☆ただし、以下のワードについては、小論文内に必ず含むこと
- 巡行に参加する山鉾の総数
- 今年(平成21年)の山一番
- 四条堺町および四条麩屋町で行われる行事名
- 交差点で山鉾を直角に方向転換させることの呼び名
解答チェック
《解答例》※これらのポイントうち、赤字のキーワード部分を含む解説を適正に記述することができて正答 公式テキスト[増]209〜215ページ/[新]257〜269ページ
◦ 祇園祭は、古くは祇園御霊会あるいは祇園会と呼ばれていた八坂神社の祭礼で、東京の神田祭や大阪の天神祭とともに「日本三大祭」のひとつといわれている。
◦ 平安時代の貞観11年(869)に都を中心に全国的な疫病流行に見舞われ、これは牛頭天王(ごずてんのう)の祟りであるとされ、祇園社司の卜部日良麻呂が勅を奉じて当時の国の数と同じ66本の鉾を
立てて、疫病退散の神事を行ったことが始まりとされている。
◦ 当初は疫病が流行した年にだけ行われていたが、天禄元年(970)からは毎年行われるようになった。保元・平治の乱や応仁・文明の乱などにより一時的な中断はあったが、千年以上の時を経て
今なお続く歴史ある祭である。
◦ 近年では、明治以降は昭和18年(1943)から4年間、第二次世界大戦の影響で山鉾巡行が中止となった。また、同41年(1966)から7月17日の先祭と、24日の後祭が統一され、17日に32基の山鉾が
一気に巡行するようになった。
※平成26年(2014)に再び先祭と後祭が分けられ、同時に大船鉾が150年ぶりに復活したため、現在では先祭23基・後祭10基が17日と24日に巡行している。
◦ 山鉾巡行の順番は、昭和28年(1953)から毎年7月2日に京都市役所の市会議場で行われる「くじ取り式」によって決められ、今年(平成21年)の山一番は芦刈山であった。しかし、常に先頭を行く
ことが決まっている長刀鉾など、順番が固定されている「くじ取らず」と呼ばれる山鉾が8基ある。
※平成26年(2014)に別名「凱旋の鉾」と呼ばれる大船鉾が復活し、これは常に後祭の最後尾を務めることが決まっているので「くじ取らず」の山鉾は9基となった。
◦ 7月17日の先祭当日、午前9時に先頭の長刀鉾が「エンヤラヤー」の掛け声で、四条烏丸を出発。その後、四条堺町でくじ取り式の順番通り巡行するかをチェックする「くじ改め」が行われ、さらに
その先の四条麩屋町で長刀鉾に乗るお稚児さんが「注連縄切り」を行い、八坂神社の聖域へと入り礼拝する。
◦ それまでは「御渡り」と呼ばれるゆっくりしたテンポのお囃子であったが、礼拝後は一転「戻り囃子」という速いテンポのお囃子に変わる。
◦ また、四条河原町や河原町御池の交差点では、路面に青竹を敷いて横向きに滑らせる山鉾を直角に方向転換させる「辻回し」が行われる。この際、一気に90度回転させるのではなく、3回に分けて
方向転換するのが縁起が良いとされている。
◦ 御池通を西進した山鉾は、やがて11時半頃に新町通辺りで列を崩して各山鉾町にそれぞれ戻っていく。
◦ そもそも山鉾巡行は邪気や疫神を浄化し清めることが役割であるため、巡行終了後はそれらを封印するため当日のうちに即座に解体される。
◦ なお、24日に行われる後祭巡行に関しては、9時30分にくじ取らずで先頭の橋弁慶山が烏丸御池を出発し、寺町御池で「くじ改め」が行われる。11時半頃に四条烏丸で解散して各山鉾町に戻る。
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