The Japan Association for Transnational Studies

 第一報告は北京第二外国語大学卒業後桜美林大学大学院博士後期課程に留学中の馬大衛氏による「中国企業M&A活動に関する一考察―その特徴及び問題点を中心に─」と題する報告でした。
報告者は、世界的経済低迷の中にありながら中国企業が果敢なM&A戦略を推し進めていることに着目し、何がその原動力になっているかの究明を試みたもので、最近のM&Aの事例研究の中からその要諦を求めようとしたものです。
今後の企業戦略の在り方を考えさせる示唆に富む報告でした。

 第二報告は明海大学で教鞭をとられる同大学講師大村邦彦氏が「太陽光パネルの日本市場分析について─47都道府県の設置比較研究と今後の需要促進政策の検討―」と題して発表されました。 低炭素エネルギー源確保の一手段と目される太陽光パネルの日本における利用状況を報告者自身によるアンケ─ト調査から分析し、諸外国の実績をも踏まえた上で我が国における国家政策の青写真を提示するという意欲的なご報告は、この問題の重要性をフロア全員に強く印象づけました。エネルギッシュな語り口が印象的でした。

 第三報告は諏訪東京理科大学準教授吉沢正広氏の「企業の国際化戦略と現地経営の研究―日系企業と外資企業の比較研究―」と題するご報告でした。
ハーバードビジネススクールのベーカー図書館で資料を発掘したり、在外日系現地法人を訪問取材したり長年に亘る研究調査の集大成として満を持してご発表されたもので、豊富な事例研究や企業進出受け入れ国側の社会情勢、産業事情にもメスを入れた新鮮な切り口で今後の事業のグロ─バル化を考える際のキーポイントを提示した密度の濃いご発表でした。


関連ページ:第46回(2010年度第1回)研究会ニュースレター第48回(2010年度第3回)研究会ニュースレター

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