「Il mio augurio」(性教育その一)

初出スレ:第三章429〜

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「宜しゅうございますか、暁香お嬢様。御身を容易く男に与えてはなりません」
「与える?」
「はい。もっと解り易く申し上げますなら、御身に触れさせてはなりません」
「でも、暁良は触れてるわ?それに氷雨だって…」
「私も暁良も、弁えております。残念ながら、私共のように弁えている男ばかりではございません。
女と見れば、あるいは穴さえあれば…という輩もいないわけではございません」
「穴?」
「少々、お勉強致しましょうか」
疑問顔の暁香に氷雨は苦笑を零し、ゆっくりと歩み寄った。




「あ、ぁ…や、やめて、こんな……」
「何を仰いますか、もうこんなにとろとろにして蜜を滴らせて……」
溢れる蜜をたっぷりと掬い、指に纏いつかせて暁香の眼前に持っていく。
てらてらと妖しく光る氷雨の二本の指から顔をそらそうとするが、顎を捉えるもう片方の氷雨の指がそれを許さない。
「御覧なさい。使用人に触れられて、はしたなくも零れたお嬢様の蜜ですよ?」
くすりとしつつ、ゆっくりと、揃えていた指を離す。
すると氷雨の指にまとわりつく暁香の蜜が、離れた指と指の間に糸を引いて橋をかける。
「あっ、あぁ…」
かぁ、と赤くなり、わななく桜色の唇にもう一度揃えられた氷雨の指が押し当てられる。
口を開くまいと口を閉ざすが、ついに唇を割られ、蜜に塗れた氷雨の指が進入を果たす。
「如何ですか、御自分の蜜の味は?」
「…む、ぅ…ん、んぅ」
氷雨の指は暁香の口内を我が物顔で蹂躙し、逃れようと縮こまる舌を撫で回す。
苦しげに寄せられた眉が氷雨の苛虐心を煽る。
「もっと、苛めてあげたくなります」
にぃ、と氷雨の口元が歪む。
その恐ろしい笑みを見ないように、暁香は強く目を瞑った。
それに薄く笑み、暁香の口内を蹂躙する指を引き抜く。
ようやく引き抜かれた指に安堵していると、ひんやりと冷たい指先が太腿に触れる。
はっとして身を起こそうとするよりも、ひんやりと冷たいのが自身の唾液によるものと気付くよりも早く、氷雨は暁香の脚を左右に大きく割り開く。
「い、いやぁぁぁ!」
誰にも見せたことのないそこが、氷雨の目に曝される。
「いやだ、やめて、と言いながらこれなんですから…まったく困ったものですね」
くすくすと笑いながら、氷雨はそこに指を這わせる。
何とか逃れようと暁香は脚を動かそうとするが、それは容易く氷雨に阻止される。
「さっきはここを苛めてあげましたからね……」
そう言いつつ、氷雨の指は花芯を弄り、弾く。
「きゃぁん!」
呼応するように暁香が甘い声を上げて身体を波打たせる。
声を上げてしまった屈辱から暁香は顔を歪め、氷雨を睨め付けた。
暁香にとっては精一杯のものだったろうが、氷雨にとってはそそるものにしかならず。
「中に、指を入れましょうか…そろそろ疼いてきたでしょうから」
つぷり、と暁香の内部に氷雨の指が滑り込む。
「ぁ……」
初めて受け入れる異物に、暁香は小さく声を上げた。
「さすがにこれだけ濡れていれば、指一本くらいなんともありませんか…もう一本、入れましょうか」
一旦引き抜き、もう一本添えて二本にし、もう一度内部に侵入する。
「や…ぃた…や、め…」
「大丈夫ですよ、すぐに良くなります」
苦痛に呻く暁香に薄く笑んだまま氷雨は告げる。
そして休みなく指を動かし、暁香の弱点を暴き出していく。
氷雨の指が弱いところを掠めていく度に、暁香の苦痛を訴える声は甘く蕩けていく。
「あ、あぁ…ん……ふ、ぁん…」


「もうすっかり気持ち良くなりましたね。ここも、美味しそうに私の指を咥えていますよ」
音を立てて掻き回していた氷雨が唐突に、く、と指を折り曲げる。
「あぁぁんっ!」
びくん、と暁香は身を躍らせ、無意識ながら氷雨の指を締め付ける。
「おや、いっちゃったんですか?」
ひくひくと蠕動する内部に今気付いたように、氷雨は問いかける。
しかし暁香には答えられるものではなく。
「…ふむ…まあいいでしょう」
もとより答えは求めていないが、氷雨はそう呟く。
そしてすでに猛り、怒張する自身を露にし、暁香の蜜を擦り付けるように何度も秘裂を行き来する。
暁香の蜜に塗れた自身を狙いを定めて押し当てると、氷雨はそっと暁香の耳元に囁いた。
「今度は私を満足させてもらいましょう」
「あ、い、いや…や、やめて……い、やぁぁぁぁぁ!」
めり、と――




「あ…あの…」
恐る恐る暁良は瑶葵に呼びかける。
瑶葵は本から視線を上げ、暁良を見た。
「うん、どうしたんだい?」
「いつまで、お続けになるおつもり、なのでございますか?」
「いつまでって…これからがいいんだろう?」
いや、うんたしかにそうだけど、などと内心で暁良は思うがそれは言わない。
かわりにずっと疑問だったことをぶつける。
「何故、登場人物の名前が、暁香お嬢様と氷雨さんなのでございますか…」
「いやぁ、そのほうが面白いかと思ってね」
がくり、と脱力しそうになるが、そこは耐える。
「より臨場感を出すために使用人は氷雨に読ませたし、お嬢様は暁香が読んだし、その他は私が読んだんだけど…気に入らなかったかい?」
「いえ、そうではなく…勉強、なのではございませんでしたか?」
「勉強だろう?…嫌がるお嬢様を犯す、って辺りは」
「………」
何かが違う、と思わないではないが、暁良は口をつぐむ。
黙っておいたほうがよさそうな気がする。
「とにかく、世の中には嫌だと言っている女を犯すのがいる、っていうのはわかったと思うけど?」
いやうん、いるけどさ…でもこれ小説だし、というツッコミも飲み込む。
「でもお兄様…私、よくわからなかったわ?」
きょとり、と首を傾げて暁香は言う。
「そうなのかい?」
「えぇ、わからない言葉がたくさん出てきたもの」
「…まぁ、たしかに棒読みだったけどね……氷雨」
苦笑しつつ瑶葵は忠実な従僕の名を呼ぶ。
「はい、瑶葵様」
「父上と母上の意図がどこにあるのかは知らないが…無知では色々と困るし…男女のことを教えてやってくれ」
「はい、承知致しました」
「わかってるとは思うが、ヤるなよ?」
「心得ております」

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2007年07月02日(月) 21:48:23 Modified by ID:+2qn2ghouQ




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