クトゥルフ神話TRPGやろうずWiki

どうして、こんな事になってしまったのだろう。私たちは、ただ旅行に行っていただけだったというのに。
蛇と化してしまった息子、いなくなった家族。私の愛する人たちが、目の前から消えていく。

怒りが、湧いてくる。

すべては、目の前の化け物のせいに決まっている。私の体を拘束している、蛇の親玉。
こいつの、こいつのせいで、私の家族はいなくなったんだ。こいつさえ、いなくなれば----！
きっと、私の家族が、帰ってくる。

化け物の顔に、手にしている銃を突き付ける。
渾身の力を指に込める。

「消えろっ、ばけものおおぉぉーーっ！」

発砲した瞬間、すべての景色がゆっくりと流れて見えた。
化け物の顔に発砲した弾が、その皮膚にはじかれて、私の顔めがけて、飛んでくる様がよく見えた。

その瞬間に確信した。
死ぬ。
私は、死ぬ。
ここで、死ぬ。
家族に会えないまま、ここで死ぬ。

そこまで考えて、ふと思う。
洞窟の入り口で遭遇した蛇人間は、化け物だったのだろうか。
私が、撃ち殺した蛇人間は、本当に、化け物だったのだろうか。
その蛇人間が、口ずさんだ歌には聞き覚えがあった。
かすかに聞こえたその歌は、私が、娘に、教えた歌。

あの、蛇人間は----、ほんと、う、は----。

そこまで考えて、意識が途切れた。

初めてのTRPGで、なんと蛇恐怖症のお母さん役。どうなることかと思いましたら、二度も発狂させたあげく、死亡ルートまっしぐらでした（^^;
発狂して、ダイスで狂気を決めたところ、なんと幻覚を引いてしまい…。そんなこんなで、PCが周りの人間を含むすべての者たちが蛇に見えて…。
家族を撃ち殺す、グレートオールドワンに単騎で挑む…など、パソコンの前でアタフタしていました（^^;
それでも、納得がいくセッション、結末となって楽しかったです！
セッションを通して、どのタイミングでKPに質問をしたり、RPをすればよかったりがいいのか判断つかなくて、皆様にはご迷惑をおかけしました。
つたないRPでしたが、目をつぶっていただけると幸いです。
ありがとうございました！

昏い。

なんて昏いの……？

星が沢山、出ていたはずなのに。

寒い。

とても寒い。寒い、寒い……。

昏くて、寒くて……どんどん身体から何かが逃げ出していっている様な、そんな感覚。

マミー……。
デビットがよく解らない生き物に変身して。
ダディがそんな化け物になったデビットに襲われて、動かなくなった。

もう、マミーしかいないの。いないから……一生懸命にマミーを呼んだの。
呼んだのよ……。

ねえ、マミー、その手に持っているものは何？
ねえ、マミー、どうしてそんなに恐ろしい顔をしているの？
マミー？　ねえ、いつもの歌を唱いましょう？



キャシーは、母親にそっと手を伸ばした。母親の手を握って、一緒にこんな異常な場所から一刻も早く立ち去りたかった。
もう、何が何だか解らなかった。
異常な出来事に心が乱されて、こんな場所から逃げてしまおうとしか、考えられなかった。
彼女はまだ12歳だった。
全てを全てを認めて、全てを理解し、全てを解決に導く力など当然のことながら持っていなかった。
ただ、ここから逃げてしまいたい。母親と一緒なら、その後のことはどうでも良かった。
それだけだった。
しかし、いつの間にか母親の手にはショットガンが握られており、いつもと違った様子だった。
人々を癒す笑顔は消え、表情は強張り、彷徨う視線は何かを探し求める様に落ち着きがなく、目の前にいる愛しい娘のことは目にも入っていない様だった。
そっと伸ばした手に嫌悪の表情を浮かべた母親は、何の躊躇もなく、その引き金を引いた。
一瞬。
痛みを感じたのは、銃声から僅かな瞬間。
後は、どんどん失われていく感覚、体温、意識。12歳の少女がもつ生命そのもの。
開かれた緑の瞳には、恐らくもう何も映ってはいまい。瞳を閉じる力も、既に、無い。
赤く染まった少女の口元から擦れた声が漏れる。そしてその声も、すぐに途切れた。



マミー、子守歌を唱って？　眠いの……とっても。
でもね、本当は眠ってはいけないって思うの……。眠ってしまうのが怖いの。
とっても静かだから……。
昏くて、寒くて、とてもとても静かずぎるから。

だから、せめて、こわくないように、うたを……ねえ、マミー…………

〜END〜

キャシーをやらせて戴きました、noririです。
後日談は死亡時の様子という事で……。こんな感じで如何でしょう？（＾＾；
さて、やってみると……キャシーは難しかったです。
この子の特徴を上手く使ってあげられなかったなあ、と反省しかりです。
このキャラのラストはノリもありましたが、ＰＬ同士で相談したものでした。
「これはこれでＢ級っぽくて良くない？」と理由でマミーに殺されてしまった、可哀想なキャシー(^^;
でも演出的に納得のラストで、楽しかったです。
唯一生き残った兄のその後に幸いあれ、という事で。
皆様お疲れ様でした＆有難うございました。

最近よく変な夢を見るようになった。
人間になった夢だ。その夢は頭の中を這いずり回り、知らない記憶を再生する。
男を噛み殺した記憶、頭の中身をバラのようにさらけ出した女の記憶、はらわたがてらてらと
ピンク色に輝いて腹から覗いて見える女の子の記憶。満点の星空の下、皆空を仰ぎ、目は沈黙の色を浮かべていた。
まるで本当にそこにいたかのように、何度も、何度も、繰り返す。
ついには妻のロレインにまで心配される始末だ。そういえば、ロレインといつ出逢ったかも曖昧だ。
私は記憶することが昔から苦手だったに違いない、なぜなら昔を憶えていないのだから。

そんなことをごろごろと冷たい大理石の上で考えていると、ロレインの声が聞こえた。
「ああ…いま行くよ…」と私は匍匐のようにずるずるとキッチンへと急ぐ。
冷たい黒曜石の椅子に寝そべると、愛妻のロレインが朝食を運んできた。
「はい、あなた朝食よ♪」なぜか知らないがご機嫌である。
「嬉しいことでもあったのかい…」
「何を言っているのあなた、今日からルルイエで蜜月なのよ！うれしいに決まってるじゃない…」
そう言いながら「彼女」はエプロンの下のしっぽをバタバタとさせた。もちろんエプロンの下は生鱗だ。

そう、思い出した。「彼女」とはイグ様に縁を頂いて出逢ったのだった。何でも彼女は元スリーパーで、蛇人間では
上位の令嬢らしい。旅行が終ったらすぐに次の仕事があるのだと、聞いた気もする。
私はその帰りをいつも待つだけだから、彼女の仕事の詳細については知らない。
「さ、行きましょう」
ルルイエへは遺伝子改良した生物を使って行くのだそうだ。
「ああ…」私の荷物はないから彼女のタイミング次第だった。

ルルイエで私は完璧な蛇人間に生まれ変わる。なんでも、イグ様からのミッションなんだそうな。
「そうだった、アナタも次のプロジェクトに参加するのよ。Project New Order…憶えておいて…」とさらりとささやいた。
「新しい…秩序…」私は面食らった。彼女は私に仕事の話はしないはずだったからだ。
「私たちが地上に昇り、人間を片っ端から蛇や蛇人間に変える計画なの。ステキね…」
「………………そうだな」人はイグ様の祝福を受けられて感謝することだろう。

いあ…いあ…

初めてのTRPGで神話生物になって暴れ回れて、とても満足しましたですねー（白目
今回はリアルに打つのが遅くて上手いRPは一切できませんでしたが、初心者としてはけっこう楽しかったです。
この調子で暇ができたらまた卓に挑戦したいな−。
後日談は、生き残れたので（神話生物として）普通に彼のその後です。
ルルイエに行かせたかっただけですね。はい。
では（遅い更新ですが）皆様お疲れさまでした。