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自転車の写真です。去年の写真なんですが、夏らしく海をバックに。
でもやはりまだ使いこなせないな。。

サイクルモード(その4)

CYCLE MODE internatonal 2006 (その4)





トライアスロン専門のバイクメーカーだった頃、日本ではごく一部の人にしか知られていなかったであろうカナディアンブランドのサーヴェロですが、チームCSCへの供給、グランツールでの活躍、すっかりメジャーなロードバイクメーカーになりました。イヴァン・バッソもこのサーヴェロで今年のジロ・デ・イタリアを制しましたし(もっとも、彼は来年ディスカバリー・チャンネルへ行くことが決まったそうですから、来年からトレックに乗ることになりますが)。写真奥に順番待ちの行列が見えますが、試乗希望者も非常に多く、コルナゴやデ・ローザに負けないくらい盛況だったと思います。





R3のシートステーは本当に驚くべき細さです。元々はワンデー・クラシックなどでパヴェ(石畳)を走る際、頑丈なホイールを履かせても全体として重くならないように作られた軽量フレームということらしいです。でも、このシートステーの細さを補うチェーンステーはかなりのゴツさです。今年は「クラシックの女王」「北の地獄」ともいわれるパリ〜ルーベでタイムトライアルのスペシャリスト、ファビアン・カンチェッラーラが独走で逃げ切りましたね。(終盤の踏み切にアシストしてもらった感も否めませんが。)



スコットは今年サウニエル・ドゥバルへ移籍してきたジルベルト・シモーニのCR1チームイシューを持って来ました。



シートチューブに描かれたピサの斜塔、マリアローザに因んだピンクのスペシャルカラー、そしてトップチューブにあるシモーニの肖像、紛う方なきシモーニ仕様です。でも、ジロの時シモーニが付けていたゼッケンは171、ツールの時は141、今年のUCIプロツールのスタートリストを全て調べましたが、シモーニがゼッケン81を付けていたレースは見当たりませんでした。このバイクはもっとマイナーなレースで使われた仕様なんでしょうか?

2004年からサウニエル・ドゥバルへ旗艦モデルのチームイシューが供給され、スコットのトップレンジを担ってきたCR1シリーズは2007年も継続されますが、これは特段欲しいと思いませんでした。何故? 2004年モデルのCR1チームイシューを持っているからです。ま、毎年マイナーチェンジが繰り返されていますから、私が持っているものと比べたら相当リファインされていると思います。が、カラーリングはどんどん好みから外れていってしまったので、差し引きゼロです(と自分に言い聞かせています)。





今年のスコットの目玉はやはり、ニューモデルのアディクトですね。CR1に替わってスコットのトップレンジを担います。写真は裸のフレームとフォークを手に取れるように吊ってあるデモですが、誰も手を伸ばしていない瞬間が撮れるまでかなり待ちました。それだけ注目されているということですね。CR1も当時の実用レーシングフレームとしては世界最軽量で公称値895gという軽量を誇っていましたが、アディクトはそこから更に105gも削ってきました。

これを手に取った人達は一様に笑っていました。その気持ちは良く解ります。私も2004年モデルのCR1チームイシューをフレームセットで購入し、初めて手に取ったときは思わず笑ってしまいましたから。人間は意表を突かれ、良い方に期待を裏切られると思わず笑ってしまう生き物なんでしょう。あのCR1より20%も剛性アップしていながら105gも軽かったら、それはもう笑うしかありません。

で、ニューモデルのアディクト、欲しい? う〜ん、個人的にはちょっと微妙です。いえ、負け惜しみじゃなく。CR1のエンドはアルミ製ですが、リプレーサブルではないので壊したらショップ等に持ち込まなければ直しようがないのは同じです。でも、アディクトは前後ともエンドまで一体のカーボン製なんですよ。

スコットはアルミよりも高い強度をテストで確認しているとしていますが、問題は降伏点付近で素材が示す挙動なんですよね。例えば、ホイールの装着でクイックレバーを締めるとき、締め付けが少々強すぎてもアルミエンドなら多少塑性変形することはあるかも知れませんが、実用上問題になるような強度低下はまずないでしょう。一方、カーボンはマトリックスのプラスチックが割れてしまうことがあり得ますからねぇ。ボルトオンならトルクレンチで締め付けを数値で管理できますが、クイックレバーによる締め付けは数値化が難しいですから、非常に気になります。

ルック595もフレームエンドはカーボンになりましたが、リヤのディレイラーハンガーはアルミです。アディクトはリヤは勿論、フロントのディレイラーハンガーまでカーボンで、フレームに一体整形されているんですね。ついでにワイヤーストッパーもフレーム一体成形のカーボン製になりました。そこまでやるか?という気もしますし、よりデリケートな扱いが要求されそうで、普通に乗ったりメンテしようと思っても気疲れしそうな気がします。(あくまでもそんな気がするだけです。念のため。)





来年、創立70周年を迎える歴史あるイタリアのメーカー、ダコルディのサンソーネです。これまた有機的な曲面がうねるカーボンフレームですねぇ。



トップチューブもこの通り、もの凄く複雑な曲面、キリッと立ったシャープなエッジで構成されています。金型(やはり放電加工+NC切削ですかねぇ?)がメチャメチャ高そうですが、フレームセットで50万円くらいしますから、一応ビジネスにはなっているのでしょう。

金型といえば今年度、ルックでこんなことがありました。ルックとしては比較的リーズナブルだったこともあって人気を博した555が、年も半ばで突如ラインナップから消えてしまいました。その原因は金型の破損だったそうです。勝手な推測をさせて頂くなら、新たに金型を起こし直すより、生産を中止したほうが損害額を抑えられるといった判断だったんじゃないでしょうか?

一方、今年デビューしたピナレロのニューモデル、F3:13は既存モデルのF4:13と金型を共用しながら、カーボンの弾性率を落としてコンフォートに振るなど、セグメントを分けています。また、自転車用のヘルメットが高価なのも、あの複雑な形状の金型が高価だからでしょう。2サイズ用意されているモデルは金型代がその分だけ余計にかかるわけですから、フリーの1サイズしかないモデルよりずっと高い価格設定になっていることが多いのも納得がいきます。金型ってのは素人の想像を絶するほど高価なものなんですね。




意外にそそられてしまったのがこれ、シロモト・バイク・トレーニングマシンです。



これまでもパワーマジックというちゃんとポジションが出せるトレーニングマシンはありました(このサイクルモードにも出品されていました)が、このマシンはひと味もふた味も違います。

前に1本、後ろに2本の脚があるんですが、この接地面が柔軟で厚みがあり、たわみやすい特殊ゴムで出来ていて、後部にはさらにスプリングが仕込まれている(写真ではペダルの影で解りにくいですが、赤い色をしたコイルスプリングがあります)ので、漕ぐと漕いだなりの自然な挙動を示すようになっているんです。

ハンドルも動くので、もがいたときにフォームがゆがむ人はそれなりにゆがみます。ダンシングで大きく揺れる人はそれなりに揺れます。つまり、これまでこうしたマシンや固定式のローラー台では解りにくかった癖や、矯正しにくかったフォームの矯正にも役立ちそうなんですね。大きな鏡の前で自分の姿を映してみるとか、ビデオカメラで撮ってみるとか、確認方法を色々工夫すれば本物のバイクで実走するより効果的だと思います。

乗りながら傾斜角を変えることも可能で、ヒルクライムを想定したトレーニングが出来たり、ハンドルの高さやステムの突き出し量が任意に設定出来て、ポジションの見直しが実車より柔軟かつ容易にシミュレート出来たりします。また、駆動系はシマノの105をそのまま使用していますし、その他のパーツ類も殆どが実車にも使われている市販の汎用パーツを流用していますので、自分の好みや用途に合わせたカスタマイズも可能です。

ま、これだけの内容ですから、それなりに価格も張ります。ステムは試作品でスチール製ですが、市販型は汗が滴っても錆びないようステンレス製に変更、ペダルは別売ですが、それ以外はメーター類も含めて付属するそうで、税込み197,400円になるそうです。私にはちょっと手を出しにくい価格ですが、それなりのレベルでレース活動に入れ込んでいる人達なら、なかなか有効なトレーニング機材になるのではないかと思います。(外国人のバイヤーも買い付けに来ていたようですし。)





カメラなどの機材はチープですが、スカパー!やケーブルTV等で放送されているスポーツ専門チャンネル、Jスポーツの取材クルーの皆さん(打合せ中?)です。私もJスポーツは受信契約しており、グランツールの中継やUCIプロツールの中継で今年もお世話になりました。UCIはいまRCS(ジロ・デ・イタリアやジロ・デ・ロンバルディアの主催者)と衝突していて、来年はUCIプロツールとグランツールは切り離されるなど色々揉めていますが、Jスポーツには来シーズンも頑張って中継して頂きたいと思います。


(まとめに続く)


(C)石墨
2006年11月15日(水) 23:36:43 Modified by ishi_zumi

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