物理化学―分子論的アプローチ〈下〉

目次

16. 気体の性質
　16.1 気体が十分に希薄な場合, すべての気体は理想的に振舞う
　16.2 ファン・デル・ワールス方程式は2パラメータの状態方程式の一例である
　16.3 ファン・デル・ワールス状態方程式は気体状態と液体状態の両方を記述できる
　16.4 ファン・デル・ワールス方程式は対応状態の原理に従う
　16.5 第2ビリアル係数は分子間ポテンシャルの決定に使うことができる
　16.6 ロンドンの分散力がレナード-ジョーンズポテンシャルのr^-6項に対してしばしば最大の寄与をする
　16.7 ファン・デル・ワールス定数は分子パラメーターを使って書き表される
　問題

数学章G　数値計算法
　問題

数学章H　偏微分
　問題

17. ボルツマン因子と分配関数
　17.1 ボルツマン因子は精密科学の分野で最も重要な量の1つである
　17.2 あるアンサンブル内の1つの系がエネルギーEj(N,V)をもった状態jにある確率はe^-Ej(N,V)/kbTに比例する
　17.3 平均のアンサンブルエネルギーは系の実測エネルギーに等しくなるという仮説をおく
　17.4 定容熱容量は平均エネルギーの温度微分である
　17.5 圧力は分配関数を使って表すことができる
　17.6 独立で区別可能な分子からなる系の分配関数は分子分配関数の積である
　17.7 独立で区別可能な原子や分子の分配関数は普通([q(V,T)]^N)/N！と書くことができる
　17.8 分子分配関数は各自由度に対する分配関数に分解できる
　問題

数学章I　級数と極限
　問題

18. 分配関数と理想気体
　18.1 単原子理想気体中の原子の並進の分配関数は(2πmkbT/h^2)^3/2・Vである
　18.2 室温ではほとんどの原子が基底電子状態にある
　18.3 2原子分子のエネルギーは別々の項の和として近似できる
　18.4 室温ではほとんどの分子が基底振動状態にある
　18.5 大部分の分子が常温で励起回転状態にある
　18.6 回転の分配関数は対称数を含む
　18.7 多原子分子の振動の分配関数は各基準座標における調和振動子分配関数の積である
　18.8 多原子分子の回転の分配関数の形は分子の形に依存する
　18.9 モル熱容量の計算値は実験データとぴったり一致する
　問題

19. 熱力学第1法則
　19.1 普通の形の仕事は圧力-体積仕事である
　19.2 仕事と熱は状態関数ではないが, エネルギーは状態関数である
　19.3 熱力学第1法則によるとエネルギーは状態関数である
　19.4 断熱過程はエネルギーが熱として移動しない過程である
　19.5 可逆断熱膨張においては気体の温度が下がる
　19.6 仕事と熱には簡単な分子論的説明がある
　19.7 P-V仕事だけを含む定圧過程においては, エンタルピー変化は熱の形で移動したエネルギーに等しい
　19.8 熱容量は経路関数である
　19.9 熱容量データと転移熱から相対エンタルピーが決定できる
　19.10 化学方程式のエンタルピー変化には加成性がある
　19.11 反応熱は生成熱の表から計算できる
　19.12 ΔrH温度依存性は反応物と生成物の熱容量を使って与えられる
　問題

数学章J　2項分布とスターリングの近似
　問題

20. エントロピーと熱力学第2法則
　20.1 自発的過程の方向を決めるにはエネルギー変化だけでは不十分である
　20.2 非平衡孤立系は乱れが大きくなる方向に変化する
　20.3 qrevとは異なり, エントロピーは状態関数である
　20.4 熱力学第2法則によれば孤立系のエントロピーは自発過程で増大する
　20.5 熱統計力学の最も有名な等式はS=kblnWである
　20.6 エントロピー変化を計算するにはいつも可逆過程を考察しなければならない
　20.7 熱力学は熱から仕事への変換について洞察を与える
　20.8 エントロピーは分配関数によって表現できる
　20.9 分子論的なS=kblnWは熱力学の式dS=δqrev/Tと対応する
　問題

21. エントロピーと熱力学第3法則
　21.1 温度上昇につれてエントロピーは増大する
　21.2 熱力学第3法則によれば完全結晶のエントロピーは0Kで0である
　21.3 相転移ではΔtrsS=ΔtrsH/Ttrsである
　21.4 熱力学第3法則はT→0でCp→0を保証する
　21.5 実験的に絶対エントロピーを決定することができる
　21.6 気体の実用絶対エントロピーは分配関数から計算できる
　21.7 標準モルエントロピーの値は分子質量と分子構造に依存する
　21.8 ある種の物質の分光学的エントロピーは熱量測定からのエントロピーと一致しない
　21.9 標準エントロピーは化学反応によるエントロピー変化の計算にも用いることができる
　問題

22. ヘルムホルツエネルギーとギブスエネルギー
　22.1 ヘルムホルツエネルギー変化の符合が定温定容系の自発的過程の方向を決定する
　22.2 ギブスエネルギーは定温定圧系の自発的過程の方向を決定する
　22.3 マクスウェルの関係式から便利な熱力学の式が得られる
　22.4 理想気体のエンタルピーは圧力に依存しない
　22.5 熱力学関数にはそれぞれ自然な独立変数が存在する
　22.6 任意の温度の気体の標準状態は1 barの仮想的理想気体である
　22.7 ギブス-ヘルムホルツの式はギブスエネルギーの温度依存性を表す
　22.8 フガシティーは気体の非理想性の尺度である
　問題

23. 相平衡
　23.1 相図は物質の固体-液体-気体の振舞いをまとめたものである
　23.2 物質のギブスエネルギーは相図と密接な関係がある
　23.3 平衡にある2相の純物質の化学ポテンシャルは等しい
　23.4 クラウジウス-クラペイロンの式は物質の蒸気圧を温度の関数として与える
　23.5 化学ポテンシャルは分配関数から計算できる
　問題

24. 溶液Ⅰ：液-液溶液
　24.1 部分モル量は溶液の重要な熱力学的性質である
　24.2 ギブス-デュエムの式は溶液の1成分の化学ポテンシャル変化と他方の成分の化学ポテンシャル変化の間の関係式である
　24.3 各成分の化学ポテンシャルは, 平衡状態ではその成分が存在するどの相においても同じ値をもつ
　24.4 理想溶液の成分はすべての濃度でラウールの法則に従う
　24.5 ほとんどの溶液は理想的でない
　24.6 ギブス-デュエムの式は揮発性2成分溶液の2つの成分の蒸気圧間の関係を決める
　24.7 非理想溶液で重要な熱力学量は活量である
　24.8 活量は標準状態に対して相対的に計算しなければならない
　24.9 活量係数を用いて2成分溶液の混合ギブスエネルギーを計算できる
　問題

25. 溶液Ⅱ：固-液溶液
　25.1 固体が液体に溶けた溶液の場合に, 溶媒についてラウール則標準状態, 溶質についてヘンリー則標準状態が使われる
　25.2 不揮発性溶質の活量は溶媒の蒸気圧から求められる
　25.3 束一的性質は溶質粒子の数密度だけに依存する溶液の性質である
　25.4 浸透圧を使うと, 高分子の分子量が決定できる
　25.5 電解質溶液はかなり低濃度でも非理想的である
　25.6 きわめて希薄な溶液の場合, デバイ-ヒュッケル理論はlnγ±の厳密な式を与える
　25.7 平均剛体球近似によってデバイ-ヒュッケル理論がさらに高濃度領域に拡張される
　問題

26. 化学平衡
　26.1 反応進行度についてギブスエネルギーが極小である場合に化学平衡が実現する
　26.2 平衡定数は温度だけの関数である
　26.3 標準生成ギブスエネルギーを用いて平衡定数を計算できる
　26.4 反応混合物のギブスエネルギーを反応進行度に対してプロットすると平衡状態で最小になる
　26.5 平衡定数と反応商の比が反応の進行方向を決定する
　26.6 ΔrG゜ではなくΔrGの符合が反応の自発的な方向を決定する
　26.7 平衡定数の温度依存性はファント・ホッフの式で与えられる
　26.8 分配関数を用いて平衡定数を計算できる
　26.9 分子分配関数と, それに関係した熱力学データの膨大な表ができている
　26.10 実在気体の平衡定数は部分フガシティーで表される
　26.11 熱力学的平衡定数は活量を使って表す
　26.12 活量を使うとイオンが関与する溶解度の計算結果は大幅に変わる
　問題

27. 気体運動論
　27.1 気体中の分子の平均並進運動エネルギーはケルビン温度に正比例する
　27.2 分子速度の成分の分布はガウス分布で記述される
　27.3 分子の速さの分布はマクスウェル-ボルツマン分布で記述される
　27.4 気体分子と壁との衝突頻度は数密度と分子の平均の速さに比例する
　27.5 マクスウェル-ボルツマン分布は実験的に確かめられている
　27.6 平均自由行程は衝突と衝突の間に分子が移動する平均距離である
　27.7 気相化学反応の速度は相対運動エネルギーがある臨界値を超えた衝突の頻度に依存する
　問題

28. 反応速度論Ⅰ：反応速度式
　28.1 化学反応の時間依存性は反応速度式で表される
　28.2 反応速度式は実験で決めなければならない
　28.3 1次反応の反応物濃度は時間とともに指数関数的に減衰する
　28.4 反応次数の異なる反応速度式では反応物濃度の時間依存性が異なると予想される
　28.5 反応は可逆なこともある
　28.6 可逆反応の速度定数は緩和法を用いて決定できる
　28.7 速度定数は通常は温度に強く依存する
　28.8 遷移状態理論によって反応速度定数を求めることができる
　問題

29. 反応速度論Ⅱ：反応機構
　29.1 反応機構とは素反応という1段階化学反応の序列である
　29.2 詳細つり合いの原理：複合反応が平衡のとき反応機構の1つずつの段階の正反応と逆反応の速度は等しい
　29.3 遂次反応と1段階反応はどんな条件で区別できるか
　29.4 定常状態近似では, d[I]/dt=0(Iは反応中間体)を仮定して反応速度式を簡単にする
　29.5 複合反応の反応速度式が1つだけの反応機構を表すわけではない
　29.6 リンデマン機構は単分子反応がどのように起こるかを説明する機構である
　29.7 ある種の反応機構には連鎖反応が含まれる
　29.8 触媒は化学反応の反応機構と活性化エネルギーに影響する
　29.9 ミカエリス-メンテン機構は酵素触媒反応の反応機構である
　問題

30. 気相反応のダイナミクス
　30.1 2分子気相反応の速度は剛体球衝突理論とエネルギーに依存する反応断面積を用いて計算できる
　30.2 反応断面積は衝突パラメーターに依存する
　30.3 気相化学反応の速度定数は衝突分子の配向に依存する場合がある
　30.4 反応物の内部エネルギーが反応の断面積に影響を及ぼすこともありうる
　30.5 反応性の衝突は質量中心座標系で記述できる
　30.6 反応性衝突は交差分子線装置を使って研究できる
　30.7 F(g) + D2(g) ⇒ DF(g) + D(g)の反応によって振動励起されたDF(g)分子が作られる
　30.8 反応性衝突の生成物の速度分布と角度分布から化学反応の分子論的な全体像が得られる
　30.9 すべての気相化学反応が反跳反応であるとは限らない
　30.10 F(g) + D2(g) ⇒ DF(g) + D(g)の反応のポテンシャルエネルギー面は量子力学で計算できる
　問題

31. 固体と表面化学
　31.1 単位胞は結晶の基本構造単位である
　31.2 格子面の向きはミラー指数で表される
　31.3 格子面の間隔はX線回折測定から求められる
　31.4 全散乱強度は結晶中の電子密度の周期構造と関係する
　31.5 構造因子と電子密度はフーリエ変換で関係づけられる
　31.6 気体分子は固体表面に物理吸着や化学吸着できる
　31.7 等温線は一定温度での気体の圧力にたいする表面被覆率のプロットである
　31.8 ラングミュア等温吸着式を使って表面触媒気相反応の速度則を導くことができる
　31.9 表面の構造はバルク固体の構造と異なる
　31.10 NH3(g)製造用のH2(g)とN2(g)の反応は表面触媒作用を受ける
　問題

写真・図・表の著作権
問題解答
索引
　

上巻目次

1. 量子論の夜明け
　1.1　黒体輻射は古典物理学では説明できなかった
　1.2　プランクは黒体輻射の法則を導くのに量子仮説を使った
　1.3　アインシュタインは量子仮説を使って光電効果を説明した
　1.4　水素原子のスペクトルは数個の輝線系列から構成される
　1.5 リュードベリの式は水素原子スペクトルのすべての輝線を説明する
　1.6 ド・ブローイは物質が波動性をもつと仮定した
　1.7 ド・ブローイ波は実験的に観測できる
　1.8 水素原子のボーア理論を使ってリュードベリの式が導ける
　1.9 ハイゼンベルクの不確定性原理によると, 粒子の位置と運動量を同時に厳密に決めることは不可能である
　問題

数学章A　複素数
　問題

2. 古典的波動方程式
　2.1　振動する弦の運動は1次元の波動方程式で記述できる
　2.2　波動方程式は変数分離法で解ける
　2.3　ある種の微分方程式は振動する解をもつ
　2.4　波動方程式の一般解は基準モードの重ね合わせである
　2.5　振動する膜は2次元の波動方程式で記述できる
　問題

数学章B　確率と統計
　問題

3. シュレディンガー方程式と箱の中の粒子
　3.1　シュレディンガー方程式は粒子の波動関数を求めるための方程式である
　3.2　古典物理学における物理量は量子力学においては線形演算子で表現される
　3.3　シュレディンガー方程式は固有値問題として定式化できる
　3.4　波動関数は確率的に解釈される
　3.5　箱の中の粒子のエネルギーは量子化されている
　3.6　波動関数は規格化されなければならない
　3.7　箱の中の粒子の平均運動量は零である
　3.8　不確定性原理によるとσpσx>ｈバー /2
　3.9　3次元の箱の中の粒子の問題は1次元の場合の簡単な拡張である
　問題

数学章C　ベクトル
　問題

4. 量子力学の仮説と一般原理
　4.1 系の状態はその系の波動関数によって完全に規定される
　4.2 量子力学演算子は古典力学の変数を表す
　4.3 観測量は量子力学演算子の固有値でなければならない
　4.4 波動関数の時間依存性は, 時間に依存するシュレディンガー方程式で支配される
　4.5 量子力学演算子の固有関数は直交する
　4.6 可換な演算子に対応した物理量は任意の精度で同時に測定できる
　問題

数学章D　極座標
　問題

5. 調和振動子と剛体回転子：二つの分光学モデル
　5.1 調和振動子はフックの法則に従う
　5.2 2原子分子の調和振動子モデルの方程式には分子の換算質量が含まれる
　5.3 核間ポテンシャルの極小近傍を拡大すると調和振動子の近似が得られる
　5.4 量子力学的調和振動子のエネルギー準位はEν=hバーω(ν+1/2)である
　5.5 2原子分子の赤外線スペクトルは調和振動子で説明できる
　5.6 調和振動子の波動関数にはエルミート多項式が含まれる
　5.7 エルミート多項式は偶関数あるいは奇関数のどちらかである
　5.8 剛体回転子のエネルギー準位はE=hバー^2J(J+1)/2Jである
　5.9 剛体回転子は回転する2原子分子の1つのモデルである
　問題

6. 水素原子
　6.1 水素原子のシュレディンガー方程式は厳密に解ける
　6.2 剛体回転子の波動関数を球面調和関数という
　6.3 角運動量の3成分の値を同時に精確には測定できない
　6.4 水素原子オービタルは3つの量子数に依存する
　6.5 sオービタルは球対称である
　6.6 主量子数n≧2の各値に対して3種類のpオービタルが存在する
　6.7 ヘリウム原子のシュレディンガー方程式は厳密に解けない
　問題

数学章E　行列
　問題

7. 近似的方法
　7.1 変分法は系の基底状態エネルギーの上限を与える
　7.2 変分パラメーターについて1次の試行関数を使うと永年行列式が得られる
　7.3 試行関数は変分パラメーターを含む関数の1次結合でもよい
　7.4 摂動論は問題の解を別の問題の既知の解で表現する
　問題

8. 多電子原子
　8.1 原子や分子の計算には原子単位を用いる
　8.2 摂動論と変分法のいずれもがヘリウム原子について非常に良い結果を与える
　8.3 ハートリー-フォック方程式はつじつまの合う場の方法で解く
　8.4 電子は固有のスピン角運動量をもつ
　8.5 波動関数は任意の2つの電子の交換に対して反対称でなければならない
　8.6 反対称波動関数はスレーター行列式で表現できる
　8.7 ハートリー-フォック計算の結果は実験データとよく一致する
　8.8 項の記号は電子配置の詳細を表す
　8.9 Jに許される値はL+S, L+S-1, ・・・, |L-S|である
　8.10 基底電子状態の項の記号決定にはフントの規則を使う
　8.11 原子の項の記号は原子スペクトルの記述に用いられる
　問題

9. 化学結合：2原子分子
　9.1 ボルン-オッペンハイマー近似によって分子のシュレディンガー方程式は簡単になる
　9.2 H2+は分子軌道法の原点である
　9.3 重なり積分は異なる原子上の原子オービタルの間の重なりの定量的尺度である
　9.4 化学結合の安定性は量子力学的な効果である
　9.5 H2+についての最も簡単な分子軌道法によって結合性オービタルと反結合性オービタルが得られる
　9.6 分子軌道法によるH2の単純な取り扱いでは両方の電子が結合性オービタルに入る
　9.7 分子オービタルはエネルギーの順に並べることができる
　9.8 安定なヘリウムの2原子分子が存在しないことを分子軌道法は予言する
　9.9 電子をパウリの排他原理に従って分子オービタルに入れる
　9.10 分子軌道法は酸素分子が常磁性であることを正しく予想する
　9.11 光電子スペクトルは分子オービタルの存在を裏付ける
　9.12 分子軌道法は異核2原子分子にも適用できる
　9.13 SCF-LCAO-MO波動関数はつじつまが合うように係数が決定された原子オービタルの1次結合である
　9.14 分子の電子状態は分子の項の記号で表す
　9.15 分子の項の記号は分子波動関数の対称性を表す
　9.16 ほとんどの分子は励起電子状態をもつ
　問題

10. 多原子分子における結合
　10.1 混成オービタルによって分子の形が説明できる
　10.2 水の結合性電子対と孤立電子対には異なる混成オービタルが使われる
　10.3 なぜBeH2は直線形でH2Oは折れ曲がっているか
　10.4 光電子分光法は分子オービタルの研究にも使われる
　10.5 共役炭化水素と芳香族炭化水素はπ電子近似で取り扱える
　10.6 ブタジエンは非局在化エネルギーで安定化している
　問題　

11. 計算量子化学
　11.1 ガウス型基底セットは現代の計算化学で良く使われる
　11.2 拡張基底セットは分子の電荷分布の大きさと形を正しく説明する
　11.3 基底セットの記号アスタリスク(*)はオービタル分極の項を示す
　11.4 H2の基底状態のエネルギーはほとんど厳密に計算できる
　11.5 GAUSSIAN 94による計算は分子について正確な情報を与える
　問題

数学章F　行列
　問題

12. 群論：対称性の利用
　12.1 分子の対称性を活用すると数値計算が非常に簡単になる
　12.2 分子の対称は一組の対称要素で記述できる
　12.3 分子の対称操作は1つの群をつくる
　12.4 対称操作は行列で表現できる
　12.5 C3ν点群は2次元の既約表現をもつ
　12.6 点群の性質の最も重要なまとめは指標表である
　12.7 既約表現の指標はいろいろな数学的関係式に現れる
　12.8 対称性の考察から, 永年行列式のどの要素が零になるかを予測する
　12.9 生成演算子を使って既約表現の基底となる原子オービタルの1次結合を見出す
　問題

13. 分子分光学
　13.1 電磁スペクトルの異なる領域を使って, いろいろな分子過程を研究する
　13.2 回転遷移は振動遷移に附随して起こる
　13.3 振動回転スペクトルのP枝とR枝の線間隔は振動と回転の相互作用で説明できる
　13.4 純回転スペクトルの線は等間隔ではない
　13.5 振動スペクトルには倍音も観測される
　13.6 電子スペクトルには電子, 振動, 回転の情報が含まれている
　13.7 フランク-コンドンの原理によって振電遷移の相対強度が予測できる
　13.8 多原子分子の回転スペクトルは分子の主慣性モーメントに依存する
　13.9 多原子分子の振動は基準座標で表される
　13.10 基準座標は分子の点群の既約表現に属する
　13.11 選択律は時間に依存する摂動論で導かれる
　13.12 剛体回転子の近似での選択律はΔJ=±1である
　13.13 調和振動子の選択律はΔν=±1である
　13.14 基準モードの振動が赤外活性かどうかは群論を使えば決められる
　問題

14. 核磁気共鳴分光法
　14.1 原子核には固有のスピン角運動量がある
　14.2 磁気モーメントは磁場と相互作用する
　14.3 プロトンNMR分光計は60MHzないし750MHzの周波数で運転する
　14.4 分子内の核に作用する磁場は遮蔽されている
　14.5 化学シフトは核の置かれた化学的な環境に依存する
　14.6 スピン-スピン結合によってNMRスペクトルに多重線が生じうる
　14.7 化学的には等価なプロトンの間のスピン-スピン結合は観測されない
　14.8 n+1規則は1次スペクトルだけに当てはまる
　14.9 2次スペクトルは変分法で厳密に計算できる
　問題

15. レーザー, レーザー分光, 光化学
　15.1 電子的に励起した分子は種々の道筋を通って緩和できる
　15.2 原子の電子状態間の遷移の動力学は速度式でモデル化できる
　15.3 2準位系では占有数の逆転は起こらない
　15.4 占有数の逆転は3準位系で達成できる
　15.5 レーザーの内部での変化
　15.6 ヘリウム-ネオンレーザーは放電でポンプする連続波の気体レーザーである
　15.7 高分解能レーザー分光法によって普通の分光計では区別できない吸収線を分解できる
　15.8 パルスレーザーを使って光化学過程の動力学を測定できる
　問題

写真・図・表の著作権
索引

失敗の研究