花開院義兄妹〜ちょっとビッチなゆらさんで総受け〜4

415 :花開院義兄妹+1【花開院竜二】 :sage :2012/01/20(金) 18:40:17.91 ID:uPw8FPj9

【と或る夜・花開院竜二】


花開院本家。竜二の部屋。


――ピチャッ…クチュル。

羞恥を煽るような水音をたてて、二人の舌がほどけた。
舌から喉を通り過ぎる唾液とは僅かに異なる冷たさに、
ゆらは自分が『何を』飲まされたのか理解した。


「――おまえ…孕んだんだってな?」

冷静さを装った低い声音が訊いた。
無意識にお腹を庇いながら、ゆらが弁解する。

「…し、仕方ないやんか! できてしまったもんは…!」

試しに使ってみた市販の妊娠検査薬にも反応が見て取れた。

「それに。元々そういう…ンン…儀式なんやから…!」

――花開院本家の血をひく男子は、成人前に半数が死ぬ。
そして本家に生まれた男子は、例外なく短命だ。
これは残された花開院の女が、そういう短命な血と才能を繋ぐ大切な儀式なのだ。

「で……誰の子だ?」

ゆらの耳をはむ口を離し、黒尽くめで、額に深い縦皺を刻み不機嫌な顔で竜二が、ゆらを睨みつけた。
片方の手は、ゆらの秘所に指を突っ込み掻き回して、愛液で光って濡れている。

「くふ、ン……たぶん、雅次兄ちゃんか、魔魅流くんの…」

赤ちゃん…という声は、艶やかな喘ぎ声に掻き消された。
秋房だけはゴムをしていた。彼の可能性だけは、残念ながら低い。

「――ゆら。堕ろしてやろうか? オレの、言言で」

偽りの明るい声で、竜二はゆらの顔を覗き込む。
指令を受けたのかと、ゆらの体内に仕込まれた言言が一瞬ざわめいた。
ゆらはビクッと体を縮こまらせ、おそるおそる竜二を見上げる。
口調は冗談めかしてはいるが、目は笑ってはいなかった。
竜二の式神・言言は体内の体液を操る。
胎児を胎内で守る羊水にも影響を及ぼしえる。
言言なら出来るのだ。それ、が。


416 :花開院義兄妹+1【花開院竜二】 :sage :2012/01/20(金) 18:41:01.07 ID:uPw8FPj9
「前にも言ったが、オレはお前が誰の女になろうと構わん――だが」

意識的に、邪悪な笑みを張りつける。
以前にも言ったその言葉に、嘘はなかった。
だが、こうして実際に妹(ゆら)が他の男共に足を開いて、
モノを咥えこみ、孕んだかと思うと予想外に腹がたつ。
抑えきれない苛だちが、竜二を一層不機嫌にしていた。

「――お前が望むなら、堕ろしてやるぞ?」

なにより、これから子供が産まれるまで、ろくにゆらを弄る事が出来ない事が腹立たしい。

竜二の腕の中で、ゆらは赤子の入った秘所を、竜二の二本に指に挿し弄られる。
グチュッ。じゅぼっ。じゅぼっと、はしたなく粘着質な水音をたてるそれは、ゆらの羞恥を煽り悦ばせる。
ゆらがもっと強く感じようと腰をくねらせると、その耳元で囁かれた。

「選べよ? ゆら。――誰の子種を孕んで。誰の子を産みたいのか?」

選択を迫る、嘲笑と僅かな怒りを含む低い声。
ゆらを嬲ってない方の、黒い手甲に包まれた二本指が立ち、印の形を取った。
竜二は、本気なのだろう。

「――竜二兄ちゃん…うちは…うちは……」

その手印に思わず後退りながらも、ゆらは自分の内側にある感情を見つめた。

秋房、雅次、魔魅流と寝たのは儀式という決まり事や、同情からだけではない。
家族愛に近い感情からとはいえ、憎からず想いもしていたからだ。
儀式の相手がもし他の豪羅や教頭だったら、もっと抵抗していたのではないだろうか?
そして彼らと体を重ね合わせた今、彼らは、ただの親族ではなくなっている。
手段は違えど彼らなりに、ゆらを愛してくれた。
憧れだった秋房の愛し方は、優しい外見に反して凶暴ではあったが、
他の男を知った今では、反対にあの凶暴なモノに惹かれる。
もし、秋房の順が最初ではなく最後であったなら、秋房の言ったとおり、
ゆらはアレに悦んで、よがり狂っていたかも知れない。

雅次は、三人の中で一番長く、深く交わりあった男だ。
キスの数も、繋がった時間の長さも、肌を重ねた時間も他の二人に比べて濃密だった。
そして三人の中ではじめて、ゆらの体内に直接、精液を注ぎ込んだ男でもある。
その脳が痺れる花のような匂いを、今も忘れてはいない。

417 :花開院義兄妹+1【花開院竜二】 :sage :2012/01/20(金) 18:47:07.48 ID:uPw8FPj9
魔魅流は、そんな二人と違い最初から、ゆらの心を求めてきた。
心身ともにゆらに寄り添いたいと、全身で訴えかけてきた。
それゆえ、ゆらの欲求不満を見抜き、その身に宿し隠した魔の力で、
ゆらを狂わせる程によがらせ、自ら望んでゆらのナカに精液を注いだ。

望んで、情を交わした者同士が持つ慕情。
ゆらも又、それぞれの男を、男として慕っている。

(……ウチは、誰が一番好きなんやろか?)

すでに実兄の竜二。そして三人の義兄。四人の男と枕を交わしている。

――そして今もまた、スカートの中。露出した下半身を竜二に晒して玩具にされている。
その指先が膣のナカの弱い部分を擦り、外ではゆらの貝の中の肉真珠に触れて、押しつぶし、扱かれる。
体内で快感が躍り、走る――。

「あッ!あッ!?あッ!? クるッ…クるッ…!あッ!あッ!あッ!あああッ!!!!!」

どぷっ、と音がして、ゆらの下の口が大量の潮を吹いた。

喘ぎも悶える声も、媚態も痴態も、竜二に教え込まれ、或いは植えつけられたものだ。
竜二のモノを口に突っこまれることも、精液を口に出されることも、それを飲むことにも慣れてしまった。
そして、もし狐の呪いが健在ならば、最も死ぬ確率が高いのも実兄の竜二だ。
実妹を玩具とするゆらへの歪んだ情愛は――その底知れぬ心の闇からも、きているに違いなかった。

「はぁッ…はぁッ…はぁッ…」

絶頂に後頭部を竜二の肩に預け、虚空に息を吐き出しながら、痺れる頭で考える。

(ウチは、誰が一番好きなんやろか?)
誰が一番好きで、一番一緒にいたいんやろか?
――誰と一番、えっちなコトいっぱいしたいと思ってるんやろか?

目を瞑る。視界は闇。
その中で――答えは、すぐにでた。
それが本当に正しい答えとは限らない。
けれど。

「…竜二兄ちゃん。うちが好きなんは――『みんな』…や…」

ゆらは、兄の剣呑な視線を感じつつも、言葉を繋いでゆく。
ずっと憧れの人だった秋房。
年下の情人のように愛してくれた雅次。
狂おしい程、求めてくれる魔魅流。
みんな大切な仲間だった。
そして、初めての男である竜二の名前も――。

「うちは――竜二兄ちゃんが好きや…」

そうでなければ、こんなふうに玩具のように辱められて、なお、許していない。
本来なら、もっともっと背徳感に後悔し、怒り狂っていていいはずだ。

418 :花開院義兄妹+1【花開院竜二】 :sage :2012/01/20(金) 18:47:29.73 ID:uPw8FPj9
ゆらは――実兄との人目を忍ぶ交わりを拒否できずにいた。
もうずっと言言で与えられる感覚も、苦痛よりも、快楽の方が上回っている。

「許されるなら――うちは竜二兄ちゃんの子どもも、産みたい……本気で、そう思ってるん…」

本来、狐の呪い本家の男子を標的とする。
数多の分家の男子の早世は、その呪いの、単なる余波に過ぎない。
狐の呪いがまだ効果を発揮しているのなら、
本家、唯一の男子である竜二の命が一番危ない。

「……だから、赤ちゃんは産みたい。産ませてほしいんや――」

「それは――本気で言ってるのか…? ゆら」

そう返す竜二の声は、思いの外冷たかった。

「り、竜二兄ちゃん…?」
「嘆かわしい。これがオレの妹か?」

竜二の体が、すいっとゆらから離れる。
ゆらの視界からは見えないその気配が、凶悪なまでの怒気を放つ。
同時に性的興奮にのぼせていた頭が、冷や水を浴びせられたように冷えた。

「ゆら。貴様、陰陽師をやめて――公衆便所にでもなるつもりか? ん?」
「な、なにゆうてるん? 竜二兄ちゃん…!?」
「オレの妹は、薄汚い公衆便所に成り下がったのかと、言っている――」

「なにゆうてるん! こ、公衆便所ってなんや!」
「不特定多数の男の生理現象の掃き出し場所。誰のどんな薄汚いモノでもウェルカムってコトだ。
ゆら、いくら綺麗事を並べたって、所詮、おまえは花開院家専用の、体のいい公衆便所に過ぎないんだよ」

呆れたように言い放つ。

「ち、ちがう! そんなんやない!……そんな汚らしいもんやない。『みんな』――特別なんや!」

「ゆらァ――? おまえいい加減にしろよ?」

バカな妹とは思っていたが、ここまでとは思わなかった。
股を開いた男どもに次々と籠絡され、ほだされやがって…。

「もういい。わかった。そんな薄汚いガキ、堕ろしてやる。今すぐにな――!」

――ゆら(妹)を汚していいのは、オレ(兄)だけなんだよ…!

竜二の手が印を組む。

「!? いやや! やめて!いや――! 竜二兄ちゃんッ…!!」

「―――走れ。言言」

竜二の言霊が指令を発す。

「いやあぁッ――…!!!?」

――…ゴボッ。
ゆらの全身から体液が吹き出す。
「――ガハ…ッ!!?」

419 :花開院義兄妹+1【花開院竜二】 :sage :2012/01/20(金) 18:51:41.05 ID:uPw8FPj9
体内の体液が暴れ、苦痛を感じると同時に、ゆらの体内で宿ったばかりの小さな命が吹き消された。
もし生まれてきたならば、ゆらと魔魅流の子になるはずだったソレは、
確たる形を得る前に、命が生まれる前の深淵へと還っていった。

「ひッ……うッ…うッ…うッ…」

全身の苦痛と、心が悲鳴をあげるような悲しさに
ゆらは床にへたり込んだまま、ピクピクと震えて泣いていた。
そのゆらの頭に、手がのせられる。

「なあ? ゆら。おまえ、言ったよな? オレの子を孕みたいって」

竜二のその声は、静かに、面白そうに、笑みを含んでいた。
ゆらが肩を震わせ、ビクリと反応する。

「望みどおり――孕ませてやるよ。オレの子を」
「り、竜二兄ちゃ……?」
「――孕めよ? ゆら。おまえがオレの子を産んだなら、
お兄ちゃんも、おまえのその我儘を、許してやる事を考えんでもない…」
「――え…?」

ゆらの涙に濡れた顔を強引に向かせて、噛みつくように唇を重ねた。

「――だが覚えておけよ? ゆら。オレが生きている限り、おまえはオレの玩具だ――」

「んンッ…竜二…兄ちゃ…ん…」





しばらくの後。
ゆらは、花開院系列の病院の病室にいた。
白いベッドの上で、そっと新たな命を孕んだ大きな腹部を押さえる。

(この子を守り通したい――ううん。守ったる。絶対や…)

ゆらを愛してくれた、いつ失うかわからない愛しく大切な人達――その命の欠片。
その鼓動を感じて、ゆらは慈母のように微笑んだ――。



【終】
2012年03月26日(月) 20:53:53 Modified by ID:P3EJOw3Z0Q




スマートフォン版で見る