【定義】
江戸期の学僧・本秀幽蘭が道元禅師の著作（ほとんどは『正法眼蔵』『正法眼蔵随聞記』である）から語を拾って刊行された著作で、『永平広録』から文言を抄録した面山瑞方『永平家訓』に類するものといえる。天保12年(1841)刊行。後に、『修証義』が編集された際に、本書と、本書の姉妹書の関係にある『洞上正宗訣』が参照されたとする見解がある(岡田宜法師『修証義編纂史』)。
【内容】
本秀和尚は、本書の「期約」にて、本書撰述の意図を次のように開陳する。
このように、本秀和尚は、在家には信心があるけれども、それを導く祖師の言葉は、家訓として、内々に示されるものであるので、人の眼には触れ難い。よって、その肝心なところを抜き書きして一巻の本にした、ということである。つまり、この『永平正宗訓』は、在家信者への布教教化のタネ本として示されたことが分かる。『随聞記』からの引用が多いことも、その意図の影響であろう。それは、出家者自身の修行が、『正法眼蔵』とそれを抜き書きした『洞上正宗訣』に依るべきだとしていることからも明らかである。また、「曹洞宗在家行法の式」という行法については、項目を改める。
桜井秀雄師『開けゆく法城』(昭和仏教全集)には、一章を設けて『修証義』の編纂史（�機歇掘砲魑�されているが、その中に、本書と『修証義』本文との関係が図表付きで示されているので、ご参照願いたい。その上でだが、例えば本書には『正法眼蔵』「菩提薩埵?四摂法」巻が、丸々一巻引用されているけれども、『修証義』「第四章発願利生」が、同巻の抜粋であることは明らかであり、関係性の深さを伺わせる。
江戸期の学僧・本秀幽蘭が道元禅師の著作（ほとんどは『正法眼蔵』『正法眼蔵随聞記』である）から語を拾って刊行された著作で、『永平広録』から文言を抄録した面山瑞方『永平家訓』に類するものといえる。天保12年(1841)刊行。後に、『修証義』が編集された際に、本書と、本書の姉妹書の関係にある『洞上正宗訣』が参照されたとする見解がある(岡田宜法師『修証義編纂史』)。
【内容】
本秀和尚は、本書の「期約」にて、本書撰述の意図を次のように開陳する。
吾一派、在家正信あるとも、祖師在家の化縁?、おほく家訓のうちに混雑せるがゆえに、拝覧する人まれなり。依て其要とするところを取て、此巻とす。今正信を発して、百たびこれを反復せば、必ず其信を生ず。向上の玄奥は、正法眼蔵等に依るべし。洞上正宗訣にあり。日用仏祖拝礼は、曹洞宗在家行法の式に依るべし。 （一部表現を改める）
このように、本秀和尚は、在家には信心があるけれども、それを導く祖師の言葉は、家訓として、内々に示されるものであるので、人の眼には触れ難い。よって、その肝心なところを抜き書きして一巻の本にした、ということである。つまり、この『永平正宗訓』は、在家信者への布教教化のタネ本として示されたことが分かる。『随聞記』からの引用が多いことも、その意図の影響であろう。それは、出家者自身の修行が、『正法眼蔵』とそれを抜き書きした『洞上正宗訣』に依るべきだとしていることからも明らかである。また、「曹洞宗在家行法の式」という行法については、項目を改める。
桜井秀雄師『開けゆく法城』(昭和仏教全集)には、一章を設けて『修証義』の編纂史（�機歇掘砲魑�されているが、その中に、本書と『修証義』本文との関係が図表付きで示されているので、ご参照願いたい。その上でだが、例えば本書には『正法眼蔵』「菩提薩埵?四摂法」巻が、丸々一巻引用されているけれども、『修証義』「第四章発願利生」が、同巻の抜粋であることは明らかであり、関係性の深さを伺わせる。
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