※18歳未満の方、二次創作小説の苦手な方は閲覧をご遠慮ください。

いつも学校を綺麗にしてくれてるから、美味しいご飯を作ってくれるからそのお礼。それだけ。
そう思い込むことで、エリーは石流にバレンタインチョコを渡すことに成功した。
声は震えていたけどちゃんといつもありがとうございます。と言えたつもりだ。
受け取ってもらえた時少しだけ手が触れて、冷たくて固い感触に心臓が飛び出すかと思った。
逃げるみたいに走り去って、とにかく一人になりたくてトイレの個室に駆け込んだ。
「はぁー…」便座に腰掛けて深く息を吐く。頬は熱くて、心臓の音がうるさくて胸が苦しい。
いつもミルキィホームズの皆といるから、柔らかくて暖かくて優しい女の子の感触しか知らなかった。
あの指に触られたら一体どんな気持ちなんだろう。
ちらりとそんな考えがよぎって、すぐにそれで頭が一杯になった。
お腹の下の方がじんと痺れて、目が潤んでしまう。
……だ、だめ……。
そう思うのに、己の手が胸に触れるのを止められない。
両手で揉むとすぐじれったくなって、タイを外して胸元を広げ下着の隙間から左手を差し込んだ。
さっきまで二月の空気に触れていた指先はまだ冷たくて、
それが先ほどの石流の指を連想させ、触れると乳首はすぐ反応を示す。
こねくり、軽く引っかき、きゅうっと引っ張ると甘い吐息が漏れてしまう。
こんなこと…それに誰かきたら…でも、もうちょっと、だけ…。
「はぁ…」
そろそろと足を広げ、右手をスカートの下にもぐりこませた。
下着越しに秘部に触れるとじんわりとあたたかい。
中指で割れ目を捉え、擦り始めると頭がぼうっとするような快感が訪れた。
「あ…んっ、はぅ」
固さを持ち始めた突起を指先で引っかくと体がびくんと反応してしまう。
じゅくじゅくと下着が濡れていくのを感じながら、エリーは何度もそこを責めた。
男の人だったらどんな風にするだろう…。エリーはぎゅうっと目を閉じて自分の指を石流の指に重ねる。
冷たくて長くて固い指が下着の下を暴き、エリーの中に沈み込んでくる。
すっかり蕩けたそこは喜んで指を飲み込み締め付けるのだ。
「ひゃぅ…あっだめ…」
背骨に走る快感に呼吸は荒くあり体は前のめりになる。
それでも指は止まらずに、内壁を叩き擦り、いやらしい水音を立てた。
こらえきれず腰をくねらせ、胸に触れていた左手でクリトリスをきつくつまむと頭の中が真っ白になった。
「あ、だめっ、あっ、やぁ…ひぅっ、んああっ!」
…イっちゃった…。
ねっとりと糸を引いた指を見つめ、息を整えると段々冷静になった頭に猛烈な羞恥と後悔がなだれ込んでくる。
どうしよう…!私ったら、どうしよう…!
石流の顔を思い出すとまた体が熱くなって、
それが申し訳なくて恥ずかしくて一人トイレの個室で唸るエリーだった。
しまったと思った時には遅かった。
魔剣から白濁は飛び散って、石流は慌ててそれをティッシュで拭き取った。
萎えたものをしまいこみそれからおもむろに、自室のど真ん中で土下座した。
「申し訳ございませんアルセーヌ様ァッ…!!」
アルセーヌの部屋に向かって数十回土下座を繰り返し、力尽きたようにその場に平伏す。
(私としたことが…アルセーヌ様以外で自慰をするなんて…!)
もちろんそのことはアルセーヌに秘密だが、一応石流なりの誓いであったのだ。
自分で立てた誓いを破ることは石流にとってとてつもない屈辱だった。
脳裏に浮かび上がるのは先ほどまでの素振りのおかずにしていた少女。
「……エルキュール・バートン…!」
名前を呼ぶと言葉にならない感情がこみ上げてきて、ゴン!と床に頭を打ちつける。

昨日はバレンタインだった。
男としてもちろん平常心でいられるわけがなく、
敬愛してやまないアルセーヌからチョコがもらえるかと起きた瞬間からそわそわしていた。
結局昼休みに無事念願のチョコレートを頂き(ただしスリーカード全員一気にだった)、
その後三人で誰のチョコが一番大きいかなど言い争った後のことだった。
いつもありがとうございます。と震えた声で言いながらエリーがラッピングされた箱を差し出してきたのだ。
一瞬、ミルキィホームズの罠か!と身構えたが見回しても他のメンバーは見当たらず、
そのような雰囲気も感じられなかったので受け取ることにした。
すると逃げるみたいにエリーが走り去って行ったので、もしや爆弾か!と慌てて封をといたが
中に入っているのは見るからに手作りのチョコレートだけで、とりあえず自室に持ち帰ることにした。
(アルセーヌから賜ったチョコレートは厳重に金庫に保管した)
もしかしたらいつも食事を作ってやってるからその礼かもしれない。
そう思うと捨てるのも忍びなかった。
一つ食べてみると、本当に、ただの当たり前のチョコレートの甘さが舌の上で溶けた。


そして今朝。エリーの様子がおかしかった。
いつも自信なげで力ない、いつ捨てられるかと不安がっているような子犬に似た印象を持っていたのだが
今朝はどうにも、その、エロかったのだ。
朝出会えば大体と律儀に挨拶をする彼女だが、今日は石流と目が会うとそれだけで俯き、小走りに去っていってしまった。
いつもと何が違うのかはわからないが、とにかく漂ってくる何かがあった。
それが石流の魔剣を刺激し硬く張り詰めさせたのだ。
(おかげで掃除も中途半端になってしまったではないか…)
自分でやると決めた義務を果たせなかった。
これも石流にとっては屈辱で、何度も何度も床に頭をぶつけることになってしまった。


***


夕食の時間になった。石流は朝の失態を取り戻すべく仕込みに気合をいれ、
出来上がった料理をそれぞれの席に運ぶ。
まず一番腕によりをかけたものをアルセーヌに。
次に教員と一般生徒。最後にミルキィホームズの席にふかしたじゃがいものみを配った。
「もーまた芋ー!?こんなんじゃ全然足りないよー!」
いつも通り不満を散らすネロに、それを宥めるコーデリアとシャロ。
そして一人満ち足りた表情で芋を口に運ぶエリー…と目が合った。
途端、彼女の頬と耳が朱に染まった。目を潤ませて見てはいけないものを見てしまったかのように俯く。
何故か苛立った。
それはまるで自慰の対象にされたのを気づいたかのように反応で。
もしかしてバレたのではと怖くなり、またどうしてそれを知っているという感情と、
そんなわけがないという感情と、だったらあんな態度を取られる筋合いはないという感情が入り混じって。
それはとりあえず苛立ちの形に似ていたのだ。
しかしここで突然エリーを怒鳴るほど愚かにはなれず、一度睨みつけるとその場を後にする。
厨房に入り片づけをはじめると、
食堂の方ではいまだに文句を続けていたらしいネロをラットが挑発したようでバカバカ!と繰り返す言い争いと、
君達ィー!この美しいボクに免じて食事中のバトゥルはやめたまへー!
と言うトゥエンティーの叫び声(多分脱いだ)が届いた。

***

今日やるべき仕事は全て終えた。
今夜のミルキィホームズの監視はトゥエンティーがすると言っていたから
後は自身の鍛錬を積み明日に備えて寝るだけだ。
校舎の戸締りを確認し、自室へ向かう。
(静かだ…)
校舎と寮を結ぶ通学路はとっぷり夜の空気に沈み、月光は池と芝生をうっすらと輝かせて、
昼間の喧騒が嘘のように静まり返っている。毎日のように触れるこの静けさが石流は嫌いではなかった。
「……ん?」
するとその静けさを破って、向こうから誰かが走ってくるのがわかった。
目を凝らしてその姿を確認すると、石流は眉をしかめる。
エリーだ。まだ制服姿で、こちらに駆け寄ってくる。
「いし、ながれっさん…!」
「どうした」
先ほど感じた苛立ちがふつふつと蘇りそうなのを押し殺しながら、彼女の息が整うのを待った。
「あの、その……ごっごめんなさい!」
「……何がだ」
「ええっと……あの……んっ………その…」
煮え切らないその態度に石流は内心冷や汗をかく。
もしかして本当に自分の自慰行為がバレたのではないか。
いやもしかしたら自分の正体がストーンリバーであることがバレたのではないだろうか。
だとしたら今すぐこの場で蹴りをつけなければ。先手を取らなくては。
(いやだがもしこの女のトイズが復活していたとしたら……)
と思考はどんどん悪い方に転がっていきとうとうアルセーヌに「貴方はスリーカード失格です!」と宣告されるところまで
辿り着いたところで、「あのっ!」とエリーが踏ん切りがついたような声をあげ石流は現実に引き戻された。
「もう、気づいてると思うんです…けど…」嗚呼、やはり自分はスリーカード失格でアルセーヌ様に見捨てられ、
トゥエンティーとラットに嘲笑われ、学院を追放され…
「私がっ…石流さんで…シてしまったこと…本当にごめんなさい…!」…お花畑に…。
「………………何?」
思わず聞き返してしまう。

エリーは耐え切れなくなったのか、両手で顔を覆ってしまっている。
「違うんです…いつもあんなことしてるわけじゃなくて…昨日は、思わず…!」
声にも段々嗚咽が混じり始めるものだから、戸惑った。
『シてしまった。』
それは、つまり、彼女も自分と同じように。
(お互いで、自慰をして、お互い、相手にバレたと怯えていたのだろうか…)
そしてエリーの方が耐え切れず自分から告白してしまったということになる。
(今まで悩んでいた私は一体…)
安堵と脱力と眩暈が起きそうになった。
けれどそれに気づいていないエリーは涙ぐみながら石流に懇願してくる。
「でも…皆には、言わないで…っお願い…です…」
見上げてくるその必死な表情に、また今朝のように下半身が重くなるのがわかった。
このいつも大人しい彼女が石流をオカズにして自身を慰めたのだ。
とても想像できなかった。
だからこそ、気になった。
「わかった…言わないでおこう。ただ…お前の妄想の内容を少し知りたい」
「えっ…!」
「そうしたら誰にも言わない。約束しよう」
「でも…私…誰かきたら…」
あとずさるエリーをゆっくりと追いかけ、芝を踏み、一本の幹まで追い詰める。
「何もここでしてみせろというわけではない。お前の中の私がどんな人格なのか興味があるだけだ。
それにこの時間ここにくるものは滅多にいない」
冷静ぶって促して見せるが、自分の心臓の音が早まっていくのがわかる。
木に背中を押し付けるようにしたエリーは今にも泣き出しそうで、
罪悪感を覚えると同時に征服欲が顔を覗かせるのを感じた。
冷たい風が吹いて、髪や衣服をなびかせていく。その風に掻き消えてしまいそうな声が届いた。
「石流さんが、その、手で私に触って…」
手を伸ばし柔らかい頬に触れると、エリーは体を竦ませる。
けれどずっとそのままでいると疑問を浮かべてこちらを見つめてきた。
「触ったぞ」
「……え」
心臓は早鐘のようだった。今すぐ押し倒して欲望を満たすことはきっと可能だ。けれどそれはあまりに公正でなかった。
だからここで拒まれれば耐えようと思っていた。きっとまだなかったことにできるだろう。
けれどもし……。
「あの…」
こくん、とエリーが喉を鳴らす音が聞こえた。月光に照らされた瞳は濡れたような光を宿していた。
頬を包む石流の手に小さな手が重なり、それがそっと胸についた二つのふくらみに誘導してくる。
「こっちも…触って下さい…」
檻から放たれた獣のように、その細い首筋に顔を埋めた。
制服の上から揉む胸は見た目以上に弾力があり大きいように感じられた。
首をべろりと舐めると「ひゃんっ」とエリーが震える。
匂いを嗅ぐとシャンプーかボディーソープかはたまた彼女自身のものか、花を思わせる清楚な匂いがした。
「脱がすぞ」
そのまま顎をあげ耳元で囁くと、また体を震わして目をつむり、しかしこくこくと頷いてくる。
タイを外し、胸元を広げると、その下の裸身が見え始める。
暗いのでよく見えないが多分白いのであろう下着はシンプルで申し訳程度にリボンとレースがついていた。
そのまま背中に腕を回してホックを外した。拘束の緩くなったブラを持ち上げて現れた乳房は、
やはり服の上からみたものよりも大きく、その先端は寒さか興奮かですでにだいぶ立ち上がっているように見えた。
「あの…そんな見ないで下さい…恥ずかしい…」
「……すまん」
正面からだとどうにも触りにくいと、後ろを向いてもらって乳房に触れる。
「これならあまり見えないだろう」
「あ…はい…でも…」
当たって…と語尾がしぼんでいく。後ろから抱きしめるように密着しているのだ。
石流の怒張は確実に衣服越しにエリーに伝わっているだろう。
それがわかって何だ、と尋ねると、はうぅ…と唸り声が返ってきた。
乳房はふわふわと柔らかく、けれどまだその奥に固さが残っているようだった。
そっと乳首に触れると、甘い声が白い息になって漏れた。それが恥ずかしいのだろう。
両手で口を覆って耐えようとするので、つい強くつまんでしごいてしまった。
「んっ!…ふぅっ、んんっ!」
弾いたり引っかいたりして繰り返し刺激を与え続けると、耐え切れず漏らす嬌声が大きくなっていく。
左手をそのまま右手を下に下ろし、下着越しに秘部に触れると漏れる声は更に甘く蕩けた。
指先で既にぐっしょり濡れた割れ目を何度往復し、クリトリスを摘むとイってしまったらしい、
体を大きく震わせへなへなともたれかかってくるので、
慎重に芝生の上におろし、また向かい合うように背中を幹に預けさせた。
「大丈夫か?」
「は…はい…」
もうそんな余裕もないのだろう。
いつもきっちり閉じられた足やスカートは乱れて、ニーハイソックスの奥の下着がこちらから覗ける状態だった。
頬に何本か張り付いた髪の毛や、開いた唇から零れる荒い息、半分脱げかけた制服がどうしようもなく扇情的で、
石流はとうとうズボンから自分の分身を取り出した。
ようやく押し付けられなくなったそれは勢いよく飛び出し、先端から透明な汁を滴らせた。
「あ…」エリーは大きく目を見開いてまじまじとそれを見つめてきた。
「これが…男の人の…」
…余り見られると恥ずかしい。
本当はすぐにでもいれたいがもうかなりの限界で、一度出すか落ち着ける必要がありそうだった。
落ち着けるには時間がかかり、この寒さはエリーに堪えるだろう。
別に敵であるミルキィホームズが風邪を引くのは困らないが、自分のせいでそれを引き起こすのは嫌だった。
そうなると少し情けないか一度出すことになる。なるべく自然に見えるように自身を握り、しごき始めた。
(この魔剣の感触ならすぐ…)そう考えたところでいきなり小さな両手が自分の手に触れてきた。
驚き見ると、何故か使命感を帯びた顔つきでエリーがおずおずと石流のものに口元を近づけているのではないか。
「あっ、あのっ、私手伝います…」
そう言うや否やぱくっと先端を咥えられ「ウッ!」割と呆気なく石流は射精した。
エリーはと言えば勢いよく飛び出した精液に思わず顔を引いてしまったせいで、
顔や胸元がとろとろと白いものに塗れてしまう。更に勢いよく喉に入り込んできたらしくむせてしまっている。
慌てて指で顔をぬぐってやり、目に入っていないかなど尋ねると
「大丈夫です…」といつもの困ったような顔で、けれどほんの少しだけはにかんだ。
月に淡く照らされたその顔がむしょうに可愛く見えてしまって、
そうしたら何故か先に進む気が急速に無くなってしまった。
「……」
「……」
「……あの」
「……何だ」
「……その、続きは…」
「終わりだ」
「えっ」
「もう夜も遅いし冷える。これ以上は風邪を引く」
「でも…」
「私もお前も一度ずつイった。公平だろう。ここまでだ」
戸惑いを顔いっぱいに浮かべたエリーから石流は目を逸らす。
どうしてだろう。先ほどまで最後までするつもりでいたのに。
今突然それが勿体無いことのように思えてしまったのだ。
「保健室に替えの制服がある。それに着替えたら寮に帰れ」
お前の仲間も帰りが遅いと心配しているかもしれんぞ。そう言うと、こくりと頷いた。
とりあえず手を洗ってから校舎の鍵を開け、保健室で予備の制服を渡し廊下で待つこと数分。
顔も洗ったらしい、すっかりいつも通りのエリーがそこにいた。
「お待たせ…しました…」
「そっちの制服は明日焼却炉に入れておこう」
「あ…お願いします…」
もう用済みのはずの制服は律儀にも畳まれていて、
受け取るとまだ生々しい暖かさがあり、気恥ずかしくなって顔を逸らした。
「私は戸締りの点検をしてから帰る。お前は先に帰れ」
「あ…はい……あの、石流さん」
「何だ…」
「私の、妄想、もう一つだけ…」
「?!」
耳を疑ってエリーを見れば、俯いていて表情が読めない。胸の前で組んだ指が落ち着きなく動いている。
「……ダメだったらいいんです…その」
躊躇った言葉はなかなか出てこず、何度か深呼吸を繰り返してようやく、真摯な祈りのように呟かれた。
「キス、してくれますか…」
耳が、熱くなった。
廊下の電気をつけなかったことに石流は安堵する。
自分は多分とても見れたもんじゃない顔をしているだろう。
「い、いだろう」
ぱっと顔を上げるエリーの目をすぐさま覆う。
「あの…?」
「いいから目を閉じていろ」
「…はい」
相手が目を閉じたのを確認して、石流はそっと前髪を掻き揚げその額に口づけた。
「終わりだ」
「えっ、きゃうっ!」
何か言われるよりもはやくそのおでこを軽くはたいてやった。
「早く帰れ」
威圧感を放出しながら告げると、こくこくと頷きとろくさい走り方で去っていく。
途中で思い出したように振り返って、おやすみなさいと頭を下げた、最後までエリーはおでこを抑えたままだった。
ようやく静まり返った夜の廊下で、石流は壁に頭を打ちつける。
「……私は一体…」
胸の中にはまだ、懐かしいようなはじめてなような如何ともしがたい感情が漂っていた。
どうしてか、昨日食べたチョコレートの味を思い出した気がした。  

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