2011年12月02日(金)
ニュース記事
昨秋に経営破綻した消費者金融の武富士は、12月1日に予定していた会社分割を12月31日まで延期。具体的な実施日は今後決める。
延期は同社のスポンサーに決まった韓国の消費者金融大手のA&Pファイナンシャルが、韓国での貸し付けを巡り当局から行政処分を受ける可能性があるため。
会社分割が遅れることで、12月中旬から始めるはずだった債権者への借金返済は遅れるとみられる。武富士の債権者は、過去に払い過ぎた利息(過払い利息)の返還を請求した顧客などで約91万人に上る。現計画では、武富士が返済できる割合を示す弁済率は3・3%だが、破産すれば1・9%に下がると試算されている。
また、武富士に在籍していた1600人(11年3月末時点)の社員のうち、8割にあたる1300人程度が11月30日付で退職することがわかった。武富士の事業を引き継ぐ韓国の同業大手A&Pファイナンシャルは、人員削減の規模を1000人程度にする予定だったが、退職希望者が続出し、想定を上回ったという。会社の先行きに不透明感が強いことなどが背景とみられる。
武富士の社員数は、3月末時点で約1600人。A&Pは、有人店舗を約20店に削減、無人店も4分の1の約100店を閉鎖するなど、事業規模を大幅に縮小し、人員を大幅に減らす方針だった。退職者の大半は、年末までに社を離れる見通しだ。
解説
武富士は、12月1日付で会社を新旧2社に分割し、スポンサーである韓国の消費者金融大手A&Pファイナンシャルが新会社を買収して武富士ブランドを引き継ぎ、融資事業を再開、旧会社が債権者への支払業務にあたる予定でした。
しかしながら、ここにきてA&Pファイナンシャル傘下で再生を図る更生計画が白紙になる可能性が出てきました。A&Pファイナンシャルが法定金利よりも高い利子で貸し付けていた問題で行政処分を受ける可能性が出てきたことが影響したようです。
A&Pファイナンシャルは、買収資金の約282億円を払い込まず、12月1日に予定されていた事業承継が12月末頃まで延期となりましたが、12月末までに買収代金が払い込まれる保証はなく、更生計画を作り直して新たな支援企業を探す可能性も考えられます。
更生スケジュールが変更されると過払い金返還への影響も懸念され、今後も武富士の動向に注目が必要です。
ニュース記事
昨秋に経営破綻した消費者金融の武富士は、12月1日に予定していた会社分割を12月31日まで延期。具体的な実施日は今後決める。
延期は同社のスポンサーに決まった韓国の消費者金融大手のA&Pファイナンシャルが、韓国での貸し付けを巡り当局から行政処分を受ける可能性があるため。
会社分割が遅れることで、12月中旬から始めるはずだった債権者への借金返済は遅れるとみられる。武富士の債権者は、過去に払い過ぎた利息(過払い利息)の返還を請求した顧客などで約91万人に上る。現計画では、武富士が返済できる割合を示す弁済率は3・3%だが、破産すれば1・9%に下がると試算されている。
また、武富士に在籍していた1600人(11年3月末時点)の社員のうち、8割にあたる1300人程度が11月30日付で退職することがわかった。武富士の事業を引き継ぐ韓国の同業大手A&Pファイナンシャルは、人員削減の規模を1000人程度にする予定だったが、退職希望者が続出し、想定を上回ったという。会社の先行きに不透明感が強いことなどが背景とみられる。
武富士の社員数は、3月末時点で約1600人。A&Pは、有人店舗を約20店に削減、無人店も4分の1の約100店を閉鎖するなど、事業規模を大幅に縮小し、人員を大幅に減らす方針だった。退職者の大半は、年末までに社を離れる見通しだ。
解説
武富士は、12月1日付で会社を新旧2社に分割し、スポンサーである韓国の消費者金融大手A&Pファイナンシャルが新会社を買収して武富士ブランドを引き継ぎ、融資事業を再開、旧会社が債権者への支払業務にあたる予定でした。
しかしながら、ここにきてA&Pファイナンシャル傘下で再生を図る更生計画が白紙になる可能性が出てきました。A&Pファイナンシャルが法定金利よりも高い利子で貸し付けていた問題で行政処分を受ける可能性が出てきたことが影響したようです。
A&Pファイナンシャルは、買収資金の約282億円を払い込まず、12月1日に予定されていた事業承継が12月末頃まで延期となりましたが、12月末までに買収代金が払い込まれる保証はなく、更生計画を作り直して新たな支援企業を探す可能性も考えられます。
更生スケジュールが変更されると過払い金返還への影響も懸念され、今後も武富士の動向に注目が必要です。
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