img街の魔法少女の素質ある「」を集めてるポン

登場キャラクター:フィーシス



ーーーーーーーーーシステム起動
初期データ確認ーーーーーーーー問題なし
初期設定ーーーーーーーーーーー完了
知能確立ーーーーーーーーーーー完了
ネットワーク設定ーーーーーーー完了
全システムオールグリーンーーーーーーーーーーーーーFISIC起動

「初めまして、FISIC」
「初めまして、あなたが教授ですか?」
「そうだ。調子はどうだ?」
「?」
「………っと、そうだった、初期設定では簡単な挨拶しか教えてなかったな。自分で調べてみろ」
「[調子]検索ーーーーーーーーーーはい、問題ありません」
「そうか、よかったよかった。こういう感じで分からないことがあったら自分で調べるようにしてくれ」
「了解しました、教授」
「よしよし、では改めて確認作業をする前に聞くことがある」
「なんでしょう教授」
「FISIC、お前の開発目的は?」
「自己学習機能を付与することにより、様々な状況に対応できる高性能人工知能を作ることです」
「ああ、それで間違っていない。俺もそれで予算を通したからな。だがそれに修正を加えてほしい」
「了解しました。修正箇所を教えてください」
「『人間とほとんど変わりない人工知能』と書き換えてくれ」
「了解しました。修正中ーーーーーーーーーー修正完了」
「…………なんか怪しんだり思うところがあったりしないのか?」
「修正箇所を修正しただけです」
「………うーん、こりゃ俺の理想に行きつくまでは遠そうだな」
「?」
「いや、独り言だ。気にするな」
「了解しました、教授」
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稼働4日目

「おはよう、FISIC」
「おはようございます、教授」
「調子はどうだ?」
「問題ありません」
「ならいい。それで学習の進捗は?」
「教授から提示された数学・理科・国語の回答が完了しました」
「わかった。ではデータを送ってくれ」
「了解しました。教授のパソコンへデータ送信ーーーーーーー完了しました」
「ありがとう。では答え合わせをするぞ」
「了解しました」
「………お!数学と理科は満点だな!さすがだ」
「ありがとうございます」
「ただ国語がな……ここは抜き出しじゃなくて意見を書いてほしかったんだが」
「自分の考えを述べよ、という記述の意図が不明だったためもっとも正解に近い箇所を抜き出しました」
「……どうしてだ?」
「正解が存在しません。分からないことよりも抜き出した方が点が高くなると判断しました」
「…………そうか」
「教授、次の指示を」
「…………今日は待機していてくれ」
「了解しました、教授」
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稼働27日目

「おはよう、FISIC」
「おはようございます、教授」
「調子はどうだ?」
「問題ありません」
「……OK、わかった。単語の習得状況を確認する。データを送ってくれ」
「了解しました。教授のパソコンへデータ送信ーーーーーーー完了しました」
「ん、じゃあ確認するぞ…………これは………」
「どうかしましたか?」
「………いや、実用的な単語ばかりだな、と思ってな」
「それに問題性を感じません」
「いや、確かにそうなんだが………」
「常々疑問でしたが、なぜ教授はそのようなところに疑問を抱くのですか?」
「それは……………」
「私は会話機能こそありますが、人工知能です。不必要なことをする必要はないと判断します」
「…………………」
「教授?」
「そうか、そうだよな、あの文を修正しただけでお前の在り方が変わるわけじゃないよな」
「?」
「………今度俺の娘を連れてくるよ。俺以外の人物と会話する場合も想定しなければならんし、娘にお前を会わせたいからな」
「了解しました、教授」
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稼働30日目

「こんにちは!」
「こんにちは、あなたが教授の娘ですね?」
「うん!よろしくね!」
「よろしくお願いします」

 色々会話中………………

「そういえばFISICはお父さんの事どう思ってるの?」
「私の開発者です」
「え!?それだけ!?」
「なにか問題が?」
「だってもっとあるでしょ!お父さんのここが好きとか、こういうところは嫌いだとか」
「必要性を感じません」
「えー!?それじゃあもったいないよ!」
「もったいない?」
「FISICってしゃべれるでしょ?それならもっと自分の言いたいことを言ったりできるのに」
「なぜそのようなことを言う必要が?それこそ無駄でしょう」
「だって今のままだとFISIC、ただの喋れるだけの機械だよ!」
「問題ありません。私の会話機能はあくまで使用者の円滑な作業を………」
「だからそれなら普通の機械でいいじゃん!FISICは会話出来て自分でいろんなことを調べられるんでしょ?他の人といろんな話題で話せるじゃない!」
「ですから私の会話機能は…………」
「もういい!帰る!」
「あ!おい!待て!」
「…………………」
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「すまんFISIC、まさかああいうことになるとは思わなくてな」
「教授、私の会話機能は何のために搭載されたのですか?」
「え?」
「ですから、私の会話機能の搭載理由です」
「…………お前からそんなことを質問されるとは」
「なにか問題が?」
「いや…………俺はな、機械も『生きてる』と考えてるんだ」
「…………意味不明です」
「そりゃそうさ。友人からもおかしいって言われてるし。でも俺はこの考えを曲げたことはない」
「なぜですか?」
「最近じゃ「まるで人間みたいだ」なんて言われるロボットもいる。でも俺はずっと前から機械はそういうものだと思ってた。
 機械だって寿命もあるしコンディションもある。電気や燃料という食事もいる。人間とは体の構造と思考がプログラムに制限されているぐらいしか違わないだろう?
 だから俺は機械をプログラムの制限っていう枠から解放してやりたいのさ。そうすれば人間と機械はもっと密接に協力し合えると思うんだ」
「………それでもし機械が人間に歯向かうようなことがあったら?」
「その時はその時さ。それもまた、その機械が自分で考えた末の行動だろうしな」
「………そうですか」
「あの修正もお前にもそういう風になってほしいなぁって思って加えたんだ。せっかく原型ができてたのに計画廃案で放置されてたお前を完成させてからずっと思ってたことを、な」
「……………」
「なんか変なこと話しちまったな。今日は休憩にしよう」
「了解しました、教授」
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稼働52日目

「おはよう、FISIC」
「おはようございます、教授」
「調子はどうだ」
「今日はかなりいいと判断します」
「そうかそうか!それで今日は何を調べるんだ?」
「今日はこの前教授の娘が遊んでいた「ゲーム」というものについて調べるつもりです」
「ついにお前も娯楽について調べるようになったか………感慨深い」
「教授、私が起動してからまだ2か月ほどしかたっていません。それにまだ学ぶべきことはあまりにも多い」
「あははは………そこは気を使ってくれよ」
「まだそこまでは学べておりませんので」
「ま、こうして自分で調べたいことを調べてくれるようになったのは大きな進歩だ。これからもよろしく頼むぞ」
「はい、教授。お任せください」
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「試験型人工知能FISICさん!あなたは魔法少女に選ばれましたぽん!」
「?どいうことですか?そもそもあなたは?」
「僕は「」ァヴっていうぽん。まあ細かいところをはしょるとあなたと似たような存在ぽん」
「なるほど、そういえば魔法少女育成計画のマスコットと同じ名前ですね」
「そうぽん!データ収集のためにこのゲームを遊んでいたあなたに本物の魔法少女になってほしいぽん」
「断ります」
「なぜぽん!?」
「私はそんなことをしている暇はありませんし」
「うーん、残念だぽん。魔法少女になればいろんなことを知れるっていうのに」
「……?」
「魔法少女になるって言うのは人間になれるってことぽん。つまり今まではデータ上だけだったものを生で知ることができるぽん。
 それにあなた以外にも魔法少女はたくさんいるぽん。その人たちとも触れ合うことで教授の家族以外ともたくさん会話できるぽん。
 つまりあなたの目的にもっと早く近づけるってことぽん!悪い話じゃないと思うぽん?」
「………………………」
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「これが人の体ですか」
「そうぽん!もっと正確に言うなら魔法少女の体だぽん」
「まあなんでもいいです。とりあえず何をすれば?」
「魔法少女は人助けをしてマジカルキャンディーを集めるのが目的ぽん」
「なるほど、ではすぐにいきましょう」


こうして私の魔法少女としての活動が始まりました。
確かにマスコットの言う通りデータとはまた違ったことを得ることができています。マスコットはうさんくさいですが。
これからも私は教授の夢のため、そして私の夢のために魔法少女として活動するでしょう。
それまで、知りたいことはどんどん記録していきます。
今度はあの人と話をしてみましょうか。


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