img街の魔法少女の素質ある「」を集めてるポン

登場キャラクター:クレインダンス ぷっしーきゃっつ

【粘液と死闘】

この街では魔法少女がそれぞれ組に振り分けられるのが慣習となっている。
誰がいつ定めたとはっきりしているわけでもないが自然発生的に出来たこの仕組みを私たちは受け入れていた。
魔法少女同士の組の決まりの一つに一定期間が過ぎると人員がシャッフルされ、新たな組に振り分けられるという物がある。
それ故シャッフル中は短くはあるが誰も何処の組にも属していない空白期間が存在していた。
私はその空白を突いて襲撃を掛けることを決めた。

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標的は私の友人に手を出そうとした淫獣魔法少女だ。未遂になったとの噂もあるが一度糾弾しなければならない。
例の魔法少女が出没すると聞く場所に私が足を踏み入れると―――いた。
あっさり発見した。
ドギツいピンク色のくノ一らしい意匠を織り込んだボディスーツにネコミミと尻尾、話に聞いた特徴に間違いない。
じゃり、と私のさせた足音に向こうも気付いたようだ。
「貴女ですか…」
「初めて見る顔だにゃん、ぷっしーに何の用かにゃん?」
目の前の魔法少女はぷっしーと言う名前らしい、聞いたところで覚える気は無かった。私が答えないでいると
「誰であろうと一人でのこのこ来るたぁ飛んで火にいる夏の虫。むしろぷっしーの方から飛び掛からせていただきますにゃん♥」
いきなり跳躍して飛びついてきた。私は即座に右手を小型拳銃に切り替えて三連発の迎撃。パァンパァンパァンと小気味いい音が鳴り響いた。
「にゃにゃにゃっ!?いきなり撃つとはひどいにゃん!?それによく見ればメカでガチガチに固めてるにゃ…でもそういうお堅い子を剥くのも一興だにゃん♥」
おかしい。
手加減して峰撃ちを狙ったとは言え弾丸は過たず命中したはず。なのに傷一つなくぴんぴんしている。
私の体に取り込んだ機械、特に銃火器は魔法による強化及び弾数無制限となる。
いくら撃っても弾切れが無いのはありがたいが強化した銃弾でも効果が見えないのは一体どういう訳だろう。
こちらを舌なめずりするような目で眺めてくるぷっしーを警戒しつつ彼女を観察してみると何やらてらてらぬるぬると光っている。
「そっちが何やら恨んでいるのは分かったにゃん、降りかかる火の粉はぷっしーのキノコで払うにゃん♥」そのまま払って火傷してしまえ。
もう一発撃ってみた。「に゛ゃ゛っ!?」
悲鳴こそ上げるが銃弾はぷっしーの体につるんと受け流されてあらぬ方向に着弾した。
これで分かった。ぷっしーの体表を覆うぬるぬるてかてかした液――おそらく粘性や滑性に優れた――あれが彼女の魔法で身を守っているのだろう。
小型の拳銃で弾かれるならこれもどこまで通用するかは分からないが私は次の手として右腕を機関砲へと変形させて銃口をぷっしーに向ける。
余りの物々しさに向こうが若干引いてる気もするが気にしない。
景気よく私は弾丸をばら撒いた。チャリンチャリンと床に散らばる薬莢の音も気持ちいい。
「にゃっにゃあああああああ!?無茶苦茶すぎるにゃん!?」
無茶苦茶で結構!私の今の気分は極道な兵器のソレだ。
ちょこまかと逃げ回る彼女を追い掛けて銃口でなぞった先の空間が弾丸の奔流で抉り取られる。周囲を破壊すれば逃げ場もなくなるだろう。
たぱぱぱぱぱと彼女は粘液を滴らせながら逃げ惑う、アレを踏んで自分でスッ転ばないものか。

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360度全天を撃ち尽くし、クールダウンの為に一度撃つのをやめて辺りを確認するといたる所に彼女の粘液が痕を引き、汁溜まりを作り、撒き散らされていた。
だが肝心の彼女の姿が見えない、野郎どこに隠れやがった。どこに――

急にがくんと足元がふらついた。眩暈こそないが自分の息が荒くなっているのが分かる。これは向こうの攻撃か…?
「ふふふ…引っ掛かってくれたにゃん♥これこそわたにゃんこの魔法!一緒にぬるぬるするにゃん♥」
ぷっしーの笑い声と共にしゅうしゅうという音が聞こえてきた。そちらに見れば粘液が蒸発して――これか。これが原因か。
立ち上る揮発した粘液を吸うのは危険だと判断し右腕を元に戻して両手で鼻と口を覆う。
が、時すでに遅し。
足腰から力の抜けた私は床にへたり込んでしまった、一面にぷっしーの粘液が広がる床に。

脚や腰がじんわりと粘液に包まれる、やがてその感覚は胴体を這い上がり脊髄を駆け上がって脳へと到達する。
頭の中が甘く切ない痺れに支配され若干の陶酔感すら覚える。
とろんとした私は思わず手を口から離して垂らしてしまいダメ押しのぷっしーガスを吸い込んでしまった。
「あっ………ふっ……くぅ…っ…!」
自然と胸と股間へと手が伸びていってしまう、まるでフィクションに出てくる媚薬のような効果だ。
だがどちらも金属の装甲で覆われているためその上から指で掻く事しかできない。もどかしい。じれったい。
今この時だけはこのアバターを選んだ自分を恨みもしたが、人間窮すると打開策が浮かぶもので私は終ぞ使用する事の無いと思っていた機能の存在を思い出した。
それはアーマーパージ、私の首から下を覆う金属装甲を身体から分離させるもので変身し直せばリセットされるが一度パージした装甲は付け直せない上に
装甲があっても普段の運動性能に支障が無かったため必要を感じない機能だった。だが今は違う。私はためらいなくパージを選択した。
曲面で形成された装甲が胴体と股間から外れて床に落ちカランカランと軽く金属音を立てる。
外れた後にあるのはメカらしいラインの入ったダークグレーのボディスーツで覆われた私の身体。
先程までのもどかしさを埋め合わせるように勢いよく手が伸びていく。
小ぶりではあるが形は悪くないと常日頃思っている自分の胸を右手で包み込むようにし
熱を帯びたその先端を変身前よりも精密に動く機械の指で優しくいじめてしまう。
その一方で擦り合わせている太ももの膨らみの間に左手を潜り込ませてその奥にあるモノを探っていく。スーツを破かないように奥へ、奥へ…。

柔らかな内部のボディと冷たく硬い金属の手、上半身をすっかり粘液の中に浸し無様にも尻を突き上げる体勢となって私は身をよじらせる。
「ん…っ…ぁ……ぁ…っ……ぅ……っ♥」
最近は友人たちの影響で中々守れていないがそもそも私は怜悧冷徹を旨とするサイボーク系魔法少女だ、そのはずだ。
そんな自分がここまで破廉恥極まりない桃色に視界と思考を染め上げられるなんて。…誰にも見せられない。
いや一人だけ見ている者がいる。その事をすっかり思考の外に追いやっていた。
この状況の張本人であるぷっしーはこちらを見ながらうんうんとばかりに頷いていた。
私は彼女を狙いとして来たのにすっかり形勢は逆転している。情けない。
「先程の機関銃の発砲で気温が上昇…それによってぷっしーの粘液が揮発、それを思い切り吸い込んだのにゃん♥」
「それにしてもぷっしーの対魔忍スーツとは趣を異にしながらもしっかりとボデーラインを浮かび上がらせる…見せないエロスの極致…ピッチリスーツ…!同志!」
同志認定された。
最悪だ。誰が米連だ。
だが口答えする暇も惜しく私は自身を慰める手の勢いを止められない。自身の物か粘液の物か分からない水音が次第に大きくなっていく。
「……………っ!!…ぅ…ふー…♥」
瞬間、身体が震える。
脳天から足先までを貫く心地好さに身体全体の力が抜け、糸の切れた操り人形のごとく床に倒れ込んだ私はぷっしー粘液に全身を浸してしまった。
理性という理性が全身から蒸発していくようだ、淫乱という言葉に色を付けるならばやはりピンク色なのではないか。そんな事ばかりが頭の中を占めた。
ぷっしーが私の身体を仰向けにする。銀の髪はべったりと粘液に浸され、唾液が端より垂れる口はだらしなく半開きだ。そこから喘ぐような吐息ばかり漏れる。
彼女は何をするのだろう。もうほとんど頭が回らない。
私の上にぷっしーが跨って股間を太ももに擦り付けてきた。私は周りより少し小柄なため相対的に彼女が大きく見える。
お互いのボディスーツが粘液にまみれ淫靡な光沢を生み出していた。
ぷっしーが粘液に浸した尻尾を小器用に動かしこちらの脚に絡めてくる、すりすりと脚全体を包むように撫でてくるのがこそばゆい。
「もっとぬるぬるぬめぬめぷっしーといい事するにゃん♥」
そんな事をほざきながら私の顔の上に粘液を垂らして掛けていく。その度に一層理性が削られていく。限界はすぐそこまで迫っていた。

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「ドリ……クラ…ぁ…ごめん……な…さい…♥」
最後の最後で私の理性の残りカスが口を動かしたのだろうか、彼女の名前が零れ出た。
私の背中や脇腹を撫でまわしていたぷっしーの動きがピタリと止まる。反応次第ではただでは済まさない。まだ折れずに残る心の牙があった。

「ひょっとして…ドリクラの、道化師風の魔法少女の知り合いかにゃん?」
語尾こそ先程までと同じだが急に雰囲気の変わった口ぶりで聞かれて毒気を抜かれた。
「…そうです。…ドリクラと貴女は同じ組…だったんですよね。はぁ……はぁ…それで貴女は彼女を襲って…」
「違うにゃ!誤解だにゃ!さすがにあの笑顔を汚す事は出来なかった…にゃ」
私の上に跨ったまま彼女は否定する。ドリクラのあの過去を聞いて手を出す事は出来なかったと。
その瞬間に悟ってしまった。今回の襲撃は全ては私の思い込みによる暴走だった。発情とは別に恥ずかしさで顔が赤くなる。
「うんうん、若げの至り、あり余るエネルギーの発露だにゃん…懐かしい」
ぷっしーはどうやら勝手に納得しておいてくれたようだ。
「本当に申し訳ありません…。」
彼女の下で私は言葉もない。
「いいにゃいいにゃ♥」そんな私を彼女は快く許してくれ「そーのーかーわーりー…」雲行きが何だか怪しい。
「しばらくぷっしーのオトナな玩具になるにゃん♥」
敵意を失い張りつめていた緊張の糸が見事に切れてしまったせいだろうか、若干の罪悪感はあったものの
発情したメス猫さながらのぷっしーに怯えた私は思わず背面スラスターを起動させて離脱しようとしてしまった。
当然私の上にはまだ彼女が跨ったままである。
それでどうなったかと言えば、二人揃って仲良く低空飛行で進路上にあった壁に突っ込み「ぐえにゃあああああ!?」
機械の体の私はともかくぷっしーは頭にデカいたんこぶを作って意識朦朧となっていた。フラフラしたぷっしーが私の上から倒れて粘液の海に横たわる。
久し振りの自由だ。私は倍増したぷっしーきゃっつへの申し訳なさを胸に一目散に逃げた。

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夜の闇を切ってスラスターを吹かし、眠りに沈む家々を屋根伝いに跳ぶ。魔法少女に変身していようとこの時期は肌寒い。
空には凍りそうな月が浮かんで私を照らしていた。早く風呂に浸かり暖まりついでに粘液の纏わりつくこの気分を綺麗さっぱり洗い流そう。
そんな事を考えながら私は家路を急いだ。

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