クトゥルフ神話TRPGやろうずWiki

季節は冬。

朝の寒空の下、あの日と同じようにコートを羽織って馬車に乗り、とある領主の屋敷跡へと向かう。

一年ぶりに訪れたその場所は、あの日の爪痕を鮮明に残したまま、更に荒廃した様相となっていた。


…私は無事、新刊を書き上げた。

あの日経験した物語を元にした一冊の本である。

私はもはや巨大な一つの墓標と化したその場所に祈りを、また償いの著書ともう一つの手土産を届けに来たのであった。


…

………

……………

とある一つの不思議なサーカス団。

彼らには彼らなりの正義があり、我々は無慈悲にもそれを砕いた。



「…救いたかった人が沢山いた。」

始めには子供達だけであったそれも、事件が終わる頃には随分増えてしまっていた。


この書は彼らへの弔いである。

二度とあのような悲劇が起こらないように。


私はせめて、世の人々に問おう。
物語を通して、この世界のあり方を。

私はせめて、世の人々に伝えよう。
悲劇を起こさねばならない位に苦しんだ、人々の声を。


それが私にできるたった一つのことであるのだから。


だから…君たちの思いは、行いは決して無駄にはしないし、残したものはちゃんとあるのだと。
そう思って貰えるように、君たちへ２つの置き土産をしておこう。

私の作った物語は要らないかもしれないが、せめて「赤い炎のチケット」は、彼らの役に立ちますように。


「…さて。そろそろ戻らねば。懐かしい貴族様たちとの待ち合わせの時間に遅れてしまっては、面目が立たないからな。」

そう呟いて、私は馬車へと戻る。



馬車が向かう先の街には、大きなテントと、新たな旅芸人たちの訪れを知らせる活気が溢れていた。


おまけ

初の公募参加＆クトゥルフ自体がほぼ初心者という状態で迷惑をおかけしました。(特に立ち絵の透過処理はとても反省しています)
ガスライト卓の経験＆楽しいロールプレイができて、非常に楽しかったです。
あと出目が(特にテントと最終戦の天使で)えらいことになったのも今となっては良い思い出。。
カフス様、ダイナマイトは次回に投擲キャラ作るときに積極的に持って行くようにしようと思いました。

皆様とまたセッションできる日を、またこちらからセッションを提供できる日を楽しみにしています。
それではまた、近いうちに。

PS:
最終戦前に空気の読めない発言をしても、著書を人気作家コーナーに置いてくれるエルマーさんはツンデレであった。

「"どうして殺したっ！？"」
「"私の大切な仲間だったのにっ！！！"」
「"私の大切な家族だったのにっ！！！"」
「"許さないっ！許さないっ！！！"」
「"お前達がっ！！お前達さえ居なければあああああっ！！！！"」

リヴィさんの最後の慟哭が頭に焼き付いて離れません．

「・・・・・・・ごめんなさい」

私はただただ謝り続けるしかなかった．
私達は彼らを殺し，無慈悲にも彼らの未来を奪いました．
確かに彼らを放置できるものではなかったし，
異形の存在となり，心まで人でなくなってしまった方もいました．
これ以上被害を出さないためには，これが最善だったのかもしれない．
しかし，アリエルさんの見せてくれた彼らの過去を思い返すと私は胸が痛みます．
生まれた環境が違えども，彼らも元々は私と同じ人間だったのです．
私も一歩間違えれば，あるいは彼らと同じ立場だったのなら同じように
なっていたのかもしれないのです．
私がみた彼らの思い出の中では，彼らは身体に欠損があれど幸せそうに見えました．
何が彼らを変えたのでしょう？何がいけなかったのでしょう？
どうすれば彼らを止められた？どうすれば救えたのでしょうか？

「・・・どうすれば良いのでしょうか・・・・・・・・」

来る日も来る日も考え，やがてある事を思い出しました．
あの事件の後，私達の依頼人であるレベッカさんが語ったことを

「グレム様は・・・本当に子供達を愛しておりました」
「しかし、どうしても維持費がかさむ」
「その答えとしてたどり着いたのが」
「”黒魔術”でした」

そう，”黒魔術”とレベッカさんは言っていました．
これが彼らを変え，今回の事件を引き起こした根本的な原因なのでは？
この黒魔術とやらが無ければ，彼らが道を踏み外すこともあのような姿に
なることもなかったはず・・・．
もし，それが事実ならば，私にできることは，黒魔術をこの世から抹消
あるいは封印し，二度と彼らのような人々が生まれないようにすることです．
私には黒魔術が何なのか，この世にどれだけあるのかは知りません．
果たして，私にそんな大層なことができる力があるのかもわかりません．
安っぽい正義感だとか，そんなことは不可能だ，無意味だと言われることも
あるのかもしれません．
しかし，私は彼らを殺しました．そして，彼らの未来を奪いました．
その私には彼らの死を背負って生きる義務があります．
この先彼らと同じような人々にも出会うかもしれません．
今回のように一方的に命や未来を奪うことになるかもしれません．
ですが，私はそれらも全て背負って生きていきます．
そして，黒魔術やそれに関係する存在をこの世から全て消し去っていきます．
私の命と精神が続く限り・・・．

「・・・さぁ，そうと決まれば善は急げですわ！」

こうして，私は当てもなく街へ繰り出しました．
その先にあるのが希望なのか，それとも絶望なのかはわかりませんですが・・・

初めてのガスライト卓でしたが，とても楽しめました！
最後の戦闘で出目が振るわず，時間がかかることもありましたが，
素敵なアリエルさんが見れたので満足です（
またみなさんとご一緒できる日が来ればいいなと思っています．
その時はどうぞよろしくお願い致します．

――己が良心に問え。

ウィリアム征服王に付き従い戦った、『騎士』の末裔である事を誇りとしていた祖父は、
だが物語の騎士が掲げる『正義』も『信仰』も『忠誠』も、揺らがぬ指針にはならないと
常々言っていた。

正義も信仰も忠誠も、善行や道義でさえ、時期や場所が違えばいくらでも変わる。
もっと言えば、それらに反する事をしなければならない機会など、いくらでもある。
絶対的なものなど、揺らがぬものなど、世界には存在しない。

だからこそ、剣を握るならば己が良心に問え、エルマー。

迷った時、悩んだ時、揺らいだ時、それでも決心しなくてはならない時。
己が良心に問いかけろ。
それでいいのか。
それを成した先に続くのは、天国か地獄か。
逃げず、目を背けず状況を見極め、そして己が良心に問いかけ、選べ。
人間の意志とは、そのためにあるのだから。

「……」

俺にそう告げた、穏やかな祖父の声を思い出し仕事の手を止める。
正直に言えば、祖父の事も、祖父が俺に叩き込んだ剣も、成長してからはあまり
思い出してはいなかった。
俺は祖父のように自分の先祖の血を意識した事も無い、荒事に関わる事も無い、
世の中をなんとか渡っているだけの、ただの本屋だったから。
……だけど。

――・・・俺は・・・今の俺の役目は・・・こいつらの面倒をみることだ。
――障害はすべて排除するのみ！　来なさい！生き延びたいのなら！！
――・・・おれ・・・が・・・ごめんな・・・・リヴィ・・・
――・・・やだ・・・・やだやだやだ！　”お父様”！私はまだ！！
――ふざけるなああああああああ！！！！！！
――お前達に！！！！！お前達なんかにいいいいいい！！！
――わたしたちをおおおおおおおおおおお！！！！！！！！！

――”お前には理解できな————”

「……」

あの時。彼らの慟哭を聞いた時。俺の頭に浮かんだのは、祖父の言葉だった。
彼らは、善き者ではなかっただろう。その目的は決して、正義ではなかっただろう。
だが……それでも彼らは彼らの意志をもって、自分の道を選んでいた。
きっと彼らは、己が良心に問いかけようと、恥じる事は無かっただろう。

……俺は。それを思うと、少しだけ胸が痛む。
自分のした事の意味を考え、少しだけ苦しくなる。

間違った事をしたとは、思っていない。
だけど。
それでも、俺達は、彼らの望みを踏みにじった。
それは変えようのない事実で、きっと、思い出す度に痛む傷となるだろう

「――ちょっといいかね?　私の新刊の置き場所なんだが……」
「……ああ、すみません」

日常に戻りながら、俺は楽園を目指した彼らを想う。

「そうですね、人気作家コーナーはこっちですから……」

彼らに祈る言葉は無い。
だけど、その眠りが穏やかなものであればいいとだけは、きっとずっと思っている。

貴重なガスライト卓、楽しいセッションをありがとうございました。
唯一の近接物理枠でありながらなかなか出目が振るわず、最後までNPCに助けられっ
ぱなしでしたが、冒涜的でありつつ美しい世界観にどっぷり漬からせていただきました。

「うーん・・・ううん・・・」
彼女は悩んでいた
それは
自らの不幸をより立場の低いものに押しつけた下らない人たちのことでも
ただ誠実にものを頼むことも出来なかった人のことでも
屋敷一つを炎上させて大火災の引き金を引きそうになったことでもない
「お父様にどうやって言い訳しよう・・・」
偽手紙にまんまと踊らされ王家よりの依頼だと父に報告してしまったことである
屋敷を飛び出す格好の理由に飛び付いた形だが偽手紙と分かればどうなることか・・・
素直に謝ってしまうか、騙されていたのだから仕方ないと開き直るか
そもそも冒険のきっかけをくれたその手紙の差出人についてどう擁護しておくべきか・・・
名案は浮かばないまま時間だけが過ぎて行く・・・

＞＞アリエルさんマジ天使＜＜
まさか神格と普通に共闘する機会があるとは思いませんでした
自動気絶から何度も全快するあたりゾンビめいた探索者たちだったと思います
投擲最強の武器ダイナマイトをジェレミーさんに提案出来なかったのは一生の不覚です・・・
他の方の後日談を参考にしようよ思いましたが誰も来なかったので一番乗りしました（

百合とか天使のアレはダイス事故と必要にかられてだともう一度言っておきます！