FSMは該当するクラスを持たない。従って本来サーヴァントとして召喚されることはないがそれでは聖杯戦争に参戦したくてもできなくなってしまい非常に困る。
なので便宜上の措置としてモンスターと言うクラス名を得ることとなった。別に月の隠しボスとして出てくるようなことはないので安心して良い。
それに伴いクラススキルは丸ごと喪失することとなったが特に問題はないと思われる。
そしてFSMは世界から貧困をなくし病気を治すために戦う愛と平和の使者である。
つまりFSMが召喚に応じるのはその聖杯戦争によって世界が危機に陥る場合に限られる。
例としてはアークエネミーが――特にピンク色のあいつとかが――発生した時など。
しかし気が向けば他の理由で召喚されることもあるかも知れない。
例えばラーメン早食い戦争であるとか、ビール一気飲み戦争であるとか、あるいはスパゲッティ湯きり戦争であるとか――
もしもそういった戦いならばFSMは聖句を叫びながら喜んで飛び出してくるだろう。
ラーメン！

神性の類似スキル。神性ではない。でもやっぱり神性かも知れない。違うかも知れない。
FSMはスパゲッティとミートボールの体を持つ神である。
そして人間の肉体を見よ。
DNAは螺旋を描く二本のスパゲッティであり絡まった臓器もまたスパゲッティであり頭部に収まった脳はさながらミートボールである。
FSMは神である己の姿に似せて人類を生み出したのだ。
そしてこの事実を逆に利用することでFSMは神ではなく人の姿を取って現界している。
ラーメン！

「うわあああ！」
この言葉によりFSMは世界を創造した。これが即ちビッグバンと呼ばれるものである。
しかしサーヴァントとしてのFSMには残念ながら世界を創造するほどの力はない。
精々が山盛りの麺類を自在に生み出す程度である。
ラーメン！

更にFSMは自身が創造した世界が数十億年前に生まれたように見せかける細工を施した。
これにより現代のあらゆる調査研究手段を駆使して調べても真実は分からない。それこそがFSMが実在した証である。
そしてサーヴァントとしてのFSMは自身のあらゆる情報を偽装する。
対峙した相手はFSMの真名もステータスもスキルも正確に読み取ることはできないだろう。
だがそれではFSMは信仰を集めることが出来ない。それは困る。とても困る。
であれば宝具を解放し自らFSMを名乗る他あるまい。
ラーメン！

ランク：E〜A　種別：対麺宝具　レンジ：-　最大捕捉：1
FSMは常に福音書を所持している。これが彼の第一の宝具である。
この書を高らかに読み上げ祈りの言葉を捧げることでFSMは一時的にその真の姿を解放する。
発動中は全てのステータスとスキルのランクが上昇、更に付近一帯の電話の通信料が下がる。
この宝具は金曜日にしか使えないが気分次第で他の日に使っても良い。
なお金曜日はFSM教における祭日である。
ラーメン！

ランク：E〜A　種別：対宴宝具　レンジ：0〜99　最大捕捉：1000
FSM教における天国にはビールの火山があると言われる。これが彼の第二の宝具である。
そのビール火山とついでに隣のストリッパー工場からストリッパーを召喚しビールを吹き上げて攻撃する。
攻撃になっているのかは分からないがとにかく攻撃なのである。
なおこの宝具は任意に名前を『ようこそ地獄へ！(ビアー・ボルケイノ！)』に変更して発動することもできる。
その場合、吹き出るビールは気が抜けたものとなりストリッパーは全員性病に罹っている。
ラーメン！

通常時の武器。茹でたスパゲッティの湯を切るためのザル。
当然こんなものでは戦えないので他の武器を用いることが多い。
ラーメン！

福音書により真の姿を解放した際の武器。FSMの体から生える無数の触手。
一本一本がスパゲッティであり非常に美味。
ラーメン！

インテリジェント・デザイン。
それは『知性ある何か』によって生命や宇宙の精妙なシステムが設計されたとする説。
そのID説を教育に持ち込むことにに対する批判として生み出されたパロディ宗教――その名もフライング・スパゲッティ・モンスター教。略称FSM教である。
そしてその中における神的存在、フライング・スパゲッティ・モンスター。それが人の姿を取って現れたものが彼である。
彼は基本的に海賊に扮し、モージーと名乗って活動する。これはFSMが忠告を刻んだ十枚の石版を与えた海賊の名前である。
ラーメン！

FSMのステータスは召喚ごとにランダムで決定される。神はダイスを振らないと言われるがFSMはダイスを振るのだ。
しかしダイスを振るのが面倒なので自分で適当に決めることもある。オールCとかその辺で。
更に上記の偽装能力によりその他の能力については基本的に他者からは以下のように観測され、偽装の内容と同じ力を発揮することも可能である。
この偽装内容はFSMが思い付きによって自身の触手を使い度々書き変えることは言うまでもない。

《CLASS》モンスター(？)
《真名》モージー(？)

《保有スキル》
嵐の航海者(笑)：C
海賊に扮することで得た特殊スキル。
あくまで姿を借りているだけなのでランクはそれほど高くない。
特に乳首を使って気温や風向きを計ることに長ける。

星の開拓者(笑)：A
宗教の新たな可能性を開いたかも知れないと言うことで得た特殊スキル。
このスキルを持つ者にはあらゆる難航、難行がその身に降りかかる。
それはまるでスパゲッティに降りかかる粉チーズの如く！

神の伝道者(笑)：EX
偉大なる神の言葉によって得た特殊スキル。
EXランクともなると、このスキルの所有者が語る言葉はそのまま神の言葉に等しい。
教育委員会など敵ではない。我らが神の御業には証拠も論理性も整合性もあるのだ。

見えざるピンクのユニコーン：
商売敵。ピザもいいけどやっぱりラーメン最高。
「先輩がどうしたこちとら正式な宗教団体だっつーの二十五ドルのチャーシューメン奢ってやっから出て来いやこの角ピンク女ァァァ！」
(※FSM教はオランダで正式な宗教団体として認可されている。また、二十五ドルで牧師になれる)

杞憂：
とりあえずラーメンでも食いながらゆっくり話してみたいと思う。
「つまりお前の不安ってのはさ、このラーメンを食い終わって(ｽﾞﾙｽﾞﾙ)
スープを飲み干した時に丼の底が抜けていたらどうしようって(ｿﾞｿﾞｿﾞｿﾞ)
そんなことを考えてるうちに麺が伸びちまうような話なわけだよな(ｺﾞｯｸｺﾞｯｸ)
それでそれは俺がこの二枚しかないチャーシューのうち一枚を分けてあげても
解決しないようなもんなわけ？　メンマを追加しても？
――マジかよそりゃ深刻な悩みだな！
じゃあもう他に俺に出来ることはこれしかない――おかわり！」

インターネット：
FSM及びFSM教が世界中に広まるのにインターネットの力があったことは間違いない。
一つ一つのコンピュータは人間の脳、即ちミートボールに等しい。
それらをつなぐネットワークはまるで茹で上がった麺のようではないか。
そして無意味に複雑化してしまったコードをなんと呼ぶか――そう、スパゲッティだ！
「つまり――インターネットもまた俺！」

キニチ・ハナーブ・パカル1世：
FSMはヌードル触手で人類の頭を押さえつけていたと言われる。
古代人の背が低いのはそのためである。
そして人口増加に伴い触手の数が足りなくなったことでFSMは頭を押さえることをやめたと言う。現代人の背が高いのはこのためである。
そしてパカルは比較的古い時代の人間でありながら背が高い(180cm)。つまり…。
「奴の頭を押さえ損ねたッ…！」

安倍晴明：
同様に晴明も比較的古い時代の人間でありながら背が高い(261cm)。つまり…。
「奴の頭を押さえ損ねたッ…！」

ニムロド：
神への挑戦者。FSMがその挑戦の対象になるかは分からないが、もしそうなったのであれば…。
「ラーメン！　俺に挑戦するってことは君は俺の実在を認めたってことだ！　素晴らしい！」

アイアンサイド：
赤はタバスコの色。タバスコはスパゲッティを味わい深くする調味料である。
即ちタバスコの国のタバスコの騎士たる彼もまたFSMの味方である。
「でもちょっとかけすぎじゃない…？　これ赤すぎない…？」

ニコラ☆テスラ（オルタ）：
世間(特にエジソン)からは気持ち悪いわーッな扱いだがFSM教においては別である。
「FSM教『八つの本当にやめてほしいこと』その三――『人を外見や着ているものや話し方で判断すること』！　ラーメン！」

グラハム・ベル：
FSM及び教徒にとって大切なことの一つは電話料金の引き下げである。
「だからさ、無料で世界中と話せる電話とか作れない？」

長靴を履いた猫：
猫は言うまでもなく猫舌である。つまり熱々のラーメンを食べることが出来ない。
この難題に対しFSMはいかに対処するのか――
「だが心配ご無用――へい冷製ラーメン一丁お待ち！」

モントリア：
宗教ギャグの偉大な先人。流石にコメディ勝負じゃ分が悪い！
「スパモン宗教裁判ってどうすればいいんだろうね？」

源頼光：
二重の意味でモンスターであるFSMにとって化物殺しは非常に脅威である。
彼の持つアンチモンスターソードの前にはヌードル触手もスパスパ切り裂かれ、食べやすい長さに揃えられてしまうだろう。
「ぷるぷる、ぼくわるいモンスターじゃないよう――だから助けて！　仲間になるから！」

ローラン：
露出狂。
FSM教の天国にストリッパーがいることは既に書いた通りだが、ゲイや女性の信者のために男性のストリッパーも存在する。
「そういうわけでうちの天国で働いてみない？　一日九千八百円に三食ラーメンとビールつき！」

フリザス：
見えてる方のピンクで愛の戦士。愛はいいけど人の迷惑は考えような！
「ねえねえところであの角ピンク煽りに行くから付き合ってくれない？
……あ、付き合うってそういう意味じゃねえから！
違うから本当にマジで！　違うの！　違うんだって！
――もうピンク頭の相手はこりごりだよ〜！(ぴょいん)」

ナザレのイエス：
彼がFSMの息子ではないと言う証拠を見つけた物には二十五万ドルが支払われる。
「いや、やっぱインテリジェントにデザインされた通貨百万ドル分に変更だ！」

他教の信徒や神、特にキリスト教関係者：
Q.あなたは私の宗教を侮辱しているのか？
「まさか！　新しい神を祀っているがそれは他の神を軽蔑している訳ではない」
Q.他の宗教は悪いのか？
「そんなことはない！　ただFSM教の登場が遅かっただけだ」
Q.異教徒は地獄へ行くのか？
「答えはノーだ！　FSMは怖くない！」
Q.FSMは祈りを聞いてくれるか？
「もちろん！　さあ今すぐ海賊服と眼帯を着けるんだ！　ラーメン！」

海賊：
FSM教において海賊は人類の祖先であるとされる。
現代の進化論においては人間は猿から進化したと言われ、人間と猿のDNAは99％一致することがその証拠の一つである。
しかし人間と海賊のDNAは99.9％以上一致するのだ。これは人間が海賊から進化したと言うことに他ならない。
現代に名を残す海賊たちはみなFSM教徒である。
「キャプテン・キッドの財宝が秘伝のスパゲッティソースのレシピだってのは有名な話だろ？」

その他の皆様：
FSM教はいつでもあなたの入信をお待ちしております！
信じる心さえあれば今日からあなたもパスタファリアン！
「さあ唱えよう――ラーメン！」