『哀しき父』
葛西善蔵/著
改造社/刊
大正11年9月11日発行
概要 
体裁:四六判/布装/函/本文343頁
装幀:記載なし
定価:1円90銭（五版）
データは所持している五版（大正11年10月23日）に依る。
本来は函がつく。
収録作品
不良児（十年七月）
仲間（十年七月）
雨（十年十月）
本来の面目（十年十一月）
春（九年四月）
悪夢（九年五月）
父の出郷（十年十二月）
埋葬そのほか（十年五月）
千人風呂（九年三月）
M氏の失策（九年八月）
朝詣り（十一年一月）
鶩のやうに（九年三月）
小さな犠牲者（九年四月）
浮浪（十年三月）
疵（十一年六月）
括弧内の年月は本文末尾記載の年月に依る。
「悪夢」以外は私小説風の体裁で「私」が出来事を語る。世界観や登場人物は共通している。
収録順序は年月とは関係ない。
冒頭の「不良児」は自身の息子・Fの起こした出来事を取り扱う90頁の中篇が据えられ、その後の短編で息子や、郷里に残した妻や娘たち、親のことが回想され、最後に収録される「疵」で「不良児」の後日談が記されて終わるという、流れが組まれていて、短編集ではあるが、さながら長編のような趣もある創作集になっている。
重版の経緯
| 初版 | 大正11年9月11日 | |
| 再版 | 大正11年9月12日 | 未見、五版奥付に記載 |
| 三版 | 大正11年9月13日 | 未見、五版奥付に記載。尚、日本の古本屋に出品がある。 |
| 四版 | 大正11年9月14日 | 未見、五版奥付に記載 |
| 五版 | 大正11年10月23日 |
初版から四版まで一日置きに刷られている（存在するのだろうか）。
但、三版は日本の古本屋に出品が有るので存在するようだ。（17/05/25時点）
（https://www.kosho.or.jp/products/detail.php?transa...）
昭和二年に普及版が刊行されているから、五版以後の重版も存在するも思われる。
メモ
鈴木賀一郎『不良少年の研究』大鐙閣 大正12年（未所持）
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