芋煮？計画@mhik

登場キャラクター:ガオンNU

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ｱｲｴ　　ﾑｼﾞ
相江港 武治倉庫地区 一番倉庫の影にうなり声を上げる獣あり
時刻は14:59、昼休憩も終わり、既に作業は再開されている、だが誰もその存在を誰かに伝える事はない
成人男性の顔ほどもある巨大な肉球、白と灰色の縞模様の見事な毛並み、コランダムを思わせる青い瞳
大型のホワイトタイガーである、輸送途中にサーカスの檻から逃げ出したか、否、それならば血眼になり
猛獣を探す者が駆け回っている筈である、そう、彼女は魔法少女、名をガオンNUことミナイ コトラである

「ちがうの…　だめなの…　でてきて…　おぇ…　おねがい…　おぇぇ…」
彼女の魔法は動物に変身するというものであるが、しばしば自我を保つことができず
白虎の衝動に酔う、山月記の李徴のように
彼女の魔法の意味とはつまり、見かけ力どころか心すら完全に動物となりきるという魔法であった

彼女は命を呪った、何故自分は命を奪わなければ生きられないのか、なぜ生き物は生き物を食べねばならないのか
何故こんなにも命を奪う事で満たされているのか、何故、なぜ、なんで

白虎の衝動は満たされていれば大人しいものだ、日に当たる路地や暖かい車のボンネットでもあればまるでペットの猫だ
だが一たび飢えればただの飼い猫とは行かない、エサを出してくれる飼い主など居ない、はじめは鳩、次は兎、その次は…

本日最後の犠牲者の亡骸は魔獣の巨躯の影に隠され騒ぎになる事もない。
コトラは半日の格闘の後亡骸を全てそろえることは叶わぬ事をとうとう理解し、夜を待った
夜になれば騒ぎになる事もなく家の近くに帰してあげることもできるはずだ

その後は…　その後は…
引き継がなければならない、殺して、食べた、だからその分、がんばらないと、やさしいお姉ちゃんがやろうとしてたことを