瑠璃(るり)
※早くクリアすればするほど、豪華報酬になる。
プレミアムガチャチケット×3
スタミナ回復
コンティニューチケット
フレンドポイント2000FP
[大強化]ユニケル×2
[EXベース]ルミナセウス
[ご褒美]瑠璃
[フラワーチェンジ]みろ
[SRメイクアップ]フラン
[タグ昇華]音紫苑
[転生7_9]輪花
[赤帽子]レディ
スタミナ回復
コンティニューチケット
フレンドポイント2000FP
[大強化]ユニケル×2
[EXベース]ルミナセウス
[ご褒美]瑠璃
[フラワーチェンジ]みろ
[SRメイクアップ]フラン
[タグ昇華]音紫苑
[転生7_9]輪花
[赤帽子]レディ
プレミアムガチャチケット×2
スタミナ回復
コンティニューチケット
フレンドポイント2000FP
[大強化]ユニケル
[ひよこ]ルミナス
[ご褒美]瑠璃
[SRメイクアップ]フラン×2
[タグ昇華]音紫苑
[転生7_9]輪花
[赤帽子]レディ
スタミナ回復
コンティニューチケット
フレンドポイント2000FP
[大強化]ユニケル
[ひよこ]ルミナス
[ご褒美]瑠璃
[SRメイクアップ]フラン×2
[タグ昇華]音紫苑
[転生7_9]輪花
[赤帽子]レディ
・[転生1_3]輪花
・[転生3_5]輪花
・[転生5_7]輪花
・[転生7_9]輪花
・[2月ランキング]瑠璃
・プレミアムガチャチケット 3枚
・[泡姫]メロン 10体
・[泡姫]ピーチ 10体
・ゴールド 200000G
・フレンドポイント 40000FP
・スタミナ回復 10個
・コンティニューチケット 10枚
・[転生3_5]輪花
・[転生5_7]輪花
・[転生7_9]輪花
・[2月ランキング]瑠璃
・プレミアムガチャチケット 3枚
・[泡姫]メロン 10体
・[泡姫]ピーチ 10体
・ゴールド 200000G
・フレンドポイント 40000FP
・スタミナ回復 10個
・コンティニューチケット 10枚
・[転生1_3]輪花
・[転生3_5]輪花
・[転生5_7]輪花
・[2月ランキング]瑠璃
・プレミアムガチャチケット 2枚
・[泡姫]メロン 5体
・[泡姫]ピーチ 5体
・ゴールド 100000G
・フレンドポイント 20000FP
・スタミナ回復 5個
・コンティニューチケット 5枚
・[転生3_5]輪花
・[転生5_7]輪花
・[2月ランキング]瑠璃
・プレミアムガチャチケット 2枚
・[泡姫]メロン 5体
・[泡姫]ピーチ 5体
・ゴールド 100000G
・フレンドポイント 20000FP
・スタミナ回復 5個
・コンティニューチケット 5枚
・[転生1_3]輪花
・[転生3_5]輪花
・[2月ランキング]瑠璃
・プレミアムガチャチケット 1枚
・[泡姫]メロン 3体
・[泡姫]ピーチ 3体
・ゴールド 50000G
・フレンドポイント 10000FP
・スタミナ回復 3個
・コンティニューチケット 3枚
・[転生3_5]輪花
・[2月ランキング]瑠璃
・プレミアムガチャチケット 1枚
・[泡姫]メロン 3体
・[泡姫]ピーチ 3体
・ゴールド 50000G
・フレンドポイント 10000FP
・スタミナ回復 3個
・コンティニューチケット 3枚
・[転生1_3]輪花
・[2月ランキング]瑠璃
・[泡姫]メロン
・[泡姫]ピーチ
・ゴールド 25000G
・フレンドポイント 5000FP
・スタミナ回復 1個
・コンティニューチケット 1枚
・[2月ランキング]瑠璃
・[泡姫]メロン
・[泡姫]ピーチ
・ゴールド 25000G
・フレンドポイント 5000FP
・スタミナ回復 1個
・コンティニューチケット 1枚
上段 イベント限定素材
下段 通常クエスト素材
どちらでも進化可
下段 通常クエスト素材
どちらでも進化可
- 1.[はじまり]ルミ→[たまご]ルミナ
- レベル(MAX) 必要経験値:
- 進化素材
- [見習い司書]朱里
- [見習い司書]志帆
- 芽依
- 美桜+
- 2.[たまご]ルミナ→[ひよこ]ルミナス
- レベル(MAX) 必要経験値:
- 進化素材
- [見習い司書]和花
- [イージー生成素材]メリタ
- 優奈
- 優奈+
- 3.[ひよこ]ルミナス→[こっこ]ルミナシア
- レベル(MAX) 必要経験値:73537
- 進化素材
- [見習い司書]望愛+
- [見習い司書]花鈴+
- 美結
- 心愛+
- 4.[こっこ]ルミナシア→[EXベース]ルミナセウス
- レベル(MAX) 必要経験値:205602
- 進化素材
- [見習い司書]芽生
- [見習い司書]花鈴
- 凜+
- 美桜
- 5.[EXベース]サリナセウス→[EX]ご褒美ドール
- レベル99(MAX) 必要経験値
- 進化素材
- ご褒美ドール
ドール名 | 属性 | 進化/生成 | 進化/生成先 | 進化元 (レベル最大値) | 素材 (レベル1でOK) |
---|---|---|---|---|---|
[イージー生成結果]エルミタ | Lip | 生成 | なし(イベント開始時点) | ─ | [イージー生成素材]メリタ/[イージー生成素材]ループ/[イージー生成素材]ミヤコ |
瑠璃SR | Bust | 進化 | なし | 瑠璃R | [失敗作]杏R/瑠璃R/瑠璃+/瑠璃 |
瑠璃R | Bust | 進化 | 瑠璃SR | 瑠璃+ | [失敗作]杏+/かな+ |
瑠璃+ | Bust | 進化 | 瑠璃R | 瑠璃 | [失敗作]杏/かな |
瑠璃 | Bust | ― | 瑠璃+ | ― | ― |
ドール | チャプター | No.タイトル | ドロップ部位 |
---|---|---|---|
瑠璃+ | ? | 00. | |
瑠璃 | EASY:犯される為のパルティータ | 16.けど、それは…… | Bust |
いずれかの部位のみで続けてドロップすると必ず3種揃うようになっています
ドール名 | 属性 | 進化/生成 | 進化・生成先 | 進化元 (レベル最大値) | 素材 (レベル1でOK) |
---|---|---|---|---|---|
[ご褒美]瑠璃 | Bust | 進化 | [EX司書]瑠璃 | [EXベース]エルナセウス [EXベース]ユリナセウス [EXベース]サリナセウス [EXベース]ルミナセウス | [ご褒美]瑠璃 |
[ご褒美]瑠璃 | Bust | 生成 | [EX司書]瑠璃 | ─ | [EXベース]パルナセウス/[ご褒美]瑠璃 |
[赤帽子]レディ | Hip | 進化 | [光の戦士]ウルスラ | [白帽子]ホワイティ | [赤帽子]レディ |
[フラワーチェンジ]みろ | Body | 生成 | [オリジナルフラワー]ヒロイン [EXフラワー]ヒロイン | ─ | [オリジナル]ヒロイン [EX]ヒロイン (どちらか1体。ゲーム内ヘルプ参照) |
[SRメイクアップ]フラン | Body | 生成 | [フラワー]ヒロイン | ─ | SRヒロイン |
[タグ昇華]音紫苑 | Body | 生成 | [転生××]○○ | ─ | ヒロインを除くR5ドール(ゲーム内ヘルプ参照) |
[転生1_3]輪花 | Body | 生成 | [転生××]○○3rd [輪廻転生××]○○3rd | ─ | 1stシーズンR5及び 1stシーズン輪廻ドール (どちらか1体。ゲーム内ヘルプ参照) |
[転生3_5]輪花 | Body | 生成 | [転生××]○○5th [輪廻転生××]○○5th | ─ | 3rdシーズンR5及び3rdシーズン転生ドール 3rdシーズン輪廻ドール (どちらか1体。ゲーム内ヘルプ参照) |
[転生5_7]輪花 | Body | 生成 | [転生××]○○7th [輪廻転生××]○○7th | ─ | 5thシーズンR5及び5thシーズン転生ドール 5thシーズン輪廻ドール (どちらか1体。ゲーム内ヘルプ参照) |
[転生7_9]輪花 | Body | 生成 | [転生××]○○9th [輪廻転生××]○○9th | ─ | 7thシーズンR5及び7thシーズン転生ドール 7thシーズン輪廻ドール (どちらか1体。ゲーム内ヘルプ参照) |
イベントエピローグ
どこまでも続く暗闇。
そこはまるで重力を感じなかった。
無限図書館を飛び出した俺は、
瑠璃に突き飛ばされて
真っ直ぐゲートへ向かっている。
慣性が働いているのか、
戻ろうとしても戻る事が出来ない。
何とか体制を整えて瑠璃の居る方向へ
向かおうとするが、
二人の距離はどんどんと離れて行くだけだ。
俺の向かう先はゲート。
けれど、瑠璃の向かう先は……
ほんの一瞬、彼女が俺を見て
微笑んだ様に見えた。
そしてそのまま
高速で移動して来るデリツィアと
彼女の体が重なり、
目の前で大爆発が起きた。
慌てて瑠璃の姿を探すが
爆炎で何も見えない。
炎と煙が静まった後、
無事を祈って瑠璃の姿を必死に探した。
けれど、そこに瑠璃の姿はなかった。
その代わり、仁王立ちとなった
デリツィアの姿が目に入る。
あちこちの装備が吹き飛んでいる。
爆発の威力は相当の物だった筈だ。
図書館を吹き飛ばした武器は使えないだろう。
流石に動きは止まったように見える。
だが、デリツィアの目が俺を捉えた途端、
静止していた筈の体が
動き出そうとするのが見えた。
動くな! 彼女のした事が無駄になる!
デリツィアを見つめながら、
祈る様にそう叫んでいた。
俺はこのままゲートに辿り着くだろう。
どこに向かっているのかさえ解らないが、
彼女が開いてくれたゲートだ、
必ず正しい場所にたどり着く。
だが、目の前のヤツが動き出したら、
ヤツもゲートを通ってしまう。
それだけはさせられない。
だったらやるしかない。
ようやく瑠璃が開いたゲートに辿り着いた俺は、
体制を整えてデリツィアを正面に見据える。
ヤツが俺を狙ってるならここに来る。
吹き飛んだ装備は遠距離用の筈だ、
なら、ヤツには今近接用の装備しかない。
俺に近づかない限り俺は殺せない。
だったら話は簡単だ。
ゲートが閉じる直前までここで耐える。
ヤツを迎撃しつつ、ゲートが閉じる瞬間に
瑠璃が俺にした様にヤツを突き飛ばし、
その勢いでゲートに飛び込む。
しかし、ヤツとの距離は遠い、
俺のドールが届く範囲じゃない。
まだだ、もっと近くに来るまで待つんだ。
その時だった。
背後から轟音が響いた。
その圧力に押されてデリツィアは
大きく後退する。
なおも轟音は続く。
そしてその度にデリツィアが離れて行く。
ヤツの体に撃ち込まれるもの、
俺はそれに見覚えがあった。
特大のR.F.B
イノガニック破壊用の弾丸。
レゾナンスフラクチャーバレットだ。
俺は音がした方向へ振り返る。
瑠璃が開いたゲートの先、
その先には別のゲートが開いていた。
そしてそこには、
アンチマテリアルライフルを構えた
四条彩璃の姿があった。
「改良型の弾丸です。ここは任せて下さい」
その言葉が終わらない内に
彼女はデリツィアに向けて攻撃を開始する。
四条彩璃にとって、
思うように動けないヤツは格好の的だ。
彼女なら的確にヤツの動きを止めるだろう。
いや、あの弾丸の威力なら、
ヤツは近づく事さえ出来ない筈だ。
でも誰がここでゲートを?
俺は彼女に聞こうとした、
でもそれは聞くまでもなかった。
アンチマテリアルライフルを構える彼女の横に、
一本の鍵を携えた少女の姿が見えた。
長い黒髪、胸に竜胆の花が描かれたパーカー。
見間違う筈がない、葵だ。
彼女は俺に向かって真っ直ぐ手を伸ばす。
「掴まれ、これが一つめの保険だ」
その言葉を受け、一切の躊躇無く
俺は今立っているゲートから、
葵に向かって跳躍する。
そしてそのまま葵の手を掴んだ。
一瞬だけ、葵と目が合った。
彼女は何も言わず、掴んでいた俺の手を離し、
そのまま俺を後へと飛ばす。
「来ているな? 後は任せたぞ、杠葉」
葵が声をかけた先、そこに目をやると、
ゲートの向こう側で姉の葵と同じく、
俺に向かって真っ直ぐ手を伸ばしている杠葉の姿が見えた。
「二つめの保険、こっちですお兄さん!」
彼女の声に促されるまま、
俺はそこへ手を伸ばす。
俺の手を何とか掴んだ杠葉は
姉の葵同様、更に俺を後へと飛ばした。
「槐、そっちの準備は出来てる? 」
勢いよく飛ばされながら、
俺は杠葉が声をかけた先を見る。
そこには、
「大丈夫! これが最後の保険! 手を出して! マスターさん!」
槐の背後に見えるのは間違いない。
ドールショップだ。
瑠璃の開いたゲートは葵に繋がり、
葵の開いたゲートは杠葉に繋がった。
杠葉の開いたゲートは槐に繋がり、
槐が最後のゲートをドールショップに繋げる。
それは紛れもなく、3姉妹の連携。
瑠璃の、彼女の望んでいた形だった。
俺はそこで待つ槐に向かって手を伸ばす。
そして……
気が付けばドールショップの中に居た。
ようやく俺は元の世界に帰って来たんだ。
そこにはシティ内で起きた騒動を片づけ、
一息ついているみんなの姿が見えた。
何があったのかは知ってる。
その姿は瑠璃と一緒に見てた。
なのに、彼女達はそのそぶりを見せない。
何一つ普段と変わらない様に見せる。
いつもの通り、ドールショップには閑古鳥が鳴き、
カフェでは他愛のない会話が交わされている。
事件なんて何一つ起きていない。
彼女達は俺が心配しないよう、
いつもこんな風にしてたのか。
ひとりひとりの顔を見て、
瑠璃から聞いた言葉を思い出す。
俺はずっと誰かに支えられて来た、
今も俺を助けてくれた。
感謝の気持ちはちゃんと伝えるべきだ。
だが……言葉が出てこない。
俺は瑠璃を救えなかった。
結局最後の最後で彼女に助けられたんだ。
どんな顔をしてみんなを見ればいい?
彼女の事をどう伝えればいい?
何も考えられず、
俺は奥のカフェで独りうなだれていた。
誰も、何も俺に言っては来ない。
それが返って辛い。
たった独り救えなかった後悔。
二度と取りこぼさないと誓った筈だ。
なのに俺は、その誓いさえも守れない。
ここに居るみんなは
俺に何も悟らせないようにしてくれている。
だから俺もそうすべきだ。
彼女達にそれを悟らせる訳にはいかない。
なのに……笑顔一つ作る事が出来なかった。
何かがあった筈なのに、
それでも笑顔で俺を迎えてくれる。
彼女達の強さが改めて思い知らされる。
そして俺の不甲斐なさを思い知らされた。
「カフェに来たのなら、注文してくれないと困るの」
どこかで聞いた声がする。
カフェに注文するシステムはない、
セルフサービスの筈だ。
「何か飲む? それとも食べる?」
そもそもカフェに店員はいない。
だったらこの声は……、
俺は思わず顔を上げて相手を見た。
「それとも、約束のデートをしてくれるの? 」
そこに居たのは、頬杖をついて、
すこし口を尖らせた瑠璃だった。
彼女は教えてくれた。
鍵を得る為に犠牲にした希望と幸運。
鍵の破壊と共にそれが全て返ってきただけだと。
ただ、あの図書館で過ごしたデート。
そこで得た希望と幸運の量が、
ほんの少し多かったらしい。
彼女が手にした希望と幸運は、
爆発の方向さえもねじ曲げてみせた。
鍵の爆発は全てデリツィアにだけ向けられ、
瑠璃は”幸運にも”爆発の影響で生まれたゲートに吸い込まれた。
そしてその幸運はまだ続いた。
ゲートの先がドールショップに繋がっていたんだ。
俺が戻ってくる僅か1時間前に、
彼女はここに辿り着いたらしい。
彼女の得た幸運は、時間さえも遡らせた。
「ただの偶然よ、貴方に貰った素敵な偶然」
そう言って彼女は笑った。
言わなくても解ってる。
俺の居場所を特定出来るのは彼女だけだ。
彼女が設けていた保険は葵だけだった筈。
俺が図書館に居る事を知っているのは
葵以外にいなかった。
だから瑠璃は俺を葵に託したんだ。
葵が四条彩璃を連れて来た理由は知らない。
少なくとも過去の二人は互いに顔を知らなくても
敵対している関係だった筈だ。
二人が顔を合わせたのはクリスマスの時、
そこで二人の間に友情が生まれたのか、
それとも利害が一致したのかは解らない。
けれど二人は俺を助ける為に動いてくれた。
瑠璃の出したSOSを受け取ってくれたんだ。
けど、それだけじゃなかった。
ドールショップに着いた彼女は、
一時間後に起こることを見越して
その保険を更に広げてくれた。
葵、杠葉、槐の3姉妹を説得し、
彼女達を連携させたんだ。
俺を運ぶ3姉妹の息の合ったリレー。
確かにそうだ、彼女達はそろそろ
仲直りをしてもいい筈だ。
今回の事がきっかけになってくれれば、
きっといい形になってくれるだろう。
俺に何か出来る事があれば……
そんな事を考えている俺の眼前に
瑠璃は遠慮無く顔を近づけてくる。
「ゆっくりしてる暇はないわ、知ってた? 」
彼女の言葉で俺は現実に戻る。
そうだ、確かにゆっくりしてられない。
ゲートの向こう側に問題を置いてきてる。
「デリツィアは修復に暫くかかりそうだけど、必ずここに来るわ」
ああ、ヤツの狙いは俺達だ、
間違いなく殺しに来るだろう。
しかも完全修復を済ませてから来る筈だ。
図書館を切り裂き、吹き飛ばす装備が相手になる。
「それまでに準備しなきゃいけないでしょ? 色々と」
そうだ、迎え撃つ準備だけじゃない。
伝えなきゃいけない事がある。
知らせなきゃいけない事がある。
「だからね、デートは暫くおあずけ。それでいい? 」
デートは瑠璃の好きなタイミングで構わない。
まずは二人が安心して街を歩けるように、
今やるべき事をやろう。
手を取り合うんだ。
俺達はもう、敵対する関係じゃないから。
きっと出来る。
それはもう、瑠璃が証明してくれた。
あの3姉妹が手を取り合えるように、
俺達はきっと……
どこまでも続く暗闇。
そこはまるで重力を感じなかった。
無限図書館を飛び出した俺は、
瑠璃に突き飛ばされて
真っ直ぐゲートへ向かっている。
慣性が働いているのか、
戻ろうとしても戻る事が出来ない。
何とか体制を整えて瑠璃の居る方向へ
向かおうとするが、
二人の距離はどんどんと離れて行くだけだ。
俺の向かう先はゲート。
けれど、瑠璃の向かう先は……
ほんの一瞬、彼女が俺を見て
微笑んだ様に見えた。
そしてそのまま
高速で移動して来るデリツィアと
彼女の体が重なり、
目の前で大爆発が起きた。
慌てて瑠璃の姿を探すが
爆炎で何も見えない。
炎と煙が静まった後、
無事を祈って瑠璃の姿を必死に探した。
けれど、そこに瑠璃の姿はなかった。
その代わり、仁王立ちとなった
デリツィアの姿が目に入る。
あちこちの装備が吹き飛んでいる。
爆発の威力は相当の物だった筈だ。
図書館を吹き飛ばした武器は使えないだろう。
流石に動きは止まったように見える。
だが、デリツィアの目が俺を捉えた途端、
静止していた筈の体が
動き出そうとするのが見えた。
動くな! 彼女のした事が無駄になる!
デリツィアを見つめながら、
祈る様にそう叫んでいた。
俺はこのままゲートに辿り着くだろう。
どこに向かっているのかさえ解らないが、
彼女が開いてくれたゲートだ、
必ず正しい場所にたどり着く。
だが、目の前のヤツが動き出したら、
ヤツもゲートを通ってしまう。
それだけはさせられない。
だったらやるしかない。
ようやく瑠璃が開いたゲートに辿り着いた俺は、
体制を整えてデリツィアを正面に見据える。
ヤツが俺を狙ってるならここに来る。
吹き飛んだ装備は遠距離用の筈だ、
なら、ヤツには今近接用の装備しかない。
俺に近づかない限り俺は殺せない。
だったら話は簡単だ。
ゲートが閉じる直前までここで耐える。
ヤツを迎撃しつつ、ゲートが閉じる瞬間に
瑠璃が俺にした様にヤツを突き飛ばし、
その勢いでゲートに飛び込む。
しかし、ヤツとの距離は遠い、
俺のドールが届く範囲じゃない。
まだだ、もっと近くに来るまで待つんだ。
その時だった。
背後から轟音が響いた。
その圧力に押されてデリツィアは
大きく後退する。
なおも轟音は続く。
そしてその度にデリツィアが離れて行く。
ヤツの体に撃ち込まれるもの、
俺はそれに見覚えがあった。
特大のR.F.B
イノガニック破壊用の弾丸。
レゾナンスフラクチャーバレットだ。
俺は音がした方向へ振り返る。
瑠璃が開いたゲートの先、
その先には別のゲートが開いていた。
そしてそこには、
アンチマテリアルライフルを構えた
四条彩璃の姿があった。
「改良型の弾丸です。ここは任せて下さい」
その言葉が終わらない内に
彼女はデリツィアに向けて攻撃を開始する。
四条彩璃にとって、
思うように動けないヤツは格好の的だ。
彼女なら的確にヤツの動きを止めるだろう。
いや、あの弾丸の威力なら、
ヤツは近づく事さえ出来ない筈だ。
でも誰がここでゲートを?
俺は彼女に聞こうとした、
でもそれは聞くまでもなかった。
アンチマテリアルライフルを構える彼女の横に、
一本の鍵を携えた少女の姿が見えた。
長い黒髪、胸に竜胆の花が描かれたパーカー。
見間違う筈がない、葵だ。
彼女は俺に向かって真っ直ぐ手を伸ばす。
「掴まれ、これが一つめの保険だ」
その言葉を受け、一切の躊躇無く
俺は今立っているゲートから、
葵に向かって跳躍する。
そしてそのまま葵の手を掴んだ。
一瞬だけ、葵と目が合った。
彼女は何も言わず、掴んでいた俺の手を離し、
そのまま俺を後へと飛ばす。
「来ているな? 後は任せたぞ、杠葉」
葵が声をかけた先、そこに目をやると、
ゲートの向こう側で姉の葵と同じく、
俺に向かって真っ直ぐ手を伸ばしている杠葉の姿が見えた。
「二つめの保険、こっちですお兄さん!」
彼女の声に促されるまま、
俺はそこへ手を伸ばす。
俺の手を何とか掴んだ杠葉は
姉の葵同様、更に俺を後へと飛ばした。
「槐、そっちの準備は出来てる? 」
勢いよく飛ばされながら、
俺は杠葉が声をかけた先を見る。
そこには、
「大丈夫! これが最後の保険! 手を出して! マスターさん!」
槐の背後に見えるのは間違いない。
ドールショップだ。
瑠璃の開いたゲートは葵に繋がり、
葵の開いたゲートは杠葉に繋がった。
杠葉の開いたゲートは槐に繋がり、
槐が最後のゲートをドールショップに繋げる。
それは紛れもなく、3姉妹の連携。
瑠璃の、彼女の望んでいた形だった。
俺はそこで待つ槐に向かって手を伸ばす。
そして……
気が付けばドールショップの中に居た。
ようやく俺は元の世界に帰って来たんだ。
そこにはシティ内で起きた騒動を片づけ、
一息ついているみんなの姿が見えた。
何があったのかは知ってる。
その姿は瑠璃と一緒に見てた。
なのに、彼女達はそのそぶりを見せない。
何一つ普段と変わらない様に見せる。
いつもの通り、ドールショップには閑古鳥が鳴き、
カフェでは他愛のない会話が交わされている。
事件なんて何一つ起きていない。
彼女達は俺が心配しないよう、
いつもこんな風にしてたのか。
ひとりひとりの顔を見て、
瑠璃から聞いた言葉を思い出す。
俺はずっと誰かに支えられて来た、
今も俺を助けてくれた。
感謝の気持ちはちゃんと伝えるべきだ。
だが……言葉が出てこない。
俺は瑠璃を救えなかった。
結局最後の最後で彼女に助けられたんだ。
どんな顔をしてみんなを見ればいい?
彼女の事をどう伝えればいい?
何も考えられず、
俺は奥のカフェで独りうなだれていた。
誰も、何も俺に言っては来ない。
それが返って辛い。
たった独り救えなかった後悔。
二度と取りこぼさないと誓った筈だ。
なのに俺は、その誓いさえも守れない。
ここに居るみんなは
俺に何も悟らせないようにしてくれている。
だから俺もそうすべきだ。
彼女達にそれを悟らせる訳にはいかない。
なのに……笑顔一つ作る事が出来なかった。
何かがあった筈なのに、
それでも笑顔で俺を迎えてくれる。
彼女達の強さが改めて思い知らされる。
そして俺の不甲斐なさを思い知らされた。
「カフェに来たのなら、注文してくれないと困るの」
どこかで聞いた声がする。
カフェに注文するシステムはない、
セルフサービスの筈だ。
「何か飲む? それとも食べる?」
そもそもカフェに店員はいない。
だったらこの声は……、
俺は思わず顔を上げて相手を見た。
「それとも、約束のデートをしてくれるの? 」
そこに居たのは、頬杖をついて、
すこし口を尖らせた瑠璃だった。
彼女は教えてくれた。
鍵を得る為に犠牲にした希望と幸運。
鍵の破壊と共にそれが全て返ってきただけだと。
ただ、あの図書館で過ごしたデート。
そこで得た希望と幸運の量が、
ほんの少し多かったらしい。
彼女が手にした希望と幸運は、
爆発の方向さえもねじ曲げてみせた。
鍵の爆発は全てデリツィアにだけ向けられ、
瑠璃は”幸運にも”爆発の影響で生まれたゲートに吸い込まれた。
そしてその幸運はまだ続いた。
ゲートの先がドールショップに繋がっていたんだ。
俺が戻ってくる僅か1時間前に、
彼女はここに辿り着いたらしい。
彼女の得た幸運は、時間さえも遡らせた。
「ただの偶然よ、貴方に貰った素敵な偶然」
そう言って彼女は笑った。
言わなくても解ってる。
俺の居場所を特定出来るのは彼女だけだ。
彼女が設けていた保険は葵だけだった筈。
俺が図書館に居る事を知っているのは
葵以外にいなかった。
だから瑠璃は俺を葵に託したんだ。
葵が四条彩璃を連れて来た理由は知らない。
少なくとも過去の二人は互いに顔を知らなくても
敵対している関係だった筈だ。
二人が顔を合わせたのはクリスマスの時、
そこで二人の間に友情が生まれたのか、
それとも利害が一致したのかは解らない。
けれど二人は俺を助ける為に動いてくれた。
瑠璃の出したSOSを受け取ってくれたんだ。
けど、それだけじゃなかった。
ドールショップに着いた彼女は、
一時間後に起こることを見越して
その保険を更に広げてくれた。
葵、杠葉、槐の3姉妹を説得し、
彼女達を連携させたんだ。
俺を運ぶ3姉妹の息の合ったリレー。
確かにそうだ、彼女達はそろそろ
仲直りをしてもいい筈だ。
今回の事がきっかけになってくれれば、
きっといい形になってくれるだろう。
俺に何か出来る事があれば……
そんな事を考えている俺の眼前に
瑠璃は遠慮無く顔を近づけてくる。
「ゆっくりしてる暇はないわ、知ってた? 」
彼女の言葉で俺は現実に戻る。
そうだ、確かにゆっくりしてられない。
ゲートの向こう側に問題を置いてきてる。
「デリツィアは修復に暫くかかりそうだけど、必ずここに来るわ」
ああ、ヤツの狙いは俺達だ、
間違いなく殺しに来るだろう。
しかも完全修復を済ませてから来る筈だ。
図書館を切り裂き、吹き飛ばす装備が相手になる。
「それまでに準備しなきゃいけないでしょ? 色々と」
そうだ、迎え撃つ準備だけじゃない。
伝えなきゃいけない事がある。
知らせなきゃいけない事がある。
「だからね、デートは暫くおあずけ。それでいい? 」
デートは瑠璃の好きなタイミングで構わない。
まずは二人が安心して街を歩けるように、
今やるべき事をやろう。
手を取り合うんだ。
俺達はもう、敵対する関係じゃないから。
きっと出来る。
それはもう、瑠璃が証明してくれた。
あの3姉妹が手を取り合えるように、
俺達はきっと……
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