231 盃 sage 2009/01/04(日) 01:18:33 ID:ujERDE0e

朱塗りの盃を捧げもったまま、つららは動きを停止させていた。
盃の中に満々と湛えられているのは、白濁した生臭い液体。
「どうしたの?つらら。まさか、妖怪の僕の盃を受けられても、人間の僕の盃は受けられないなんて言わないよね?」
どこか怒りのこもった声にハッとして盃をもちなおす。
若は余程あのときのことが腹にすえかねているらしい。
立場上つららが抵抗できないのをいいことにちょっとエッチな無理難題を命じてくることは
これまでもあったが、今回のは度を超していた。

嫉妬してくれているのだ……なんか、不毛だけど。
そう思って、ままよと盃をあおいだ。

ねっとりとした流れが咥内を侵食し、いっぱいに臭気が広がる。
雪女は涙目になりながら、何とか嚥下した。
しかし、盃の中にはまだ液体が残っている。それをみて彼女は仕返しを思いついた。

「次はリクオ様の番ですよ」
そういって盃を突き返す。
「え゛?」
盃とつららの顔を交互に見返してくる。そして、その視線は彼女の口元に固定された。

「……わかったよ。ただし、飲むのはこっちから」
「きゃっ!」
つららが押し倒されたときに盃の中身がうなじから胸元までに降りかかる。
それにも構わずリクオは口付け、彼女を啜った。
啜るだけにみせかけて唾液を浸透させ、端々にまで盃の中身を塗り込めた。
雪女はあまりの攻勢に頭が朦朧としてくる。




(ああ、私がリクオ様の盃なんだ……)
そんな了解に達してしまう。
やっと唇が離されるのが、なごり惜しくてつららは思わず
「若、“新しい盃”でもう一献いかがですか?」と、口にしてしまった。
恥ずかしさにもめげずに胸元をわずかに裏返す。
リクオはごくりと喉を鳴らした。
「……それじゃ、お言葉に甘えて」
「どうぞ……」
少年のたどたどしい手が襲い掛かり、あやかしの着物を乱していく。
その舌は垂らされた白濁液の痕跡をたどって這った。
「はぁっ」
ついで熱いはずが冷たく艶っぽい吐息をもらす雪女の股を荒々しく割ると、
露わになった割れ目に興奮と緊張に震える手で取り出した肉棒を押しつける。
「ぁんっ!――入れるんですか?」
前戯の足らない行為を咎めるような声にリクオはかぶりを振った。左手で頬をかく。
「いや……初めてはもっとロマンチックにしたいかな」
「……女の子ですか、若は」
思わず漏れたツッコミをあえて無視して、彼は言葉を続ける。
「だから、入れる代わりに押しつけたまま……つららの盃に注いであげる」
今からなすことを告げられた“盃”の背にぞくぞくっと震えが走る。
「でも、そんなことしたら、赤ちゃんが……」
彼女がなかば悲鳴をあげているのは妊娠そのものではなく処女のままというほう。
だが、若はこともなげに
「かもね。それを想像すると、とても興奮するよ」
「ううっ、若の変態!!」
「それなら、変態の精液をすすって、変態にされるがままになっているつららは……?」
返答に窮して耳まで赤くなる美貌を最大のオカズに、リクオは激しくしごき達した。




内部に踊り込んでくる熱い液体の感触に自然と悲鳴が漏れる。
「あ!あぁぅ……若のがたくさん中に」
少し涙をにじませる雪女を、賢者モードに入った若は優しく抱きよせた。
「とても気持ち良かったよ」
上と下から少年の体液を流しこまれてしまった少女だが、その言葉だけで胸のつかえが雲散霧消してしまう。
要は根が単純なのだ。彼女の望みはリクオの幸せただ一つ。
「その、リクオ様がお望みでしたら、また……いいですよ」
赤くなりながらうつむき加減でやっと言う彼女に、彼は一瞬目をみはって、微笑んだ。
「そうだね。次はワインでも飲み交わしてみようか」
つららはちょっと考えて、尋ねてみた。即答を受ける。
「ロマンチックに?」
「ロマンチックに」



2009年01月10日(土) 21:08:37 Modified by ID:1qcLIZH20g




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