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作者:朝霧カフカ
作画:春河35
掲載:ヤングエース
出版社:角川書店 角川ビーンズ文庫(ノベライズ)

ノベライズ
太宰治の入社試験
太宰治と黒の時代
探偵社設立秘話
55Minutes

外伝
綾辻行人VS.京極夏彦

劇場版
文豪ストレイドッグス DEAD APPLE(デッドアップル)

あらすじ

孤児院を追い出され、横浜市を放浪する少年 中島敦は鶴見川に飛び込んで溺れかかっていた太宰治を助ける。それをきっかけに敦は太宰が所属する武装探偵社が追う巨大な虎の捜索を手伝うことになる。太宰と共に虎の出現を倉庫街で待つ敦に対して、太宰は敦こそが虎の正体だと告げる。実は敦は無意識のうちに虎に変身して徘徊しており、それゆえに孤児院を追い出されていた。敦は自分の能力を制御出来ず太宰に襲いかかるが、太宰は相手の能力を無効化する人間失格を発動して、敦を鎮静化させ、さらに敦が武装探偵社の社員になれるよう尽力する。採用試験を経て武装探偵社に就職することになった敦だったが、敦の就職後、武装探偵社はポートマフィアの襲撃を度々受けるようになる。実は敦には闇の世界で70億の懸賞金がかけられ、その懸賞金で裏社会を牛耳ろうとするポートマフィアの芥川龍之介が敦を狙っていた。太宰はポートマフィアに潜入し、敦に多額の懸賞金がかけられた理由を探るが、一方で敦には芥川の魔の手が迫っていた。敦は芥川に拉致されるが、芥川自身が強大な力を持ちながら、孤児の泉鏡花に罪を重ねさせていることを知って怒りを爆発させ、芥川を打倒し、鏡花と共に脱出する。敦に莫大な懸賞金をかけていたのは海外の異能力者集団だった。芥川が敦の拉致に失敗したことを知った北米の能力者集団「組合」の団長フランシス・スコット・キー・フィッツジェラルドは部下と共に横浜に乗り込み、武装探偵社・ポートマフィアと三社戦争を繰り広げる。しかし 組合が横浜の街自体を消滅させることも厭わないことを知った武装探偵社とポートマフィアは一時的に共闘し、組合を壊滅させる。一方、組合壊滅の混乱に乗じて、組合の資産の強奪に成功し、地下組織『死の家の鼠』頭目フョードル・ドストエフスキーは、新たな戦いの準備にとりかかっていた。 

登場人物

武装探偵社
与謝野晶子
ボブカットに大きな蝶の髪飾りを着けて、明治・大正期に流行したような、所謂「ハイカラ」な服装に身を包んだ25歳の女性。誕生日:12月7日・身長166センチメートル・体重52キログラム・血液型:O型。好きな物は花、和菓子、うなぎ、酒。嫌いな物は男尊女卑、弱い男。武装探偵社では能力を活かして医務を担当しているが、彼女に治療されることを探偵たちは恐れている。女性を蔑視する者や死を軽く考える者を嫌悪しており、そういった人間を見ると発言が凶暴になったり激昂したりする。戦争の時は、探偵社の隠れ家を訪ねてきた中原と対峙する。その後は組合のポオが仕掛けてきた推理遊戯に乱歩と共に臨んだ。

君死給勿(きみしにたもうことなかれ)
異能の中でも珍しい治癒能力で、外傷を跡形もなく完全に治療できる。ただし、瀕死の人間にしか使えないため、瀕死に至っていない怪我人を治癒するときは鉈などで解体するなどして一度瀕死の状態にしなければならない。能力名はキャラクターと同名の文豪、与謝野晶子の詩から。

谷崎ナオミ
潤一郎の妹。常にセーラー服を着用している。ブラザーコンプレックス丸出しで、兄に抱きついていることが多い。異能を持たず、武装探偵社では事務員を務めている。しかし、組合のスタインベックとラヴクラフトの襲撃に際し裏をかいて脱出し、マフィアの意図を見破るなど頭の回転は速く、春野には「異能があれば兄より優秀な探偵になれる」と言われる。モデルはおそらく、谷崎純一郎の小説『痴人の愛』のヒロイン ナオミ。

泉鏡花
和服姿の小柄で黒髪を2つに結ぶ、無表情がちな、14歳の美少女。実在の泉鏡花は男性だが、本作では女性として登場。誕生日:11月4日・身長148センチメートル・体重40キログラム・血液型:B型。好きな物は兎、豆腐、紫陽花、おばけ。嫌いな物は犬、雷、蝿。孤児だったところをポートマフィアに拾われ、芥川の指示に従い殺人に手を染める。既に35人を殺害しており、警察に逮捕されれば死罪は確実であると言われていた。芥川との戦闘後、気絶した敦を救出した後に、警察の追跡を逃れるため、対外的には福沢の孫という扱いで武装探偵社入りし、敦の部屋に同居していたが、入社試験は受けておらず、武装探偵社の正式な社員とは見なされていなかった。三社戦争で紅葉が彼女を連れ戻すために白昼堂々彼女と敦を襲撃してきたが、組合メンバーが介入してきた際に逃走する。その後、フィッツジェラルドと遭遇していた敦を連れ逃走するも、逃走のため警官を襲ったため、警察に逮捕された。しかし 飛行機で護送中に制御出来なくなった白鯨に遭遇し、自らが乗った飛行機を白鯨に体当たりさせて横浜の街を救う。この行為によって、武装探偵社の入社試験に合格したとみなされ、福沢の能力によって夜叉白雪の制御に成功し生還を果たした(因みに35人殺しなどの罪は特務課による司法取引によって免責されている)。ポートマフィア時代は芥川の指示に従っていたものの、紅葉からかなりの寵愛を受けていた。意外にも舌が肥えており、武装探偵社で尋問されたときには老舗の名店の湯豆腐を所望した。両親を「夜叉白雪」で殺したとされていたが、実は異能特務課所属だった両親が敵の能力者に襲撃された時、彼女の母が夫(鏡花の父)を敵の異能により殺させられた後に鏡花を守るために「夜叉白雪」を譲渡して自分自身を殺させていた。

夜叉白雪(やしゃしらゆき)
仕込み杖を持った白い甲冑武者姿の女性「夜叉白雪」を召喚する異能。瞬時に列車の壁をコマ切れにするなど、非常に高い戦闘能力を持つ。元は彼女の異能ではなく、彼女の母親が死の寸前に彼女に譲渡された異能力。探偵社入社以前は鏡花だけでは操作出来ず、彼女が所持している携帯電話から聞こえる指示にのみ従っていた。これは譲渡の期間や状況が不完全だったために「携帯電話からの声にのみ反応する」状態になってしまっていたため。能力名はキャラクターと同名の文豪、泉鏡花の著書『夜叉ケ池』と、同著に登場する龍神 白雪姫から。

春野綺羅子
武装探偵社で事務員を努める女性。おっとりした性格で、組合の異能者に避難先を襲撃された時も葡萄酒やヘアアイロンの心配をし、ナオミをあきれさせた。猫好き。名前は谷崎潤一郎の『痴人の愛』の登場人物から。

ポートマフィア
樋口一葉
パンツスーツを着こなす芥川の後輩の女性。芥川が重傷で敵対組織に拉致された時には単身で救出に向かうなど、芥川に対する忠誠度は高い。また、芥川の妹である銀に自分のことを「お義姉さん」と呼ばせようとするなど、彼に対して強い恋愛感情を抱いていることが示唆されている。彼と共に首領直轄の遊撃隊に所属、武闘派組織「黒蜥蜴」を指揮する権限を持つ。戦闘の際には拳銃で交戦するなど異能らしい異能を見せていない。だが所持しているかどうかすら不明であり、特番雑誌においての紹介欄で、[なし]ではなく、[???]と記載されている。芥川のように部下を畏怖させるだけの異能を持っていないことに内心忸怩たる想いを抱いている。武装探偵社のことは「ポートマフィアの力で簡単に潰せる零細企業」と見下している。同居している妹がいる。


武闘派組織「黒蜥蜴」十人長であり芥川の実妹。長い黒髪を後ろで無造作に束ね、口元をマスクで隠し、かなりの無口なため一見ではわからないが、素顔を見た田山が「黒髪の撫子」と絶賛するほどの美貌とかわいい声を持つ女性である。同業者でも気配を感じさせない俊敏な動きと袖に隠し持つ小太刀を使って戦闘を行なう。名前は芥川龍之介の短編小説「おぎん」の登場人物からと推測される。

尾崎紅葉
着物を着ており、容姿、言葉遣いは遊女のようなポートマフィア幹部の女性。26歳。誕生日:1月10日、身長171cm、体重62kg、血液型:A型。泉鏡花同様、実在の人物は男性だが、本作では女性として登場。好きな物は泉鏡花、金ぷら、漬物。嫌いな物は希望、愛。ポートマフィア時代の鏡花の姉貴分で彼女を溺愛しており、自身も鏡花と同じように裏社会から逃げ出そうとした過去があり、彼女の想いにも理解を示している。敦と鏡花を襲撃するが、そこに介入してきた組合メンバーに部隊を壊滅させられる。その後は、行方不明になった鏡花を太宰が探すことと引き換えに探偵社内で幽閉されていたが、探偵社とポートマフィアの密会の招待状を鷗外に渡させる為に太宰に追い出された。

金色夜叉(こんじきやしゃ)
鏡花と同じタイプの夜叉を使役する異能だが、こちらは自分の意思で操作できる。能力名はキャラクターと同名の文豪、尾崎紅葉の未完小説から。

エリス
鷗外と共に過ごす、金髪で可愛らしい幼女。鷗外のことを「リンタロウ」と呼ぶ。鷗外のことを中年と揶揄するなど彼のことを嫌っているが、その性格は鷗外により設定されている模様で当人は不満を漏らしたことがある。名前は森鷗外の小説『舞姫』の登場人物から。

組合(ギルド)
ルーシー・モード・モンゴメリ
孤児院出身の少女。19歳。誕生日:11月30日、身長165センチメートル、体重44キログラム・血液型:AB型。好きな物はぬいぐるみ、おしゃべり、空想、ロマンチックなこと。嫌いな物はケチな人、昔いた孤児院、ひとりぼっち。組合では一度失敗しただけで組織から放逐されるので、「失敗できない」という重圧に耐えながら任務を遂行している。同じ孤児院出身ながら幸福そうに見える敦に怒りをぶつけた。敦に敗北した後も組合残留を希望し、メイドとして残留を許可された。敦が組合に幽閉された時に、敦もまた自分と同じ苦しみを味わってきたことを知り、組合を裏切って敦をQの人形と共に脱出させる。組合壊滅後、武装探偵社の入っているビルの一階にある喫茶店「うずまき」で働き出した。敦に好意を抱いているようなそぶりを見せる一方で、敦と同居している鏡花に対してはライバル心を抱いている。

深淵の赤毛のアン
ターゲットに近づき異空間に転送させ、アンと名付けた人形に襲わせる異能。アンとの鬼ごっこに敗れると、異空間に囚われる。この異空間から脱出する方法は2つあり、1つはモンゴメリ自身に異能を解除させる方法で、この場合は全員に外に出られる。もう一つは異空間には2つ存在するドアから出る方法、1つは誰でも出られるドアで、そこから脱出することが出来るが、ドアから元の世界に戻ると異空間のことを忘れてしまう。もう1つのドアはアンとの鬼ごっこに負けた者を幽閉するドアで鍵がかかっている、そのドアの鍵はモンゴメリでも使い方がわからないため実質不可能。この異空間ではアンは郡を抜いて素早く、何本も手があり、複数のアンを発現させることも可能である。能力名はキャラクターと同名のカナダの文豪、L・M・モンゴメリの長編小説『赤毛のアン』から。

マーガレット・ミッチェル
『組合』の従弟(アブレンティス)。日傘を差し、豪奢なドレスを着る女性。20歳。誕生日:11月8日・身長171cm・体重54kg。血液型:AB型。好きな物は自分、愛、明日と言う日。嫌いな物は戦争、裏切り。武装探偵社・ポートマフィア・『組合』の戦争時、『組合』の拠点である豪華客船を守る任務を受けていたが、梶井の策略によって客船は爆破され、避難しようとしていた所を芥川によって強襲される。ホーソーンをかばって重傷を負い、ほぼ再起不能となる。一族の莫大な負債を返済し、家名を立て直すために作戦に参加しており、敗北や屈辱を知らない素振りを見せる芥川に激昂する。

風と共に去りぬ
風により物質を風化させることが出来るミッチェルの異能。能力名はキャラクターと同名のアメリカの文豪、マーガレット・ミッチェルの長編小説から。

ルイーザ・メイ・オルコット
「組合」の従弟で作戦参謀で眼鏡をかけた大人しめの女性。対人恐怖症気味。しかし団長のフィッツジェラルドのことは慕っている。戦争終結後は日本に残ってフィッツジェラルドを捜索、横浜の貧民街で彼を発見し、彼と共に「新生組合」を設立する。

若草物語
オルコットの異能。情報を分析した上で、最も適切な作戦を立案し、作戦案を即座に書き上げる。ただし 作戦案はどれも長編になってしまい、全てに目を通すのに時間がかかる。能力名はキャラクターと同名のアメリカの文豪、ルイーザ・メイ・オルコットの小説から。

その他
アガサ・クリスティ
『時計塔の従騎士』近衛騎士長。貴族のような格好の女性、従者が何人かいる模様。

そして誰もいなくなった
詳細は不明。能力名はキャラクターと同名のイギリスの文豪、アガサ・クリスティの長編小説から。

H・G・ウェルズ
首に大きな映写機をかけている長い金髪の女性。各国諜報機関を長年煙に巻いてきた凄腕のテロリスト。泉鏡花・尾崎紅葉同様、実在の人物は男性だが、本作では女性として登場。偽装皮膚を用いた男装姿で行動しているため諜報機関からは「未来を知る男」という渾名がつけられている。しかし 実際は自分の近くで偶然起きた事件や事故に異能を使って危機を回避しているだけ、と本人は主張している。かつてはイギリスで異能を用いた兵器の開発を行っていた科学者だった。そのためか特異点や自身の異能力の説明では専門用語が混ざりがちになり敦を困惑させた。

タイムマシン
ウェルズの異能。映写機を媒介として局所的に時間を操ることができるが使えるのは1つの人・物に対し1回まで。この能力を応用して人の記憶を過去の同一人物に送ったり、一瞬しか保持することができないエネルギーを長時間存在できるようにコントロールしたりすることが出来る。能力名はキャラクターと同名の文豪、H・G・ウェルズの小説作品から。

辻村深月(娘)
内務省異能特務課の新人エージェントである女性。コードネームは「4048」。綾辻が政府の意向を無視して暴走した時に備えて常に彼を監視、有事には彼を抹殺する任を受けている。捜査官の訓練生の時に安吾に引き抜かれた。あるスパイ映画の女主人公に憧れており、自分を奮い立たせる時は彼女の決め台詞をつぶやいている。自分と同じ名前をつけた母親に対しては複雑な感情を抱いている。

きのうの影踏み
辻村の異能。「影の仔」と呼ばれる存在をある一定の条件で使役できる。実は彼女自身の異能ではなく、彼女の母親が彼女に、『娘が殺そうとした相手を、娘より先に殺せ』という命令をした「影の仔」を与えたもの。能力名はキャラクターと同名の作家、辻村深月の著書から。

辻村深月(母)
内務省異能特務課局長補佐である四十代の女性。綾辻曰く「決して表に出ず、特務課を取り仕切る影のボス」。耳に傷がある。異能戦闘のスペシャリストで、自身の異能と共に、無数の異能犯罪者や異国の異能諜報員と闘いその全てを屠ってきた。そのため命を狙われるようになり、綾辻に依頼して五年前に起きた囹圄島の事件の際に死亡したことに偽装してもらった。現在は異能特務課の機密拠点に隠れ住んでいる。鏡花の母に異能の譲渡の方法を教え、自身も娘に異能を譲渡している。

きのうの影踏み
辻村の異能。「影の仔」が中也に「死の臭いがする」と言わしめたほど、多くの人間を屠ってきた異能。今は娘に与えられている。

用語

異能
常識では起こりえない現象を起こす特殊な力。単に「異能」や「能力」とも呼ばれ、異能を宿す人間は『能力者』と呼ばれる。国木田曰く「それをどのようにして行うか合理的に説明することはできぬ。ただそのようにしてあると云う他ない。(独歩吟客についていえば)何故手帳のページなのか、何故物理法則を無視して姿を変じるのか。理論的な説明をつけられるものは無い。」と語られている。異能力の効果は己の体の一部を変化させるものを始め、攻撃系・戦闘系・非戦闘系・異能生命体と呼ばれる生物を操る物まで幅広い。ただし 治癒能力・絶対的真実は存在自体が珍しく基づいて発動する能力は極めて希少で精神操作系の異能は最も忌み嫌われる。異能が開花するタイミングは人によってまちまちで、人によっては差別される人生を送ったり、自分が異能を宿していることを知らない場合もある。詳細は不明だが、血の繋がっている者に異能を譲渡する方法がある。しかし 譲渡が不十分、または譲渡前に発動条件を新たに設定すると譲渡された側の人間は以前の所有者のように異能を操ることができない。よって 力で成功する人間もいる一方で、異能を制御できず自滅してしまう者もいる。また、似たような異能(未来予知など)や矛盾する異能(「人を欺く」異能と「真実を見抜く」異能など)を持つ者が邂逅し、異能を発動させると、能力が全く別方向へと暴走する特異点なるものが存在するが、事例が少なく、日本政府の研究対象となっている。

特異点
「『必ず先制攻撃する異能』を持った二人が戦う」や「『必ず相手を騙す』異能者と『必ず真実を見抜く』異能者が会話する」のような、複数の異能力が互いに干渉した結果、全く別の結果が引き起こされる現象。同じ未来予知能力を持つ織田作とジイドが戦った際に、未来が重なって見えると言う現象と互いが互いの言葉を先取りし続け時間が無限に伸ばされたような感覚を感じるという現象が起きた。

超越者
詳細は不明だが、十四年前の大戦で、欧州の国家が戦場に投入した異能者の内、特に強力な異能を持つ者達だと推測される。現時点ではユゴー、ゲーテ、シェイクスピアの3人が明かされている。

七人の裏切り者
十四年前、それぞれの理由から大戦を何としても終わらせるために集まった七人の異能者達のこと。自らの持つ異能力を用いて各国首脳や軍の最高責任者、軍需産業の重役などを誘拐しては本拠地であるスタンダード島で彼らを説得・脅迫・洗脳し終戦に合意させ、大戦を終結させた。大戦終結後は散会し、十四年後である現在では亡くなったり消息不明となったメンバーもいる。現時点ではヴェルヌだけ明かされている。

ヨコハマ
本作の舞台となる架空の都市。「横浜」とも表記される。モダンで無機質なビル群とノスタルジックな情緒溢れる建物の混在する港湾都市だが、先の大戦終結より連合軍系列の各国軍閥が流入し、治外法権を振りかざし自治区を築き上げたため、戦時中とは比較にならないほど無法地帯となった。そのため、「魔都」と揶揄されることも多い。ヨコハマの殺し屋は他の都市とは危険度の桁が違うと言われている。様々な闇組織や海外非合法資本が存在し、中でもポートマフィアが町の政治・経済の悉くに根を張るとされる。この町のどこかに『本』が封印されておりそれを狙って「組合」などの海外の能力者組織が侵攻を始めている。

『本』
ヨコハマのどこかに封印されているという本。その正体は一冊の小説で、書いたことが真実となる白紙の文学書である。探すには敦が必要となる。フィッツジェラルドは娘の死を無かったことにするため、ドストエフスキーは異能力のない世界を創るためにこれを探している。

武装探偵社
軍や警察に頼れないような危険な依頼を専門にする探偵集団で、昼の世界と夜の世界その間を取り仕切る薄暮の武装集団。その知名度は孤児院住まいだった敦が知っているほど。現在の代表は福沢諭吉。社長をトップとし、調査員・事務員などで構成されており、調査員の多くが異能者である。調査員には代々裏審査である、「入社試験」が課せられており、これを経ないことには本当の社員とは認められない。設立は十数年前、福沢と乱歩が「天使事件」と呼ばれた事件を解決したことが発端となった。

ポートマフィア
ヨコハマの港を縄張りにする兇悪なマフィア。傘下の団体企業は数十を超え町の政治・経済の悉くに根を張るとされる。現在の首領は森鷗外。首領(ボス)をトップとし、幹部・構成員・専属情報員などで構成されている。幹部はそれぞれ幹部派閥を持っているが、専属情報員はどの派閥にも所属していない上に、織田作のように最下級構成員だが幹部派閥に属していない者もいる(ただし、そのような者に回ってくる仕事は、愚にもつかない無賃仕事ばかりである)。構成員の多くは隠密主義であるが、稀に梶井のように名の知れたものもいる。三つの掟があり、首領の命令には絶対に従うこと。組織を裏切らないこと。受けた攻撃は必ずそれ以上にして返すこと。この順番はそのまま重要度の順番でもある。

内務省異能特務課
国内の異能者を統括し管理する非公然組織。 現在の長官は種田山頭火。フィッツジェラルド曰く「表向きはないことになっている秘密組織」そのため特務課単体での買収は不可能。しかし その上位機関たる内務省そのものを買うことによって手中に収めることができる。その仕事は主に、国内の異能者を統括する事と異能犯罪を取り締まるという二つ。しかしながら、後者については《ウォッチャー》と呼ばれることが多いことからあまり機能していない様子である。

異能開業許可証
異能特務課が発行する許可証。能力者集団が異能を扱う仕事を合法的に行う場合に必要となる。現在所持しているのは、武装探偵社とポートマフィアのみ。

組合(ギルド)
北米の能力者集団。圧倒的過ぎる勢力であるが故にかえって存在自身を疑われ、都市伝説とも言われている組織である。現在の団長はジョン・スタインベック。団長をトップとし、職人(フェロークラフト)や従弟(アプレンティス)などと呼ばれる構成員で構成されている。団員全員が政財界や軍の要職を努めている。外交筋から圧力を掛けることで構成員に外交官同様の権限を与え、法執行機関である警察はおろか異能特務課ですら手出しができない。トウェイン曰く「良くも悪くもボス(フィッツジェラルド)の牽引力だけで持ってた組織」だったためフィッツジェラルドが生死不明になった際は混乱状態に陥り、末端では略奪まで発生。そのうえ混乱に乗したドストエフスキーによって資金の4割を簒奪されてしまい壊滅状態に陥っている。

新生組合
復活したフィッツジェラルドによって設立された組織。現在は横浜市内にある警備会社「マナセット・セキュリティ」を本拠地としている。

雑記

主要な登場人物はほとんど全員が文豪と同じ名前。各自の能力や人物設定も文豪自身のエピソードや作品にちなんだものが多い。

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