img街の魔法少女の素質ある「」を集めてるポン

登場キャラクター:りりか クライム・PF


「…………………ぃ」

……………………………

「……い………おい」

んん……………………

「おい!大丈夫か!」

……………あれ………?
りりかどうなったんだっけ…………?
確かプリハって人になめくじ食べさせられてすごく怒ってナメクジのほうに吹き飛ばしたら、なぜかりりかを恨んでるかのようになめくじに襲われて………
いろんなところからなめくじが体の中に入ってきて……………
そしたらなんだか頭がぐちゃぐちゃになるようなかんじがして……………
なにもかんがえられなくなって……………

「……………!ああ、ああああ、あああああああああ!」
「落ち着け!」
「うあ、あああ、やだ、やだ!触らないで!引っ付かないで!でてって!」
「暴れるな!もう大丈夫だ!だから!」
ぎゅっ、と、さっきからりりかのこと呼んでた女の人が抱きしめてくれた。
八代子お姉ちゃんよりも乱暴でちょっと苦しいけど
とても力強くて、八代子お姉ちゃんとはなんだか違う安心感がある。
「あ、う、う………」
「…………………もうなめくじは退治した」
言われてみると周りにはもうなめくじはいない。
「…………君にまとわりついてたのも全部俺が退治した。だから安心しろ」
そういえば、もう体の中になにか入り込んでくる気持ち悪い感じが全然しない。
助けてくれたんだ、この人が。
りりか、助かったんだ。
そう思ったら、なぜか涙が出てきて
「う…う……うわああああん!ああああん!」
すごく泣いた。
お母さんに怒られた時よりも長く大きい声で泣いた。
「…………よしよし」
慰めてくれるその手はお母さんよりちょっと乱暴ななでなでだけど
今までで一番落ち着くことができた。

「…………落ち着いたか?」
「うん………」
やっと涙が止まってから聞かれた。
「………お姉ちゃん、誰?」
「クライム・PFだ」
「クライムお姉ちゃん………助けてくれてありがとう」
「………気にするな。あんな状態の子をほおっておける奴なんていないさ」
そんなにひどかったのかな、りりか。
そう思ってクライムお姉ちゃんをよく見たら、りりかよりもひどいけがをしていた。
「クライムお姉ちゃん!?ひどいけがしてるよ!なんで言ってくれなかったの!?」
「…………これはなめくじと戦ってできたんだ。帰ったら治してもらうよ」
「ダメだよ!すぐ治さなきゃ!りりかヒーリング!クライムお姉ちゃんのけがを治して!」
魔法を発動してけがを治そうとした。
りりかはどんな願いでもかなえられる。けがならすぐに治せる。なのに。
「…………あれ?なんで?なんで治らないの?治れ!治れ!治れ!」
おかしい。今日はまだ使い切っていないはずだ。りりかの魔法が発動しないなんてありえない。
今日はなめくじを倒すのに一回、プリハって人を吹っ飛ばすのに一回、あと一回使えるはずなのに。
そこで、りりかは気を失う前の記憶を思い出す。
何も考えられなくなる直前、誰かがりりかのことを呼んだような気がした。
そのときりりかはステッキをその人に向けて……………
「……!もしかしてりりかが………?」
「…………………………」
気まずそうにクライムお姉ちゃんが目をそらす。
「やっぱり、りりかが………………」
やっぱりやめとけばよかったんだ。
強いって言われてたいろんな魔法少女がやられるほどの強さのなめくじ。
そんなところにプリハって人に誘われてたった二人で突撃して。
りりかの魔法があれば楽勝だなんて思ってた。
でも、なめくじはとてもたくさんいて。
プリハって人は気が動転してりりかになめくじ食べさせてきて。
なにひとつ抵抗できなかった。
りりかは全然だめだ。
「………りりか、魔法少女失格だよ………」

「そんなことはない」

クライムお姉ちゃんが言った。
「………なんで?りりか全然だめなんだよ?強いからって調子に乗ってクライムお姉ちゃんにひどいけがさせちゃったんだよ?いいところなんて何一つも……」
ぎゅっ、と。
また抱きしめられた。
こんどは心なしかすこし優しい抱き方になった気がした。
「いいんだよ、ちゃんとみんな生きてるんだから」
「でも…………」
「何事もすべてがうまくいくわけじゃない。常に成功し続ける奴なんていないのさ」
すごく、実感の伴ったかのように胸にくる言葉だった。
「失敗から学べることもたくさんある。そして何よりも生きて帰れたんだ。それ以上なんて必要ない」
「だから自分を責めるな。次に生かせ。それが成功につながるさ。だからそんなに悲しむな」
そういわれるとなんだか胸の中のつっかえが取れた気がして。
結局、りりかはまた泣いた。
でもなんだか、いままでよりとても有意義な涙になった気がした。

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