img街の魔法少女の素質ある「」を集めてるポン

登場キャラクター:スッピーちゃん ご主人

わんっ!こんにちは、ボク、スッピーちゃんです!
本当の名前は「スピネル」って言うんですけど、ご主人やご主人のお友達は
皆「スッピーちゃん」って呼んでくれるから、スッピーちゃんです!
中型犬?の、ミックス?って言うらしいです!
歳は一歳!あと…えへへ、自分のこと「ボク」って言うけど、女の子です!
普段はご主人がお仕事に行ってる間、お家でお留守番!
悪い人が入ってきたら、わんわんって吠えて追い払っちゃいます!
それが今までのボクのお仕事!
でもね…今はもう一つ、お仕事があるんです。
それは…

ガチャリ

「スッピー、ただいまー」


ご主人!ご主人の声です!
少し退屈でうつらうつらとしていたボクですが、ご主人の声を聞けばパッチリ!
すぐに起き上がってご主人のところに駆けていくのです!

わんっ!わん、わんっ!

「あはは、よしよし。今日もスッピーは元気だねぇ」

お出迎えに来たボクの頭を、ご主人はニコニコしながら優しく撫でてくれます。
それだけでボクはほわーっとした幸せな気分になるのです。
それからご主人と一緒に遊んで、ご飯を食べて。

「それじゃあ…スッピーは今日も、行くのかな?」

ご主人がいそいそとスマホを取り出します。
それにボクが、わんっ、と元気良く答えることで、ボクのもう一つのお仕事が始まるのです。

「ん、よし。それじゃあ…変身、っと」

ぽち、とご主人がスマホの画面にタッチします。
同時に、ボクの身体が眩い光に包まれながら、形を変えていって………

『わおーんっ!』

ぽんっ、と光が治まると同時に、元気に一声。
そんなボクの姿は、いつの間にかご主人みたいな人間の女の子になっていたのです。
でも、元のボクみたいに犬の耳も尻尾もついてるし、手と足には犬っぽいグローブと靴。
人間にしてはちょっと変わってる格好かもしれません。

「よーしよし、こっちのスッピーも可愛いねえ」

そんな格好のボクの頭を、ご主人は変わらずニコニコと微笑みながら撫でてくれます。
人間になると感触もちょっと変わりますけど、気持ちいいことに変わりはありません。
思わずほわっと笑顔になってしまいます。耳も尻尾もぴこぴこ動きます。
それからボクはご主人からパッと離れて、おもむろに窓をガラリと開け放ちます。
外の少しひやっとした空気が流れ込んできて思わず身体がふるりと震えました。

『それじゃあご主人、今日も行ってきます!』

「うん、行ってらっしゃい。気をつけるんだよ」

『はーい!』

ご主人に元気良く返事をすると、ボクは窓から外の世界へと飛び出していきました。
犬の時より何倍も軽やかに動くこの身体、思いっきり駆け回るのはとっても楽しい!
でも、ただ単に駆け回るだけではないのです。
もし困っている人がいたらその人のところへ行って、ボクなりの方法でお助け!
それがボクのもう一つの…魔法少女としてのお仕事なのです!
本当はご主人がこのお仕事をやる予定で、ボクが選ばれたのは手違いらしいけど…
人のお役にも立てて、思いっきり外を駆け回れて、ボクは今とっても幸せです!

『ただいまー!』

沢山遊んで、人助けして。
帰ってくる頃にはすっかり遅くなってしまっているけれど、ご主人は部屋の明りを
つけたまま、笑顔でボクのことを出迎えてくれます。

「おかえりスッピー。今日も楽しかった?」

『うん、とっても!』

「そっかそっか、それじゃあミルクあっためてあげるね」

『わーい!』

ご主人が温めてくれるミルクはとっても美味しくて、身体がぽかぽかあったまります。
ミルクを飲みながら、ボクは今日あったことをご主人にお話しします。

『今日はね、男の子が落し物して困ってたから、くんくんって匂いを嗅いで探してあげたの!』

「それで、きちんと見つけられた?」

『うん!男の子、とっても喜んでたよ!』

「そっかぁ、よかったね、スッピー」

ボクのお話を、ご主人はニコニコしながら聞いてくれます。
その笑顔を見ていると、ボクもとっても幸せな気持ちになるのです。
でも…人間になって、頭がちょっと良くなったからかな?時々ほんの少し、不安になります。

『…ねえ、ご主人』

「ん?どうしたの、スッピー」

『ご主人は…このお仕事、やりたかった?』

「んん?どうしてそんなこと聞くの?」

『だ、だって…魔法少女のお仕事、本当はボクじゃなくてご主人がやるはずだったんでしょ?』

「…………」

『それなのにボクが選ばれちゃって…ボク、ご主人のお仕事取っちゃったんじゃないか、って思って』

「…スッピー」

うつむいて話すボクに、ご主人が近づいてきます。
怒られるのかな、とびくりと震えたボクの頭に、ご主人の手がそっと添えられました。
そのまま、いつもよりもとっても優しく、ボクの頭を撫でてくれます。

『……ご主人?』

「スッピーはさ、魔法少女のお仕事楽しい?」

『…うん』

「それならいいの。大好きなスッピーが楽しんでくれるんなら、私も幸せ」

『ご主人…』

ご主人の優しい言葉と、優しい手に、次第に視界がぼやけてきます。
いつの間にかボクの目には涙がたまりはじめていたのでした。

「それに、OLと魔法少女の掛け持ちなんて忙しすぎて体がもたないしね。だから
 スッピーは私のことなんて気にしないで思いっきり…スッピー?」

『ご主人…ごしゅじーーーーんっ!』

思わずボクは、ガバッとご主人に飛びつきました。
そのままぎゅっと抱き着いて、ぺろぺろと顔を舐め始めます。
きっと今ボクの耳はぴこぴこと動き、尻尾は千切れそうなぐらいぶんぶん振れていたと思います。

「わっ、ちょ、スッピー!?」

『ご主人!ご主人!大好き!』

「ス、スッピー!嬉しいけどぺろぺろは変身解いてから、解いてから!なんか絵面怪しいから!
 うわ力強っ!魔法少女強っ!ちょ、ちょっと待って、待っ……あぁ〜〜〜〜〜っ…!」


一頻りぺろぺろして、気分が落ち着きました。
ふと見ると、あんまり沢山ぺろぺろしたので、ご主人は疲れて寝てしまったみたいです。
ふわぁ……ボクもなんだか眠たくなってきてしまいました。
そのままだと風邪を引いてしまうので、ご主人をお布団に運んでからボクも眠りにつきます。
そうだ!今日は、ご主人の隣で寝ちゃおうっと♪
それで明日も、いっぱいいっぱいお仕事頑張るんだ。
それじゃあご主人、おやすみなさい…

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