img街の魔法少女の素質ある「」を集めてるポン

登場キャラクター:ガーディアン・コマ ”結晶宮殿”リスタール パープル・S



「どうだ、コマ。奴の魔法が何かわかったか?」

もはや観戦者となったコマにリスタールが問いかける。

「えっと…始めは剣を操る魔法だと思いましたが…」

今日初めて会った際の鳥居から飛び降りた時や、リスタールの結晶から離脱する時、
パープル・Sは物理法則を無視した動きをしていた。

「魔法は自分自身にも使えるようです。ということは、何か見えない力を操っている…?」

「いいぞ。大体そんなところだ。いわゆる念動力、サイコキネシスってやつだな」

「なるほど……!?リスタール、危ない!!」

パープル・Sが魔法で射出した剣が、リスタールの顔面数センチ手前で静止していた。
コマはとっさに声を上げたが、リスタールは全く動じていない様子だった。

「…私の魔法を超能力扱いするんじゃない、バラバラに引き裂くぞ。大体なんださっきのふざけた二つ名は」

「"見えざる手"のことか?魔王パムがもしお前が魔王塾に入ったらということで付けたんだが、そんなに嫌か?」

「魔王塾生でもないのに人の二つ名を勝手に…待て、魔王パムと言ったか?」

「ああ。同じ外交部門だし、お前の話はたまに出てくるんだ」

「そうか、魔王が…。ま、まあ、悪くないかな」

そう言ったパープル・Sは今まで見せたことのない表情をしていた。
口元はマフラーで覆われているのでわかりにくいが、照れているような、そんな表情だった。

リスタールの方も、やはり意外な反応だったのか複雑な表情をしている。

「お前…魔王塾が嫌いなのでは…」

「勘違いするなよ。私は魔王パムのことは尊敬している」

再びいつもの仏頂面に戻ったパープル・Sは、浮遊する剣を両手に持ち、

「ただ、魔王の周りにいるのがチンピラ紛いの連中ばかりなのが嘆かわしいだけだ!」

低空を滑るように飛行し、リスタールに向かい疾走する。

「一部否定できない面もあるが…魔王塾の同胞を悪く言うのはいただけないな!」

リスタールは足元から伸びた結晶を折り取り、構えを取る。
それは魔法によって生成された結晶の剣。
パープル・Sと同じ2刀流でこれを迎え撃つ。



再度ぶつかり合う2人の攻防は激しさを増し、コマは4本の剣を目で追うのが精一杯だった。
更に2人の剣戟はそれぞれの魔法を織り交ぜたものへと派生していく。

リスタールはパープル・Sの回転斬りを結晶の剣で受け止め、足元から伸びる結晶の槍で狙う。

パープル・Sは浮遊する剣を操りこれを迎撃、後方へ飛びのき距離を取る。

だがこれはフェイントだった。魔法により強引に移動方向を変え空中から急襲を掛ける。

リスタールは結晶の壁を作り出しこれを防御。
違う、これは防御ではなく目くらましだ。パープル・Sが砕いた壁の向こうにリスタールはいない。

結晶の壁で姿を隠し移動したリスタールはパープル・Sの側面から斬りかかる。

しかしパープル・Sの操る剣がそれを許さない。


コマがこの中に入れば、一瞬で細切れになっていることだろう。
いや、自分の魔法があればそれはないか。
とにかく何もできずに終わることは明白だった。
それはとても悔しく感じ、コマはぎゅっと拳を握った。



「チッ、埒が明かんな…何が可笑しい」

「フフッ。いや、ここまで楽しめる相手はそうそういないと思ってな」

「…私は全く楽しくないがな」

「つれないな、だったら…」

リスタールは両手の剣合わせるように目の前に掲げる。
結晶の剣が更に結晶を纏い、その形を変じさせていく。

創り出されたのは巨大な結晶の突撃槍。リスタールは突き刺すようにパープル・Sへと先端を向ける。

「こいつはどうだ?」

パープル・Sはやれやれといったようにため息をつくと、真紅の瞳でリスタールを睨みつける。
構えは二刀流から両手で1本の剣を握る形にかわっており、空中に浮かぶ残りの3本はピタリとリスタールに照準を合わせている。

「いいだろう、付き合ってやる…!」



先に動いたのはリスタール。突撃槍を構え、パープル・Sに向けて突進する。

パープル・Sは3本の剣を連続で射出。更に自らも回転しながら跳躍する。

射出された剣が突撃槍に直撃し、轟音を立てる。
しかし結晶の突撃槍はそれらを全て弾き飛ばした。リスタールの勢いは止まらない。

パープル・Sは空中からリスタールの突撃槍を狙う。
弾かれはしたが、先程の攻撃のダメージは入っているはずだ。
回転による遠心力とパープル・Sの魔法により力を上乗せした一撃で、結晶の突撃槍を叩き壊すつもりだろう。


「吹き飛べ!」


「砕けろ…!」


2人の魔法少女の破壊の一撃が衝突し───




「がっ…!?」


「な…!?」



2人の一撃が衝突することはなかった。


「すみません。卑怯だとは思いますが…」

飛んできた巨大な岩──いや、巨大な石の拳が2人をまとめて吹き飛ばしていた。

「このまま終わるのは悔しかったので」



【石ころと結晶】 4?

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