img街の魔法少女の素質ある「」を集めてるポン

ここはImg街のとある打ち捨てられた病院、一般的に考えれば人一人立ち入ることはないであろうその中に、一人の少女が存在していた。
彼女の名前はウルフファング、狼と赤ずきんを混ぜ合わせたような姿をした魔法少女である。
彼女、いや彼はこの町に蔓延る単なるチンピラの一人であったのだが、運命のいたずらにより魔法少女として目覚めたのだ。
「あぁ…どうしましょうか…するべき事はわかっている、いや…わかっていますが…」
彼女は今、二つの問題に直面している、そのひとつは現在の彼女には自分を証明する手段が存在しないという事だ。
そもそも、魔法少女となる前から着の身着のまま好きなように生きていると自覚はしていたが、実際に帰る場所やこれまでの繋がり、さらには名前や姿すらも失うことになるとは思っていなかった、文字通り、着の身着のままと言うわけである。
「俺は………あぁぁ!またやってしまいました…私はまだまだ…」
そしてもう一つの問題は、自身が「少女」になりきれていないという事である。
彼女が魔法少女となった時に一つ心に誓ったことがある、それは「魔法少女ウルフファング」と言う存在は紛れもなく清らな存在であり、それを汚す自身の過去、その思考、その人格を殺してしまおうという事である。
しかし実際はどうだろうか、話し方にはボロが出るし、化粧や身だしなみについても何も知らない、それにそもそも清らで人々の救いとなるべき魔法少女がピッキングで入り込んだ廃病院を根城にするだろうか、いや…しないだろう。
さらに「少女」たりえるならまだしも、目指すべきものは「魔法少女ウルフファング」であり、あの日のガラス窓に映った彼女、ウルフファングは思慮深く、敬虔で、貞淑で、その上で自信に満ち溢れ、厳かであった……今の自分はそうなれているのか?見せかけばかりの愚か者しか此処には居ないのではないか?
「まだまだです…私は、『私』であることを止めるわけにはいかないのです…!」
彼女は宣誓し、とにかく街に繰り出すことにする、とりあえず今はまとまった資金が必要だ、盗人どもから金でも巻き上げるか…今日の予定は決まった、「狩り」の時間の始まりである。

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