本編 
12月14日AM11:25
みんなおはこんばんにちはなのだ。美食ハンターずんだもんなのだ。
今、僕は前々から興味があった、ある特殊な妖精の巣を探しに北海道のある山に来ているのだ。
日本に多数存在する山岳地帯でも特に広大な、北海道日高山脈を形成する山の一つ、熊見山。この時期の北海道の山なだけあってガッチガチの雪山なのだ。道らしい道もないし、雪はひどいところだと脇腹まで積もってるのだ。
2日かけて中腹まで登ってきたのはいいけど、多分これまともな人間なら冬は来ちゃダメな場所なのだ。正直年末だけど今年1キツいのだ。
前は吹雪けば5メートル先も見えないし、雪崩とかあったらまず即死だし、何より当たり前だけど引くほど寒い、いやもう痛いのだ。特に頭痛は頭の中をトカゲに食い荒らされてるようで半端じゃないのだ。
ﾍﾟｷﾝ
ほら、髪が凍ってるから触ると冷えた板チョコみたいに折れるのだ。
これでも北海道の雪山の中ではまだ比較的穏やかな方らしいというのが信じられないのだ。あらゆる障害物に段差が雪に埋もれてるから何度も足を踏み外して、その度に肝が潰れそうになるのだ。
僕も舐めてかかったわけじゃないから、登山具や防寒具一色は専門店で店員さんのアドバイスを元に最高のものを買ったのだ。
あとは冬の北海道に行こうと決意してから2ヶ月身体を鍛え直したのもあったし、事前に登山や冬山に関する本も読んで対策を練ったから何とか死なずにここまで来れたのだ。
「おっと、アイツらなのだ」
反射的に僕は腹這いになった。
正直想像以上にキツイけど、引き返そうと考えたことはないのだ。僕は美食ハンター。美味なる妖精のためならこの命惜しくないのだ。もちろんここで死ぬ気はないけど。
僕は立ち上がって身体中の雪を払う。
「あーキッツいのだ」
あと、このエグい寒さ以外に問題がもう1つあるのだ。
手頃な岩があったから、僕は小休憩を取ってそれに腰掛けた。ネックウォーマーから口を出して舐めていた氷砂糖を熱い紅茶で溶かしながら、ゴーグルを外し双眼鏡を出して僕が辿ってきた南側の風景を見下ろした。
左を見ると積雪で輪郭が研ぎ澄まされた日高山脈の稜線を拝むことができるのだ。白い刃のような頂は、まるで大地を泳ぐ大魚の背びれのように見えて、何とも言えない美しさなのだ。
正面には、少し霧が出ているけど街が見えるのだ。田舎町だけど、駅前にはホテルや銀行やデパートがあって田舎町としては発展してる方なのだ。
でも、街全体が厚く雪化粧をしている中、郊外のある区画だけがいち早く春を迎えたのか青々とした雑草に塗り潰されているのだ。他の田畑は雪に埋まっているのに、あそこだけ時の流れが止まったようなのだ。
その中心部には、緑のカマボコみたいな見た目のビルが川の字に3棟並んでいるのだ。かなりデカいのだ。1棟だけでもそこら辺の学校が校庭まで含めてすっぽり入りそうなのだ。
あれはFAIRIES帯広支社。またの名を妖精軍大本営。
そう、この熊見山は現在絶賛日本と戦争中のFAIRIES、その本丸の目と鼻の先にある山なのだ。
僕はこの山に住むある希少な妖精を探しに来たのだ。一方FAIRIESは妖精至上主義を掲げ、大部分を妖精で構成された私設軍隊『妖精軍』を保有しているのだ。これが何を意味するのか。
あっちからしたら、敵の本拠地で堂々と敵と同じ生き物を捕獲しに来た僕なんて全力で煽りに来たとしか思えないのだ。いくら僕が同じずんだもんでも、見つかれば生きては帰れないのだ。僕が妖精軍でもブチ殺すのだ。
さっき雑草って言ったけど、田畑と大本営を埋め尽くす緑のアレ、全部妖精なのだ。どんなに少なく見積もっても1億はいるのだ。AKを持った人型もいるし、流石にあの数は僕も勝てないのだ。
しかも、目を凝らすとあちこちに煙突みたいな高射砲が配置されてる。アレならここにも砲弾は届くのだ。駐車場にはM2ブローニング付き装甲車も見えるし、帯広に来た自衛隊は必ず殺るという強い意志を感じるのだ。
妖精戦争……日本が今は優勢とはいえ帯広はFAIRIESの総本山。もし捕捉されたらと思うとゾッとするのだ。アイツらのせいで日が落ちてもランタンを使えないのだ。
「ま、そのスリルもまた美食ハンターの醍醐味なのだ」
今さっきもあったけど、時折ここらを巡回してるのか妖精が1000匹くらいで飛んでるのだ。白いジャケットを着てるのと、言わずもがな山は木々がたくさんあるから、そこに寝そべったりしてやり過ごしてるのだ。
1週間前に宮古発のFAIRIESの輸送船の貨物室に何食わぬ顔で潜り込み、釧路に着港したらヒッチハイクで帯広まで兵士のずんだもんに連れてきてもらえたのだ。
木を隠すなら何とやらなのだ。僕が帯広で兵士として働いてる兄ずんに差し入れを渡したいと言って、ずんだ餅をあげたら兵士は何も疑うことなく送り届けてくれたのだ。
帰りも同じやり方で帰れたら文句ないのだ。下山どうしようかな。食糧はまだ余裕あるし、水は最悪空のペットボトルに詰めて体温で溶かせば何とかなるのだ。
「アイツらたくさんいるけど給料とか出てるのだ？」
だが、後のことに気を揉んでもどうしようもないのだ。
僕は鼻が凍って壊死しないようよく揉んでから、また顔をネックウォーマーに埋めた。
妖精戦争が始まったおかげで本来なら入山規制で入れない雪山に入れたのは、むしろラッキーだったのだ。
そんで、わざわざ僕がこんな身も心も凍る山に来た目的の希少な妖精。視聴者のタレコミで知ったけど、治安最悪の場所だから今まで来るのを躊躇ってたのだ。でも、我慢できなくなってついに来てしまったのだ。
ん？
「お……？」
たった今、その巣らしきものを見つけたのだ。
気にせず通り過ぎた葉を落としたハイマツ。その真下に薄く積もる雪に、まるでレンコンみたいな小さな穴がいくつも空いてるのにふと振り返って気づいたのだ。
慌てて引き返し、その柔らかい新雪を手で優しくほじくり返すと、黄緑色の粒がいくつか落ちてたのだ。すっかり凍って指で摘んだらボロボロになって崩れたけど、それは紛れもなくずんちだったのだ。
「あっ……あははは……！」
僕は嬉しくなって、それまでの疲労はどこへ消えたのかナップザックからシャベルを取り出すと、雪を掘り進めて霜が降りた土に力を込めてシャベルを突き立てたのだ。
ｻﾞｸｯ
「いちゃぃぃぃーーっ！！」
すると、地中から聞き慣れた妖精の甲高い叫び声が聞こえてきたのだ。僕がさらに身長に土をかき分けていくと、そこに僕のお目当てのヤツらがいたのだ。
「あ、あ……」
「に、にんげんしゃん……？」
「なんで、ふゆなのにくしょにんげんが……」
いたのだ。我が愛しい小さき緑色の枝豆の妖精なのだ。ひとまず無視して、周りの土も掘り返していくと……驚いたのだ。
「はう……はう……」
「うわっなんなのだおまえ！」
「まぶちーのだ！まぶちっ！まぶちっ！」
コイツが地中を掘って設けた幾つもの巣穴が細い通路で繋がれ、その一つ一つに妖精が何匹も詰まっている。突然やってきた異物である僕を驚愕した顔で眺めているが、恐らくまだ巣穴はあるのだ。
そして、この妖精達は全てがたりないなのだ。
タレコミは正しかったのだ。
「おい、よくもぼくらのおうちさんをぶっこわちたな！ゆるちぇねーのだくしょにんげん！さっさともどちぇ！」
北海道の日高山脈に僅かに存在するとされる、たりないだけが産まれる妖精の地中巣。どういうわけか不明だけど、コイツらは知能は問題ないのに例外なく手足がないたりないの姿で産まれてくるのだ。
「おい！なにむししてるのだ！ふざけてんにょか！」
普通ならそんな妖精、絶好の森のおやつなのだ。だが、厳寒の地で地面の中に住んでいるなら動物に見つかる心配もない。登山客もまず気づかないのだ。この寒さじゃモグラも死ぬのだ。逆にコイツらは寒さに強いらしいのだ。
食糧に関しては恐らく……。
「おかーちゃ……こわいのだ……」
「こわがらないでおちびちゃん……いまパパずんがなんとかするのだ。ごはんさんをつくるから、たべながらまっててね……」ﾌﾞﾘｭｩ
たりない子ずんがいる親ずんが、子を慰めながら突然ずんちを出した。そして突然それを土と一緒に頬張ると、口の中で混ぜて泥団子にして吐き出した。
「ごはんしゃん！ごはんしゃん！」ｶﾞﾂｶﾞﾂ
「うわーい！どろだんご！おいち！おいち！」ﾑｼｬﾑｼｬ
「くちゃいけどうまいのだ！」ﾓｸﾞﾓｸﾞ
「おちびちゃんはごはんさんたべるすがたまでかわいすぎるのだ！」
やはり。土を主食にしてるのだ。木がこんなに生い茂っているということは、ここらの土壌は栄養が豊富なのだ。そこにずんちを混ぜて味を良くしたり、土にはない他の栄養素を足したりして命を繋いでるのだ。
食事が巣の拡張にもなるのは合理的なのだ。妖精にしては賢いやり方なのだ。よく見たら巣の壁もずんちを塗って固めているのだ。
まぁ……。
「おいはなちぇ！」
僕の前では儚い浅知恵に過ぎないのだ。
「おいお前」
僕は指で摘んだオスずんに話しかけた。
「僕はお前らを食べに来たのだ。でも、疲れて食欲ないから1匹で済ませてやるのだ。1匹差し出せば山から降りてもうここには来ないのだ」
「ほ、ほんとーなのだ？」
「ほんとーなのだ」
僕はうなずくと、オスずんを巣に戻したのだ。するとオスずんは顎をしゃくって真横にいる別のオスずんに指示を出した。一匹だけ枝豆耳が生えてるから薄々感じてたけど、やはりコイツがリーダーなのだ。
関係ないけどコイツら、地中で生活してるけど普通に目が見えるのな。
「ヘコヘコ！ヘコヘコたまんねーのだ！あたましゃんバカになるのだ！」
「おとうちゃもっとおくまでずんぽぶっさすのだ！」
僕を気にせず汗だくでヘコヘコしてるヤツらがいるのだ。手足がないから普通の妖精がヘコヘコするより遥かに体力を使うようで、ソイツらの周りだけ崩れ落ちた雪が溶けてるのだ。
「コイツをくれてやるのだ」
「はう……はう……」
長ずんがそう言って持ってきたのは、当たり前だけどたりないだったのだ。
「コイツはうまれて2しゅーかんもたつのにまだくちがきけないできそこないなのだ！できそこないなりにかわいかったけど、これいじょーのいけにえはいないのだ！」
なるほど。普通の妖精コミュニティなら出来損ないのたりないだけが集まったたりないの巣では、口が利けないヤツが出来損ないの扱いを受けるのだ。どこまで行っても差別は無くならないと思うと虚しいのだ。
「感謝するのだ。早速いただくのだ」
「はうう〜はうっ！」
たりないを食べるのは1ヶ月ぶりなのだ。しかも最後に食べたのはダイエーで買った痩せた養殖モノだったのだ。天然モノだと、それこそいつかのデブ妖精のついでに捕まえたメスずんから絞り出した時以来なのだ。
アイツらがいればたりない食べ放題とあの時は喜んだけど、5日くらいしたら虫カゴに頭を自らぶつけて自殺しやがったのだ。
僕は胸の高鳴りを抑えながら、呆けた顔で僕の瞳を覗き込むたりないを頬張った。
うまいのだ！
やはり天然モノは香り、舌触り、味、全てが養殖とは比べ物にならないのだ。舌だけで噛める柔らかさにほろ苦い肝の旨みが実にたまらないのだ。
「美味だったのだ」
「きはすんだのだ？じゃあさっさとうせるのだ！ついでにおうちをもとにもどすのだ……えっ？」
僕はくっちゃべる長ずんを鷲掴んだ。
「こんなにいれば、普段はやらない贅沢な食べ方もできるのだ」
「お、おおおまえ！？いっぴきたべたらやまからおりるって、おりるっていっただろぉーーっ！？」
「言ってない……いや言ったのだ。でも嘘なのだ」
「だ、ましたのだ！？く、くしょにんげあぺょっ」ﾌﾞﾁﾌﾞﾁｨ
僕は長ずんの頭とケツを持って引きちぎると、唇を破れた腹に吸い寄せて中のモツだけを啜ったのだ。うん。うまい。小気味良い歯応えがある内臓だけ食べると濃い苦味がガツンと来る。人を選ぶ味だけど僕は好きなのだ。ビール欲しいのだ。
「あ、おさずんさまが……たべられたのだ……」
「ぼくたちをみちびいてくれたすばらしいよーせいさんが……」
「にんげんさん、ぼくをたべていいからおちびだけはみのがしてなのだ……」
コイツら弱いのだ。たりないだからハナから僕に勝てないと分かってるから心が折れてるのだ。普通の妖精は無駄に全能感を持ってるから、自分は違うと思って襲いかかってくるのだ。
「いや、もう気は済んだのだ。これは迷惑料なのだ」
僕はナップザックからタオルで包んだタッパーを取り出し、中からずんだ餅を2つ出して、たりないに見せてから巣から3メートルばかし離れた場所に投げ捨てた。
「ずんだ餅なのだ。名前くらいは知ってるのだ？」
「ず、ずんだもち！？いまのがずんだもち！？」
「ほんとーにそんざいしたのだ！？」
「なんというクラクラするあまいにおいなのだ……！」
「じゅんだもちゅ！じゅんだもちゃ！たべちゃいにょだ！」
すると、たりない達は一斉に巣穴から這い出て、憧れのずんだ餅へと猛烈な速さで向かっていったのだ。長ずんを失ったことも忘れて。何だ。やっぱり知能もたりないだったのだ。
「うおっ……」
「ずんだ！ずんだ！」
「ひとくちでもたべてみたかったのだ！」
まだ掘ってない巣穴や雪の中からもたりないが出てきた。目視で見えたのは30ほどだったけど、コレ実際は100はいるのだ。
このたりないは1匹残らずいただくのだ。ずんだ餅を出したのはコイツらを全員巣から出すためなのだ。
「〜〜！」
「………！」
あーあー喋るのも忘れて夢中でがっついてるのだ。小さなずんだ餅を100匹単位で貪ってるから、たりないそれ自体がまるで巨大なずんだ餅みたいな塊となってるのだ。
「じゅだ……じゅんだ……」
「なんて、いいひびきのごはんさんなのだ……」
「きっとどろだんごしゃんよりおいしいのだ……」
お、さっきの子ずん達が僕の股下を通っていくのだ。僕は3匹を掌に乗せた。
「あ、にんげんしゃん！じゅんだもちぇまでつれてってくれるにょだ？ありがとうなにょだ！」
コイツらは皮を剥いでから串焼きにしてみるのだ。
「にんげんしゃっ！じゅんだがなくなっちゃ！はやきゅぅ……ぴあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛！！！」ﾋﾞﾘﾋﾞﾘ
「お、おとーとぁぁぁぁぁぁぁ！？」
ナイフで頭頂からケツまでを一直線に切り裂くと、文字通り枝豆のように綺麗に皮をズルムケにできるのだ。白い皮を剥ぐと旨そうな黄緑色の肉が曝け出され、小刻みに脈打つ血管までよく見えるのだ。
「いちゃいのだ！ぜんしんがもえる゛ぅぅぅ！！」
「まだ焼いてないのだ」
これは簡単なようでうまく切り込みを入れるのはコツがいるのだ。この力加減が美食ハンターの腕の見せ所なのだ。
続けて2匹も。
「ぎあ゛あ゛ッあぱばぱぱぱぱ！！！」
「あ゛ぁーーー……あ゛がッ！！いぢゃぃよぉぉ！！」
そして、泣き喚く3匹をまとめて串刺しに。
「「「んお゛ッふぉッ♡あにゃる♡きもちいいのだもっとするのだぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛！！！は、はっはほふいへ！ひんふぇんひゃん！！」」」ｻﾞｸｯｻﾞｸｯｻﾞｸｯ
あにゃるから入った串が額から抜けると、途端に血がピュッと水鉄砲みたいに噴き出て面白いのだ。血も旨味だからダラダラ流れてもったいない。早く焼かないと。
そしたらカセットコンロの火を付けるのだ。なんだかんだでキャンプ用ガスバーナーよりこっちの方が使いやすいのだ。デカいし火力は劣るけど。
火を前に末路を悟ったずんだんご三兄弟が、貫通した串を抜こうとモゾモゾもがきながらフガフガ何かほざいてるのだ。
「は、はふへへ！はふぇはいへ！おはーひゃ！おほひゃ！はふへへほひぃーほふぁ！！」(助けて、食べないで、おかあちゃ、おとうちゃ、助けてほしいのだ！)
「パパずん！おちびちゃんがにんげんさんにたべられそーなのだ！」
「ほんとーなのだ！ままええか。こんなおいちーずんだもちをくれたんだから、おれーにおちびくらいはあげちゃってかまわないのだ！」
「それもそうなのだ！おちびちゃんはいつでもうめるけど、ずんだもちはいましかたべれないのだ！」
「ほんは、ほほーひゃほはーひゃ……はいへーはのひゃ！」(そんな、おとうちゃおかあちゃ、さいてーなのだ！)
「ほはへはほほにふはへへはぶはひーひゃ！」(お前らの子に生まれて恥ずかしいちゃ！)
何言ってる分からないけど、多分薄情な親ずんを罵倒してるのだ？まぁどうだっていいのだ。じゃあこんがり行くとしますか。
「はふひぃぃぃぃぃほぉぉぉぉ！！ひふひふひぬひふひふ！！」(あついよぉ！死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ！！)
「ほぼーひゃ、おはーびゃほへはひははらはふへへ！」(おとーちゃ、おかーちゃお願いだから助けて！)
「ひんへんひゃん！へめへふんばほひをひほふひはべはひへ！！」(人間さん！せめてずんだ餅を一口食べさせて！！)
ズルムケ子ずんを直火で焼かないよう、ギリギリのところで炙りながら薄塩を振っていくのだ。すでに全身が焼け付くような痛みに包まれてるから焼かれても反応に変化はないのだ。
「ほう、ひゃめ……ひゃ」(もう、ダメ……ちゃ)
「ひほふひるひょは……」(ひどすぎるのだ……)
「は、ふふぇへ」(た、すけて)
(あんなにかわいいっていってたくせに……つぎのずんせーはもっとマシなおやにうまれたい、ちゃ……)
よし、焼け死んだ今が頃合いなのだ。熱いのもご馳走の内だから冷める前にいただくのだ。
「はふはふ……」
うまいのだ！！
焼くとまたナッツのような香りがして美味なのだ。塩加減も我ながら絶妙で、皮を剥いだから肉を直接味わえ、骨までパリパリと柔らかくて優勝なのだ！中までは火が通っていないけど、しっかり温かいのもありがたいのだ。
「おいちぃのだ！たまんねーちゃ！」
「パパずん！ヘコりながらたべるのだ！」
僕は3匹を1分ほどで平らげると、ずんだ餅をまだ貪っている他のたりない達にも目を向けた。コイツらの調理の仕方は決まってるのだ。
凍死しないよう持ってきた気付けのウオッカをぶっかけてまとめて火を付けるのだ。
「ん？」
「よいちょ、よいちょ」
股下からまた妖精の声がするのだ。なんでどいつもコイツも僕の股を潜り抜けようとするのだ。人をトンネル扱いしやがって。腹立ったから叩いてミンチにしちまうのだ。
「……！？」
顔を下に向けた時、僕は信じられない物を見たのだ。
「はう……おちびちゃんがもうすぐうまれりゅ……たのしみちゃ！」
このたりない……ほとんどのたりないは拳大のサイズがいいとこなのに、ストゼロの500ml缶並の太さと長さがある。まさか妊娠してるのだ？
いや、子ずんがいたんだから孕んだヤツもいるのは当たり前なんだけど、妊娠してるたりないを生で見たのは初めてなのだ。それも野生のは。
YouTubeやXでなら見たことはあるけど、だいたいは手足を引き抜いた後天的なのを飼育し孕ませただけなのだ。天然モノの孕みたりないをこの目で拝むことができるとは……。
自然界では最弱の妖精の中でもさらに最弱のたりないは、普通は親から見捨てられるか、運良く生き残れても生殖能力がなく妊娠できないケースが多いのだ。
しかし熊見山は外敵が少ない上に、コイツらはたりない以外は身体はいたって健康なのだ。だから、問題なく成長できて妊娠することもできるのだ。正に大自然の恵なのだ。
「……」
ふと股に違和感を感じたから手を当ててみると、寒さで縮こまっていた僕のずんぽが興奮して硬くなっていたのだ。妖精を見て股座がいきり立ったのは生まれて初めてなのだ。
美食ハンターの魂が勃起しているのだ！！
「おちびちゃんがうまれてたら、みんなでずんだもちたべられたのにざんねんなのだ！でも、わたちがずんだもちたべて、おにゃかのなかのおちびちゃんのえいよーにしてあげるからね！」
何か戯言を抜かしてる孕みたりないを、僕は手に取って鍋に入れた。妊娠中だからかかなり熱い。ホッカイロみたいなのだ。
「あ、にんげんしゃん！わたちをあそこまではこんでくれるのだ？ありがとうなのだ！」
さっきの串焼き三兄弟と同じこと言ってるのだ。人間を信用しない街ずんと違ってよく言えば従順。悪く言えば愚鈍なのだ。
コイツは本当なら持ち帰って色んな調味料や香辛料を使い、エスニック風に豪勢に仕上げたいところだけど、今にも生まれそうだし、叫び声をFAIRIESの妖精に聞かれたら終わりなのだ。
在りものでなんとかするのだ。
「うわっぬるぬるなのだ！にんげんさんなにをするのだ！」
「何ってお前を食べるのだ」
「えっ」
とりあえずごま油とチューブの生姜とニンニクを鍋の中の孕みたりないにぶっかけ、点火。
「あれ？なんかそこのほうがあつくなってきたのだ……！？あ、あちゅい！あちゅい！やけるぅぅぅぅ！！」ｼﾞｭｩｩｩ
普通の妖精と違ってたりないは火が通りやすくて助かるのだ。油がパチパチと身体に跳ねる度に孕みたりないはすっとんきょうな悲鳴をあげる。よし、ひっくり返して背中にも焼き色を付けるのだ。すると、鍋に焼き付いた腹の皮が剥がれ、孕みたりないが金切り声を上げた。
「あ゛ぁ゛゛゛゛゛゛！！せなかしゃん！だめぇ゛ぇぇ゛ッッ！！！にげっしゃっ！？おちびち゛ゃんだけばだじゅげぇぇぇ゛ぇ゛ッ！！」ﾊﾟﾁﾊﾟﾁｼﾞｭｩｩｩｼﾞｭｩｩｯ
(あちゅい！あちゅいよぉぉ！！たしゅけのりゃー！)
「あ゛あ゛ッおちひひゃんがくるひんでま゛ぢゅ！！にんげっしゃん！！このこたちがうまれてがら゛……あっご……だべてほじい゛のだぁぁぁぁッ！！」
お、胎内から焼かれる赤ずんの断末魔が漏れ聞こえてきたのだ。
産まれたら台無しなのだ。手早く済ませるのだ。ゴミが落ちてない綺麗な白雪をどっさり鍋に敷き詰めるのだ。
「うわっこんどはちゅめたいのだ！？せなかしゃんがひえてきもちいいのだ！！」
喜んでられるのも今の内なのだ。あとは味噌をどっさり醤油とみりんと砂糖を適量雪の中に注ぎ入れると、雪は溶けて瞬く間に味噌煮込みの完成なのだ。
「ぎゃぁぁぁぁぁぁ！！ゆ、ゆきがとげてあぢゅぃぃぃぃ！！やけどにしみっしみしみしじみゅりぅぅ゛ぅ゛ぅぅッ！！」ｸﾞﾂｸﾞﾂ
孕みたりないがよく聞く金切声を叫び散らす。あとは煮えるのを待つだけなのだ。まぁたりないだから早いのだ。汁の中で暴れるけど、手足がないと鍋を倒す心配もないから安心なのだ。
「しぇ、しぇめて……おちびちゃ、だけは……うんで、たしゅ、け、りゅの……」
む？孕みたりないのヤツ、最後の力で出産する気なのだ。どうせ産んでもすぐ茹だって死ぬだけだけど、ここで産まれたら困るのだ。
「かひゅ……かひゅー……いま、うむのだ……」ﾌﾟﾙﾌﾟﾘ
僕はトングで焼き色がついた孕みたりないを挟んで鍋から出すと、ケツを真横からさっきの串で貫いて産道を赤ずんが通れないよう塞いだのだ。
「あ゛ぇぇ゛ぅ゛あ゛あ゛あ゛あ゛！！かわいいあにゃるさんがぁぁぁぁ゛あ゛あ゛あ゛ッ！！ぉぢびぢゃん！！これじゃ、もう、でてこれないのだぁぁ……！！」
よっしゃ一気にフィニッシュといくのだ。このままトングで沈めて息の根を止めてやるのだ。鍋底から、まだ息がある孕みたりないの呼吸による泡が浮いてきてるのだ。それも次第に細く短くなっていく。もっと苦しむのだ。苦しめば苦しむほど中の赤ずんごとお前は旨くなるのだ。
(くる、くるち……い、きが……パパずん、おちびちゃん……もし、てんごくさんであえたら……こんどこそかぞくでしあわせなずんせー……を……)ﾁｰﾝ
泡が止まった。死んだのだ。僕は鼻から大きく息を吸った。味噌と生姜と枝豆のうまそうな匂いがして、すでにたりないを5匹食べたのに腹の虫が鳴ったのだ。これでゴボウや里芋があれば完璧だったのだ。
「くそ、よだれが」
恐らく市場に流せば鮭児並の値がつくであろう孕みたりない。それをまるごと頂いてしまうなんて美食ハンターは実に罪な職業なのだ。
さて、コイツは流石にデカいから包丁で切り分けて食べるのだ。鍋から出したコイツをまな板に乗せて、赤ずんがギッシリの腹を真っ二つに切ったのだ。すごいのだ。包丁の重さだけで切れるくらい柔らかいのだ。
「うわっ」
以前、クラブハウスで振る舞った料理みたいに切ったら赤ずんのソースが溢れ出てくる姿を想像してたけど、全然そんなことはないのだ。赤ずんはしっかり溶けてはいるけど、とてもねっとりしていて、流れ出ることなく孕みたりないの断面に留まっているのだ。
も、もう待ち切れないのだ。
僕は胴体を四等分すると、一切れを紙のお椀に移して、その上から味噌煮込みの汁をひとすくいかけたのだ。とても芳しい匂いがするのだ。
「では、いただきますなのだ」
僕は口にたまったよだれを飲み込むと、孕みたりないの切り身を箸で掴んで、一息に口に押し込んだのだ。そして咀嚼する。
「………」
…………。
「………」
ク
ソ美お
う味い
まなし
いのい
のだの
だ！だ
！！！
！
な、何なのだこの妖精は！？他の妖精とは全く違うのだ！下処理もしてないのに臭みやエグみが全くないのだ！中のたっぷりの赤ずんソースはトロリとしたクリーム状で、まるで最高級のあんぽ柿を思わせる舌触りなのだ。
しかし、孕みたりない自身の肉には適度な弾力があるので変にニチャついた歯応えじゃないから、噛む度にただ口いっぱいに広がる妖精の旨みに震えるだけなのだ。
味の方は爽やかでありながら重厚。赤ずんソースは舌に絡めると旨みだけ残して消えていくのだ。それが味噌とマリアージュするともう応えられない美味なのだ。
孕みたりないの内臓もソースに溶けているのか微かな苦味があるけど、それもまたアクセントになって赤ずんソースを引き立ててるのだ。
「勃起が止まらん」
気づいたら、僕は孕みたりないを頭以外全て平らげていたのだ。もっと味わって食べるべきだったのだ。ハリケーンのように旨さが全身を駆け巡っていって我を忘れたのだ。
もう優勝どころか3冠レベルの美味だったのだ。
僕が口許を拭いながら鍋の残り汁を温め直していると、いつのまにかずんだ餅を食べ終わっていたたりない達が僕の方に集まってきていたのだ。
「にんげんさん！さっきのずんだもち、いままでたべたごはんさんのなかでいちばんおいしかったのだ！もっとほしいのだ！」ﾌﾟｩｩ
「「ｸﾁｬｲｸﾁｬｲｸﾁｬｲｸﾁｬｲｸﾁｬｲ‼︎‼︎」」
さっきの串焼き三兄弟の親ずんが満面の笑みでずんぺをしながらそう言う。コイツ、いくら何でも親ずんとして恥ずかしくないのだ？僕は子の仇なのに……。
「ところで一つ聞きたいのだ」
「のだぁ？」
僕は残り汁を空の水筒に流し込みながら、ふと疑問に思ったことを聞いてみた。
「お前らは空を飛べて手足がある仲間をどう思ってるのだ？何回か見たことくらいはあるのだ？」
たりないは大体の場合、喋れないか簡単な意思表示しか話せないから、手足があるヤツらのことはどう思ってるのかこの際聞いてみるのだ。
「もちろんよくそらをとんでるのはみるのだ！アイツらはバカなのだ！まいとしこのじきにきては、きのしたでごはんさんもとれずにこごえしんでいくのみて、みんなでわらってるのだ！アイツらはてあしはあるけどあたまはたりないのだ！ぼくたち、てあしはないけどちのーはあるよーせいからしたら、はなしにならないクズどもなのだ！」
「あっそ。もう分かったのだ。ほらずんだ餅」
「ずんだも！ずんだ！ずんだもちゅ！」
巣を荒らした僕を恨みもせずずんだ餅を集り、放り投げられたそれに思考停止で群がるお前らは十分頭もたりないのだ。やはり差別というのは、いついかなる時も存在するのだ。
僕はウオッカの蓋を開けると、それをずんだ餅に群がるたりないに頭からぶっかけた。
「な、なにをしゅりゅのだにんげっ……あ゛あ゛あ゛あぁぁぁぁああうああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛！！！からだしゃんがやげぢゃぁぁぁぁ゛ぁ゛ッッ！！」ﾎﾞｫｫｫ
そして擦ったマッチをヤツらに向け指で弾くと、たりない達はたちまち1つの巨大な火柱となり、その炎は雲を焼かんばかりに激しく燃え上がったのだ。
「あ、あぢゅ……ぢゅ……」
「や、やかちぇねーのだぁ゛ッ！！ずんほだきゃあまもりにゅくのだぁぁぁ……あ、そんな、ぼくの……ずんp……」
「まだ、ずんだ、たべ、て……」
ゴンズイみたいに固まってたから互いに互いを焦がし合ってるのだ。炎に包まれルビーのような輝きを煌々と放って焼け行くたりない達だったが、2分もすれば下は雪なのもあって火の勢いは収まったのだ。
「はう、はう……う……」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ
「いち、ゃ……」ﾋﾟｸﾋﾟｸ
たりない達は黒コゲになってもしばらく呻いてピクピク痙攣していたけど、少し待てば静かになったのだ。一応これも料理なのだ。ま、大半の妖精は炎で焼け死んだけど、探せば当たりがいるのだ。
「あちちあちち……お」
黒煙が昇る妖精の焼死体の山を手袋をはめた手で掻き分けていくと、こんがりいい頃合いで焼き上がったヤツがいたのだ。あと、中心にいるヤツは一見綺麗に見えるけど、蒸し焼きにされて美味しくなってるのだ。
コイツらは下山しながらゆっくり食べるのだ。帰る時でも英気を養うために楽しみは必要なのだ。
「ん？」
刹那、背後に気配を感じた。足元のシャベルを反射的に掴み、振り返ると僕は即座にそれを投擲した。
「のぎゃぁっ！？」ｸﾞｻｯ
シャベルが刺さったのは枝豆耳と手足がある普通の妖精。
「よーせいをこうげきしたのだ！やはりてきなのだ！」
「こんなだいほんえーのそばまできやがって！なめたやろうなのだ！」
「コイツ、きっとドラマでやってたあのベッパンなのだ！つかまえてごーもんにかけてじょーほーはかせるのだ！」
「いや、こんなしったいがあかねしゃちょーにしられたら、せっきょーだけじゃすまないのだ！たとえベッパンでもぶっころちてヒグマさんのエサにするのだ！」
しまった。妖精軍なのだ。僕としたことが炎か煙でヤツらに勘付かれたのだ。昼間だから油断してたのだ。
木の上から見下ろしてるヤツもいる。数は20匹ほどなのだ。腕にはカッターナイフを縛り付けて武装してるのだ。
降りてきた1匹が、黒コゲのたりないの山を見て顔をしかめる。
「こんなにたくさんのたりないちゃんたちを……ゆるせねーのだ！おまえにはごーもんはひつようないのだ！いますぐめったざしにして、ぶっころちゅ！」
「いのちごいするのだ！！」
何か好き勝手にギャーギャー喚いてうるさいのだ。刃物を持ってるから自分が強くなったと思ってるとしたら、とんだチンピラなのだ。
僕は辺りを見回し、妖精兵の配置をおおよそ掴んでほくそ笑んだ。
「ひょっとして、僕がただのバカな登山客だと思ってるのだ？」
「のだぁ？」
僕は背筋をピンと伸ばすと、何もない真後ろへ寄りかかるように静かに身体を倒したのだ。そうして、その最中にジャケットのジッパーをそっと下ろし、懐に隠していたイングラムを引き抜くと、木々の上にいる妖精達に向け迷いなく掃射したのだ。
ﾀﾀﾀﾀﾀﾀﾀﾀﾀﾀﾀﾀｯ‼︎
「えっ……ぎゃぁぁぁぁぁぁ！！」
「せんゆぅぅぅぅ！？あばっ」
「な、なんでコイツマシンガンさんをもってるのだべっ」
「ま、美食ハンターの嗜みなのだ」
全弾撃ち尽くしたと同時に僕は雪に身を沈め、枝からは妖精の死体が落ちてきたのだ。
コイツらも言ったように、山に行くからにはヒグマの餌にならないよう自衛の武器を持ってくるのは当然なのだ。たまに密猟者の先客がいた時の交渉にも使えるのだ。銃の入手経路は秘密なのだ。
まぁ僕は美食ハンター。この稼業についてる以上、山の肥料になる覚悟はできてるのだ。
「あが、あがが……」
僕は起き上がり、雪を払いながら予備の弾倉に差し替える。
さて、この妖精兵達。どうやら今撃ち殺したので全てっぽいのだ。でも銃声を聞かれたかもしれないし、ここはまずいのだ。すぐに場所を変えないと。
「その前に……」
一応、妖精兵の味見もしてみるのだ。シャベルを刺したヤツはまだ生きてるのだ。瀕死のそれを拾い上げ、頭と足を持って血が滴る腹に歯を立てる。
「や、やめちぇ！ぼくはたべてもゲロマズなのだ！」
「バカが。味覚は十人十色なのだ」ｶﾞﾘｯ
「お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛！！？」
僕はそう吐き捨て、腹身の肉を噛みちぎってよく噛んだ。
「ぶえーまずい！！！」ﾌﾞﾌﾞﾌﾞｩｯ‼︎
そして吐き出した。
筋が多いわ無駄に鍛えられてるから肉質が硬いわ最低の味なのだ。人工物食べてる成ずんはやっぱり臭くて食えたもんじゃないのだ。
薄々分かってはいたけど、想像以上にまずくてイライラしてきたのだ。
「おまえ！ゲロマズって言ってマジでゲロマズなヤツがあるかなのだ！さっきめちゃくちゃうまいもん食ったのに変なもん食わせやがって！余韻が台無しなのだ！ふざけやがって！」ｻﾞｸｯｻﾞｸｯｻﾞｸｯｸﾞﾁｬｯ
「あ゛っ……がっぃぢゃい！！ばっ、がっご……ぉ」
僕は怒りのままに地面に叩きつけた妖精兵を、シャベルで滅多刺しにして殺した。血が雪を染めていき、中心に肉片と化した妖精兵が転がっているのだ。
しかし妙なのだ。ここに来るまでに見た妖精兵達はもっと川のようにいたのだ。20匹くらいの少数で来るなんて、まるで偵察なのだ。
「ん？」
ｷｨｰﾝ……ﾊﾞﾙﾊﾞﾙﾊﾞﾙﾊﾞﾙﾊﾞﾙ……
すると、遠方からプロペラの駆動音とジェット機特有のキーンって音が聞こえてきたと思ったら、突然頭上が薄暗くなったのだ。
「………」
なんかとんでもなく嫌な予感がしたけど、見ないわけにもいかないから僕は上を見上げたのだ。
《FAIRIES所有大型武装妖精輸送機 AC-130》
「なんでアイツらこんなの持ってんのだ」
「「「「のだのだっのだのだのだだのだのだのだ」」」」
アカン。めちゃくちゃハッチから妖精兵出てきたのだ。
ままええか。どうせ逃げても麓はすぐに妖精軍が封鎖するのだ。どうにかしてコイツに張り付いて機体に潜り込み、操縦士を脅せば直で北海道から出れるはずなのだ。
僕は美食ハンターずんだもん。まだ見ぬ極上の妖精達を食すまで死ねないのだ！
「視聴者のみんな、次の動画をお楽しみに！うおおおおおおおおおおお！！」
「ぶぎゃっ！？」
僕はそう叫ぶとイングラムを構え、飛来する妖精兵を1匹1匹踏みしめて宙を駆け上がり、ガンシップへと挑みかかった。
あとがき
「どろだんごしゃん……まじゅいのだ……こんなのもうたべれないのだ……」
「わたちもなのだ……もうおにゃかがうけつけないのだ……」
僅かに生き残ったたりない達は、みなずんだもんがあげたずんだ餅のせいで舌が肥え、それまでの主食の土が食べれなくなっていた。
「また、ずんだもちがたべたいのだ……」
「あれをたべたら、もうつちなんかたべれないちゃ……」
「でも、たべなくちゃいきられないちゃ……うっ、おええええええええええ！！」
このページへのコメント
動画と思ってクリックしたけど存外楽しめた
ずんだんごのオマージュがあってよかった
すごいのだ かんじがつかえて
かきこみできるよせいがいるのだ
おい みてるか おまえ
がんばれ がんばれ ふえありーず ぢごくにおちろ みんなちね
ごはんさん またもつてくるていつた うそつき しんべえ
ぱぱずん ままずん きよだい みんな しんだぞ
うそつき うそつき
(※この後1024バイト分「しね」という文字が並んでいた)
じゃあ我が軍の幕下に加わればよかったものを……
飼育室という欺瞞に溺れ、クラブハウスの真実を知ろうとしなかったお前らの咎なのだ
冬の雪山という極限状態でサバイバルしつつ、いろんな料理してる配信いいですね。サバイバルのために命を惜しまず、裏ルートでの武器調達を含め様々な準備をしている辺り、本気度が感じられます。
あと「魂が勃起した」の部分で、変態と言えるレベルで心の底から美食ハンターなんだって思いました。
呂律が回らない妖精の言葉の表現が唯一無二で好きです！！ハンターらしい立ち回り、流石です！！
声に出して読みたい日本語「孕みたりない」
ずんだもちの味を知ってしまって、泥だんごが食べられなくなるの、リアルでいいですね！！
二次創作(正確には三次創作？)のお話をいただいた時から楽しみにしておりました！
美食ハンターの「グルメのためなら命を賭けることすら惜しまない」狂人っぷりは解釈一致です。今回出てきた料理だと孕みたりないが一番美味しそうでした！
睡蓮さんの小説は読み応えがあって毎回楽しみにしておりますので、次回先も心待ちにしております！