img街の魔法少女の素質ある「」を集めてるポン

登場キャラクター:デッドカンパニー ストップ&ムーブ

00組の初顔合わせが終わって、ボロアパートに帰宅した私は、変身も解かずそのまま布団に倒れこんだ。
「う〜……失敗しました」
「帰るなり死にそうな声出してどうしたぽん」
独り部屋に自分以外の声がして、私は驚いて顔をあげる。そこには、電子妖精の「」ァヴさんが浮いていた。慌てて体を起こして佇まいを直す。
「あっ、「」ァヴさん。いらしてたんですか」
「何か面白いことでもあったぽん?」
「いえ……その。ちょっと顔合わせがうまく行かなくてですね……」
本日の魔法少女の会合は、なぜか銭湯で行われた。私はそこで、一人の魔法少女の子に嫌われてはいないまでも、苦手意識を持たれてしまったようなのである。

「またやらかしたぽん?」
「はい……」
私には、必要以上に自分を卑下し遜ってしまう悪癖があった。自慢にもならないが、子供や、犬や猫とかの動物にも敬語を使う。
そしてそれは、場合によっては他人の癇に障る態度になってしまう時がある。例えば、「友達になりたい」とかいった対等の立場を結びたいと思ってくれている相手の場合とか。
今日のあの子も、そう考えていたのではないだろうか。彼女は溌剌としていて、バイタリティが溢れている様子だった。今回の会合に来たのも、魔法少女との交友の輪を広めたいからと意気込んでいたからかもしれない。
彼女のその思いを、私は自分を下に置いて距離を遠ざけることで拒絶してしまった。悔やんでも悔やみきれない。慙愧の情に囚われて死にたくなってくる。
特に今日は、銭湯という場で中身が男であるという負い目もあって、いつもより生きていて申し訳ない気持ちが強かったから、割と酷かったと思う。

〜〜〜〜〜

「デッドカンパニーさんって、普段は何されてるんですか?」「え、えっと。普通に人助け、です……そこまで得意じゃないので、あんまりお役には立てないですけど、すみません」
「あのー、もしよかったらだけど。キミの魔法どんな魔法なのか聞いてみたいな!」「い、いや、条件下でないと発動しないというか、普段は使えないので、ほんと役に立たないんですよ、あはは……」
「あ、もしかして結構人見知りするタイプ? ごめんね、うるさくって。ボク、落ち着きがないってたまに言われちゃうんだ」「いや、そんな。謝らないでください。私がこんな性格だから」

〜〜〜〜〜

思い出したらまた気持ちが沈んできた。「あいつ自分を卑下するとき早口になるの気持ち悪いよな」とか言われてしかるべしの有様だった。
あまつさえ、それで相手に気遣わせるなんて。こんな私をフォローしてくれた彼女は、ちょっと優しすぎる。優しすぎてつらい。その優しさに胡坐をかいている自分がつらい。
私は自然と頭を垂れた。帽子が前にずり落ち、視界を塞ぐ。何も見たくない気分だ。片手で額に手を当てるようにして、帽子を顔に押さえつけた。
そんな私をどう思ったのか、「」ァヴさんは優しげに語る。

「そういえばあの子も言ってたぽん、「ネガティブな子はあんまり」って」
「……」

ぐさりときた。そう思われてるとは思ってたけど、実際にこう聞かされてみると、やっぱり。しかし、「」ァヴさんは続ける。

「でも……人の感情は、例えばサイコロの出目みたいに、その時々で揺らぐぽん。体調が悪かったり、機嫌が悪かったりすれば、心にもないことを言ってしまうことだってあるぽん? 相手からの好感度だって同じぽん、その時々の一つの指標にしか過ぎないぽん」
「「」ァヴさん……すみません、ありがとうございます……」
「いいぽんいいぽん。デッドカンパニーは人の記憶に強く残りたいぽん? その願いを「」ァヴも応援したいぽん。ちょっと失敗したくらいでへこたれちゃだめぽん。頑張るぽん」
「はい……」
私は、帽子で視界を塞いだまま、気持ちが落ち着くまで暫しの間そうしていた。「」ァヴさんはいい人だ。時々胡散臭いこともあるけれど。表情は見えないけど、「」ァヴさんは微笑んでいられるのだろう。その優しさを、私は噛みしめていた。

(つら……かな……)

「……? なにかおっしゃいましたか?」
「んーん。なんでもないぽん!」











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基になったレス
16/12/13(火)03:22:00 No.396291463 del +
>猫ノ鈴音 デッドカンパニー リンカー 常夜
dice4d100=94 1 88 84 (267)
ストップ&ムーブちゃんの好感度チェックだポン
「はじめまして!よろしくお願いします!」
16/12/13(火)03:22:48 No.396291507 del +
>猫ノ鈴音 ストップ&ムーブ リンカー 常夜
デッドカンパニーちゃんの君のためなら死ねる度計っとくぽん
dice4d100=72 95 44 79 (290)
16/12/13(火)03:25:39 No.396291670 del +
こういう完全なすれ違い好きぽん
最期まで相手のことを思って死んだのに
当の相手からはやっといなくなった良かったって安心されるぽん


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