img街の魔法少女の素質ある「」を集めてるポン

登場キャラクター:タイガーソウル デイライト・チェイサー パック・ル・バック よも(ヨモツ)

この怪文章は、魔法少女育成計画の二次創作である自作魔法少女スレに登場したキャラをお借りした三次創作ぽん。
以下の注意点に留意して目を通して欲しいぽん。
※1 お借りしたキャラの作者さんは一切関わっていないため、実際の設定と、怪文章内の性格や能力が齟齬しているかもしれないぽん。
※2 お借りしたキャラ同士でwikiやスレにない人間関係が出来上がっているぽん。
※3 お借りしたキャラがかなりギャグ寄りにキャラ崩壊しているぽん。



















                                 死闘!嵐を呼ぶたこ焼きパーティー!



◇◇◇


同じ組になったのもなにかの縁っちゅーことで、うち主催でたこ焼きパーティーを催したはええんやけど、こうなんていうか個性的なメンツが集まったなぁ(他人のことは言えない)
見るからに吸血鬼っちゅうスタイルで、背もたれの付いたアンティーク調ロッキングチェアに揺られて足をぶらぶらさせているのがチェイサー嬢。
その真正面で、集まった時からずっとにこにこ笑顔を絶やしていないのがよも姐さん。
いや、それはええねんけど、今から一つ舞でも披露しようかっちゅうような、どこぞの怨霊めいた格好で薄笑い浮かべているからめっちゃ怖いねん。
綺麗な顔しているだけに四谷怪談かっちゅう感じで怖いねん、ほんま。さっきからめっちゃチェイサーちゃんに獲物見るみたいな目ぇ向けてるのも怖いねん。見過ぎやから!ずっと見過ぎやから!
チェイサーちゃんも欠伸しとらんでなんかこう反応せえよ!
で、うちの正面に座ってるロビンフッドみたいな格好をした森ガール(死語)がパックちゃん。格好も相まって一番まともそう(他二人がまともやないって言うてるわけやないでぇ。
あくまで比較的、比較したらってことやで〜!)
え、なんで今眼鏡クィってする動作したん?自分、眼鏡かけてないよね。え、なんで今不敵な感じで笑ったん?あ、ごめん。この子まともちゃうわ。おかしいわ。
個性的なんはメンツだけならまだしも――

(なんで装飾品までてんでばらばらやねん!)

チェイサーちゃんがロッキングチェアで、よもちゃんが医者が病院で使っているような診察用の回転椅子。パックちゃんがオフィスチェアで、ウチがふっつうの丸椅子。
――統一せえよ!なんか芸能人格付けチェックみたいな格差が生まれてるやん!オフィスチェアと回転椅子は百歩譲ってええとしよう。チェイサーちゃん、なんでタコパでロッキングチェアやねん。
貴族か!あんた貴族か!

「いつまで夜の女王である私を待たせるつもりなの!早くそのたこ焼きパーティーとやらを始めてちょうだい!」

ごめん。貴族どころやない。女王やった。そっかー女王かー。女王ならしかたないなー。って女王ってなんやねん!

「まあまあそう焦らないで女王様。たこ焼きって一口にいっても色々アレンジ出来るからねー。私、焼くけど、何入れよっか。チーズとかどうかな」

と言いながらなれた手つきでボウルに入ったミックス粉をシェイクするパックちゃん。手際もさることながら自分の希望を先に述べて、後の人間が続きやすいようにするさり気ない気遣いが身に染みるでぇ。
さっきはエア眼鏡クィ女とか思ってごめんな、パックちゃん。ほんまやと主催者であるうちが真っ先にせんとあかんのに。あかんあかん、うちも頭よりも手を動かさんと。

「ほな、うちはウィンナーでも……」

虎縞のテーブルクロス(うち持参である)を敷いたアンティーク調の円卓テーブル(チェイサー嬢たっての希望である)にはたこ焼きプレートに、その他カッティングされた具材やら調理器具が置かれている。
その中から、ウィンナーの入った皿を取ろうとして、ふとテーブルの隅っこに置かれた花瓶が目にはいた。白いカーネーションの花が差してある。
へえ、綺麗やなあ。こういう潤いもタコパにはありやな、と思いしばし手を止めて見つめていると、横から声がかかった。よもちゃんや。

「綺麗でしょ。あたしが持ってきたのよ」
「へぇ〜。そりゃありがとさんです〜。いや、ほんま綺麗で思わず見とれてもうたわぁ」
「白いカーネーションの花言葉は無償の愛。カーネーションといえば母の日によく送られる花だけど、実は親しい女性の死を悼む供花でもあるのよ。
もし、このパーティーで、あたし達の中の誰かが死んじゃった時のために花の一つでもあった方がいいと思って」
「ふぅん〜そうなんや〜。カーネション言うたら確かに母の日くらいしか思い浮かば……うん?」

うん?うちの聞き間違いかな。なんか後半えらい場違いな台詞が聞こえたような気がしたけど。チェイサーちゃんとパックちゃんの二人に、今のうちの聞き間違いやんな?って目線を送って同意を促すも

「………そうだね。もしかしたら、これが今生の別れになるかもしれないもんね」
「出会いと離別を繰り返す……永久を生きる夜の女王の宿命ね……残念だけど……」

こらっ!あんたらなんでそんなにノリがええんね。さては仲良しやろ!さてはうちが来る前から既に仲良しやったやろ!
「でも、大丈夫。もし死んでもあたしが生き返らせてあげるから!」って放言するよもちゃんに、二人もうなずきながら「それなら安心だね!」とか「ならば心置きなく遊戯に興じられるわ!」
とか答えてるし、なんなん。なんでうち主催やのにうちだけ完全アウェイなん。前のセパ交流戦の甲子園での相手チームのアウェイ感が今初めて身に染みて分かったわぁ。





◇◇◇


とまあこんな感じでばりばりアウェイ感を味わいながらも始まったタコパやけど、10分立つ頃にはいい感じに場が温まってきて
頬を薄桃色に染めてはふはふしながら「これ、けっこう美味しいわね。気に入ったわ」とたこ焼きをそこそこなペースで食べるチェイサーちゃんや
その隣で、チェイサーちゃんに適度にたこ焼きを装ってあげつつ、「熱いからちゃんとふーふーして食べなよ」とおかんばりの気遣いを見せるパックちゃん。
よもちゃんが、たこピック(たこ焼きを裏返したりするのに使う便利器具)を器用に操って、ひょいひょいひょい、と素早くたこ焼きを回転させていき、
回転させたまま器に飛ばして、いい感じに風で冷めたたこ焼きを渡してくれた時は、その超絶テクニックを三人でほめたたえ拍手したりもした。
そんなこんなでうちも若干ホーム寄りになって態度が砕けてきた辺りで事件は起きたんや。始まりはパックちゃんの一言から。


「プレートも空になっちゃったし、次の焼く前にあれしようよ。ロシアンルーレット」
「ロシアンルーレット、誰が死ぬのかなあ……」
「いや、誰も死なへんから!そんな楽しみ…みたいな口調で言わんとって、怖いねん!……ロシアンルーレットっちゅうのはね、
焼いたたこ焼きの中に一個だけ、カラシとかそういうめっちゃ辛いの入れたアタリを作って、誰が食べてまうのか運試しするゲームです」
「面白そうね。でも、私達魔法少女に劇物は効かないんじゃない?」

いや、劇物って。チェイサーちゃん毒入れるんちゃうねんから。ちょっと、いやかなり辛い程度の調味料、香辛料なら身体は毒判定下さないんちゃう。
そう、思い予めテーブルの隅に用意していた激辛!カラシに手を伸ばそうとすると、パックちゃんがちっちっちっと舌打ちしながら小指を左右に振った。

「甘い甘い。いや、ほんとにその程度じゃ甘いよ。どうせやるならもっと辛いのでやらないと。
と、いうわけで用意してきました魔法の国印の魔法少女でもちょー辛い香辛料激辛ハバネロくん。これ使おうよ!」

と言いながらパックちゃんがドンっとチューブタイプの容器をテーブルに置いた。赤というより毒々しい赤茶色のパッケージに※注意:ほんとに辛いよ!と可愛らしいフォントで注意書きがしてある。
え?これほんまにやばいやつちゃうの?ええの、こんなガチなん使って。だってタコパって女子会(笑)やで。これって新年会のかくし芸終わって三次会あたりで投入する最終兵器なんちゃうの。
と戦慄するうちを尻目に「面白いわね!夜の女王の名に懸けて受けて立つわ!」とか「いいわねえ。もし死んだら生き返らせてあげるから!」とか残りの二人の乗り気な声が聞こえる。
え?君らなんでそんなノリノリなん?




◇◇◇


というわけで始まってしまった第一回ハバネロたこ焼きロシアンルーレット。参加者は以下の通り。
うち(タイガーソウル)初出場。
パックちゃん(パック・ル・バック)二年ぶり4度目の出場。
チェイサーちゃん(デイライト・チェイサー)初出場。
よもちゃん(よも(ヨモツ))初出場。

今開始のサイレンが鳴って、プレイボール。

順番は公正な審議の結果、ジャンケンで決まりました。一番、パックちゃん 二番、チェイサーちゃん 三番、うち 四番、よもちゃん。

焼きあがったたこ焼きは13個。アタリは一つ。各自順々にシャッフルし皿のどこにあるのがアタリのたこ焼きなのが定かではありません。
まずは静かな立ち上がり。パックちゃん、チェイサーちゃん、うち、よもちゃんと問題なく食べ進める。おいしい。
二巡目、「私は高貴な夜の眷属だから、こんなつまようじじゃ食べにくくてしかたないわ!」とつまようじでたこ焼きをいじくりまわして中身を確認してから口に運ぶという
チェイサーちゃんのこすいプレーに一塁塁審のうちが異を唱える。公正な審議の結果、全員割り箸を使用することとなった。
同じく二巡目、「実は私もほら、見ての通り、妖精だからお箸とか使ったことがなくて」と割り箸でたこ焼き真っ二つにして中身を確認してから口に運ぶという
パックちゃんの大胆なプレイに主審のチェイサーちゃん、一塁塁審のうちが異議を唱えてプレイを一時中断。公正な審議の結果、全員フォークを使用することになった。
同二巡目、「いや、ほらうち見ての通り関西人やから。フォークとか高尚なもんは使ったことなくて」とフォークでタコだけ差して先に食べ、中身を確認したうちのスーパープレイに
主審、二塁塁審は異を唱え、公正な審議の結果、全員一番使いやすい道具を使って食べることになった。
そして二巡目、最終よもちゃんの番で、場の雰囲気に?まれたのか、よもちゃんが箸からたこ焼きを取りこぼした。


「あ、ごめんなさい……」
「しゃーない、しゃーない。弘法も筆の誤りっちゅうもん……」
「もしかしたら今落としたのがアタリかもねー」
「えー、そんなのつまらないじゃない!やり直しを要求するわ」

気持ちは分かるけど、やり直すっちゅうのはまだ気が早いで、とチェイサーちゃんを宥めようとした寸前、何を思ったのか「そうねー」と頷いたよもちゃんが
先ほどのぎこちない指の動きはどこへやら、まるでプロの職人のような手つきで、たこ焼きの表皮についたホコリをティッシュではらって、どこから取り出したのかライターで炙り消毒し
とどめとばかりに同じく加熱消毒したたこピックで目にもとまらぬ速さでたこ焼きの表面を研磨してから、僅かに残っていた魔法印の激辛カラシをたこ焼きにぶち込み
たこ焼きプレートで再加熱して形を整え、再び皿へ。皿に残ったたこ焼きと手早くシャッフルし、どれがどれだか分からなくしてもうた。この間わずか7秒足らずである。

「これで大丈夫!生き返ったわ!」

いえーい!ってはにかんでピースするよもちゃん。
いや、生き返ったわちゃうやろ!なに、アタリを二つに増やして(確定ではない)くれてるねん!さっき落としたの絶対わざとやろ!その安心させるような穏やかなほほえみを止めろ!
天使みたいなツラしとるけど悪魔の所業やからな!

「嘘…それじゃ、アタリが二つに増えたってことなの……」
「まぁまぁ、残り6個もあるんだし、二つに増えても1/3、そう簡単には当たんないって。だいたいこういうのは最後に残るのが定番だからね。
じゃあ、いただきまーす」

と、戦慄するチェイサーちゃんを横目に、パックちゃんは無作為にたこ焼きの一つに箸を伸ばし、笑顔でぱくりと頬張った。

「………パックちゃん?」

笑顔のまま固まったパックちゃんに声をかける。反応はない。いや、笑顔は笑顔のままやけど顔にめっちゃ脂汗が浮かんでる。みるみる顔色が悪くなっていってるって!

「―――――――――ッッッ!!!!!!!!!???」

「パックぅぅううううううううううう!!!」

ソルレソル語で叫んでビターンと卒倒したパックちゃんを慌ててチェイサーちゃんが抱き寄せる。うちも席をたって駆け寄る。パックちゃんが手を伸ばして何事かを伝えようとしている。
なんや、なにが言いたいんや〜。チェイサーちゃんと一緒にパックちゃんの口元に耳を近づける。










「………こ、この図面、明日までに精査かけてくれます………」












チーン

とうとう脱落者が出てしまった。
パックちゃんが先ほどまで座っていたオフィスチェアには、いつのまに撮ったのか笑顔でダプルピースするパックちゃんの遺影が代わりに置かれている。
こらっ、誰やほっぺに、メス鹿調教済みって落書きしたのは!
本当ならパックちゃん一人の犠牲で終わるところだったのに、予期せぬハプニング、いやハプニングやないで、人災や!のせいでまだ一つアタリが残っている。
確率は1/5。勝負師は三人。先ほどのパックちゃんの痛ましい姿に衝撃を受けたのかチェイサーちゃんの顔色は微妙に悪い。尊大な態度もなりを潜めているように思える。
びびったかチェイサーちゃん。この手の賭け事でびびったら負けやで。この子はもう敵やないな、と安心して一番の要注意人物をちらりと横目で見る。
よもちゃんは相変わらず表情が読めへんわあ。にこにこしているんやけど、地味に目が笑ってないというか、よう見たら目ェ怖っ!なんかうちのまる(飼い猫)の目ェみたいで怖いわぁ。
完全に獲物見る目やもん。完全に獲物見る目でチェイサーちゃん見てるもん。チェイサーちゃんも「うぅうん〜〜〜?」とか可愛らしく唸って考えてないで、気づけ!そろそろ気づきいな!
あ、今さらっとチェイサーちゃんの視界に入りやすい位置に、皿の端っこにあったたこ焼きを移した。どう見てもこれ、アタリやろ……ってあ〜あ〜チェイサーちゃんもアタリに手ェ伸ばしたらあかんやん。
こら、まずいと流石に静止しようとするも時すでに遅く、さんざん悩んだ末に明らかにアタリっぽいたこ焼きを、チェイサーちゃんが口へと運んだ。
眉間にしわが寄ったかと思うと、悩ましい表情が見る見る泣き顔に変わって―――


「―――――――――ッッッ!!!!!!!!!???」


「おでこちゃぁあああーーーーーん!!!」

うみゃああああ、とか叫んで卒倒したチェイサーちゃんを慌てて抱き寄せる。チェイサーちゃんが涙目で首を振って何かを伝えようとしている。
なんや、何が言いたいんや〜。チェイサーちゃんの口元に耳を近づける。
















「じ、自転車とか……マジ不要だわ……」









チーン

ついに二人目の犠牲者まで。
チェイサーちゃんが先ほどまで座っていたロッキングチェアには、いつのまに撮ったのかてぺぺろっ☆って感じに可愛くおどけたポーズをとるチェイサーちゃんの遺影が代わりに置かれている。
こらっ、誰やおでこに太陽拳!って落書きしたのは!
って一人しかおらんやん!うちの斜め隣で相変わらずにこにこしながらお茶すすっているよもちゃんしかおらんやん!いや、待て。格好は怖いけどこんな柔和な笑みを浮かべるねーちゃんが
ほんまに森ガール(パックちゃん)とおでこちゃん(チェイサーちゃん)にあんなひどい落書きをしたんか。うちの間違いやないのか。え、じゃあ誰………もしかしてうち?うち、こわぁ……

「尊い犠牲は出てしまったけど、ともかくこれで終わったわね」

遠い目をしてよもちゃんが呟いた。せや、ともかくこれで終わったんや。アタリは二つだけ。残り三個のたこ焼きは全部普通のたこ焼き。
長い死闘をうちは制した――。二人のことは、忘れへんで、と、微妙に、アラサー森ガール(笑)とかおでこちゃんprprとか落書きの増えている二人の遺影を見つめる。うわぁ…また増えてるぅ。
誰がやったんや………って、うちしかおらんやん。え?やっぱりうちなんかなあ?うち、こわぁ……
自分の秘めたる残虐性に戦きつつも、勝利の美酒もとい残りのたこ焼きにつまようじを伸ばし、ひょいぱくと口に放り込む。うぅ〜ん、勝利の味はおいしぃ〜〜〜ぃ?

























「―――――――――ッッッ!!!!!!!!!???」

なんや…そんなアホな……この口の中に手榴弾を放り込まれたかのような辛みの連鎖爆撃は紛れもなくあたりのたこ焼き!
まさか、馬鹿な――もしや、先に当たったはずの二人のうちどちらかが謀って!アタリを食べたような振りをしてゲームから降りたとでも――

「あらあら〜〜どうしたのぉ?」

違う。まさか、よもちゃん。いや、いつだ。一体いつ。もしや、パックちゃんに二人して駆け寄った時に、あのわずかな間にアタリのたこ焼きをもう一つ増やしていたとでも――

「大丈夫!アタシが生き返らせてあげるから〜〜」

柔和な笑みの隙間に確かに見た。よもちゃんが計画通り!と口角を持ち上げて悪い笑みを浮かべているのを。
――やはり、うちは間違っていなかった。
薄れゆく意識の中でうちは確かに自分の正しさを確信していた。この子やっぱこわいわぁ……!










                                                                         おわり

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