午前0時からEテレで、地球ドラマチック「ピダハン 謎の言語を操るアマゾンの民」を見る。アマゾンの奥地に生きるピダハンと呼ばれる少数民族の言語には、数や色を示す言葉がなく、過去や未来の表現もない。30年の長きにわたって彼らの生活と言語を研究してきた元宣教師のアメリカ人言語学者ダニエルの研究と経験を元に、謎の言語を操るアマゾンの民ピダハンを紹介していく。ダニエルが発表したピダハン語にはリカージョンがないという論文は言語学会に論争を起こすものだった。チョムスキーの普遍文法に当てはまらなかったからである。チョムスキーは自分が提起した普遍文法を絶対的なものとして捉えていて、ダニエルの論文を認めることはなかった。番組ではマサチューセッツ工科大学(MIT)の言語学を専攻する研究者グループが言語学会に論争を起こしているピダハン語にメスを入れた。実際にアマゾンに住むピダハン族の人々のもとにダニエルと共行く予定であったが、ブラジル政府の許可が下りずに計画は変更を迫られた。ダニエルの宣教士活動がアマゾンの文化破壊につながったという抗議の手紙が、同じアメリカ人の言語学研究者たちからブラジル政府機関に送りつけられたことも災いした。研究者グループは誰一人ピダハン語を理解できる者はいなかった。外国人でピダハン語を理解出来る人は世界に3人しかいなかった。ダニエルと別れたダニエルの元妻とダニエルの前に布教活動を行っていた宣教師であった。研究者グループはダニエルと宣教師が録音していたピダハン語をコンピューターを使って解析することにした。結果は驚くことにピダハン語にrecursion(言語においては連続体)は認められないというものだった。それはダニエルの方に有利な結果であり、1957年/昭和32年にノーム・チョムスキーが提唱した、すべての言語は普遍的な文法で説明できるという理論に当てはまらないことを意味していた。(2012年12月24日:記)
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