1999年にSNKが発売した対戦格闘ゲーム『武力 〜BURIKI ONE〜』の情報を扱っています。

投げ技の成否に関わる、パワーバランスゲージと投げ力の関係、投げられにくさランクについて説明します。

パワーバランスゲージとパワーバランス値

パワーバランスゲージ

「パワーバランスゲージ」とは、画面下部の左右に表示されている矢印形のバーです。
プレイヤーキャラクタの重心がどこにあるか、を表します。自他の行動によって前後にスライドします。
左の赤色のバーが1P側、右の青色のバーが2P側のものです。

パワーバランスゲージの長さは選手によって異なり、以下の5段階に分かれています。
ランク長さ選手
ランクA10暁丸、ヒディング
ランクB9ソコロフ、デュガリ
ランクC8凱、ズィルバー
ランクD7リョウ、パヤック、徐竜誠、ロブ・パイソン
ランクE6貴人、宋玄道
「長さ」はゲージ静止時の中央の目盛り(△のマーカー)からゲージ端までの長さです。
単位は画面右下の「CREDITS」の文字1つ分です。便宜上「目盛り」とします。

ゲージが長い選手であるほど、重心を揺さぶられても踏ん張ることができ、投げられにくい、ということを基本的には表しています。
しかしゲージの長さと、後述する「投げられにくさランク」とが必ずしも一致しないことに注意してください。

パワーバランス値

「パワーバランス値」とは、パワーバランスゲージの中身の色のついた部分を指します。自他の行動によって減少し(幅が短くなる)、時間経過で回復します。
パワーバランス値の減少
パワーバランス値が減少するのは、以下の場合があります。
  • 相手に掴み・投げ・関節技をかけられた場合
相手から掴み・投げ・関節技をかけられると、こちらのパワーバランス値が減少します。
減少量は技によって異なります。大きく減少するものもあれば、全く減少しないものもあります。
バランス系崩し(押し・引き)やラッシュ系崩しでも減少します。
関節技におけるパワーバランス値の減少(消費)については 関節技の仕組 で説明します。
  • 自分が関節技をかけた場合
関節技をかけると、自分のパワーバランス値を消費して相手を締め上げることになります。これも 関節技の仕組 で説明します。
  • 一部の打撃技を食らった場合
以下があるようです。(詳細未調査)
    • ヘビー攻撃
    • 打撃系ダウン追い打ち
    • 連続技(打撃ヒットののけぞり中に追撃された場合)
    • ガードクラッシュ?
パワーバランス値の回復
パワーバランス値は時間経過で回復します。
回復速度ですが、「通常の選手」は
約 0.56 (目盛り/sec)
です。目測なので、目安程度に考えてください。
「通常の選手」とは、後述の投げられにくさランクと画面上のゲージの長さが一致する選手です。

以下の状態のときは、パワーバランス値の回復がストップします。おそらく体力やガード耐久値の回復もストップしています。
    • 食らいモーション中
    • バックステップ中
また、以下の状態の時は、掴まれている側だけでなく、掴んでいる側も回復がストップします。
    • ロック中
    • 投げ
    • 関節技

投げ力とパワーバランスゲージ

投げ力

投げ技には「投げ力」とでも呼ぶべきものが設定されています。
投げ力は、投げ技を仕掛けた時に相手の重心を揺さぶる力であり、相手パワーバランスゲージを前後にスライドさせる振れ幅、としてとらえることができます。
投げを仕掛け、相手のパワーバランスゲージをスライドさせた時、中央の目盛りからパワーバランス値の部分が外れた場合に、投げが成功します(レバー入力など、他の条件も満たしている、という前提で)。

投げ力は技ごとに異なります。また同じ名前の投げ技でも、組付き直後に仕掛けた場合より、押し・引きを経てから仕掛けた場合の方が投げ力が強くなるものもあります。
真上・真下に向かって力を加える投げ技もあり、この場合、相手のパワーバランス値が規定値以下だと投げが成功するようです。

パワーバランス値と投げの成否

前述の通り、投げを仕掛けた時に中央の目盛り(△のマーカー)からパワーバランス値の部分が外れた場合や、パワーバランス値が規定値以下になった場合に、投げが成功します。
つまりパワーバランス値が多ければ投げられにくく、少なければ投げられやすくなる、ということです。
パワーバランスゲージが長い(=パワーバランス値の最大量が多い)選手でも、パワーバランス値が減少している時は投げられやすくなります。

パワーバランスゲージの偏り

相手のパワーバランスゲージは、相手自身の行動によっても前後にスライドします。
前進や前方向への攻撃を出した場合は前方へスライドし、後進や後方へのリアクション動作をした場合は後方へスライドします。動作の終了にあわせ、時間経過でゲージは定位置(中央)に戻ります。
相手のパワーバランスゲージが前後に偏った状態でこちらが相手を掴み、投げの成否判定が行われる時点までゲージの偏りが残っていた場合、投げ力とゲージの偏り・パワーバランス値の関係によっては投げが失敗することがあります。
ソコロフで、相手が棒立ち状態ならタックルスロー(押し倒し)が決まるのに、相手が前ステップ中だと失敗してしまうことがあるのはこのためです。
投げ技によって、ゲージの偏りの影響を受けやすいものと受けにくいものがあります。
相手を掴んですぐ投げを仕掛けるタイプのものは影響を受けやすいです。
以下のものはゲージの偏りの影響を受けない(ゲージが定位置に戻ってから投げる)、と思われます。
    • 押し・引きからの投げ
    • ラッシュ系崩しからの投げ
    • ソコロフ :がぶりからの投げ、上下段飛びつき系、バック投げ、背後バック投げ
    • 暁丸   :河津掛け
    • デュガリ :出足払い、山嵐
    • ヒディング:ジャンピングバックドロップ

パワーバランスゲージを無視する投げ技

相手パワーバランスゲージの状況を無視し、問答無用で投げてしまう技もあります。
パワーバランスゲージを無視する、主な技を記載します。
    • 当て身取り技全て
    • 返し技のうち、技分類が「返投」以外のもの
    • 押し・引き、ラッシュ系崩し
    • 凱:リバース
    • 徐竜誠:後ろ回し掛け蹴り
    • 暁丸:さばおり、上〜下段ケンカ張り手
    • デュガリ:各種鬼投げ
    • ヒディング:レイザーズエッジ
    • 貴人:足取り
    • 宋玄道:踏手→転身→捶撃
など

通常の投げや返し投げ(技分類が「返投」のもの)は、パワーバランスゲージを参照するものと無視するものがあります。
どの投げ技が相手のパワーバランスゲージを参照するか無視するかは、技コマンド表の備考に記載しています。

連続投げとパワーバランスゲージ参照

ソコロフは、相手を連続で投げる技を持っています。この連続投げもパワーバランスゲージを参照しています。
実際のところ1段目の投げが成功した時点で相手のパワーバランス値が充分減っているため、連続投げの途中で投げ力が足りずに失敗することはほぼありません。
稀に、相手のバランスゲージが後方に偏っていたときにタックルスローが決まった場合などで、連続投げが失敗することがあります。

投げられにくさランク

パワーバランスゲージの項で「ゲージが長いほど基本的には投げられにくい」と書きました。
ですが、実際に投げ技を仕掛けてみると、ゲージは短いのに意外と耐える相手や、ゲージの長さの割に投げやすい相手がいることがわかります。
画面上のゲージの長さとは別に、「投げられにくさランク」とでも呼ぶべきものがあるようです。

投げられにくさランク

投げの成否を調査した結果から推定した、投げられにくさのランクです。どうも以下の5段階に分かれるようです。
ランク選手投げられにくさ
ランクA暁丸、ヒディング↑ 投げられにくい
ランクBソコロフ、デュガリ
ランクC凱、ズィルバー、貴人
ランクDリョウ、パヤック、宋玄道
ランクE徐竜誠ロブ・パイソン↓ 投げられやすい
太字の選手は、パワーバランスゲージの長さランクと投げられにくさランクが異なります

投げられにくさランクとゲージの長さ

投げられにくさとパワーバランスゲージの長さとが異なる選手は、掴み技をかけられた時のパワーバランス値の画面上の減少量や、時間経過によるパワーバランス値の画面上の回復速度が通常の選手と異なります。

例として、貴人は画面上のゲージ長さは6ですが、掴み技をかけられた時のパワーバランス値の減少量、投げ技をかけられたときのゲージの振れ幅が通常の選手の6/8になっているようで、凱・ズィルバー(ゲージ長さ8)と同程度に投げ技に耐えることができます。
また貴人はパワーバランス値の回復速度も普通の選手の6/8になっています。凱と貴人は、双方パワーバランス値0の状態から回復させると、同時にゲージ最大値(それぞれ8、6)に戻ります。
つまり、貴人は画面上のゲージ長さは6だが、パワーバランス値の増減の割合が通常の選手の6/8であるため
実態としては投げられにくさランクC(ゲージ長さ8)の選手(凱・ズィルバー)と同等になる、ということです。

投げられにくさランクの表で太字にした選手は、画面上のゲージの長さと投げられにくさランクがそれぞれ以下のようになっています。
選手ゲージ長さ投げられにくさ倍率
徐竜誠D(7)E(6相当)7/6
パイソンD(7)E(6相当)7/6
貴人E(6)C(8相当)6/8
宋玄道E(6)D(7相当)6/7

画面上のゲージの長さが、投げ技の成否など試合の勝敗に影響しそうな箇所は、今のところわかっていません。
ゲージの長さが違っていても、投げられにくさランクが同じであれば、各種掴み技に対する挙動は全く同等に見えます。

投げの成否データ

パワーバランスゲージを参照する投げ技について、相手選手がパワーバランス値最大の状態から投げを仕掛けた場合に、投げが成功するかどうかを調べた表です。
天童凱
技名
大外刈り1××××××××××××
ネックスロー1××××××××××××
大外刈り2××××
ネックスロー2××××
タックルスロー×××××××
バックタックルスロー××
バックスロー××××
パヤック・シピタック
技名
ゴッ・コー・ティー・カウ×0
→カウ・ロイ・フィニッシュ
××××××××××
ゴッ・コー・ティー・カウ×1
→カウ・ロイ・フィニッシュ
××××××××××
ゴッ・コー・ティー・カウ×2
→カウ・ロイ・フィニッシュ
×××××××
ゴッ・コー・ティー・カウ×3
→カウ・ロイ・フィニッシュ
××××
ゴッ・コー・ティー・カウ×4
→カウ・ロイ・フィニッシュ
××
ゴッ・コー・ティー・カウ×5
→カウ・ロイ・フィニッシュ
イワン・ソコロフ
技名
引き落とし××××××××××××
がぶり返し××
タックルスロー×××××××
バック投げ××××
変形タックルスロー××××
ヘッドフォール××××
レッグシザース××××
片足タックルスロー×××××××
回り込み片足タックルスロー×××××××
バックタックルスロー××
背後バック投げ××
変形バックタックルスロー
片足バックタックルスロー××
反り投げ2×××××××
持ち上げバック投げ3××××
タックル返しバック投げ××××
暁丸
技名
外掛け1××××××××××××
すくい投げ1××××××××××
外掛け2××××
すくい投げ2××××
外掛け4
すくい投げ4××
背後差し→河津掛け××××
背後双差し→河津掛け××
ロブ・パイソン
技名
レバーブロー×0
→アトミックブロー
××××××××××
レバーブロー×1
→アトミックブロー
×××××××
レバーブロー×2
→アトミックブロー
××××
レバーブロー×3
→アトミックブロー
××
レバーブロー×4
→アトミックブロー
ジャック・デュガリ
技名
出足払い×××××××
大内刈り1××××××××××××
体落とし1××××××××××××
大外刈り1××××××××××××
内股1××××××××××××
大内刈り2××××
体落とし2××××
大外刈り2××××
内股2××××
肩車××××
山嵐××××××××××××
裏投げ××××
パトリック・ファン・ヒディング
技名
ショートレンジエルボー×0
→高速ブレンバスター
××
ショートレンジエルボー×1
→高速ブレンバスター
ショートレンジエルボー×4
→ジャックハマー
××××××××××××
ショートレンジエルボー×5
→ジャックハマー
××××××××××
ローヘッドバット×0
→シャークバスター
×××××××
ローヘッドバット×1
→シャークバスター
××××
ローヘッドバット×2
→シャークバスター
××
ローヘッドバット×3
→シャークバスター
リバースシャークバスター××××
ジャンピングバックドロップ××××
投げっぱなしパワーボム××××

表の項目と凡例・補足

表の内容についての説明です。
項目
  • 技名
投げ技の名前です。
  • 凱〜ズ
投げ技をかけた相手です。
  • A〜E
投げ技をかけた相手の、投げられにくさのランクです。
凡例
投げに成功することを表します。(相手パワーバランスゲージが偏っていても、必ず成功する)
相手が棒立ち状態なら投げに成功するが、相手パワーバランスゲージの偏りによっては失敗することがあることを表します。
少し偏っているだけでも失敗するものと、大きく偏っている時だけ失敗するものが混在しています。
  • ×
相手が棒立ち状態で、投げに失敗することを表します。
調査の対象外です。
ソコロフのタックル返しバック投げ、ヒディングの投げっぱなしパワーボムは、タックルを使う選手4人以外には仕掛けられません。
補足
技名についての補足です。
  • 大外刈り2
凱の大外刈り2 などは、各選手の技コマンド表に記載した、番号付きの技名です。
大外刈り2は押し・引き1回めからの投げを表します。
押し・引き2回めからの投げ(大外刈り3)は、パワーバランス値最大の相手でも全員投げられるため、記載を省略しています。
  • ゴッ・コー・ティー・カウ×0→カウ・ロイ・フィニッシュ
ラッシュ技で相手のパワーバランス値を削ってからフィニッシュ技をかけた場合、ラッシュ技何発で投げられるようになるのか、を調べています。
  • 反り投げ2
ソコロフの反り投げ2、持ち上げバック投げ3は、ダウン取りからの投げです。
ソコロフが、相手のパワーバランス値が最大の状態のまま相手をダウンさせることはほぼありません。
実戦ではダウン取り投げは必ず成功すると考えて良いでしょう。

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