GURPSよろず - 新しい有利な特徴
ベーシックセット』第2章「有利な特徴」より。

新しい有利な特徴(NEW ADVANTAGES) B113P

 GMは思いつく限りの有利な特徴を自由に付け加えることができます――おそらくプレイヤーからの熱烈な助言をうけるでしょう! 以下は、そうした有利な特徴と『ベーシックセット』第2章「有利な特徴」に書かれた特徴の、CPのバランスをとるための指針です。

プレイヤーへの注釈(Players take note):
 これらのルールはGMのためのものです。新しい有利な特徴を導入するにはGMの許可が絶対に必要です。

既存の有利な特徴を修正する(MODIFYING EXISTING ADVANTAGES) B113-114P

[[既存の有利な特徴を修正する>新しい有利な特徴#MODIFYING_EXISTING_ADVANTAGES]]
 ガープスには多くの有利な特徴があります。あなたが考えているものに似た特徴もあるでしょう。そのような場合、新しい有利な特徴を考えるのではなく既存の特徴を “ちょっと変える” ことですませられます。

名前を変える(Rename)
[[名前を変える>新しい有利な特徴#Rename]]
 求めている有利な特徴が既に存在しているものの、名前が気に入らないなど、ぴんとこない事があります。この場合、 “新しい” 有利な特徴は単に名前を変えるだけの問題です。例えば「光量増幅」という暗闇の中で物が見える有利な特徴が欲しい場合、「暗視」を「光量増幅」に改名するだけで済みます。

再定義する(Redefine)
[[再定義する>新しい有利な特徴#Redefine]]
 多くの “新しい” 有利な特徴は、既存の有利な特徴の特別な効果を備えた改変版ということになります。もし既存の有利な特徴によって適切な能力が得られるものの、その理由付けが正しくないときには、ゲームの手順とCPはそのままにしてください。その上で “それがどのようにして機能するのか” に新しい説明をつけます。例えば「暗視」は自然な暗闇への順応能力を想定していますが、ハイテクの移植技術として説明するほうがキャンペーン世界にふさわしいのであればそうしてください。

組み合わせる(Combine)
[[組み合わせる>新しい有利な特徴#Combine]]
 既存の性質を “組み合わせる” ことで新しい有利な特徴になります。もし有利な特徴を組み合わせて望む効果を得られるのであれば(CPを下げるために、不利な特徴をいくつか組み合わせてもかまいません)、そのCPをすべて加算して全体に名前をつけてください。
 例えば「鋭敏視覚5レベル[10]」「暗視5レベル[5]」「色覚異常[-10]」の組み合わせは「キャッツアイMk-V[5]」という埋め込み機器にできます。プレイヤーは「キャッツアイMk-V[5]」とキャラクター・シートに書き込むだけですみます。これは第7章「テンプレート」で説明される「共通性質」と同じように機能します。
エラッタ修正:訳語不統一
【誤】「色盲」 【正】「色覚異常
【誤】「複合性質」 【正】「共通性質

修正する(Modify)
[[修正する>新しい有利な特徴#Modify]]
 既存の有利な特徴をゲームの手順でだいたい処理できるが、望んでいるものを完璧には実現できないときがあります。この場合、まず最も近い既存の有利な特徴を選びます。これに望む効果を与えるような増強限定を加えて、最後に新しい有利な特徴として完成させます。
 例えばあなたのキャンペーン世界では、幽霊は霊界を見ることができるとします。これは暗視の副次効果として、幽霊を見ることができ、目が赤く光ると考えられます。あなたはこの能力を「暗視5レベル:非実体も見える(+20%)、一時的不利な特徴変な容姿」(-5%)[6]」と書くこともできますが、キャラクター・シートに単純に「霊界視覚[6]」と書くこともできます。詳細は別の場所に記録しておくといいでしょう。

微調整する(Fine-Tune)
[[微調整する>新しい有利な特徴#Fine-Tune]]
 上記の手順を適用した後に、求める効果を完成させるためになんらかの “色” を加えたり、CPを調節したいと思うかもしれません。これは特定の成功判定が必要というような副次効果を付け加えることで実現されます。「特典」(98ページ)や「」(158ページ)で説明される指針がここでも有効です。
 例えば「霊界視覚」の必要CPを丸めて5CPにしたいと思うかもしれません。しかし幽霊を見る能力をそのままにしたくはありません。5CPまで必要CPを削減するために、 “明るい日光の中では視覚判定に-1” ということにしました。アンデッドが日光を好きでないことは誰もが納得します!


完全に新しい有利な特徴をつくる(DESIGNING ENTIRELY NEW ADVANTAGES) B114P

[[完全に新しい有利な特徴をつくる>新しい有利な特徴#DESIGNING_ENTIRELY_NEW_ADVANTAGES]]
 完全に新しい有利な特徴をつくるほかないときも存在します。ガープスの有利な特徴はふつう4つの基本能力値のいずれかに関連した能力をあたえます(場合によっては、1つの特徴が複数の能力値に関係することもあります)。

●1:状況による能力値へのボーナス(Situational bonuses to attributes.)
 能力値へのボーナスは、+1ごとに体力生命力なら10CP敏捷力知力なら20CPの価値があるとみなします。この基準が “どの程度の頻度でボーナスが適用されるか” によってCPが切り下げられます。「条件限定」(107ページ)を見てヒントにしてください。例えば「傷の回復が早い」は基本的に生命力+5です(基本の必要CPは50)。しかし傷を回復するときにしか適用されません。ほとんどの人は怪我することを回避するためにかなり努力します。また魔法超能力・ハイテクによる治療手段があるときには、自然治癒の判定を行なうことはほとんどありません。そのためこのボーナスを得るのに必要なCPは10分の1まで低下して、最終的なCPは5CPになります。

●2:技能判定へのボーナス(Bonuses to skill rolls.)
一般的に「才能」(54ページ)と同様に機能します。もしある特徴が “1つの” 技能に適用されるとするならば、それは技能に+1されるごとに2CPとみなします。ただし最大でも+3(6CP)までです。

●3:反応判定へのボーナス(Bonuses to reaction rolls.)
 「名声」(29ページ)の記述と同じように適用してください。 “非常に小さな集団” でのみ有効なボーナスであれば、 “演出” としてCPなしで獲得してもかまいません(例えば「ハーバード大学で比較解剖学の博士号をとった人なら誰でも」――ただしハーバード大学の医学部が舞台のキャンペーンを除く)。こうしたボーナスは必ずしも “本当の” 「名声」である必要はありません――外見、超能力のオーラ、精神制御光線などでかまわないのです。

●4:ほかのいずれの手段でも計れない独特の特徴(Unique abilities that those without the advantage do not have in any measure.)
 こうした能力は他との比較によって値を決定するべきです。同程度の能力をルールに沿って作成して、その合計コストを求めます。それと比較して若干強力であればCPを追加して、弱めであればCPを削ります。例えば “ふつうの視覚判定はすべて自動的に成功する” ということは、 “すべての恐怖判定に自動的に成功する” のと同じくらい便利でしょう。ですからこの能力は「無感動」と同等の15CPです。


CPを最終的に決定する(Finalizing the Cost)
[[CPを最終的に決定する>新しい有利な特徴#Finalizing_the_Cost]]
 新しい有利な特徴の最終的なCPを決定するには、それが与える能力すべてのCPを合計してください。その有利な特徴が非常にまれで、持っている人々が使うと確実に奇襲として利用できる場合や、金儲けの手段として使用できる場合は、最終的なCPを最大100%増しにしてください。逆にGMがそれを非常に一般的なものとしたいときには、必要CPを50%までしてもかまいません。さらにCPを調整するためには「微調整する」を参照してください。
新しい有利な特徴の必要CPを決める最終的な決定者はGMです。GMは “キャラクターによってはとることを制限させたい” 有利な特徴については、選ばれた際に「特殊な背景」を要求してもかまいません――有利な特徴CPに追加して支払う必要があります。これはすでに組み込まれている頻度修正に “加えて” 必要になります。