img街の魔法少女の素質ある「」を集めてるポン

登場キャラクター:コットン・アイスキャンディ キラりん☆

「……瞳? どうして……何でこんな…」
「りんちゃん?」
「その顔……ねぇ!何があったの瞳!?」
「ごめん、ちょっとミスっちゃって……」
「と、とにかく他の魔法少女呼んでくるから…」
「いい……私多分、助からないから」
「何で……嫌だ、嫌だよこんなの!!早く…」
「それより、お願いがあるの」
「今連絡取れる他の、他の魔法少女は、えっと」
「りんちゃんが私を殺して」
「……それって……どういう」
「このままだと私は毒で死んじゃう、その前に私をりんちゃんが殺してほしいの」
「む……無理だよ、無理だよ! 私がなんで瞳を!!」
「りんちゃんが私を殺すことに意味があるんだよ」
「嫌だ! 殺したくなんてないよ!!!」
「よく聞いて? 今私はここで死んじゃうけどりんちゃんが私を殺してくれれば私の魔法は消えない……でもこのまま何もしないままだと、私は無駄死にだよ」
「……でも」
「これからりんちゃんはもっと多くの戦闘に巻き込まれることになる……多分だけど、私はそう思ってる」
「……」
「その時に私の魔法があれば、りんちゃんだけは生き残れるよ」
「いや……」
「あと、そうだ! これ渡しておくね、私の代わりだと思って大事にしてね」
「……何でそんな」
「他の魔法少女と協力して、でもりんちゃんニハ自分のことの方を優先してほしイかな」
「何でそんな自分が死ぬって言うのに割り切ったように言えるのよ!! 私は! 瞳が死んでほしくなんてないから!! だから最善を……」
「ごメンね……」
「瞳! 声が……」
「ヤっぱり時間ナイっぽいから早く」
「で、でも」
「早ク!!!」


「そウ、首に手ヲカケて……後は体重を思イッキりかけるダケデいいかラ」
「う、うぅ……」
「大丈夫、私はイツでもリンちゃんの味方ダカらね……」
「うああああああああああああああああああああ!!!!」





 後日、瞳の葬儀が行われたことを知った。
 瞳は原因不明の不審死、という形で処理されたのもその時知った。家族の人は荒れに荒れていたらしい。
 私は瞳の死の真相を知っている。私だけが――。私が、彼女を、直接――。
 ……。
 夢だったんだろうか……とか言い出したら、魔法少女の存在自体が夢物語だ。

 瞳は、私より年は下なのに時折大人びた表情を見せることがあった。それでいて私が声をかけると、年相応の可愛げな笑顔を見せてくれた。……まあ中学生くらいの子なら、そういうのもよくあることなんだろうか。私の時はどうだったろう。
 魔法少女になってから、教育係として彼女に引っ張ってもらい、現実世界でも交流を持つようになり、私の初めての魔法少女友達と言える存在になってくれた。年齢差もあったけど、それでも瞳はそんなこと気にはしてないよ、みたいなそんな感じで接してくれて、とっても、楽しい日々だった。


 瞳は言っていた。これは魔法少女を育成し選別するゲームだ、そう遠くない内に殺し合いに発展する、と。もし彼女の言っていたことが正しいのなら、私は――。


 多分、私はきっかけが欲しいんだと思う。
 彼女を殺した事実と、死ぬ前に残してくれた彼女の言葉。
 ――もう、止まるわけにはいかない。

 ふと、ポケットからカチャという音がした。
 缶バッジが二つあった。そういえば、最近瞳は最近缶バッジメーカーみたいなのを買って、見せびらかしてたっけ。とするとこれは彼女の自作のか。
 私はその二つをネクタイにつけてみた。不思議としっくりくる感じがした。

 これからは天城瞳、コットン・アイスキャンディはいない。私一人だ。
 心機一転して名前にもちょっと愛着をつけてみたい。
 「キラりん☆」
 これには別に対した意味はなかった。たまたまテレビに出てたアイドルの名前をちょっともじっただけだ。
 もうちょっとひねりが欲しいかな……。こういうのはどうだ。

 ――凛として瞬く綺羅星のように。

 何かもうちょっと欲しい。そうだ。

 ――凛として瞬くKiller星のように。


 うむ。
 いや、ダサいか。
 いや! 瞳ならこういうこと言う。そうに違いない。

 私、宮古凛がキラりん☆として改めて活動を開始した日のことだった。

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

どなたでも編集できます