コラム
先日、事務所に次々販売の被害にあった高齢の女性(「老婆」以下同じ)からの依頼を受けました。次々販売によって購入した商品の売買契約の取消し若しくは無効主張のため、販売店に対してその旨の内容証明郵便を送付しました。すると、その数日後、突然その老婆から依頼を解消したい旨電話で申出があったので、その理由を聞くため事務所に来てもらいました。
事務所にきた老婆に理由を聞くと、
老 婆:「協力してくれる人がいるから、少しずつでも自分でローンを返済していきたい」
司法書士:「お身内の方で、用立ててくれる人がいるのですか、具体的に誰ですか?」
老 婆:「身内ではないが、協力者の名前は言えない」
司法書士:「なんで名前を言えないのですか?」
老 婆:「・・・」
どうやら、内容証明を受け取った販売店から老婆に電話があり、借金を整理する方法を教えてあげるから、司法書士への依頼を取りやめるよう言われたようです。販売店は、今までの売買契約を無効とされると代金の返還など不利益が生じるため、何とかして老婆に依頼を取りやめさせようとしたのです。
従前から、この販売店はいわゆる恋愛商法(例えば、若い店員が異性の客に恋人の様に接して、商品を買わせる)を使ってこの老婆に商品を次々にローンで買わせていたのですが、今回も依頼を断らせる手段としてこの方法を用いてきたと思われます。
老婆に、販売店のたくらみを説明したのですが、それでもこの老婆は依頼を取りやめたいと言って聞かず、結局、依頼を解消してしまいました。老婆は、販売店の店員に完全にのぼせあがってしまったのでしょうか?まさに恋は盲目です(笑)。
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