夜雪

53 ダミア ◆damia.VhLk sage 2008/07/13(日) 15:13:29 ID:l2/M7k1j
夜雪 1/3

 夏の夜にしては、涼しいような気がした。ぼんやりとした意識の中で、つららは重い瞼を開ける。なんだか頭の位置が普段よりも高いような気がして、眠気が支配している頭をゆっくりと動かし、上を見上げてみた。

「随分ぐっすりだったじゃねえか、つらら」

 状況を理解するのにたっぷり10秒はかかったと思う。ようやく自分がリクオに膝枕されている事に気が付いて、さらに頭がぼんやりとした。

「これは夢ですか、若」
「そう思いたきゃ思っときな」

 ゆっくりと頭を降ろされ、再びつららに眠気が襲ってくる。霞む意識に逆らわず、そのまま瞳を閉じた。

「もう寝ちまうのかい、つまらねえ」

 間近で聞こえる声が、つららを完全には寝かせてくれない。頭を撫でられて、心地よい感覚の中にいるのに、そのまま墜ちる事が出来ないでいる。そのもどかしさが、つららの瞼を再び持ち上げた。

「んー、若…?」
「つらら、」


喰っちまってもいいか?


 ぼんやりとしていた意識は、その言葉をよく理解させてはくれなかった。え、と言いかけたつららの上に、リクオがゆっくりと圧し掛かってきた。

「若…?」

 呼びかけに答える代わりに、胸元が肌蹴られた。冷たい空気に晒されて、つららの肩が小さく縮こまる。その冷たさと相反するような生ぬるさが、胸の先端をねっとりと舐め上げた。

「っ、んん…」

 ぴくりと震えるつららを見上げて、リクオがにやりと笑う。くすぐったさに身を捩ろうとするが、圧し掛かられているために身動きが取れない。引き続いてぴちゃぴちゃと舐められる感覚が、つららの意識を徐々に覚醒させていった。

「や、若ぁ…っ、」
「随分感じてんな」

 片手で帯を解かれ、大きく胸元が肌蹴られた。抵抗しようとしたが、もう片方の手で胸を強く揉まれて、情けない声を上げてしまう。

「んあぁ、あっ! わ、若っ…」

 舐められていた胸を強く吸われて、体が反り返る。硬くなった先端を指で潰されて、小さな悲鳴が上がった。胸だけをいじられているのに、体全体が熱くなっていくような気がして、息が上がっていく。いくら静止の声を発しても、リクオの行為は止まる気配がない。

「や…ん、んぅ…、!」



夜雪 2/3

 背中を這っていた手が、つららの秘部へと伸ばされた。誰にも触られたことの無いその場所を、リクオの手が直に撫で、薄い守りを掻き分けてくる。割れ目に沿って指で撫で上げられる度に、つららの肩がぴくりと震えた。
その間にも、もう片方の手はつららの胸を愛撫していく。気まぐれに胸の頂を舐められて、艶めいた声が上がった。

「結構濡れてるじゃねえか、そんなに感じてんのかい?」
「やっ、言わないで…っ、ひあぁ!」

 敏感な芽を指の腹で擦られて、つららが小さな悲鳴を上げた。それを無視するかのように、リクオの手の動きは激しくなっていく。ぽろりと零れた涙が、熱い舌で舐めとられた。

「んっ、ひぅ…っ、あっ! や、ぁ…」
「嫌じゃねえだろ? こんなになってんのに」

 一本の指が、つららの中を浅くかき混ぜた。ぐちゃぐちゃと水音が聞こえて、羞恥のあまりに耳まで赤くなる。その耳を舐め上げて、リクオがにやりと笑った。

「可愛いな」

 突然の言葉に、つららはこれ以上無いくらい真っ赤になった顔をリクオの肩に埋めた。まともにリクオの顔が見れない。その時、入り口をかき混ぜていた指が一気に奥へと入れられた。

「っひ、んあぁっ!」

 ぐちゃりぐちゃりと音を立てて、指が激しく出し入れされる。出し入れを繰り返しながらも、芽を弄る指は止まらない。急に激しくなった動きにつられて、つららは背中がぞくぞくとするような感覚に襲われた。

「わ、若ぁ…っ、何か、来ますっ…やっ、んあぁ、怖い、っん」
「怖くなんかねえよ… 一回イッときな」

 つららの喘ぎを聞くと、リクオは出し入れする指の動きを早め、芽を強く押し潰した。その瞬間、つららの中がひときわ強く指を締めつけた。

「ひぃっ、やぁあああぁん!」


夜雪 3/3

 びくびくと震えて全身を反らせ、つららは達した。しばらく動けず、肩で荒い息をするつららを抱き上げて、リクオは薄く笑う。

「そろそろ良いか」
「えっ…?」

 秘部に硬いものが押し付けられて、つららはびくりと肩を震わせた。押し付けられたものの熱さにぎゅっと目を閉じると、リクオがそっと腰を掴んだ。

「力抜きな」
「んぅ…っひ、いっあぁああああぁ!!」

 掴まれた腰を強く引き寄せられて、一気に貫かれた。鋭い痛みが襲ってきて、思わずつららは悲鳴を上げる。

「っ、痛い、っうぅ…」

 つららの悲鳴にも構わず、リクオはゆるゆると腰を動かし始めた。繋がった場所から、愛液でやや薄まった血がぽたりと落ちる。ぐちゃぐちゃとうるさい位に水音が響く。つららはぎゅっとリクオの胸に抱きついて、鈍い痛みを堪えた。


「んっ、あぁっ…っ、んぅ…」

 しばらく繋がっているうちに、少しづつ痛みが無くなっていき、快感が体を支配し始める。段々と喘ぎ始めたのを見計らって、リクオは中を混ぜるように動いた。その動きに合わせて、つららは身を捩って喘ぐ。

「やんっ、んあぁ…、ひぅっ」
「良い声だ」
「や、ぁ…若、っ」

 潤んだ瞳で見上げるつららに、リクオは深いキスを落とす。歯列をなぞり、舌と舌を絡ませて、上と下で繋がり合う。リクオが腰の動きを早めると、再びつららを快感の波が襲った。

「あっ、んあぁあっ…やっ、イッちゃ…っう!」
「っ…」

 早い突き上げに意識が遠のきそうになる。ぶるぶると震えるつららを抱きしめると、リクオは最奥まで強く突き上げた。

「っひ、やんっ…んあぁあああぁ!!」

 つららは肩を大きく震わせ、リクオを強く締め付けて達した。少し遅れて、リクオも低く呻き、つららの中に熱を放った。中に広がる熱い感覚が、つららの意識を溶かし尽くした。


「くくっ、気絶しちまったか」

 くたりと力なく胸に倒れこんだつららを抱きしめて、リクオはそっとその唇にキスを落とした。


 夏の夜にしては、涼しい気がした。その夜は、溶け落ちてしまいそうな程に、熱かった。

fin.


2008年10月14日(火) 23:26:57 Modified by ID:9LgDR4FpuA




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