゃないもの」  そう、娘は行ってしまった。わたしの願いも虚しく。 …

https://seesaawiki.jp/white_album2_ss/d/Bloody%20C... - 2012年05月24日更新

Bloody Cross ~MARI side~

[[:Tags:麻理]][[:Tags:短編連作]] 「……なんだって?」  正直、耳を疑った。  まさか、そんなことになっていたなんて。 『前年度いっぱいでしたからもう……ひと月くらいになりますか?』 「鈴木、本当なのか?その……北原が、辞めたって」  あいつが……開桜社を退社していたなんて。  あれほど熱心に打ち込んでいたのに。見所があると思っていたのに。 「でも、どうして?どうして辞めたんだ北原のやつ」 『わたしにだって分かりませんよ。浜田さんも困惑してましたし』 『どういうことだ…

https://seesaawiki.jp/white_album2_ss/d/Bloody%20C... - 2012年05月20日更新

Bloody Cross ~CHIAKI side~

[[:Tags:千晶]][[:Tags:短編連作]] 西村和希(以降:和希)『ごめん……俺は、榛名が好きなんだ』 初芝雪音(以降:雪音)『そうなんだ……』 和希『驚かないんだな……』 雪音『榛名が帰ってきてから、和希くん、様子が変だったから』 和希『そうか……ばれてたか』 雪音『ねえ……わたし、なにが悪かったの?』 和希『雪音は悪くない。悪いのは全部俺だ』 雪音『やだよ。行かないでよ和希くん』 和希『ごめん……行くよ、俺』 雪音『待って……待ってよ和希くん!』 「……ふうっ」  一つ息を吐き、…

https://seesaawiki.jp/white_album2_ss/d/Bloody%20C... - 2012年05月19日更新

Bloody Cross ~KOHARU side~

[[:Tags:小春]][[:Tags:短編連作]] 「え……なによそれ?」  ……北原先輩が、小木曽先輩との婚約を、破棄した……。  ……わたしは耳を疑った。今の小木曽の言葉に。 「冗談でこんなこと言えるかよ。今でも腸煮えくり返ってるってのに」 「そんな。だって、ありえないでしょ!」 「じゃあ、姉ちゃんに直接聞くか?できるってんならな」  でも、普段からおちゃらけてばかりいるお調子者の小木曽が、珍しく真剣に怒りを露わにしている。  それを見ると、いよいよ真実なんだと理解せざるを得ない。 「でも小…

https://seesaawiki.jp/white_album2_ss/d/Bloody%20C... - 2012年05月18日更新

Bloody Cross ~KAZUSA side~

[:Tags:かずさ]][[:Tags:短編連作]] 『お前がこんなにも駄目な奴だから、どうしようもない奴だから……』  ……そんなの、分かってる。  誰に言われるでもなく。  自分が一番分かってるよ。 『だから…………俺がなんとかするしかないだろ?』  ……だから、分からなかったよ。  お前がそんなこと言いだした時に。  お前が何を考えてたかなんて。 『お前が幸せになるために……いや、お前が生きていくために、俺が必要だって言うのなら……』 『俺は、お前の側にいる。……たとえ、全てを捨てることにな…

https://seesaawiki.jp/white_album2_ss/d/Bloody%20C... - 2012年05月16日更新

Bloody Cross ~HARUKI side~

[[:Tags:春希]][[:Tags:短編連作]] 『あなたが迷ってるって。  他のひとのことを考えてるって。  ……かずさを、想ってるって』  そうだった。  これだけは、五年間、決して変わらずに……。  決して、色褪せずに……。 『ねぇ、春希くん……わたし、どうすればよかったのかなぁ……っ?』  どうしようも、なかったんだよ。  だって、俺の問題だから。  俺が、あいつを忘れられなかっただけなんだ……。 『なんで……どうしてなの?  わたしがいたら駄目なの?  三人で一緒に……いられないの……

https://seesaawiki.jp/white_album2_ss/d/Bloody%20C... - 2012年05月13日更新

外伝 作詞家北原春希誕生の軌跡

「春希君。お願い!」  珍しく、本当に珍しく雪菜が春希に向かって拝み倒すという形を取っていた。  今までこれ程までに真剣にお願いされたことがあっただろうか? 結婚の時も春希の方からした。許しあう時は二人で一緒に行った。  それを考えると雪菜から一方的に拝み倒されて懇願されるというのは初めての事ではないだろうか。  男なら誰しもが間髪入れずに、内容すら聞かずにYesと答える事だろう。だが、お願いされている春希はとても渋い顔をしていた。 「お願いします、春希君!」 「ダメだ。俺にはそんな事出来ない」…

https://seesaawiki.jp/white_album2_ss/d/%b3%b0%c5%... - 2012年03月26日更新

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