最終更新:ID:fsTazdnuyw 2017年06月23日(金) 03:16:14履歴
登場キャラクター:オーバーワーカーBLACK ミュジコ 流刃 人事の魔法少女 ソード・オブ・ケイシー
人助けには様々な形がある。
例えば、落とし物探し。
基本的には地道な作業の繰り返しだ。
一部の『そういうこと』に特化した魔法少女でないのなら、落とし物の持ち主を見つける、なんてことは不可能に近い。
落とし物の情報をアドバイザーに分析してもらう。そして、今度は落とし物をして困っている人を探す。ある程度ならそれで何とかなる、というかその程度の情報で何とかしなければならないのだ。
「あ、ありがとう! この写真無くしたと思ってたんだ!」
「いいんだ、その一緒に写ってる子は友達かな……」
「そう! ヒトミちゃんって言うんだけど……」
(あー、これは長くなるパターンだ)
一昨日は、ミュジコという魔法少女に写真の落とし物を届けてあげた。フィクション上の魔法少女とは違い、魔法少女は万能ではない。足りないところを誰かが補う、支え合いあってこそなのだ。
まだ、ある。
例えば、清掃活動。
極めて単純な作業だが、これ程わかりやすいものはない。
大きなゴミを主腕で拾い上げ光粒子レーザーで滅却、細かい埃などは副腕で細々と集める。実にわかりやすく面倒である。
「悪いな……いつも店の前を掃除させてしまって」
「いいえ、あたしだって好きでやってるだけだし」
「うむ、なら何かタダで握ろうか」
「寿司じゃないの握ってきますよねアナタ……」
昨日は、流刃という魔法少女が開いているという寿司屋の前を『ボランティア』で『自主的』に掃除をした。店の前には戦闘の跡だろうか、無数の傷跡と剣の残骸が散乱していた。何が起こったか、まあ想像はつくが。
まだ、ある。
例えば、災害時の避難救助。
いかにも魔法少女ならでは、といった活動である。
緊急時、例えばビルの火災発生時、例えば地震によって倒壊した家屋、その中に閉じ込められた一般市民の救助があたしの仕事だ。
「やばいな……火の勢いが強すぎる……」
「あたしが直接中に入って助けてきます」
「は!? ちょっと待てよ!! あたしの水の魔法でだって消せない火なんだぜ!? 多分これはあたしの見立てだと魔法で強化された炎だ……だから、ちょ、ちょっと!!」
今日は、高層ビル内で火災が発生、一般人が何人も取り残されているということであたしが救助に行った。外には水を自在に操るという名前は…………思い出せないが、確か人事部門所属の魔法少女が一人いた。
火を水で消すことができないというなら、火そのものを抹消させればいい。レーザーで滅却、道を作り二人で一般人の救助に向かった。
「……思ったより酷い有り様だな」
「急ぎましょう、生きている人がまだあと四人いる」
「お前……どうしてそんなことが、うわっ!」
辺りには焼け付いた人肉の匂いが漂ってくる。黒ずんで貼り付いた何かが、壁一面にこびり付いていた。
「……嘘だろ、はぁ……魔法少女じゃなきゃ吐いてたよ……」
「……先を急ぎ……あそこの瓦礫の下!」
「えっ、あっ! マジだ、オイ大丈夫か!?」
かろうじて生きている一般人を救出、ただその人数はたったの四人だけだ。運良く生き残ったわずかな命だ。副腕を分離させ、階下まで避難させる。一通り非難し終わった。
「ふぅ……これだけか……いや、こんなに助けられたというべきだな……助かったぜ、ありがとうよ」
人事の魔法少女が礼を告げて去ろうとしていた。
しかし、次があった。
アドバイザーは新たに敵が現れたことを示している。そしてそれは、一直線にこちらに向かってくる。
轟音が響く。
辺りに砂埃が舞う。
「何だ畜生!! 一体何だってん……冗談、だろ……」
「……初めまして、かな? しかし、そちらは私の名を知っていそうだ」
長身でシルクハット姿の女性が、舞う埃の中から現れる。両手には大剣を持ち、やや艶やかさを漂わせた男装の麗人だった。
『魔法少女名、ソード・オブ・ケイシー。排除対象です。』
ワークアドバイザーの無機質な音声が辺りに響いた。
人助けには様々な形がある。
そう、例えば。
悪党退治。
人助けには様々な形がある。
例えば、落とし物探し。
基本的には地道な作業の繰り返しだ。
一部の『そういうこと』に特化した魔法少女でないのなら、落とし物の持ち主を見つける、なんてことは不可能に近い。
落とし物の情報をアドバイザーに分析してもらう。そして、今度は落とし物をして困っている人を探す。ある程度ならそれで何とかなる、というかその程度の情報で何とかしなければならないのだ。
「あ、ありがとう! この写真無くしたと思ってたんだ!」
「いいんだ、その一緒に写ってる子は友達かな……」
「そう! ヒトミちゃんって言うんだけど……」
(あー、これは長くなるパターンだ)
一昨日は、ミュジコという魔法少女に写真の落とし物を届けてあげた。フィクション上の魔法少女とは違い、魔法少女は万能ではない。足りないところを誰かが補う、支え合いあってこそなのだ。
まだ、ある。
例えば、清掃活動。
極めて単純な作業だが、これ程わかりやすいものはない。
大きなゴミを主腕で拾い上げ光粒子レーザーで滅却、細かい埃などは副腕で細々と集める。実にわかりやすく面倒である。
「悪いな……いつも店の前を掃除させてしまって」
「いいえ、あたしだって好きでやってるだけだし」
「うむ、なら何かタダで握ろうか」
「寿司じゃないの握ってきますよねアナタ……」
昨日は、流刃という魔法少女が開いているという寿司屋の前を『ボランティア』で『自主的』に掃除をした。店の前には戦闘の跡だろうか、無数の傷跡と剣の残骸が散乱していた。何が起こったか、まあ想像はつくが。
まだ、ある。
例えば、災害時の避難救助。
いかにも魔法少女ならでは、といった活動である。
緊急時、例えばビルの火災発生時、例えば地震によって倒壊した家屋、その中に閉じ込められた一般市民の救助があたしの仕事だ。
「やばいな……火の勢いが強すぎる……」
「あたしが直接中に入って助けてきます」
「は!? ちょっと待てよ!! あたしの水の魔法でだって消せない火なんだぜ!? 多分これはあたしの見立てだと魔法で強化された炎だ……だから、ちょ、ちょっと!!」
今日は、高層ビル内で火災が発生、一般人が何人も取り残されているということであたしが救助に行った。外には水を自在に操るという名前は…………思い出せないが、確か人事部門所属の魔法少女が一人いた。
火を水で消すことができないというなら、火そのものを抹消させればいい。レーザーで滅却、道を作り二人で一般人の救助に向かった。
「……思ったより酷い有り様だな」
「急ぎましょう、生きている人がまだあと四人いる」
「お前……どうしてそんなことが、うわっ!」
辺りには焼け付いた人肉の匂いが漂ってくる。黒ずんで貼り付いた何かが、壁一面にこびり付いていた。
「……嘘だろ、はぁ……魔法少女じゃなきゃ吐いてたよ……」
「……先を急ぎ……あそこの瓦礫の下!」
「えっ、あっ! マジだ、オイ大丈夫か!?」
かろうじて生きている一般人を救出、ただその人数はたったの四人だけだ。運良く生き残ったわずかな命だ。副腕を分離させ、階下まで避難させる。一通り非難し終わった。
「ふぅ……これだけか……いや、こんなに助けられたというべきだな……助かったぜ、ありがとうよ」
人事の魔法少女が礼を告げて去ろうとしていた。
しかし、次があった。
アドバイザーは新たに敵が現れたことを示している。そしてそれは、一直線にこちらに向かってくる。
轟音が響く。
辺りに砂埃が舞う。
「何だ畜生!! 一体何だってん……冗談、だろ……」
「……初めまして、かな? しかし、そちらは私の名を知っていそうだ」
長身でシルクハット姿の女性が、舞う埃の中から現れる。両手には大剣を持ち、やや艶やかさを漂わせた男装の麗人だった。
『魔法少女名、ソード・オブ・ケイシー。排除対象です。』
ワークアドバイザーの無機質な音声が辺りに響いた。
人助けには様々な形がある。
そう、例えば。
悪党退治。
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