575 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/06(木) 21:23:30.87 ID:jM24nnqVO
【CHAPTER ０４ 『ロスト・パラダイス・ロスト』 非日常編】
絶望は休むことなく襲い掛かってくる。そう実感せずにはいられなかった。
満の生存に安心する間もなく姿を現した真理木の死体……
体の震えが止まらない。動悸が急速に激しくなる。
安藤「こ、これ……真理木が！ 死んで……！」
不動「…………殺し合いが起きた。そういう事だろう」
安藤「……く、そ……！」
動揺している俺とは対照的に不動は冷静につぶやく。
だがよく見ると、その拳は強く握りしめられて震えていた……。
576 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/06(木) 21:29:07.37 ID:jM24nnqVO
真理木の死体を発見してまもなく、部屋の外から足音が聞こえてきた。
入り口の扉が開く。
原井「皆さん！ さっきのアナウンスは……。……！」
ミリア「ミチルちゃん！？ ダイジョーブですか！？」
国定「……いや、どうやら被害者はそっちじゃないみたいだよ」
本多「え……？ ……ま、真理木さん！？」
御々崎「真理木……」
やがて全員が現場に集まった。
原井「なんという事でしょうか……！ 満さんは無事なのですか！？」
安藤「ああ、だけど怪我してるんだ！ 早くなんとかしないと……！」
モノクマ「お困りのようですね、生徒諸君！」
577 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/06(木) 21:36:08.12 ID:jM24nnqVO
本多「モノクマ……って事は！」
モノクマ「はい、起きちゃいました事件が！ なんのかの言ったって、食欲には勝てなかったんだねえ」
モノクマ「殺らなきゃ殺られる……野生の掟を思い出してくれたようで大変よろしい！」
安藤「そんな事より満を助けてくれよ！ このままじゃ手遅れになる……お願いだ！」
モノクマ「必死だね。世界の中心で愛でも叫んでるの？ まあ満さんの怪我については致命傷って訳じゃなさそうだし……」
モノクマ「特例で助けてあげましょう！ 急患急患ー！」
モノクマの叫びと共に入り口から救急隊員の格好をした二体のモノクマが入ってくる。
驚いている俺達を尻目に、満を手際よくタンカに乗せると倉庫を去って行った。
578 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/06(木) 21:46:45.83 ID:jM24nnqVO
本多「……い、今のは？」
国定「モノクマが複数匹動いているところ初めて見たよ。いや複数体？」
モノクマ「満さんは別室にて治療いたします。復帰可能な状態になったら戻ってもらうからね！」
安藤「もしかしてお前が治療するのか？ 大丈夫なんだろうな……？」
モノクマ「モチロン！ スーパードクターモノクマ……神の指を持つと言われたこのボクに任せなさい！」
ミリア「でもモノクマに指はないですよ？」
モノクマ「だってそう言われてるだけだし……勝手にドクターとか、いい迷惑だよ！」
本多「まさか風評だけ！？ 全然安心できないんですが！」
安藤「………………」
心配だけれどモノクマに任せるしかない。
満……無事でいてくれよ。
579 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/06(木) 21:51:30.63 ID:jM24nnqVO
モノクマ「さてさて、尊い命を救ったところで恒例の……」
モノクマ「『ザ・モノクマファイル５』ー！」
モノクマ「それと……こいつはボクからの差し入れ。アンパンと牛乳！」
安藤「……ッ！」
ミリア「ミ、ミルク……！」
モノクマ「せっかく事件が起きたのに、捜査中にぶっ倒れられても困るからね」
モノクマ「これがモノクマ流アメとムチよ！」
原井「食糧ですか。しかしこの状況では……」
国定「不謹慎だけど仕方ないんじゃない？ 実際、皆もうフラフラだしさ」
確かにここまで走ってきたのと満と真理木を見た衝撃で、体には力が残っていなかった。
皆も同じような状態だろう。
580 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/06(木) 21:55:31.50 ID:jM24nnqVO
安藤「……食べよう。捜査の為に力を蓄えて、真相を突き止めて真理木の仇を取るんだ」
不動「…………ああ」
不動が手を付けたのを皮切りに全員が食べ始める。
皆、無言で口に入れたあんぱんを牛乳で押し流していく。
……だんだんと力が戻ってくるのが感じられた。
人間の体ってこんなに単純なのか、そう思わせるほどに体に活力がみなぎってくる。
原井「……ごちそうさまです」
モノクマ「お粗末さま。それじゃ捜査を始めちゃってくださいな！」
……やるしかない。真理木が死んだ事件の真相、そして満が倒れていた理由……。
突き止めるんだ、二人の為に！
[捜査 開始]
581 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/06(木) 22:00:14.86 ID:jM24nnqVO
まずはモノクマファイルを確認しよう。
【モノクマファイル５】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
被害者は真理木 優莉。死亡推定時刻は午前０時から６時半の間。
校舎４階の第二倉庫で発見された。
死因は被害者の左胸、右肩、左脇腹に残った３つの外傷。
その内、胸と肩の傷穴は体の裏側まで貫通している。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
真理木の体に残った３つの傷穴……
このどれかが真理木の致命傷になったって事か。
おそらく凶器も察しがつく。
でも問題は……なんで３つも傷がついているんだ？
コトダマゲット！
【モノクマファイル５】
被害者は真理木 優莉。死体は第二倉庫で発見された。
胸、肩、腹部に三つの傷穴があり、胸と肩の傷は体を貫通している。
582 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/06(木) 22:05:36.21 ID:jM24nnqVO
不動「……捜査を始める前に、はっきりさせたい事がある」
不動「この事件を発見したのは一体誰なのかという事だ」
国定「発見者？ 不動クン達じゃないのかい？ 満さんと合わせてちょうど三人いるし」
安藤「いや、俺達は死体発見アナウンスを聞いてから現場に向かったんだ」
安藤「それで現場には真理木の死体と棚の下敷きになっている満がいて……国定達が来たのはその後だ」
……あれ、これはおかしくないか？
不動「……もう一度聞く。真理木の死体を発見したのは誰だ？」
御々崎「………………」
ミリア「…………エッ？」
原井「…………これは」
本多「誰も見てない……？」
安藤「ちょっと待ってくれ。アナウンスが鳴ったって事は最低三人は真理木の死体を見てるはずなんだぞ！？」
「「「………………」」」
583 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/06(木) 22:09:54.43 ID:jM24nnqVO
安藤「な、なんでだ……？」
不動「………………」
国定「残念ながらボクも発見者じゃないんだけど、随分オモシロイ事をするんだね」
国定「基本的に死体の発見を隠すメリットはない……シロであることの何よりの証拠だからね」
国定「発見者さんはどんな思惑を持って事実を隠してるのかな？」
ミリア「…………？」
御々崎「……誰も見てない、か」
本多「えっと…………」
原井「一体これは……」
どういう事なんだ……？
真理木を発見した人が……いない？
いや、それはありえないはずだ。アナウンスが鳴ったのは事実だ。
だとすれば発見した事を言えない事情があるのか？
コトダマゲット！
【死体を発見したタイミング】
安藤達が現場に着いたのは死体発見アナウンスの後。
それ以前に死体を見た人はいないという。
584 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/06(木) 22:15:53.38 ID:jM24nnqVO
国定「それともう一つ確認しておくことがあるよね」
国定「皆が持ってる銃の残弾数。銃についてるパネルで確認させてもらうよ」
全員が銃を取り出し、後ろのパネルを表示させる。
国定「あ。しまった、満さんの残弾数も確認しておけばよかったな……」
国定「まあいいか。ボクは３発。もちろん一発も撃ってないよ」
原井「同じく３発です」
ここまでは良かったのだが……
本多「僕も３……あれ。……に、２発！？」
国定「あ、そうだ。使った人はどうして使ったのか言って欲しいな。もちろん言わなくてもいいんだけど……」
国定「……黙ってる人には、こっちとしてもそういう目で見ざるを得ないよね？」
本多「り、理由？ え、えっと……すみません覚えてないんです！ 使った記憶も無くて……」
たぶん、ジョージだろうな……。
あいつが何に使ったか、事件に関係しているかまでは分からないけど……
安藤「本多のは置いておこう。本人も本当に分からないみたいだ」
本多「すみません……！」
585 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/06(木) 22:22:05.95 ID:jM24nnqVO
ミリア「ワタシは……２発です！ マジックに１発使いました！」
国定「なるほど。安藤クンは？」
安藤「……１発だ。２発撃った」
ミリア「エッ……？」
国定「へえ、納得できる理由は言える？」
昨日俺が事件を起こしかけた事……今は言えない。
今言ったら皆を混乱させてしまう。
安藤「理由は……今は説明できないけど事件が起こる前に使ったのは間違いないぞ。満が事情を知ってる」
国定「そうか……。それじゃ不動クンは？」
不動「俺も……１発だ」
本多「……！ ２発使ったんですか……で、でも理由があるんですよね？」
不動「……銃は使い切りさえしなければ校則違反にならない。使わないという意思表明のつもりで無駄撃ちした」
安藤「その事を事前に知ってた奴はいるのか？」
不動「……いない。俺が無駄撃ちしたのはお前らを避けていた時だった」
国定「ふうん……証拠は無い、と」
不動「………………」
587 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/06(木) 22:28:54.39 ID:jM24nnqVO
安藤「あと見せてないのは御々崎だけだな」
御々崎「………………」
国定「確か御々崎さんは銃を配られた時に一発撃ってたよね。だから残ってるのは２発かな？」
御々崎「…………っ」
原井「御々崎さん……？」
御々崎が無言で銃の後ろのパネルを見せる。
表示をされていた数字は……『０』。
588 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/06(木) 22:31:17.01 ID:jM24nnqVO
安藤「……！ 御々崎お前……！」
ミリア「２発使っちゃったんですかっ！？」
国定「いや、この場合問題となるのは銃を使い切ってることだよ。御々崎さん、理由は言えるかい？」
御々崎「…………っ、特に……無い」
原井「それは……。ですが意図的に使い切った場合、校則違反という事になります……」
なのに御々崎は無事だ。これって……
不動「85�僉△泙気�お前が……！」
ミリア「……あ！ でも１発は……」
ミリアが何かを言いかけた時、御々崎が入口の方へと向かっていった。
589 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/06(木) 22:34:07.39 ID:jM24nnqVO
本多「えっ、どこに行くんですか？」
御々崎「他の場所の捜査に……行くから」
そう答えるなり、逃げるように倉庫から出て行った。
ミリア「ミミちゃん……」
国定「うーん……クロかな？」
不動「………………」
安藤「……分からない。けど……」
御々崎は事件に関係している、それは間違いなさそうだ。
コトダマゲット！
【特製銃】
全員に配られたモノクマ特製の小口径の拳銃。
弾丸を装填したりはずす事はできない。
【全員の銃の残弾数】
全員の特製銃の残弾数は以下の通り。
国定と原井は３発。ミリアと本多が２発。不動と安藤が１発。御々崎は０発。
590 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/06(木) 22:38:56.00 ID:jM24nnqVO
原井「御々崎さんの事も気になりますが、まずこの現場から捜査いたしましょう」
原井「手始めにまず……真理木さんの遺体から」
不動「………………」
検死は真理木が得意だったんだけど、本人が亡くなってるからな……
でも、やれることはなるべくしないと。
モノクマファイルを見比べながら真理木の死体を調べる。
ファイルに書いてある通り、真理木の体には３つの傷穴があった。
安藤「このどれかが真理木の死因って事だったな」
国定「脇腹は貫通してない傷。胸の傷はちょうど心臓の位置だね」
本多「心臓を貫通ですか……」
ミリア「ユーリちゃん……イタかったでしょうね」
安藤「いや、死んだ後についた傷かもしれない。せめて即死かどうかだけでも分かればな……」
原井「右肩の傷も貫通しています。これでは右腕を動かす事はできなかったでしょうね」
真理木の体に残った傷はこれで全部みたいだ。
コトダマゲット！
【右肩の傷穴】
真理木の右肩の傷穴は貫通しており、右腕を動かす事はできなかったと考えられる。
591 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/06(木) 22:43:24.33 ID:jM24nnqVO
安藤「この傷は全部、銃によるものなのか？」
不動「……おそらくは。だが気になる事がある」
不動「傷穴の内二つは貫通している。しかし俺達の持っている銃は小口径だ」
不動「貫通させるには威力が足りないはずだ……」
国定「銃で貫通させる方法は何も無いの？」
不動「銃に限らないが……威力の弱いものでもごく至近距離から撃てばありえる」
不動「零距離とは言わないが……射出部分が目標に触れるか、というくらいの距離だ」
国定「へえ。さすが超高校級のガンマン、銃の知識が豊富だね！」
本多「この傷が全部銃によるものだとすると、真理木さんの傷は３つ」
本多「でも皆さんの撃った数は多くても２発ですから……」
原井「少なくとも二人以上の人が真理木さんを撃った事になりますね……」
不動「………………」
真理木の命を奪ったのは特製銃なのか……？
間違いないのは真理木の二つの傷は貫通している。
そして貫通させるには特殊な方法が必要だって事だ。
コトダマゲット！
【貫通した傷について】
貫通した傷は威力の高い武器によってできる。
威力の弱い武器で貫通させるには至近距離で撃つ必要がある。
592 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/06(木) 22:46:21.10 ID:jM24nnqVO
国定「真理木さんの銃の残弾数も確認しておこうか」
真理木の右腰についているホルスターから銃を取り出す。
パネルで確認すると『３』と表示されていた。
ミリア「ユーリちゃんは銃を使わなかったんですね」
安藤「ああ。血もついてないし使った形跡は無いな……」
コトダマゲット！
【真理木の銃】
真理木の銃には使われた痕跡は無かった。
コトダマアップデート！
【全員の銃の残弾数】
全員の特製銃の残弾数は以下の通り。
国定と原井と真理木は３発。ミリアと本多が２発。不動と安藤が１発。御々崎は０発。
598 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/09(日) 23:30:41.66 ID:JYn310uRO
原井「あとは真理木さんが何か持っていないかですね。私が調べます」
不動「……頼む」
原井「では失礼します。………………」
原井「特に変わった物は無いようです。部屋の鍵、生徒手帳だけで……あら、このビンは？」
不動「それは……真理木が使っていた睡眠薬だ。持ち歩いていたようだな」
原井「そうですか。それにしても改めてひどい……血だらけです」
本多「３発も撃たれたみたいですからね。あれ、左手の指先にも血が付いてます」
安藤「左手の指先？ もしかして何かを書いた後なんじゃないか？」
ミリア「アッ、もしかしてダイイングメッセージですかっ！？」
本多「といっても真理木さんの周りにはそれらしいのはありませんが……」
国定「この部屋のどこかにあるのかもしれないね。真理木さんが残したメッセージが」
不動「………………」
真理木の遺体から分かるのはここまでみたいだ。
あとはこの部屋を調べないと。
599 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/09(日) 23:39:38.09 ID:JYn310uRO
不動「……俺は別の場所に行く」
本多「えっ、ここは調べないんですか？」
不動「お前らに任せる。俺は……自分で真理木の事件を突き止める」
そういうと不動はさっさと倉庫から行ってしまった。
原井「行ってしまわれましたね……」
国定「現場に一番証拠が残ってると思うんだけどなあ。彼なりに当たりがついてるのかな？」
ミリア「……あ、あのっ！ ワタシも行っていいですか？」
安藤「ミリア？ どうかしたのか？」
600 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/09(日) 23:45:09.67 ID:JYn310uRO
ミリア「ユーリちゃんの事件もガンバらないとですケド、ミミちゃんが気になります！」
ミリア「探しにいきたいんです……ダメですか？」
本多「僕はいいと思いますが……」
原井「私も構いませんよ」
国定「いいんじゃない？ 現場の捜査なら4人でもなんとかなるし」
安藤「分かった事は後で教えるから行って来いよ。気をつけるんだぞ」
ミリア「アリガトウございます！ ミミちゃん見つけたら連れてきますねー！」
国定「さて、それじゃあこの部屋をもう少し調べようか。満さんが倒れていたっていう話も気になるしね」
確かに……。
真理木の事件もそうだが、満がなんで棚の下敷きになっていたのかも気になる。
原因を突き止めるためにも、次はこの部屋全体を調べよう。
601 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/09(日) 23:54:16.41 ID:JYn310uRO
原井「しかし、この辺りは物が大分散乱していますね。落ち着きません……」
満の倒れていた場所にはプリント用紙、ボールペンなど事務用品が散らばっていた。
どれも棚にあった物だ。
安藤「ああ、それは棚に入ってた物だ。満がそこの棚の下敷きになってたんだよ」
安藤「棚は俺と不動でどかしたんだ。けど中に入ってたものが落ちたんだな」
本多「それで怪我をしてたんですか。でもどうしてそんな事態に？」
安藤「それは分からないけど、偶然とは思えない。犯人が何かしたのか……」
原井「……やはりこのままでは我慢できません！ 少し整理しましょう！」
国定「あ、ちょっと。現場保存を……」
原井「すみません本多君、これをその棚に戻してもらえませんか？」
本多「はっ、はい」
安藤「聞いてないみたいだぞ……」
国定「あのさあ……まあいっか。このままだと捜査しづらいのは確かだし」
国定は諦めたみたいだな。俺も片づけを手伝うか。
602 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/10(月) 00:02:25.32 ID:SxSHheutO
落ちている黒布の幕に手を伸ばす。これは確か棚の下敷きになった満がかぶっていたものだ。
見たところ端に破れている箇所がある。
安藤「こんな物、第二倉庫にあったか？」
原井「それは……おそらく音楽室にあった物ではないでしょうか？ ステージの横にかかっていたような気がします」
安藤「なるほど。あれ、何かつながってるぞ。これは……鉄線？」
国定「長さは１ｍ弱ってところだね。もしかしてピアノ線じゃないかな？」
安藤「これもこの部屋には無かったものだよな……」
国定「逆側の方には何も繋がってないか。いや……本当は何か繋がっていたのかもしれないけど」
黒い幕にピアノ線……どうやら音楽室に関係してるらしい。
コトダマゲット！
【音楽室の黒幕】
死体発見時に満がかぶっていた、音楽室にあった黒い幕。
【ピアノ線】
現場から発見されていた1m弱の長さのピアノ線。黒幕に繋がれていた。
603 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/10(月) 00:13:07.08 ID:SxSHheutO
原井「ああっ、なんという事でしょうか！ 誰かがゴミを捨てています……」
安藤「ゴミ？」
原井「空の缶コーヒーが落ちていました。嘆かわしい事です……」
安藤「誰かがここで飲んで捨てたのかもしれないな」
原井「まったく誰ですか。ゴミはゴミ箱に。学校で習わなかったのでしょうか……！」
原井はこういうとこに厳しいよな……俺は気をつけよう。
本多「あれっ？ なんか変ですね……」
安藤「どうした本多？」
本多「いえ、片づけてたんですけど変な物を見つけたというか……」
本多「その倒れた棚があった壁際に一列に缶コーヒーが並んでるんですよ」
原井「本当ですね。缶コーヒーは部屋の奥の方にあったはずですが……」
棚があったところに並んでいた？
という事は棚は元々……
コトダマゲット！
【空の缶コーヒー】
現場に落ちていたスチールのコーヒー缶。中身は入っていない。
【壁際に並べられた缶コーヒー】
倒れた棚があった壁際には缶コーヒーが一列に並べられていた。
604 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/10(月) 00:17:45.94 ID:SxSHheutO
本多「整理はこんなところで良いと思うんですけど、どうでしょうか？」
原井「そうですね。すっきりしました」
国定「さ、それじゃとっとと手早く迅速に捜査に戻ろうか」
安藤「いやに急かすな……よっぽど捜査したかったのか」
原井「あっ、壁の所にゴミが残っています。取りましょう」
国定「………………」
本多「す、すぐ済みますよ……」
原井「どうやら黒い布の切れ端ですね。倒れた棚の向かい側の壁に画鋲でとめられていました」
国定「……捜査、いいかな？」
原井「ええ、では始めましょう。これで軽い気持ちで捜査できるというものです」
国定「……はあ……」
重い溜息だな……。
コトダマゲット！
【布の切れ端】
倒れた棚の向かい側の壁に画鋲でとめられていた黒い布の切れ端。
605 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/10(月) 00:23:23.91 ID:SxSHheutO
本多「そういえばさっきから気になってたんですけど、入り口の方にある血痕って真理木さんのものですか？」
国定「たぶんそうじゃない？ 血痕は入り口からここまで続いているみたいだし」
本多の言うとおり、入り口近くにも血痕が残っている。
俺達も入った瞬間に血痕があるのに気付いたんだった。
最初に満を見た時、血だまりの上にいたから死んだのかと思ったけどあれは真理木の血だったんだな……
原井「見たところ、入り口の血痕の方が量が多いようですね……」
原井「真理木さんは撃たれた後ここまで逃げて移動したという事でしょうか」
国定「いや、もしくは誰かがここまで動かしたのかもしれないよ」
原井「犯人がですか？ しかしそんな事をする意味があるのでしょうか」
本多「死体を気づかれにくくするためとか……？」
安藤「でもそれなら部屋のもう一つ奥の方に隠すんじゃないか？ ここじゃ入り口から丸見えだ」
原井「だとすると……一体何故？」
意図は分からないけど……真理木は撃たれた後、移動している。
それは間違いないみたいだ。
コトダマゲット！
【入り口から続く血痕】
血痕は入り口近くから死体発見場所まで続いている。
※簡易的な第二倉庫のイメージ見取り図
補足：黒い四角が棚、バッテンついた棚が倒れた棚。
矢印ついてるのが入り口、漢字は二人が倒れていた場所です。
606 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/10(月) 00:32:47.59 ID:SxSHheutO
本多「あっ、壁に弾痕がありますよ！？ しかも二つ！」
入り口の扉の近くの壁に穴が二つ空いている。
けどその穴は……
原井「重要な手掛かりですね。ここで二回発砲されたという事は……」
安藤「いや……実はそれ昨日の夜、事件が起こる前に俺が撃ったんだ。」
原井「えっ、安藤君がですか？」
本多「そういえば二発使っていたんですよね。これがそれって事ですか？」
国定「証明はできるのかい？」
安藤「満が事情を知ってる証人だとしか言えないな……とにかく俺の二発はこの壁の穴だ。事件とは関係ない」
国定「ふうん……。とりあえずはそういう事にしようか」
安藤「………………」
満が復帰するまで潔白は主張できないみたいだな……。
コトダマゲット！
【壁に残った弾痕】
第二倉庫の入り口近くの壁には安藤が前日に撃った痕が二つ残っている。
607 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/10(月) 00:43:21.20 ID:SxSHheutO
安藤「他の場所にも弾痕が残ってるかもしれないな」
国定「探してみようか。弾痕の数……言うまでも無く重要な情報だからね」
原井「まだこの部屋に残っているでしょうか……」
皆で手分けして銃が撃たれた痕跡を探す。やがて……
本多「……あっ、天井に穴が空いてますよ。あれってもしかして……！」
安藤「弾痕か……！」
原井「本多君、お手柄です」
国定「この部屋にあった弾痕は入り口近くの二発、そして天井の一発。これで全部かな」
問題は誰が撃ったのか、だな……。
コトダマゲット！
【天井の弾痕】
第二倉庫の天井には銃で撃ったと思われる穴が一つあった。
608 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/10(月) 00:51:51.55 ID:SxSHheutO
国定「確かに入り口近くの方が血の量が多いね。真理木さんがここで撃たれたは間違いないみたいだ」
原井「壁にも血がついています……」
安藤「……待てよ。真理木がここで撃たれたなら、さっき話題になったダイイングメッセージもここにあるんじゃないか？」
本多「そうですね、探してみましょう！」
安藤「……それらしいのは見つからないな」
本多「指先に血が付いていたのは偶然だったんでしょうか？」
国定「いや……そうでもないみたいだよ。よく見ると床の血痕が一部拭い取られてる」
安藤「拭い取られたって事は……」
国定「ここに何か、誰かにとって都合の悪い物があったから拭いたって事になるね。例えば……そう」
……ダイイングメッセージ、か。
すでに犯人によって拭き取られてしまったのか？
原井「あの、こちらにも拭い取られた跡がありますが……」
本多「えっ、どこにですか？」
原井「この血のついている壁のところに拭い取られた跡があるのです」
安藤「本当だ……これ、どういう事だ？」
国定「拭い取られた跡が二つ……か」
コトダマゲット！
【拭い取られた血痕】
入り口の近くの壁と床には血痕が拭い取られたような跡が二つあった。
609 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/10(月) 00:56:57.41 ID:SxSHheutO
国定「最後に一応皆のアリバイを聞いておこうか。夜時間になってから死体発見までの事をね」
安藤「俺は昨日の夜……ここで満と会った後、部屋に戻った。朝になったらアナウンスが流れて不動とここに来たんだ」
本多「えっと……すみません。昨日の夜は、というか昨日の記憶がなぜかほとんどなくて……」
本多「いつのまにか寝ていて、朝起きたらアナウンスが流れて、って感じです」
国定「ちなみにボクは昨夜は一人で部屋に居て、朝はアナウンスが鳴ったからここに一人で集まったよ」
安藤「……要するにアリバイなしじゃないかそれ」
原井「私も同じような過ごし方でした。ただなかなか寝付けませんでしたが……」
安藤「皆、コーヒーを飲んで睡眠感覚がおかしくなってたからな……もしかしたら夜時間でも出歩いていた奴はいたかもしれない」
国定「案外真理木さんも犯人もここにコーヒーを取りに来て鉢合わせになって事件が起こったのかもね。あ、満さんもそうなのかな？」
安藤「それは……どうだろうな」
とにかく全員アリバイらしいものは無いみたいだ。
615 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/11(火) 21:56:33.22 ID:tVnB1cgrO
本多「この部屋で調べられるのはここまでみたいですね」
国定「それじゃここからは別行動にしようか」
原井「了解しました。私は音楽室を調べに行きます」
事件が起こった4階を中心に捜査しよう。
この場にいない人からも話が聞きたい。
特にミリア、御々崎が出て行った時に何か言いかけていたような……
とにかく気になるのはまず音楽室だ、原井と一緒に俺も行ってみよう。
616 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/11(火) 22:04:24.03 ID:tVnB1cgrO
― 校舎４F 音楽室 ―
原井と共に音楽室にやってきた。ステージ上には相変わらずグランドピアノが鎮座している。
二人でステージのあたりを調べる事にした。
安藤「原井、何か見つけたか？」
原井「やはりあの黒幕はここにあった物のようです。ステージの幕が一つ無くなっています」
安藤「そうか。やっぱり誰かが第二倉庫に持ち出したんだな」
原井「それとグランドピアノも調べてみたのですが、中の弦が一本無くなっていました」
安藤「本当だ。弦が……これは切れてるのか？ とにかく分断されてるな」
持ち出されたピアノ線と黒幕。その目的は第二倉庫で見つけたものを考えればおそらく……
原井「……しかし気になる事があります」
安藤「気になる事って？」
617 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/11(火) 22:14:04.88 ID:tVnB1cgrO
原井「犯人はどうやってピアノ線を分断したのでしょうか」
安藤「どうって、普通に切ったんじゃないのか？」
安藤「といっても刃物は二階に集めてあるか。なら前の事件みたいに鉛筆削りを利用したとか」
原井「しかしピアノ線の素材は鋼ですよ？ 硬く、弦の交換にも専用の工具が必要な程です」
原井「鉛筆削りの刃ではとても切れないと思います」
安藤「でも実際に弦は両端の取り付け部分を残して分断されている……」
安藤「その専用の工具っていうのはここに無かったのか？」
原井「いえ、探しましたが見つかりません。それだけに謎なのです……」
618 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/11(火) 22:21:51.49 ID:tVnB1cgrO
原井「さらに付け加えるなら、ピアノの弦には強い張力が働いています」
安藤「張力って引っ張る力の事だったか？」
原井「はい、音を響かせる為に両端から引っ張っているのです。確か約80�堋�の力でしたか」
安藤「へえ……」
原井「そしてもしそんな状態で弦を切断したとすると、凄い勢いで切った方に跳ね返るはずなのです」
安藤「跳ね返るって、かなり危険なんじゃないか？」
原井「もちろんそうです。実際ピアノには跳ね返った時についたような傷がありました」
安藤「本当だ。鉄線で引っかかれるって事だもんな……。けどピアノについてる傷はこれだけか」
ピアノ線がここから調達されたのは間違いない。
けどそいつはどうやって跳ね返りを受けずにピアノの弦を切ったんだ？
そもそも何を使って硬いピアノ線を切断したんだ……？
謎は深まるばかりだな……。
コトダマアップデート！
【ピアノ線】
現場から発見された1m弱の長さのピアノ線。黒幕に繋がれていた。
鋼で出来ていて普通の刃では切れない。また、切る時に跳ね返りの危険がある。
619 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/11(火) 22:28:07.69 ID:tVnB1cgrO
― 校舎４F 武道場 ―
音楽室の捜査を切り上げて武道場の方にやって来た。
本多がすでに調査しているようだ。
本多「うーん、証拠らしいものはありませんね」
安藤「ロッカーの中にも何もないか」
本多「一応ジュラルミン製の矢がありますが、おかしな痕跡は無いので使われたかどうかまでは……」
安藤「もしかして矢の数が減ってたりとか。覚えてないか？」
本多「さすがに分かりませんね……」
安藤「だよな……」
武道場には弓と矢がある。競技用だけどこれも武器になるかもしれない。
一応覚えておくか。
コトダマゲット！
【矢】
武道場にあるジュラルミン製の矢。
620 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/11(火) 22:46:32.91 ID:tVnB1cgrO
― 校舎４F 研究室 ―
本多と別れて研究室の捜査にやってきた。
中には国定と、ミリアも捜査に来ている。
国定「やあ。来て早々なんなんだけど、この部屋から証拠は見つからなかったよ。凶器になりそうな物もね」
安藤「本当にいきなりだな。ちゃんと捜査はしたのか？」
ミリア「バッチリ調べましたよ。成果はゼロでしたっ！」
安藤「ミリア。御々崎は見つかったのか？」
ミリア「ダメです、見つかりません。むー……」
安藤「そうか……」
御々崎が何か知っていそうなのは確かなんだけど……
621 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/11(火) 22:56:15.06 ID:tVnB1cgrO
国定「それよりミリアさん、さっき倉庫で何か言いかけてなかったっけ。確か……」
：
ミリア「……あ！ でも１発は……」
：
国定「……ってさ。あれ、どういう意味かな？」
ミリア「イッパツ……あ！ ミミちゃんの銃、一昨日に一発使ったはずなんです！」
安藤「本当か？ 一体どこで！？」
ミリア「ワタシがマジックしたときです！」
……マジック？
622 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/11(火) 23:10:47.03 ID:ctMNqfGiO
ミリア「二日前、ミミちゃんの所にいってマジックをしたんです。その名もBullet Catch！」
安藤「えっ……バ？ キャ？ なんて言ったんだ？」
国定「……もしかして弾丸受け止め術の事かな。ほら、観客が撃った弾丸を歯で受け止めるってマジックさ」
……正直まったく知らない。
安藤「と、とにかくその時に御々崎の弾丸を使ったって事か？」
ミリア「ザッツライト！ ミミちゃんの銃を使って、それをジブンに向かって撃って歯で受け止めたんです」
ちょっと見てみたいなそのマジック。いやそれより……
安藤「つまり御々崎の銃には一発しか残ってなかったって事か」
ミリア「その通りです！」
御々崎はミリアのマジックで銃を使った。
つまり事件の時に持ってた弾丸は一発だけだった……
重要な情報だ、覚えておこう。
623 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/11(火) 23:16:29.68 ID:ctMNqfGiO
国定「なるほどね。でもミリアさん、弾丸を実際に受け止めたの？ すごく気になるんだけど……」
ミリア「モチロン。ミミちゃん驚いてましたよ！」
国定「そのタネ教えてくれない？」
ミリア「ダメです！」
安藤「即答だな……」
ミリア「マジシャンが手品のタネを教えちゃったらユメもキボーもありませんから！」
国定「そっか。でもさ、その銃はモノクマ製だから細工は出来なさそうだし発砲は本物だったはず」
国定「本当に弾丸を歯で受け止めれらるとは思えないんだけどなあ」
ミリア「うっ……で、でもその時のダンガンはここにありますよ！」
そう言ってミリアはポケットから弾丸を取り出す。
国定「へえ、実物は初めて見たけどこの銃の弾丸って鉛じゃなくて鋼鉄製なんだ。珍しいね」
これがこの銃に装填されてる弾丸か。意外に小さいんだな……。
コトダマゲット！
【弾丸】
特製銃に装填されている鋼鉄製の銃弾。
624 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/11(火) 23:23:20.54 ID:ctMNqfGiO
ミリア「これがショーコですよバクトくん！」
国定「にしてはこの弾丸、歯形がついてないよね。噛んで止めたのならもっと跡が残りそうなものだけど」
ミリア「う、うう……」
国定「本当は噛んで受け止めたんじゃなくて単に当たってなかったんじゃないの？」
ミリア「……ぎくっ」
ぎくっ、って当たりなのか？
というかなんで国定はこんなにミリアのマジックに食いついてるんだ……。
625 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/11(火) 23:27:45.36 ID:ctMNqfGiO
ミリア「ザッツライト、本当は当たってないです……」
安藤「でも一体どうやったんだ？ 歯で弾丸を挟んで驚かせたっていうのは」
ミリア「事前に撃って用意したダンガンを口の中に隠しておいて、はずして撃った後、歯で挟んで見せたんです……」
国定「さっきの弾丸はミリアさんの銃から撃った弾丸って事だね」
ミリア「オー、ユメもキボーもないです……」
悪い事して叱られてるみたいな落ち込み方だな……。
国定「事前に撃ってたっていうけどどうやって回収したの？ 床や壁に撃ったら弾丸が埋まっちゃうはずだけど」
ミリア「そのタネもですか。ハア……」
ミリアがどんどんしおれていく……。
あんまりマジックのタネは追及してあげない方が良さそうだ。
ミリア「生徒手帳に撃ったんです。ガンジョウってモノクマが言ってましたから」
ミリア「玄関ホールにあったのを借りて撃ちました。ちょっとへこんじゃいましたけど」
国定「そっか、電子生徒手帳か。なるほど……」
安藤「気は済んだか？ そろそろ他の場所を調べるぞ」
国定「……うん。ちょっと玄関ホールに行こうよ。確認したい事もあるし」
執拗にミリアを問い詰めてた事といい、国定には何か考えがあるのか？
ついていった方が良さそうだな……。
627 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/12(水) 23:29:07.99 ID:axNLiGxPO
― 校舎１F 玄関ホール ―
国定「ミリアさん、キミが撃った生徒手帳っていうのは？」
ミリア「えっとー……これです！」
ミリアが玄関ホールの箱から一つの生徒手帳を取り出した。
安藤「これは……電源が点かないから大田原の物だな」
国定「なるほど確かに少しだけへこんでる。でも射撃には耐えられる、と」
大田原の手帳を戻そうとした際、他の生徒手帳にも異変がある事に気づいた。
安藤「あれ？ こっちにもへこんでる生徒手帳があるぞ」
ミリア「エッ？」
安藤「しかもへこみは二つだ。電源を点けるぞ。……どうやら目賀の手帳みたいだ」
国定「……やっぱりね」
ミリア「で、でもワタシこっちのは知らないですよ？」
誰かがミリアと同じように手帳を撃ったのか？
けど二発も……どういう事なんだ。
コトダマゲット！
【へこんだ電子生徒手帳】
電子生徒手帳は銃の射撃に耐えられるほど頑丈。
玄関ホールにある目賀の電子生徒手帳にはへこみが二つあった。
628 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/12(水) 23:36:23.17 ID:axNLiGxPO
そうだ。ミリアにもアリバイを聞いておくか。
安藤「ミリア、昨日の夜から今日の朝までの事を教えてくれないか？」
ミリア「エット昨日の夜はお腹がすいてすいて、でもどーしようもないので寝てました」
ミリア「それで今日は……あっ、今日の朝にヘンな事があったんです！」
国定「ヘンな事？」
ミリア「部屋のチャイムが鳴って出てみたら……なんと！」
ミリア「Nobody……ダレもいなかったんです……」
安藤「怖い話風に言う必要は無いって……。ちなみに何時くらいの話だ？」
ミリア「６時くらいです。まだネムかったのに……。ピンポンダッシュなんてヒドイです！」
安藤「死体発見アナウンスが鳴る少し前か」
国定「イタズラにしてはタイミングがいいね」
ミリア「あと誰もいなかったんですけど、ドアの前にこんなのが落ちてました」
629 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/12(水) 23:44:02.73 ID:axNLiGxPO
そう言ってミリアが取り出したのは一枚の写真だった。
どうやら壁を撮ったものらしい。中央に何か赤い文字がある……
赤い……いや、これは血で書かれた「ミ」という文字だ。
安藤「……！ 国定、これはもしかして！」
国定「血のダイイングメッセージ……第二倉庫の壁の写真だろうね」
ミリア「エッ、これってチだったんですか！？」
安藤「ミリアには血文字だって分からなかったのか。これを見てどうしたんだ？」
ミリア「オー、部屋で寝ちゃいました……。このシャシン、どこかの部屋なのかなって思いましたケド……」
ミリア「カベしかうつってないから分からなかったんです……」
安藤「そうか……いや、しょうがないさ。あまり気にしない方がいいぞ」
630 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/12(水) 23:53:41.46 ID:axNLiGxPO
安藤「この写真、４階の職員室にあったカメラを使ったのか？ もう少し調べておくべきだったな……」
国定「カメラに証拠が残ってるとも限らないよ。犯人が始末したかも」
国定「それよりもう少し写真を見てみようよ」
もう一度写真をじっくりと見る。
映っているのは壁、そして壁についた少しの血痕とカタカナで書かれた『ミ』の血文字。
それだけか……いや、写真の端の方にも何か映っている。
これは……二つの穴？ もしかして弾痕か？
とにかく誰かがミリアの部屋のチャイムを鳴らしたのは、この写真を見せるためだったっぽいな。
何の目的で？
いや、そもそもこの写真を受け取ったのはミリアだけだったのか……？
コトダマゲット！
【血文字の写真】
ミリアが早朝に手に入れた壁に『ミ』と血文字で書かれた写真。
また写真の端には壁に弾痕が二つ映っている。
631 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/12(水) 23:58:45.31 ID:axNLiGxPO
国定「さて、捜査時間ももうすぐ終わるかな」
安藤「もうそんな時間か？ まずいな……」
いくつか分かった事もあるけど、分からない部分の方がまだ多いっていうのに……
国定「そうだね。まだこれじゃ足りない……」
国定「よし、それじゃそろそろ恒例の時間といこうか！」
安藤「恒例？」
ミリア「コーレイ？」
国定「すー……。おーい、モノクマー！」
……モノクマへの質問タイムか。
632 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/13(木) 00:05:31.32 ID:ySMn1R3hO
モノクマ「なんだかんだと聞かれたら、答えてあげるが世の情け！」
モノクマ「って訳で何の用、国定クン？」
国定「この事件の犯人を教えてくれない？」
モノクマ「ダメ―ッ！ 裁判前にネタバラシとか、ユメもキボーも無いでしょーが！」
ミリア「ワタシとおんなじコト言ってます！」
国定「ま、それは冗談として。聞きたいのは校則の事なんだ」
国定「確認だけど校則を破った場合、罰があるんだよね。おそらく命に関わるレベルの」
モノクマ「モチです！ やっちゃうよ？」
国定「校則を違反しても生き残るケースってあるのかい？」
モノクマ「む……」
校則を違反しても生き残るケース……？
633 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/13(木) 00:13:07.71 ID:ySMn1R3hO
安藤「そういえばずっと前、瑠散が違反した時は初犯だって事で許されたんだったな」
モノクマ「えー……違反者への罰は基本的には執行されます。よほどの事が無い限りは、ゼッタイ！」
モノクマ「瑠散さんのは見せしめとして充分成功してたから止めたの。序盤からボクが手を出してもツマンナイでしょ？」
モノクマ「ま、結局すぐに死んじゃったんだけどねー！」
ミリア「ヒドイです……！」
国定「罰が執行されても生きてた場合は？ その場合もう許されるのかな？」
国定「というか違反した場合、どんな罰が与えられるの？ キミの自爆だけ？」
モノクマ「質問が多いよもう！ ……罰は死ぬまで執行されるよ。よほどの事が無い限りはね」
国定「よほどの事、ねえ……」
モノクマ「あと罰の種類だけど、聞きたい？ 聞きたい？」
罰の話になると活き活きしだしたな……。
安藤「……あんまり聞きたくはないけど、教えてくれ」
634 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/13(木) 00:20:33.68 ID:ySMn1R3hO
モノクマ「まずボク自らによる執行、自爆。一番ラクに逝けるんじゃないかな？」
モノクマ「もっとも、モロに食らったら体中のパーツがバラバラに飛び散る事間違いなしだけどね！」
ミリア「オー……！」
モノクマ「マシンガンが設置してあるところで違反したなら、一斉射撃をお見舞い！」
モノクマ「全身をくまなく、蜂の巣になるまでやっちゃうんだから！」
国定「それは中々壮絶だね……」
モノクマ「あとは、召喚魔法グングニルの槍！」
安藤「グングニルの槍……？」
モノクマ「どこからともなく現れてどんな物でも貫く正義の槍さ！ ダメージ9999！」
ミリア「ファイナルなファンタジーみたいなダメージですね……」
モノクマ「違反者への罰はこれくらいだね。ワクワクしちゃうでしょ？」
安藤「何がだよ。悪趣味としか思えないぞ……！」
国定「……なるほど。質問はもういいよ、ありがとうモノクマ」
コトダマゲット！
【校則違反者への罰】
校則違反をした場合、違反者にはモノクマの自爆、マシンガンの一斉射撃、グングニルの槍のどれかの罰が与えられる。
635 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/13(木) 00:24:53.39 ID:ySMn1R3hO
安藤「それとモノクマ。満は大丈夫なのか？」
モノクマ「現在治療中です。復帰できるのは裁判途中頃じゃない？」
安藤「俺に聞かれてもお前にしか分からないだろ……」
けど満に大事は無さそうだな……良かった。
モノクマ「ふう……。質問も終わったし、そろそろ良い頃合いなんで始めましょっか！」
そう言ってモノクマはどこかへ走り去っていく。
するとすぐにチャイムが鳴った。
636 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/13(木) 00:29:37.42 ID:ySMn1R3hO
キーン、コーン……カーン、コーン……
モノクマ『皆様、捜査時間をどのようにお過ごしでしょうか』
モノクマ『宴もたけなわですが、ここで捜査時間を終了とさせていただきます』
モノクマ『爽やかな朝……まさに学級裁判日和ですね！』
モノクマ『それでは校舎一階の赤い扉にお集まりください！』
国定「無駄に爽やかだね……朝だからかな？」
ミリア「いよいよですね。ミミちゃんも来るでしょうか？」
安藤「たぶん来てるはずだ。裁判場に行くぞ」
637 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/13(木) 00:41:17.44 ID:ySMn1R3hO
― エレベーター前 ―
エレベーターの前にはすでに俺達以外の皆が集まっていた。
不動と御々崎も含めて、だ。
ミリア「ミミちゃん！ 来てたんですね！」
御々崎「……ミリア」
安藤「二人とも。お前達は……」
不動「……議論は裁判場でだ。行くぞ」
モノクマ『全員集まりましたね？ ではではエレベーターにお乗りください』
本多「またあの裁判場に行かないといけないんですね……」
ミリア「これでラストにしましょう！ ガンバリますよ！」
原井「真理木さんを殺害し、満さんをも傷つけた犯人……突き止めましょう」
国定「今回も楽しい裁判になるといいね。さあ、行こうか！」
御々崎「…………っ」
不動「絶対に仇は取るぞ……真理木」
全員がエレベーターに乗り込み、扉が閉まる。
638 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/13(木) 00:43:43.24 ID:ySMn1R3hO
――――超高校級の化学者、真理木 優莉……。
いつでも皆の事を気にかけて、俺達を引っ張って導いてくれた。
ときどきへこんでる時もあったけど、誰よりも頼りになるリーダーだった。
不動を説得できたのもあいつのおかげだったんだ……。
おそらく食糧危機が原因で起きたこの事件。
このままだといつかは起きてしまう事だったのかもしれない。
けどそれでも犯人を見つけないといけないんだ。
例え誰が犯人だったとしても……。
：
：
639 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/13(木) 00:47:35.12 ID:ySMn1R3hO
― 裁判場 ―
モノクマ「今回はメカメカしい路線でいってみました！ テーマは機械！」
モノクマ「しかし気分のいい朝だねえ。朝から運動して頭も使うってどんだけ健康なのオマエラ！」
本多「捜査と裁判を良い風に言い換えてるだけですよね！？」
ミリア「こっちは朝までお腹ペコペコだったんですから！」
原井「そういえば満さんの容態は大丈夫なのですか？」
モノクマ「治療は順調なんで、その内裁判に参加させるからね！」
国定「裁判には間に合うって事だね。良かった良かった」
何度解決しても乗り切っても起こる事件、裁判……。
今度は真理木が死に、満も危険な目にあった。
けどここで諦める訳にはいかない。
二人を傷つけた事件の真相を知るために……！
何度絶望したって、その度に立ち上がってやる。
四度目の学級裁判……やってやるぞ！
→学級裁判前半
【元スレ】
【安価進行】国定「ダンガンロンパ・オリジナル」【オリキャラ】３
【CHAPTER ０４ 『ロスト・パラダイス・ロスト』 非日常編】
絶望は休むことなく襲い掛かってくる。そう実感せずにはいられなかった。
満の生存に安心する間もなく姿を現した真理木の死体……
体の震えが止まらない。動悸が急速に激しくなる。
安藤「こ、これ……真理木が！ 死んで……！」
不動「…………殺し合いが起きた。そういう事だろう」
安藤「……く、そ……！」
動揺している俺とは対照的に不動は冷静につぶやく。
だがよく見ると、その拳は強く握りしめられて震えていた……。
576 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/06(木) 21:29:07.37 ID:jM24nnqVO
真理木の死体を発見してまもなく、部屋の外から足音が聞こえてきた。
入り口の扉が開く。
原井「皆さん！ さっきのアナウンスは……。……！」
ミリア「ミチルちゃん！？ ダイジョーブですか！？」
国定「……いや、どうやら被害者はそっちじゃないみたいだよ」
本多「え……？ ……ま、真理木さん！？」
御々崎「真理木……」
やがて全員が現場に集まった。
原井「なんという事でしょうか……！ 満さんは無事なのですか！？」
安藤「ああ、だけど怪我してるんだ！ 早くなんとかしないと……！」
モノクマ「お困りのようですね、生徒諸君！」
577 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/06(木) 21:36:08.12 ID:jM24nnqVO
本多「モノクマ……って事は！」
モノクマ「はい、起きちゃいました事件が！ なんのかの言ったって、食欲には勝てなかったんだねえ」
モノクマ「殺らなきゃ殺られる……野生の掟を思い出してくれたようで大変よろしい！」
安藤「そんな事より満を助けてくれよ！ このままじゃ手遅れになる……お願いだ！」
モノクマ「必死だね。世界の中心で愛でも叫んでるの？ まあ満さんの怪我については致命傷って訳じゃなさそうだし……」
モノクマ「特例で助けてあげましょう！ 急患急患ー！」
モノクマの叫びと共に入り口から救急隊員の格好をした二体のモノクマが入ってくる。
驚いている俺達を尻目に、満を手際よくタンカに乗せると倉庫を去って行った。
578 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/06(木) 21:46:45.83 ID:jM24nnqVO
本多「……い、今のは？」
国定「モノクマが複数匹動いているところ初めて見たよ。いや複数体？」
モノクマ「満さんは別室にて治療いたします。復帰可能な状態になったら戻ってもらうからね！」
安藤「もしかしてお前が治療するのか？ 大丈夫なんだろうな……？」
モノクマ「モチロン！ スーパードクターモノクマ……神の指を持つと言われたこのボクに任せなさい！」
ミリア「でもモノクマに指はないですよ？」
モノクマ「だってそう言われてるだけだし……勝手にドクターとか、いい迷惑だよ！」
本多「まさか風評だけ！？ 全然安心できないんですが！」
安藤「………………」
心配だけれどモノクマに任せるしかない。
満……無事でいてくれよ。
579 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/06(木) 21:51:30.63 ID:jM24nnqVO
モノクマ「さてさて、尊い命を救ったところで恒例の……」
モノクマ「『ザ・モノクマファイル５』ー！」
モノクマ「それと……こいつはボクからの差し入れ。アンパンと牛乳！」
安藤「……ッ！」
ミリア「ミ、ミルク……！」
モノクマ「せっかく事件が起きたのに、捜査中にぶっ倒れられても困るからね」
モノクマ「これがモノクマ流アメとムチよ！」
原井「食糧ですか。しかしこの状況では……」
国定「不謹慎だけど仕方ないんじゃない？ 実際、皆もうフラフラだしさ」
確かにここまで走ってきたのと満と真理木を見た衝撃で、体には力が残っていなかった。
皆も同じような状態だろう。
580 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/06(木) 21:55:31.50 ID:jM24nnqVO
安藤「……食べよう。捜査の為に力を蓄えて、真相を突き止めて真理木の仇を取るんだ」
不動「…………ああ」
不動が手を付けたのを皮切りに全員が食べ始める。
皆、無言で口に入れたあんぱんを牛乳で押し流していく。
……だんだんと力が戻ってくるのが感じられた。
人間の体ってこんなに単純なのか、そう思わせるほどに体に活力がみなぎってくる。
原井「……ごちそうさまです」
モノクマ「お粗末さま。それじゃ捜査を始めちゃってくださいな！」
……やるしかない。真理木が死んだ事件の真相、そして満が倒れていた理由……。
突き止めるんだ、二人の為に！
[捜査 開始]
581 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/06(木) 22:00:14.86 ID:jM24nnqVO
まずはモノクマファイルを確認しよう。
【モノクマファイル５】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
被害者は真理木 優莉。死亡推定時刻は午前０時から６時半の間。
校舎４階の第二倉庫で発見された。
死因は被害者の左胸、右肩、左脇腹に残った３つの外傷。
その内、胸と肩の傷穴は体の裏側まで貫通している。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
真理木の体に残った３つの傷穴……
このどれかが真理木の致命傷になったって事か。
おそらく凶器も察しがつく。
でも問題は……なんで３つも傷がついているんだ？
コトダマゲット！
【モノクマファイル５】
被害者は真理木 優莉。死体は第二倉庫で発見された。
胸、肩、腹部に三つの傷穴があり、胸と肩の傷は体を貫通している。
582 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/06(木) 22:05:36.21 ID:jM24nnqVO
不動「……捜査を始める前に、はっきりさせたい事がある」
不動「この事件を発見したのは一体誰なのかという事だ」
国定「発見者？ 不動クン達じゃないのかい？ 満さんと合わせてちょうど三人いるし」
安藤「いや、俺達は死体発見アナウンスを聞いてから現場に向かったんだ」
安藤「それで現場には真理木の死体と棚の下敷きになっている満がいて……国定達が来たのはその後だ」
……あれ、これはおかしくないか？
不動「……もう一度聞く。真理木の死体を発見したのは誰だ？」
御々崎「………………」
ミリア「…………エッ？」
原井「…………これは」
本多「誰も見てない……？」
安藤「ちょっと待ってくれ。アナウンスが鳴ったって事は最低三人は真理木の死体を見てるはずなんだぞ！？」
「「「………………」」」
583 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/06(木) 22:09:54.43 ID:jM24nnqVO
安藤「な、なんでだ……？」
不動「………………」
国定「残念ながらボクも発見者じゃないんだけど、随分オモシロイ事をするんだね」
国定「基本的に死体の発見を隠すメリットはない……シロであることの何よりの証拠だからね」
国定「発見者さんはどんな思惑を持って事実を隠してるのかな？」
ミリア「…………？」
御々崎「……誰も見てない、か」
本多「えっと…………」
原井「一体これは……」
どういう事なんだ……？
真理木を発見した人が……いない？
いや、それはありえないはずだ。アナウンスが鳴ったのは事実だ。
だとすれば発見した事を言えない事情があるのか？
コトダマゲット！
【死体を発見したタイミング】
安藤達が現場に着いたのは死体発見アナウンスの後。
それ以前に死体を見た人はいないという。
584 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/06(木) 22:15:53.38 ID:jM24nnqVO
国定「それともう一つ確認しておくことがあるよね」
国定「皆が持ってる銃の残弾数。銃についてるパネルで確認させてもらうよ」
全員が銃を取り出し、後ろのパネルを表示させる。
国定「あ。しまった、満さんの残弾数も確認しておけばよかったな……」
国定「まあいいか。ボクは３発。もちろん一発も撃ってないよ」
原井「同じく３発です」
ここまでは良かったのだが……
本多「僕も３……あれ。……に、２発！？」
国定「あ、そうだ。使った人はどうして使ったのか言って欲しいな。もちろん言わなくてもいいんだけど……」
国定「……黙ってる人には、こっちとしてもそういう目で見ざるを得ないよね？」
本多「り、理由？ え、えっと……すみません覚えてないんです！ 使った記憶も無くて……」
たぶん、ジョージだろうな……。
あいつが何に使ったか、事件に関係しているかまでは分からないけど……
安藤「本多のは置いておこう。本人も本当に分からないみたいだ」
本多「すみません……！」
585 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/06(木) 22:22:05.95 ID:jM24nnqVO
ミリア「ワタシは……２発です！ マジックに１発使いました！」
国定「なるほど。安藤クンは？」
安藤「……１発だ。２発撃った」
ミリア「エッ……？」
国定「へえ、納得できる理由は言える？」
昨日俺が事件を起こしかけた事……今は言えない。
今言ったら皆を混乱させてしまう。
安藤「理由は……今は説明できないけど事件が起こる前に使ったのは間違いないぞ。満が事情を知ってる」
国定「そうか……。それじゃ不動クンは？」
不動「俺も……１発だ」
本多「……！ ２発使ったんですか……で、でも理由があるんですよね？」
不動「……銃は使い切りさえしなければ校則違反にならない。使わないという意思表明のつもりで無駄撃ちした」
安藤「その事を事前に知ってた奴はいるのか？」
不動「……いない。俺が無駄撃ちしたのはお前らを避けていた時だった」
国定「ふうん……証拠は無い、と」
不動「………………」
587 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/06(木) 22:28:54.39 ID:jM24nnqVO
安藤「あと見せてないのは御々崎だけだな」
御々崎「………………」
国定「確か御々崎さんは銃を配られた時に一発撃ってたよね。だから残ってるのは２発かな？」
御々崎「…………っ」
原井「御々崎さん……？」
御々崎が無言で銃の後ろのパネルを見せる。
表示をされていた数字は……『０』。
588 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/06(木) 22:31:17.01 ID:jM24nnqVO
安藤「……！ 御々崎お前……！」
ミリア「２発使っちゃったんですかっ！？」
国定「いや、この場合問題となるのは銃を使い切ってることだよ。御々崎さん、理由は言えるかい？」
御々崎「…………っ、特に……無い」
原井「それは……。ですが意図的に使い切った場合、校則違反という事になります……」
なのに御々崎は無事だ。これって……
不動「85�僉△泙気�お前が……！」
ミリア「……あ！ でも１発は……」
ミリアが何かを言いかけた時、御々崎が入口の方へと向かっていった。
589 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/06(木) 22:34:07.39 ID:jM24nnqVO
本多「えっ、どこに行くんですか？」
御々崎「他の場所の捜査に……行くから」
そう答えるなり、逃げるように倉庫から出て行った。
ミリア「ミミちゃん……」
国定「うーん……クロかな？」
不動「………………」
安藤「……分からない。けど……」
御々崎は事件に関係している、それは間違いなさそうだ。
コトダマゲット！
【特製銃】
全員に配られたモノクマ特製の小口径の拳銃。
弾丸を装填したりはずす事はできない。
【全員の銃の残弾数】
全員の特製銃の残弾数は以下の通り。
国定と原井は３発。ミリアと本多が２発。不動と安藤が１発。御々崎は０発。
590 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/06(木) 22:38:56.00 ID:jM24nnqVO
原井「御々崎さんの事も気になりますが、まずこの現場から捜査いたしましょう」
原井「手始めにまず……真理木さんの遺体から」
不動「………………」
検死は真理木が得意だったんだけど、本人が亡くなってるからな……
でも、やれることはなるべくしないと。
モノクマファイルを見比べながら真理木の死体を調べる。
ファイルに書いてある通り、真理木の体には３つの傷穴があった。
安藤「このどれかが真理木の死因って事だったな」
国定「脇腹は貫通してない傷。胸の傷はちょうど心臓の位置だね」
本多「心臓を貫通ですか……」
ミリア「ユーリちゃん……イタかったでしょうね」
安藤「いや、死んだ後についた傷かもしれない。せめて即死かどうかだけでも分かればな……」
原井「右肩の傷も貫通しています。これでは右腕を動かす事はできなかったでしょうね」
真理木の体に残った傷はこれで全部みたいだ。
コトダマゲット！
【右肩の傷穴】
真理木の右肩の傷穴は貫通しており、右腕を動かす事はできなかったと考えられる。
591 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/06(木) 22:43:24.33 ID:jM24nnqVO
安藤「この傷は全部、銃によるものなのか？」
不動「……おそらくは。だが気になる事がある」
不動「傷穴の内二つは貫通している。しかし俺達の持っている銃は小口径だ」
不動「貫通させるには威力が足りないはずだ……」
国定「銃で貫通させる方法は何も無いの？」
不動「銃に限らないが……威力の弱いものでもごく至近距離から撃てばありえる」
不動「零距離とは言わないが……射出部分が目標に触れるか、というくらいの距離だ」
国定「へえ。さすが超高校級のガンマン、銃の知識が豊富だね！」
本多「この傷が全部銃によるものだとすると、真理木さんの傷は３つ」
本多「でも皆さんの撃った数は多くても２発ですから……」
原井「少なくとも二人以上の人が真理木さんを撃った事になりますね……」
不動「………………」
真理木の命を奪ったのは特製銃なのか……？
間違いないのは真理木の二つの傷は貫通している。
そして貫通させるには特殊な方法が必要だって事だ。
コトダマゲット！
【貫通した傷について】
貫通した傷は威力の高い武器によってできる。
威力の弱い武器で貫通させるには至近距離で撃つ必要がある。
592 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/06(木) 22:46:21.10 ID:jM24nnqVO
国定「真理木さんの銃の残弾数も確認しておこうか」
真理木の右腰についているホルスターから銃を取り出す。
パネルで確認すると『３』と表示されていた。
ミリア「ユーリちゃんは銃を使わなかったんですね」
安藤「ああ。血もついてないし使った形跡は無いな……」
コトダマゲット！
【真理木の銃】
真理木の銃には使われた痕跡は無かった。
コトダマアップデート！
【全員の銃の残弾数】
全員の特製銃の残弾数は以下の通り。
国定と原井と真理木は３発。ミリアと本多が２発。不動と安藤が１発。御々崎は０発。
598 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/09(日) 23:30:41.66 ID:JYn310uRO
原井「あとは真理木さんが何か持っていないかですね。私が調べます」
不動「……頼む」
原井「では失礼します。………………」
原井「特に変わった物は無いようです。部屋の鍵、生徒手帳だけで……あら、このビンは？」
不動「それは……真理木が使っていた睡眠薬だ。持ち歩いていたようだな」
原井「そうですか。それにしても改めてひどい……血だらけです」
本多「３発も撃たれたみたいですからね。あれ、左手の指先にも血が付いてます」
安藤「左手の指先？ もしかして何かを書いた後なんじゃないか？」
ミリア「アッ、もしかしてダイイングメッセージですかっ！？」
本多「といっても真理木さんの周りにはそれらしいのはありませんが……」
国定「この部屋のどこかにあるのかもしれないね。真理木さんが残したメッセージが」
不動「………………」
真理木の遺体から分かるのはここまでみたいだ。
あとはこの部屋を調べないと。
599 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/09(日) 23:39:38.09 ID:JYn310uRO
不動「……俺は別の場所に行く」
本多「えっ、ここは調べないんですか？」
不動「お前らに任せる。俺は……自分で真理木の事件を突き止める」
そういうと不動はさっさと倉庫から行ってしまった。
原井「行ってしまわれましたね……」
国定「現場に一番証拠が残ってると思うんだけどなあ。彼なりに当たりがついてるのかな？」
ミリア「……あ、あのっ！ ワタシも行っていいですか？」
安藤「ミリア？ どうかしたのか？」
600 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/09(日) 23:45:09.67 ID:JYn310uRO
ミリア「ユーリちゃんの事件もガンバらないとですケド、ミミちゃんが気になります！」
ミリア「探しにいきたいんです……ダメですか？」
本多「僕はいいと思いますが……」
原井「私も構いませんよ」
国定「いいんじゃない？ 現場の捜査なら4人でもなんとかなるし」
安藤「分かった事は後で教えるから行って来いよ。気をつけるんだぞ」
ミリア「アリガトウございます！ ミミちゃん見つけたら連れてきますねー！」
国定「さて、それじゃあこの部屋をもう少し調べようか。満さんが倒れていたっていう話も気になるしね」
確かに……。
真理木の事件もそうだが、満がなんで棚の下敷きになっていたのかも気になる。
原因を突き止めるためにも、次はこの部屋全体を調べよう。
601 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/09(日) 23:54:16.41 ID:JYn310uRO
原井「しかし、この辺りは物が大分散乱していますね。落ち着きません……」
満の倒れていた場所にはプリント用紙、ボールペンなど事務用品が散らばっていた。
どれも棚にあった物だ。
安藤「ああ、それは棚に入ってた物だ。満がそこの棚の下敷きになってたんだよ」
安藤「棚は俺と不動でどかしたんだ。けど中に入ってたものが落ちたんだな」
本多「それで怪我をしてたんですか。でもどうしてそんな事態に？」
安藤「それは分からないけど、偶然とは思えない。犯人が何かしたのか……」
原井「……やはりこのままでは我慢できません！ 少し整理しましょう！」
国定「あ、ちょっと。現場保存を……」
原井「すみません本多君、これをその棚に戻してもらえませんか？」
本多「はっ、はい」
安藤「聞いてないみたいだぞ……」
国定「あのさあ……まあいっか。このままだと捜査しづらいのは確かだし」
国定は諦めたみたいだな。俺も片づけを手伝うか。
602 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/10(月) 00:02:25.32 ID:SxSHheutO
落ちている黒布の幕に手を伸ばす。これは確か棚の下敷きになった満がかぶっていたものだ。
見たところ端に破れている箇所がある。
安藤「こんな物、第二倉庫にあったか？」
原井「それは……おそらく音楽室にあった物ではないでしょうか？ ステージの横にかかっていたような気がします」
安藤「なるほど。あれ、何かつながってるぞ。これは……鉄線？」
国定「長さは１ｍ弱ってところだね。もしかしてピアノ線じゃないかな？」
安藤「これもこの部屋には無かったものだよな……」
国定「逆側の方には何も繋がってないか。いや……本当は何か繋がっていたのかもしれないけど」
黒い幕にピアノ線……どうやら音楽室に関係してるらしい。
コトダマゲット！
【音楽室の黒幕】
死体発見時に満がかぶっていた、音楽室にあった黒い幕。
【ピアノ線】
現場から発見されていた1m弱の長さのピアノ線。黒幕に繋がれていた。
603 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/10(月) 00:13:07.08 ID:SxSHheutO
原井「ああっ、なんという事でしょうか！ 誰かがゴミを捨てています……」
安藤「ゴミ？」
原井「空の缶コーヒーが落ちていました。嘆かわしい事です……」
安藤「誰かがここで飲んで捨てたのかもしれないな」
原井「まったく誰ですか。ゴミはゴミ箱に。学校で習わなかったのでしょうか……！」
原井はこういうとこに厳しいよな……俺は気をつけよう。
本多「あれっ？ なんか変ですね……」
安藤「どうした本多？」
本多「いえ、片づけてたんですけど変な物を見つけたというか……」
本多「その倒れた棚があった壁際に一列に缶コーヒーが並んでるんですよ」
原井「本当ですね。缶コーヒーは部屋の奥の方にあったはずですが……」
棚があったところに並んでいた？
という事は棚は元々……
コトダマゲット！
【空の缶コーヒー】
現場に落ちていたスチールのコーヒー缶。中身は入っていない。
【壁際に並べられた缶コーヒー】
倒れた棚があった壁際には缶コーヒーが一列に並べられていた。
604 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/10(月) 00:17:45.94 ID:SxSHheutO
本多「整理はこんなところで良いと思うんですけど、どうでしょうか？」
原井「そうですね。すっきりしました」
国定「さ、それじゃとっとと手早く迅速に捜査に戻ろうか」
安藤「いやに急かすな……よっぽど捜査したかったのか」
原井「あっ、壁の所にゴミが残っています。取りましょう」
国定「………………」
本多「す、すぐ済みますよ……」
原井「どうやら黒い布の切れ端ですね。倒れた棚の向かい側の壁に画鋲でとめられていました」
国定「……捜査、いいかな？」
原井「ええ、では始めましょう。これで軽い気持ちで捜査できるというものです」
国定「……はあ……」
重い溜息だな……。
コトダマゲット！
【布の切れ端】
倒れた棚の向かい側の壁に画鋲でとめられていた黒い布の切れ端。
605 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/10(月) 00:23:23.91 ID:SxSHheutO
本多「そういえばさっきから気になってたんですけど、入り口の方にある血痕って真理木さんのものですか？」
国定「たぶんそうじゃない？ 血痕は入り口からここまで続いているみたいだし」
本多の言うとおり、入り口近くにも血痕が残っている。
俺達も入った瞬間に血痕があるのに気付いたんだった。
最初に満を見た時、血だまりの上にいたから死んだのかと思ったけどあれは真理木の血だったんだな……
原井「見たところ、入り口の血痕の方が量が多いようですね……」
原井「真理木さんは撃たれた後ここまで逃げて移動したという事でしょうか」
国定「いや、もしくは誰かがここまで動かしたのかもしれないよ」
原井「犯人がですか？ しかしそんな事をする意味があるのでしょうか」
本多「死体を気づかれにくくするためとか……？」
安藤「でもそれなら部屋のもう一つ奥の方に隠すんじゃないか？ ここじゃ入り口から丸見えだ」
原井「だとすると……一体何故？」
意図は分からないけど……真理木は撃たれた後、移動している。
それは間違いないみたいだ。
コトダマゲット！
【入り口から続く血痕】
血痕は入り口近くから死体発見場所まで続いている。
※簡易的な第二倉庫のイメージ見取り図
補足：黒い四角が棚、バッテンついた棚が倒れた棚。
矢印ついてるのが入り口、漢字は二人が倒れていた場所です。
606 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/10(月) 00:32:47.59 ID:SxSHheutO
本多「あっ、壁に弾痕がありますよ！？ しかも二つ！」
入り口の扉の近くの壁に穴が二つ空いている。
けどその穴は……
原井「重要な手掛かりですね。ここで二回発砲されたという事は……」
安藤「いや……実はそれ昨日の夜、事件が起こる前に俺が撃ったんだ。」
原井「えっ、安藤君がですか？」
本多「そういえば二発使っていたんですよね。これがそれって事ですか？」
国定「証明はできるのかい？」
安藤「満が事情を知ってる証人だとしか言えないな……とにかく俺の二発はこの壁の穴だ。事件とは関係ない」
国定「ふうん……。とりあえずはそういう事にしようか」
安藤「………………」
満が復帰するまで潔白は主張できないみたいだな……。
コトダマゲット！
【壁に残った弾痕】
第二倉庫の入り口近くの壁には安藤が前日に撃った痕が二つ残っている。
607 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/10(月) 00:43:21.20 ID:SxSHheutO
安藤「他の場所にも弾痕が残ってるかもしれないな」
国定「探してみようか。弾痕の数……言うまでも無く重要な情報だからね」
原井「まだこの部屋に残っているでしょうか……」
皆で手分けして銃が撃たれた痕跡を探す。やがて……
本多「……あっ、天井に穴が空いてますよ。あれってもしかして……！」
安藤「弾痕か……！」
原井「本多君、お手柄です」
国定「この部屋にあった弾痕は入り口近くの二発、そして天井の一発。これで全部かな」
問題は誰が撃ったのか、だな……。
コトダマゲット！
【天井の弾痕】
第二倉庫の天井には銃で撃ったと思われる穴が一つあった。
608 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/10(月) 00:51:51.55 ID:SxSHheutO
国定「確かに入り口近くの方が血の量が多いね。真理木さんがここで撃たれたは間違いないみたいだ」
原井「壁にも血がついています……」
安藤「……待てよ。真理木がここで撃たれたなら、さっき話題になったダイイングメッセージもここにあるんじゃないか？」
本多「そうですね、探してみましょう！」
安藤「……それらしいのは見つからないな」
本多「指先に血が付いていたのは偶然だったんでしょうか？」
国定「いや……そうでもないみたいだよ。よく見ると床の血痕が一部拭い取られてる」
安藤「拭い取られたって事は……」
国定「ここに何か、誰かにとって都合の悪い物があったから拭いたって事になるね。例えば……そう」
……ダイイングメッセージ、か。
すでに犯人によって拭き取られてしまったのか？
原井「あの、こちらにも拭い取られた跡がありますが……」
本多「えっ、どこにですか？」
原井「この血のついている壁のところに拭い取られた跡があるのです」
安藤「本当だ……これ、どういう事だ？」
国定「拭い取られた跡が二つ……か」
コトダマゲット！
【拭い取られた血痕】
入り口の近くの壁と床には血痕が拭い取られたような跡が二つあった。
609 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/10(月) 00:56:57.41 ID:SxSHheutO
国定「最後に一応皆のアリバイを聞いておこうか。夜時間になってから死体発見までの事をね」
安藤「俺は昨日の夜……ここで満と会った後、部屋に戻った。朝になったらアナウンスが流れて不動とここに来たんだ」
本多「えっと……すみません。昨日の夜は、というか昨日の記憶がなぜかほとんどなくて……」
本多「いつのまにか寝ていて、朝起きたらアナウンスが流れて、って感じです」
国定「ちなみにボクは昨夜は一人で部屋に居て、朝はアナウンスが鳴ったからここに一人で集まったよ」
安藤「……要するにアリバイなしじゃないかそれ」
原井「私も同じような過ごし方でした。ただなかなか寝付けませんでしたが……」
安藤「皆、コーヒーを飲んで睡眠感覚がおかしくなってたからな……もしかしたら夜時間でも出歩いていた奴はいたかもしれない」
国定「案外真理木さんも犯人もここにコーヒーを取りに来て鉢合わせになって事件が起こったのかもね。あ、満さんもそうなのかな？」
安藤「それは……どうだろうな」
とにかく全員アリバイらしいものは無いみたいだ。
615 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/11(火) 21:56:33.22 ID:tVnB1cgrO
本多「この部屋で調べられるのはここまでみたいですね」
国定「それじゃここからは別行動にしようか」
原井「了解しました。私は音楽室を調べに行きます」
事件が起こった4階を中心に捜査しよう。
この場にいない人からも話が聞きたい。
特にミリア、御々崎が出て行った時に何か言いかけていたような……
とにかく気になるのはまず音楽室だ、原井と一緒に俺も行ってみよう。
616 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/11(火) 22:04:24.03 ID:tVnB1cgrO
― 校舎４F 音楽室 ―
原井と共に音楽室にやってきた。ステージ上には相変わらずグランドピアノが鎮座している。
二人でステージのあたりを調べる事にした。
安藤「原井、何か見つけたか？」
原井「やはりあの黒幕はここにあった物のようです。ステージの幕が一つ無くなっています」
安藤「そうか。やっぱり誰かが第二倉庫に持ち出したんだな」
原井「それとグランドピアノも調べてみたのですが、中の弦が一本無くなっていました」
安藤「本当だ。弦が……これは切れてるのか？ とにかく分断されてるな」
持ち出されたピアノ線と黒幕。その目的は第二倉庫で見つけたものを考えればおそらく……
原井「……しかし気になる事があります」
安藤「気になる事って？」
617 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/11(火) 22:14:04.88 ID:tVnB1cgrO
原井「犯人はどうやってピアノ線を分断したのでしょうか」
安藤「どうって、普通に切ったんじゃないのか？」
安藤「といっても刃物は二階に集めてあるか。なら前の事件みたいに鉛筆削りを利用したとか」
原井「しかしピアノ線の素材は鋼ですよ？ 硬く、弦の交換にも専用の工具が必要な程です」
原井「鉛筆削りの刃ではとても切れないと思います」
安藤「でも実際に弦は両端の取り付け部分を残して分断されている……」
安藤「その専用の工具っていうのはここに無かったのか？」
原井「いえ、探しましたが見つかりません。それだけに謎なのです……」
618 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/11(火) 22:21:51.49 ID:tVnB1cgrO
原井「さらに付け加えるなら、ピアノの弦には強い張力が働いています」
安藤「張力って引っ張る力の事だったか？」
原井「はい、音を響かせる為に両端から引っ張っているのです。確か約80�堋�の力でしたか」
安藤「へえ……」
原井「そしてもしそんな状態で弦を切断したとすると、凄い勢いで切った方に跳ね返るはずなのです」
安藤「跳ね返るって、かなり危険なんじゃないか？」
原井「もちろんそうです。実際ピアノには跳ね返った時についたような傷がありました」
安藤「本当だ。鉄線で引っかかれるって事だもんな……。けどピアノについてる傷はこれだけか」
ピアノ線がここから調達されたのは間違いない。
けどそいつはどうやって跳ね返りを受けずにピアノの弦を切ったんだ？
そもそも何を使って硬いピアノ線を切断したんだ……？
謎は深まるばかりだな……。
コトダマアップデート！
【ピアノ線】
現場から発見された1m弱の長さのピアノ線。黒幕に繋がれていた。
鋼で出来ていて普通の刃では切れない。また、切る時に跳ね返りの危険がある。
619 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/11(火) 22:28:07.69 ID:tVnB1cgrO
― 校舎４F 武道場 ―
音楽室の捜査を切り上げて武道場の方にやって来た。
本多がすでに調査しているようだ。
本多「うーん、証拠らしいものはありませんね」
安藤「ロッカーの中にも何もないか」
本多「一応ジュラルミン製の矢がありますが、おかしな痕跡は無いので使われたかどうかまでは……」
安藤「もしかして矢の数が減ってたりとか。覚えてないか？」
本多「さすがに分かりませんね……」
安藤「だよな……」
武道場には弓と矢がある。競技用だけどこれも武器になるかもしれない。
一応覚えておくか。
コトダマゲット！
【矢】
武道場にあるジュラルミン製の矢。
620 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/11(火) 22:46:32.91 ID:tVnB1cgrO
― 校舎４F 研究室 ―
本多と別れて研究室の捜査にやってきた。
中には国定と、ミリアも捜査に来ている。
国定「やあ。来て早々なんなんだけど、この部屋から証拠は見つからなかったよ。凶器になりそうな物もね」
安藤「本当にいきなりだな。ちゃんと捜査はしたのか？」
ミリア「バッチリ調べましたよ。成果はゼロでしたっ！」
安藤「ミリア。御々崎は見つかったのか？」
ミリア「ダメです、見つかりません。むー……」
安藤「そうか……」
御々崎が何か知っていそうなのは確かなんだけど……
621 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/11(火) 22:56:15.06 ID:tVnB1cgrO
国定「それよりミリアさん、さっき倉庫で何か言いかけてなかったっけ。確か……」
：
ミリア「……あ！ でも１発は……」
：
国定「……ってさ。あれ、どういう意味かな？」
ミリア「イッパツ……あ！ ミミちゃんの銃、一昨日に一発使ったはずなんです！」
安藤「本当か？ 一体どこで！？」
ミリア「ワタシがマジックしたときです！」
……マジック？
622 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/11(火) 23:10:47.03 ID:ctMNqfGiO
ミリア「二日前、ミミちゃんの所にいってマジックをしたんです。その名もBullet Catch！」
安藤「えっ……バ？ キャ？ なんて言ったんだ？」
国定「……もしかして弾丸受け止め術の事かな。ほら、観客が撃った弾丸を歯で受け止めるってマジックさ」
……正直まったく知らない。
安藤「と、とにかくその時に御々崎の弾丸を使ったって事か？」
ミリア「ザッツライト！ ミミちゃんの銃を使って、それをジブンに向かって撃って歯で受け止めたんです」
ちょっと見てみたいなそのマジック。いやそれより……
安藤「つまり御々崎の銃には一発しか残ってなかったって事か」
ミリア「その通りです！」
御々崎はミリアのマジックで銃を使った。
つまり事件の時に持ってた弾丸は一発だけだった……
重要な情報だ、覚えておこう。
623 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/11(火) 23:16:29.68 ID:ctMNqfGiO
国定「なるほどね。でもミリアさん、弾丸を実際に受け止めたの？ すごく気になるんだけど……」
ミリア「モチロン。ミミちゃん驚いてましたよ！」
国定「そのタネ教えてくれない？」
ミリア「ダメです！」
安藤「即答だな……」
ミリア「マジシャンが手品のタネを教えちゃったらユメもキボーもありませんから！」
国定「そっか。でもさ、その銃はモノクマ製だから細工は出来なさそうだし発砲は本物だったはず」
国定「本当に弾丸を歯で受け止めれらるとは思えないんだけどなあ」
ミリア「うっ……で、でもその時のダンガンはここにありますよ！」
そう言ってミリアはポケットから弾丸を取り出す。
国定「へえ、実物は初めて見たけどこの銃の弾丸って鉛じゃなくて鋼鉄製なんだ。珍しいね」
これがこの銃に装填されてる弾丸か。意外に小さいんだな……。
コトダマゲット！
【弾丸】
特製銃に装填されている鋼鉄製の銃弾。
624 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/11(火) 23:23:20.54 ID:ctMNqfGiO
ミリア「これがショーコですよバクトくん！」
国定「にしてはこの弾丸、歯形がついてないよね。噛んで止めたのならもっと跡が残りそうなものだけど」
ミリア「う、うう……」
国定「本当は噛んで受け止めたんじゃなくて単に当たってなかったんじゃないの？」
ミリア「……ぎくっ」
ぎくっ、って当たりなのか？
というかなんで国定はこんなにミリアのマジックに食いついてるんだ……。
625 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/11(火) 23:27:45.36 ID:ctMNqfGiO
ミリア「ザッツライト、本当は当たってないです……」
安藤「でも一体どうやったんだ？ 歯で弾丸を挟んで驚かせたっていうのは」
ミリア「事前に撃って用意したダンガンを口の中に隠しておいて、はずして撃った後、歯で挟んで見せたんです……」
国定「さっきの弾丸はミリアさんの銃から撃った弾丸って事だね」
ミリア「オー、ユメもキボーもないです……」
悪い事して叱られてるみたいな落ち込み方だな……。
国定「事前に撃ってたっていうけどどうやって回収したの？ 床や壁に撃ったら弾丸が埋まっちゃうはずだけど」
ミリア「そのタネもですか。ハア……」
ミリアがどんどんしおれていく……。
あんまりマジックのタネは追及してあげない方が良さそうだ。
ミリア「生徒手帳に撃ったんです。ガンジョウってモノクマが言ってましたから」
ミリア「玄関ホールにあったのを借りて撃ちました。ちょっとへこんじゃいましたけど」
国定「そっか、電子生徒手帳か。なるほど……」
安藤「気は済んだか？ そろそろ他の場所を調べるぞ」
国定「……うん。ちょっと玄関ホールに行こうよ。確認したい事もあるし」
執拗にミリアを問い詰めてた事といい、国定には何か考えがあるのか？
ついていった方が良さそうだな……。
627 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/12(水) 23:29:07.99 ID:axNLiGxPO
― 校舎１F 玄関ホール ―
国定「ミリアさん、キミが撃った生徒手帳っていうのは？」
ミリア「えっとー……これです！」
ミリアが玄関ホールの箱から一つの生徒手帳を取り出した。
安藤「これは……電源が点かないから大田原の物だな」
国定「なるほど確かに少しだけへこんでる。でも射撃には耐えられる、と」
大田原の手帳を戻そうとした際、他の生徒手帳にも異変がある事に気づいた。
安藤「あれ？ こっちにもへこんでる生徒手帳があるぞ」
ミリア「エッ？」
安藤「しかもへこみは二つだ。電源を点けるぞ。……どうやら目賀の手帳みたいだ」
国定「……やっぱりね」
ミリア「で、でもワタシこっちのは知らないですよ？」
誰かがミリアと同じように手帳を撃ったのか？
けど二発も……どういう事なんだ。
コトダマゲット！
【へこんだ電子生徒手帳】
電子生徒手帳は銃の射撃に耐えられるほど頑丈。
玄関ホールにある目賀の電子生徒手帳にはへこみが二つあった。
628 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/12(水) 23:36:23.17 ID:axNLiGxPO
そうだ。ミリアにもアリバイを聞いておくか。
安藤「ミリア、昨日の夜から今日の朝までの事を教えてくれないか？」
ミリア「エット昨日の夜はお腹がすいてすいて、でもどーしようもないので寝てました」
ミリア「それで今日は……あっ、今日の朝にヘンな事があったんです！」
国定「ヘンな事？」
ミリア「部屋のチャイムが鳴って出てみたら……なんと！」
ミリア「Nobody……ダレもいなかったんです……」
安藤「怖い話風に言う必要は無いって……。ちなみに何時くらいの話だ？」
ミリア「６時くらいです。まだネムかったのに……。ピンポンダッシュなんてヒドイです！」
安藤「死体発見アナウンスが鳴る少し前か」
国定「イタズラにしてはタイミングがいいね」
ミリア「あと誰もいなかったんですけど、ドアの前にこんなのが落ちてました」
629 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/12(水) 23:44:02.73 ID:axNLiGxPO
そう言ってミリアが取り出したのは一枚の写真だった。
どうやら壁を撮ったものらしい。中央に何か赤い文字がある……
赤い……いや、これは血で書かれた「ミ」という文字だ。
安藤「……！ 国定、これはもしかして！」
国定「血のダイイングメッセージ……第二倉庫の壁の写真だろうね」
ミリア「エッ、これってチだったんですか！？」
安藤「ミリアには血文字だって分からなかったのか。これを見てどうしたんだ？」
ミリア「オー、部屋で寝ちゃいました……。このシャシン、どこかの部屋なのかなって思いましたケド……」
ミリア「カベしかうつってないから分からなかったんです……」
安藤「そうか……いや、しょうがないさ。あまり気にしない方がいいぞ」
630 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/12(水) 23:53:41.46 ID:axNLiGxPO
安藤「この写真、４階の職員室にあったカメラを使ったのか？ もう少し調べておくべきだったな……」
国定「カメラに証拠が残ってるとも限らないよ。犯人が始末したかも」
国定「それよりもう少し写真を見てみようよ」
もう一度写真をじっくりと見る。
映っているのは壁、そして壁についた少しの血痕とカタカナで書かれた『ミ』の血文字。
それだけか……いや、写真の端の方にも何か映っている。
これは……二つの穴？ もしかして弾痕か？
とにかく誰かがミリアの部屋のチャイムを鳴らしたのは、この写真を見せるためだったっぽいな。
何の目的で？
いや、そもそもこの写真を受け取ったのはミリアだけだったのか……？
コトダマゲット！
【血文字の写真】
ミリアが早朝に手に入れた壁に『ミ』と血文字で書かれた写真。
また写真の端には壁に弾痕が二つ映っている。
631 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/12(水) 23:58:45.31 ID:axNLiGxPO
国定「さて、捜査時間ももうすぐ終わるかな」
安藤「もうそんな時間か？ まずいな……」
いくつか分かった事もあるけど、分からない部分の方がまだ多いっていうのに……
国定「そうだね。まだこれじゃ足りない……」
国定「よし、それじゃそろそろ恒例の時間といこうか！」
安藤「恒例？」
ミリア「コーレイ？」
国定「すー……。おーい、モノクマー！」
……モノクマへの質問タイムか。
632 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/13(木) 00:05:31.32 ID:ySMn1R3hO
モノクマ「なんだかんだと聞かれたら、答えてあげるが世の情け！」
モノクマ「って訳で何の用、国定クン？」
国定「この事件の犯人を教えてくれない？」
モノクマ「ダメ―ッ！ 裁判前にネタバラシとか、ユメもキボーも無いでしょーが！」
ミリア「ワタシとおんなじコト言ってます！」
国定「ま、それは冗談として。聞きたいのは校則の事なんだ」
国定「確認だけど校則を破った場合、罰があるんだよね。おそらく命に関わるレベルの」
モノクマ「モチです！ やっちゃうよ？」
国定「校則を違反しても生き残るケースってあるのかい？」
モノクマ「む……」
校則を違反しても生き残るケース……？
633 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/13(木) 00:13:07.71 ID:ySMn1R3hO
安藤「そういえばずっと前、瑠散が違反した時は初犯だって事で許されたんだったな」
モノクマ「えー……違反者への罰は基本的には執行されます。よほどの事が無い限りは、ゼッタイ！」
モノクマ「瑠散さんのは見せしめとして充分成功してたから止めたの。序盤からボクが手を出してもツマンナイでしょ？」
モノクマ「ま、結局すぐに死んじゃったんだけどねー！」
ミリア「ヒドイです……！」
国定「罰が執行されても生きてた場合は？ その場合もう許されるのかな？」
国定「というか違反した場合、どんな罰が与えられるの？ キミの自爆だけ？」
モノクマ「質問が多いよもう！ ……罰は死ぬまで執行されるよ。よほどの事が無い限りはね」
国定「よほどの事、ねえ……」
モノクマ「あと罰の種類だけど、聞きたい？ 聞きたい？」
罰の話になると活き活きしだしたな……。
安藤「……あんまり聞きたくはないけど、教えてくれ」
634 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/13(木) 00:20:33.68 ID:ySMn1R3hO
モノクマ「まずボク自らによる執行、自爆。一番ラクに逝けるんじゃないかな？」
モノクマ「もっとも、モロに食らったら体中のパーツがバラバラに飛び散る事間違いなしだけどね！」
ミリア「オー……！」
モノクマ「マシンガンが設置してあるところで違反したなら、一斉射撃をお見舞い！」
モノクマ「全身をくまなく、蜂の巣になるまでやっちゃうんだから！」
国定「それは中々壮絶だね……」
モノクマ「あとは、召喚魔法グングニルの槍！」
安藤「グングニルの槍……？」
モノクマ「どこからともなく現れてどんな物でも貫く正義の槍さ！ ダメージ9999！」
ミリア「ファイナルなファンタジーみたいなダメージですね……」
モノクマ「違反者への罰はこれくらいだね。ワクワクしちゃうでしょ？」
安藤「何がだよ。悪趣味としか思えないぞ……！」
国定「……なるほど。質問はもういいよ、ありがとうモノクマ」
コトダマゲット！
【校則違反者への罰】
校則違反をした場合、違反者にはモノクマの自爆、マシンガンの一斉射撃、グングニルの槍のどれかの罰が与えられる。
635 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/13(木) 00:24:53.39 ID:ySMn1R3hO
安藤「それとモノクマ。満は大丈夫なのか？」
モノクマ「現在治療中です。復帰できるのは裁判途中頃じゃない？」
安藤「俺に聞かれてもお前にしか分からないだろ……」
けど満に大事は無さそうだな……良かった。
モノクマ「ふう……。質問も終わったし、そろそろ良い頃合いなんで始めましょっか！」
そう言ってモノクマはどこかへ走り去っていく。
するとすぐにチャイムが鳴った。
636 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/13(木) 00:29:37.42 ID:ySMn1R3hO
キーン、コーン……カーン、コーン……
モノクマ『皆様、捜査時間をどのようにお過ごしでしょうか』
モノクマ『宴もたけなわですが、ここで捜査時間を終了とさせていただきます』
モノクマ『爽やかな朝……まさに学級裁判日和ですね！』
モノクマ『それでは校舎一階の赤い扉にお集まりください！』
国定「無駄に爽やかだね……朝だからかな？」
ミリア「いよいよですね。ミミちゃんも来るでしょうか？」
安藤「たぶん来てるはずだ。裁判場に行くぞ」
637 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/13(木) 00:41:17.44 ID:ySMn1R3hO
― エレベーター前 ―
エレベーターの前にはすでに俺達以外の皆が集まっていた。
不動と御々崎も含めて、だ。
ミリア「ミミちゃん！ 来てたんですね！」
御々崎「……ミリア」
安藤「二人とも。お前達は……」
不動「……議論は裁判場でだ。行くぞ」
モノクマ『全員集まりましたね？ ではではエレベーターにお乗りください』
本多「またあの裁判場に行かないといけないんですね……」
ミリア「これでラストにしましょう！ ガンバリますよ！」
原井「真理木さんを殺害し、満さんをも傷つけた犯人……突き止めましょう」
国定「今回も楽しい裁判になるといいね。さあ、行こうか！」
御々崎「…………っ」
不動「絶対に仇は取るぞ……真理木」
全員がエレベーターに乗り込み、扉が閉まる。
638 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/13(木) 00:43:43.24 ID:ySMn1R3hO
――――超高校級の化学者、真理木 優莉……。
いつでも皆の事を気にかけて、俺達を引っ張って導いてくれた。
ときどきへこんでる時もあったけど、誰よりも頼りになるリーダーだった。
不動を説得できたのもあいつのおかげだったんだ……。
おそらく食糧危機が原因で起きたこの事件。
このままだといつかは起きてしまう事だったのかもしれない。
けどそれでも犯人を見つけないといけないんだ。
例え誰が犯人だったとしても……。
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639 ： ◆uWgF.nv9ZU 2014/11/13(木) 00:47:35.12 ID:ySMn1R3hO
― 裁判場 ―
モノクマ「今回はメカメカしい路線でいってみました！ テーマは機械！」
モノクマ「しかし気分のいい朝だねえ。朝から運動して頭も使うってどんだけ健康なのオマエラ！」
本多「捜査と裁判を良い風に言い換えてるだけですよね！？」
ミリア「こっちは朝までお腹ペコペコだったんですから！」
原井「そういえば満さんの容態は大丈夫なのですか？」
モノクマ「治療は順調なんで、その内裁判に参加させるからね！」
国定「裁判には間に合うって事だね。良かった良かった」
何度解決しても乗り切っても起こる事件、裁判……。
今度は真理木が死に、満も危険な目にあった。
けどここで諦める訳にはいかない。
二人を傷つけた事件の真相を知るために……！
何度絶望したって、その度に立ち上がってやる。
四度目の学級裁判……やってやるぞ！
→学級裁判前半
【元スレ】
【安価進行】国定「ダンガンロンパ・オリジナル」【オリキャラ】３
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