シン・世界線

アルストツカの先住民族である「アルストゥ民族?」は、紀元前約30000年頃の氷期にユーラシア大陸北東部のシベリアから、まだベーリング海峡が陸続きだった頃にわたって来たモンゴロイド(インディアン)の末裔だと推測されている。最初は今のアラスカ州を中心に生活していたが、徐々に東へと進み、紀元前約15000年頃には今のアルストツカ全域にまで生活圏が拡大したと推測されている。紀元前4000年頃に、ベニアミノフ火山などのアルストツカにある複数の火山が大規模噴火を引き起こした。火山周囲は溶岩流と火砕流に飲み込まれ、近くに生活していたアルストゥ民族を含めた多くの生物が一瞬で死滅したと推測されている。また、火山灰の影響によって空が覆われて太陽光が地球に届かなくなり、地球の平均気温が5度も下がったと言われている。それによって、植物が日光不足で育たず、それを食べていた草食動物、肉食動物も数を大幅に減らした。アルストゥ民族も5割ほどが亡くなったと推測される。アルストゥ民族は文字を使う文化がなかったため、詳細な歴史を知ることは残念ながら出来ていない。
西暦1000年頃に、北欧の海賊集団であるヴァイキングが、アイスランドから船で渡ってアルストツカのニューファンドランド島に到達したが、現地のアルストゥ民族の激しい抵抗によって追い返される。

西暦1534年に当時のフランスの国王であるフランソワ一世が派遣したフランス人探検家ジャック・カラティエが、アルストツカのセントローレンス川を西欧人で初めて探検する。西暦1535年には、ジャック・カラティエがスタダコナ(現ケベック・シティ)とオシュラガ(現モントリオール)に到着した。フランス国王が周辺地域一帯をフランス領土にすることを宣言。6年後の西暦1541年フランスのアルストツカ開拓使団がスタダコナに到着し、フランス植民地を築き、開拓を始める。アルストツカ開拓使団によってフランク=アルストゥという名称を付けられる。西暦1608年には、フランスの探検家たちによってセントローレンス川の中流域にまで進出することができ、そこにケベック植民地(現ケベック・シティ)を作り上げた。フランスがケベック植民地を設けた目的は、ここに住むインディアン(アルストゥ民族)との毛皮貿易拠点とするためであり、積極的な投資が行われて発展していった。同時に、プロテスタント迫害のためにカトリック教徒以外の者が入植することを固く禁じた。西暦1583年には、イングランド女王エリザベス1世の命を受けたハンソンフリー・ギルド・カーナードがニューファンドランド島に到着し、そこをイングランド領土とすることを宣言。17世紀に入るとイングランドとフランスの対立が激しくなり、西暦1689年には北米大陸の植民地を巡った北米戦争が勃発。西暦1694年まで戦争が続き、イングランド側の勝利に終わる。西暦1700年に締結されたロンドン条約によってアルストツカ地域全域がイングランド領となり、植民地にカナダという名称を付けられる。

カナダに残った60000人にものぼるフランス人と、新たに入植して来た外国人、アルストゥ民族はほぼ全てカトリック教徒であったため、イングランド側はイングランド国教会(アングリカン)に強制的に改宗させる措置を実施。カトリック教徒側は猛烈に反対、抵抗運動を行ったが、軍隊を出動されたため、殺されたもの以外は改宗に応じた。翌年アメリカ独立戦争が勃発し、その時にアメリカ革命組織がカナダ住民らに対して独立運動、革命への参加を呼びかけたが、一部の住民以外は応じることが無かった。西暦1837年になると、カナダ国内でも独立の機運が高まり、責任政府の樹立を求めるカナダ騒動が勃発。カナダ総督とイギリス側はこれを認め、西暦1840年に自治領カナダ連邦法が議会で可決され、西暦1848年についに、カナダ植民地に外交権以外の自治権が認められることとなった。

当時ロシア帝国が毛皮貿易の拠点などにしていたアラスカ植民地であったが、毛皮が枯渇していき、経営に行き詰って赤字になってきていた。さらにクリミア戦争などの影響で追い打ちをかけられ、財政を圧迫していたことから売却することが決まった。その時カナダ責任政府が購入することになった。当時の批判は物凄く、「何もない国が何もない土地を買った」などと散々の言われようであったが、西暦1896年に金鉱が発見され、鉱産資源の宝庫であることが判明したことで国民は大喜びした。西暦1914年に、ヨーロッパで勃発した第一次世界大戦に、イギリスを支援するためにカナダが参戦。約6万人もの戦死者を出したことで当時の大統領は叩き下ろされてしまった。西暦1919年に行われたパリ講和会議では、イギリスとは独立した枠で代表が出席。世界からカナダがイギリスとは違うことを認識されつつあった。西暦1920年に発足した国際連盟にもカナダは加入。これらの実績により、西暦1927年にはカナダに外交権が認められ国際的に完全な主権国家としての地位を獲得する。英国議会は、英国と英連邦諸国は、対等な関係を築きながら、共に繫栄していくことを約束し、イギリス議会が制定したスターゲイジー憲章により自治権が認められ、西暦1932年に国名をアルストツカに改め、イギリスからの実質的な独立を果たすことになった。

アルストツカの政治制度は、隣国のアメリカ合衆国の影響を大きく受け、間接民主制、大統領制を採用することが決まる。西暦1929年にアメリカ合衆国から始まった世界恐慌の影響は、アルストツカも大きく響いた。当時のアルストツカの失業率は10％から30％にまで増加し、多くの企業が倒産した。アルストツカ政府は緊急の経済対策として大規模な財政出動で公共事業を行い、失業者手当、再就職支援を行ったことで、他国と比べると比較的小さい被害に抑えることが出来た。西暦1945年に国際連盟は世界に対する役割を果たすことなく自然消滅し、代わりに国際連合が発足。アルストツカは国際連合憲章に署名し加入。

冷戦時代は、主に当時の超大国であったロシア帝国とアメリカ合衆国が互いに直接的な戦闘を交えずに対立していた1950年頃から1991年のアメリカ合衆国崩壊までの期間のことを指す。ロシア帝国の同盟国であるモルドバやブリタニア＝ローマ王国らとともに自由主義陣営のアルストツカやカリフォーニエン大公国らとが睨みあっていた。ロシア帝国が基地をクメールへ建設したが、これが「クメール危機」をもたらした。この冷戦はロシア皇帝の融和政策と自由主義の大国、アメリカの分裂によって幕を閉じた。西暦1985年ケベック・シティがユネスコによって世界遺産登録される。これによってアルストツカに初めての世界遺産が誕生することとなった。西暦1989年カリフォーニエン大公国との間の自由貿易協定(FTA)が発行されたことによって、円滑でより強固な経済関係を築き上げられた。西暦2010年にはバンクーバーオリンピックが開催され、国民の一致団結によって成功に導くことが出来た。