※18歳未満の方、二次創作小説の苦手な方は閲覧をご遠慮ください。

「どうしてこうなった」。
そんな自問が僕の脳裏を埋め尽くす。
僕――小林オペラは今、とても困惑していた。
自分が置かれている、不可思議かつ非日常的な状況。
その原因がまるで理解できず、ただ漫然と行動している現状。
本当に、どうしてこうなったのか。事の起こりは、ほんの10分前――



あれは、もう日付も変わろうかという時間だった。
そんな夜更けにも関わらず、相変わらず事務所に入り浸っていたネロ。
整理中の書類に目を落としたまま、空いている左手でじゃれついてくるネロの相手をしていると――

むにっ。

「ちょっ!?」
「え?」
「ぅーっ……」
「ネロ、どうかしたのかい?」
「…………、むね!」
「…………、むね?」
「胸だよ胸! 小林、いま僕の胸さわっただろ!」
「えぇ? そんなまさか、触ってないよ」
「さ・わ・っ・た・の! 僕が触られたって言ってんのに、なんで小林が決め付けるんだよ!」
「いや、だって、触った感触なんてしなかったよ?」
「……は!?」
「?」
「………………」
「ネロ……?」
「……たら、も…………って確か……よ」
「え?」

「だったら、もう一度さわって確かめてよ!」



――そして10分後……即ち、今。

「は、ぁ……は、はあ……っ」

「……」
どうしてこうなった。
「……」

ど う し て こ う な っ た !?


「ぁっ……は、ふぅ……」

「……」
落ち着け。落ち着くんだ小林オペラ――自分自身に強く言い聞かせる。
その為にはまず深呼吸……は、ダメだ。
それをする度に吐いた息がネロの耳にかかり、その身体が僅かに跳ねるのをもう4回も見ている。
ここは努めて冷静に、沈着に、思考を巡らせて現状を再認識するんだ。

事務所のソファに大股で座る僕。その間にネロが座っている。
僕とネロの足元には、すべて11分前には彼女が着用していた衣服が散乱している。
ひとつ、10分前にネロが威勢よく脱ぎ捨てたTシャツ。
ふたつ、7分前にネロがおずおずと脱いだキャミソール。
みっつ、2分前にネロがとうとう脱いでしまった……スポーツタイプのブラジャー。
極めつけには、ほんの1分前までネロが頑なに握り締めていた、彼女のトレードマークとも言える帽子。
それらをことごとく手放した今のネロはつまり――上半身に何も身につけていなかった。

「はああっ……ぁ、はっ……」

彼女は裸の上半身を僕に預け、僕はそんなネロの胸をかれこれ10分に渡り揉み続けている。
はじめは、恐る恐ると震えるネロの手に導かれ、服越しに胸の辺りを撫でるだけだった。
しかし、時間の経過と共に段々と隔たりは失われ、今では直に素肌に触れている。

「……ふ、ゃぁ……あ、ぁあ……」

その感触は、なんと言うか……すごかった。
ネロの胸――というか、全体的な肉付きは、お世辞にも豊かとは言い難い。
貧相と言える。まったくもって貧しい乳だ。同情を禁じえない。
しかし、実際に触れてみたソレは見た目からは信じられないほど柔らかく、すべすべで、そして熱かった。
下手に触れたら火傷してしまいそうなくらい熱い肌。胸。おっぱい。
これに比べれば、フォルトニウムリアクターの熱なんてホッカイロみたいなものだ。

「っ、あぅ……っ、はぁー……っ」

恥ずかしながらこの小林オペラ、女性の胸を揉むなんて生まれて初めての体験だ。
しかも、その初体験の対象が譲崎ネロ――僕の教え子。
その異常なシチュエーションが現実感を希薄にし、僕の理性を覚束無くさせる。
だから僕は――さっきから掌に対してその存在を主張し続けていたネロの胸に咲く奇跡の蕾を、軽く摘み上げた。

「あ、ふぁっ……!?」


――ビクン!
今までになく明確なリアクションがあった。
反射的に脚を竦ませるネロ。膝と膝、内腿同士がきゅっと摺り合う。
かと思えば、両足をふるると震わせ、またゆるゆると伸ばす。
熱い吐息を長めに漏らし、ネロは一言、

「それ、だめぇ……」

「……」
幻聴だろう。
僕の意識は今、曖昧模糊とも呼べるまでに朦朧としていて、
論理的で正常な判断などとてもではないが下せない。ああ下せない。下せないとも。
なので、アプローチの仕方を少し変えてみる。

「ぁふ、やっ……んんぅ……ぁ、あっ」

胸全体をこねくり回すように、且つ、その中心の突起を掌で掠めるように。
期待通り、ネロはいよいよ堪え切れないとばかりに甘い声を上げる。
やはり日頃から甘い物ばかり食べていると、声も甘くなるのだろう。

「気持ち良いかい、ネロ……?」

耳元で囁く。
開始から5分で説得を諦めて以来の発声に驚いたネロは、咄嗟に僕から背中を引き離す。

「ぅ、ん……よく、ぁ、わかんないけど……うぁ、気持ち、いいよぉ……」

ネロはそのまま、また僕にしなだれかかる。さらさらの髪がぐりぐりと押し付けられた。
その身体は、満ち干きある波のような快感に緊張と弛緩を繰り返しているようだ。
短いスカートから伸びる足をだらしなく投げ出し、据わりが悪いのか、何度も腰の位置を直している。
そのせいで、薄い生地越しにネロの小さく柔らかな――

「――!」

いけない、ネロに意識を集中しすぎた!
今まで中断していた行為を再開しよう。
僕の邪なイメージが血流に乗って運び出される前に、新しいイメージで上書きする!
沈黙の騎士ギャラティンが1人沈黙の騎士ギャラティンが2人
沈黙の騎士ギャラティンが3人沈黙の騎士ギャラティンが4人
沈黙の騎士ギャラティンが5人沈黙の騎士ギャラティンが6人
沈黙の騎士ギャラティンが7人沈黙の騎士ギャラティンが8人
沈黙の騎士ギャラティンが9人沈黙の騎士ギャラティンが10人
沈黙の騎士ギャラティンが11人沈黙の騎士ギャラティンが12人
沈黙の騎士ギャラティンが13人沈黙の騎士ギャ――


「ふぁ、やあ……っ、………………ぅ?」

ぎくり。
今まで、未知の感覚に身悶えするばかりだったネロが、初めてそれに関連しない反応を示した。
呼吸の整わない様子で、ネロがまた少し身じろぎをする。
位置のずれたお尻が、僕と――僕の重要なファクターと、接触する。

「………………、こばやし?」

ごくり。
にわかに緊張が高まる。
そう、沈黙の騎士をいくら数えた所で、僕の分身はとうの昔にスタンドアップ・THE・ヴァンガード。
現在進行形で熱く滾るソレをネロの小さなお尻に押し付けているのだ。
というか、気付かれなかっただけで、彼女が快楽に身を委ねていた間中ずっとこの状態だったのだけれど。
などと考えていたら、

「………………」

そろー……っと。って――!
「おいおいおいおい!」
さすがに慌てる。名残り惜しくもネロの胸から手を引き剥がし、彼女の手を掴む。
この状態で下の少年探偵にちょっかいを出されては困る。溜まったものじゃない。色んな意味で。

「ね、ネロ? その……なんだ。いい加減、終わりにしないか? もう充分だろう?」
そんな提案をしてみるが、ネロからのリアクションは、ない。
「ほ、ほら、僕もキミが立派な女性だってちゃんと理解したさ。僕が悪かったよ。この通り」
この通り、と言っても、その様子はネロには見えない。
会話中も行為中も、僕たちは一度として目を合わせていない。
ただネロは俯きっぱなしで、ただ僕はそのネロのつむじと、真っ赤になった耳しか見えていない。
そんな状態でネロが口を開く。

「……ふこーへー」
「え?」
「ふこーへー、だよ。そんな、僕が女の子……だって、当たり前のことなのに」
「う……」確かに。
「そんな分かりきったことを、ぁ、分からせて、ハイオシマイとか……僕、脱ぎ損の触られ損じゃん」

などと訴えるネロの声は、先程から変わらず甘く甘く僕の耳に届く。
その表情を窺い知る事は出来ないけれど、きっと夢心地とばかりに蕩けているのだろう――そう推理する。
だって僕、かつて名探偵と呼ばれていたから。

「だから……こーなったら、もう、やけくそ。
せめてこばやしにたくさんさわってもらって、少しでもおっぱいを大きくしてやるんだから……」

何かとんでもない事を言いだしたぞ。
僕が驚愕と動揺で二の句を継げずにいると、その隙をついてネロが僕の手の戒めから脱した。

「あっ」
「で、これはその……お礼」

まずい、ネロの手が小林少年に伸びてくる!
少しでも触れられたらアウト(いろんな意味で)だ。
考えろ、考えろ、考えろ! この場における最善の策は――

先☆手☆必☆勝!!!

僕は先人が遺した偉大なる四字熟語に倣い、ネロの先端を摘み上げる。

「んぅっ!?」

ネロの肩が大袈裟に跳ねる。効果アリだ。
何か決定的に道を踏み違えてる気もするが、立ち止まっては居られない。容赦もしない。
攻撃は最大の防御――僕は誤魔化しを止め、明確な意思を持ってネロの胸に咲く奇跡の蕾を苛める。

「やあっ、だめ、今はぁっくぅ!?」

愛撫が再開された途端に息が上がり始める。甘い熱が、肩越しに僕にまで伝わる。

「ぁ、だめだめだめっ……さ、さわら、ぁ、れる、と、びりびり、って……んんっ!」

いやいやをするように僕の腕の中で暴れるネロ。それを押さえつけて離さない僕。
乱暴にマシュマロを揉みしだき、指と指でさくらんぼを挟んで擦り上げる。

「ぁ、や、ひぅっ! やめ、こばやしっ、やだぁっ」

今の今まで「揉め」と言っておきながら、今はしきりに「やだ」と繰り返す。
その矛盾を可笑しく思い、こみ上げた苦笑を吐息に換えて耳に吹きかける。

「んひっ!? ゃ、こばやしぃ……っ」

ふにゃ、と力が抜けたのが分かる。
もう彼女に抵抗するだけの余力はないだろうが、僕の手は止まらない。
否――極め細やかな肌をじっとりと濡らす汗が潤滑油の役割を果たし、僕の手を止めさせてくれないのだ。

     ※違います


「ぅあ、あっ! ぁ、あっあっあっ……んんんっ!」

駄々っ子のように脚をばたつかせるのは、もはや反射によるものだろう。
身動きを封じられ、抑えようのない快感が、手足の先から逃げようとしているのだ。
フィナーレ――否、ティロ・フィナーレは近い。
一層きつく抱き締め、ラストスパートをかける――

「はっ、はーっ、は、ぁ、や、いや、ん、だめっ、もう、それ、うあ、ゃ、ぁ、ぁ、ぁっ――」

その小さな身体が、大きく震え上がり――

「――ふゃあああああぁぁぁぁああぁぁあぁあぁぁぁあっっっ!」

泣き声じみた嬌声を上げ、ネロの身体がビクビクと弾む。
さながら電気が走ったかのように、その両足は小刻みに痙攣していた。

「――ん、んんっ……! ………………はあああっ……!
……はーっ……はーっ……ぁ、んっ……ぁぁぁ……ッ」

最後に一度、大きく身震いをして、ネロは全身から脱力し、そのまま僕に体重を預けた。
僕の胸板にのしかかる熱さに驚きながら、恐る恐ると声をかける。

「え、ええと……ネロ?」

今更、本当に今更ながら、僕はとんでもないことをしでかしてしまったんじゃないか?
急に血の気が引いていくのを感じる。
すると、ネロがゆっくりとこちらを振り返った。
その目は熱く潤み、耳まで真っ赤と、大方の想像通り、快感に緩みきったものだった。
口の端に垂れたよだれをぐしぐしと拭ったネロは、子供のように拗ねた口調で、こう言うのだった。

「こばやしの………………………………、ばかぁ」



尚、一連の行為の間、ネロのトイズが制御を失い、常時発動状態にあった事を、この時の僕は知る由もなかった。
そしてそのトイズが、性的興奮という未知のファクターに感化され、
より詳細な感情を読み取れるまでに強化されてしまっていた事も……
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