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【定義】

道元禅師大仏寺永平寺)の山号を定めるときに作ったとされる法語のこと。ただし、様々な問題がある。

【内容】

道元禅師が大仏寺(永平寺)を建立して、その最初に付けた山号について、面山瑞方師は自らが書いた『訂補建撕記』にて「傘松峰」であったとしている。そして、宝治2年(1248)11月1日に吉祥山に改められたとしているのだが、その典拠として京都道正菴にあるという額字を挙げている。
南閻浮題大日本国越前国吉田郡志比荘傘松峰、今日より吉祥山と名づく。諸仏如来の大功徳、諸吉祥中最も無上なり、諸仏倶に此の処に来入す、是の故に此の地最も吉祥なり。

しかしながら、大仏寺を傘松峰と号した事実は他の資料に確認できず、例えば祖山本『永平広録』でも、第2巻は「開闢越州吉祥山大仏寺語録」とされており、また途中には大仏寺を永平寺に改名する上堂まで収録されている(巻2-177上堂、寛元4年6月15日)のだから、もし傘松峰から吉祥山に変えたのであれば、それも収録されるのではなかろうか。

したがって、先に挙げた面山の指摘は何らかの誤謬に基づくと考えられている。また、古写本『建撕記』には、やや別様の法語が収録されており、そこでは、道元禅師大仏寺にて最初に行った寛元2年7月18日の「集衆説法」にて、山号と寺号とを大衆を前に披露したとも採れる内容になっている。
同七月十八日、和尚を請い奉りて開堂説法す。その時、和尚云く「今日より此の山を吉祥山と名づけ、寺を大仏寺と号す」と。則ち頌を作りて云く「諸仏如来の大功徳、諸吉祥中最も無上なり、諸仏倶に此の処に来入す、是の故に此の地最も吉祥なり。」と。

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