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windows用ゲーム
メーカー:TYPE-MOON

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あらすじ

1980年代後半の地方都市・三咲町。この町では、「坂の上にあるお屋敷には、2人の魔女が住んでいる」という噂があった。田舎から三咲町に引越して来た男子高校生静希草十郎は、ある日、転校先の生徒会長蒼崎青子が魔法を使っている所を偶然目撃してしまう。しかし、電気もない程の田舎で育った草十郎は、都会の人間ならそんなことも出来るのではないかと勘違いしてしまっていた。一方、青子は同居人久遠寺有珠から草十郎を殺すように言われ、彼の抹殺を決意する。実は、青子と有珠こそ例の屋敷に住む魔女だったのだ。しかし、紆余曲折の末、草十郎の命は助かるが、魔術の秘匿の為、青子と有珠に監視される形で、久遠寺邸で共同生活を送る事になった。

登場人物

蒼崎青子
魔術回路/質:C 魔術回路/量:魔術回路/編成:正常。極めてシンプル。
見習い魔法使い。三咲高校2年生にして、生徒会長。勝気で気が強いが、気丈で直向きな姉御肌。美人でスタイルも良いが、いつも不機嫌そうな顔を浮かべており、学校で数々の事件を起こしている為、生徒からは恐れられつつ、慕われている。ロック系の音楽が好きで自室にもエレキギターとアンプがあり、時々ギターを弾く。中学まではごく普通の生活を送っていたが、高校入学時に姉・橙子が蒼崎家を出奔した為、魔術師として祖父の遺産と蒼崎家を継ぐことになる。魔術師として生きることは今までの自分を捨て去ることだが、それを拒むことは逃げだと思い、それを受け入れた。祖父にとって彼女の決意は予想の上だったが、それを知っても尚、例え無理矢理放り込まれた場所でも出来ることがあるなら決して逃げないという決意の元、魔術師として生きる道を自ら選んだ。その後、久遠寺邸で有珠と同居を始め、学生生活との両立も何とかこなしている。なお、中学卒業後は家から離れて上京し、国立大学を目指しながらライブハウスをはしごするという夢があったが、蒼崎家を継ぐ為、断念したという経緯がある。魔術師としては2年前から学び始めたばかりの半人前で、物語当初は実戦の経験が無かったが、破壊と魔力の使い方は優秀で、既に有珠を上回っている。また、魔力の効率的な運用が得意で、原作者の奈須きのこは「1リットルのガソリンで1000km走れるようなもの」と述べている。第五魔法・青を受け継いでおり、特定の空間・対象の時間を入れ替えたり(魔法が解ければ世界の修正力により時間操作による変化は元通りになる)、任意の時間帯を未来や過去へ送る事ができる。時間帯を遠い未来に送れば世界の修正力には晒されないが、それは膨大な熱量(=宇宙全体の数分間)を未来に押し付ける事であり、数千億年後の宇宙の滅びを加速させることになる。そして代償として、術者と対象の時間を消費し、その人物は『過去の記憶や経験』を失う事になり、発動中は対象が消費する記憶が周囲の景色として実体化する。ちなみに「時間旅行」は第五魔法の副産物に過ぎず、本質の一端でしかない(橙子曰く時間旅行はすでに第二魔法「平行世界の運営」の定義に含まれる為、第五の魔法には成り立たない。また小規模ながら時間操作の魔術も存在する)。初恋相手が男装した律架だったことがトラウマになっており、以後は恋愛を嫌っている。8年前、自分が死なせてしまった猫を救うことを祖父に願い、祖父が魔法を使ったことで開いた道から根源に辿り着いてしまい、魔法を受け継いだ。だが、それ以降「赤い影」が見えるようになり、それが魔法を使おうとする者を殺す存在であることを理解していた青子はどんな窮地に陥ろうとも魔法を使うことはなかった。しかし 橙子との戦いの中、目の前で草十郎を殺された青子は魔法の使用を決断。草十郎の幼少時の時間を使い自身の時間の早送りを計り、その途中草十郎の過去を垣間見たことで時間を巻き戻し草十郎を蘇生させ、27歳時までの経験で得るであろう魔力による圧倒的な力で橙子を撃破した。

久遠寺有珠
魔術回路/質:A+魔術回路/量:A++ 魔術回路/編成:異質
屋敷に隠れ住む生粋の魔女。青子の同居人にして、魔術の師匠。礼園女学院2年生。短く切り揃えた混じり気のない黒髪、色白の肌、細い手足に小柄な体躯を持ち、草十郎をして「ただ美しい」と言わしめる程の神秘的な美少女。基本的には人と関わろうとせず、いつも無表情でいることが多いが、その実、青子以上の激情家。プライドが高く、勝負事(ゲーム)の勝敗にこだわる反面、自らの品位を貶めることを好しとしないため、結果的には黙して根に持つことが多い。自分の所有物に対しては強い思い入れがあり、その執着心の強さには青子すら辟易するほど。保守的で「変わる」ことを嫌い、特に両親の形見である久遠寺邸の洋館については、建物に危害を加える相手には容赦のない怒りを向ける、洋館にそぐわない生活様式は改めさせるなど、格別の執着を見せている。本人も無自覚ではあるが、メルヘンチックで夢見がちな部分があり、番外編ではそのことをロビンにからかわれている。遊園地での青子との勝負に敗れた後(とはいえ有珠の方も本気ではなかった)、成り行きで洋館に転がりこんできた草十郎に対しても、当初こそは殺そうと積極的であったが、中盤以降は徐々に態度を軟化させていき、物語終盤や番外編では彼に対する淡い好意が窺えるような場面が見受けられる。しかし 本人はその感情が何であるか理解していない模様。紅茶にうるさく数々の茶葉を所有しており、その影響でコーヒー派だった青子も紅茶派に転身している。アンティークを集めることが趣味で、土桔由里彦を利用してレアな品を集めるなど、交友関係は意外に広い。日本人の父親と英国人の母親を持つハーフで、大財団・久遠寺グループの令嬢。英国出身だが、物語開始の半年ほど前に訳あって来日し、青子と本気の殺し合いを繰り広げた末に、三咲町の丘の上にある久遠寺邸で同棲するようになる。幼少時から魔術の手解きを受けてきた生粋の魔術師で、純血の魔女(マインスター)の系譜を受け継ぐ「最後の魔女」。数々の童話の怪物(プロイキッシャー)を使役する典型的な人形師で、その魔術は「魔法以上に魔法に近い」と評されるほどの、破格の魔術系統を誇る(奈須きのこ曰く「魔法と魔術の関係とかほとんどブチ壊し」)。直接的な対人戦闘力では青子に劣るが、橙子との戦闘では状況に即した臨機応変な戦法で彼女を追い詰めるなど、壊す以外に能のない青子を優に凌ぐ技量を見せる。また肉体に刻まれた魔術刻印の量も青子の比ではなく、全身はおろか骨格から内臓に至るまで刻み込まれていて、腹を抉られるような重篤な傷でも自動的に修復するほどの回復力を持つ。遊園地での戦いでグレートスリーの一角である月の油を失い、対橙子戦では上記のように彼女を追い詰めるも、魔術師の天敵であるベオウルフに橋の巨人を打ち破られて敗北を喫した。

合田教会
周瀬律架
魔術回路/質:C 魔術回路/量:C 魔術回路/編成:正常
合田教会で働いている女性。唯架の双子の姉。かつては妹・唯架とは正反対の暮らしをしていたが、1年前から合田教会で働いている。怠惰でいい加減だが寛大で、周囲から好かれるタイプ。有珠と草十郎にとっては頼りになる存在だが、青子からは上述の理由で徹底的に嫌われている。元は聖堂教会に所属していたが後に魔術協会に鞍替えし、監視役として蒼崎に弟子入りしていた時期もあり、現在は二重スパイ的な立ち位置にある。黒魔術を習得しており、特に自らの外見を骨格から変貌させる変身魔術を得意としている。蒼崎の弟子時代は自らの魔術を駆使して男装をして青子の家庭教師を務めながら、素の姿では唯架の名を名乗っていた。なお男装は個人的な趣味でもあり、現在でもしばしば変身して街を闊歩している。男装の律架は青子の初恋相手であり、また橙子の妹弟子にあたる。

周瀬唯架
魔術回路/質:D 魔術回路/量:D 魔術回路/編成:異常(神聖に耐性なし)
合田教会のシスターであり代行者であり、律架の双子の妹。姉・律架より数年前から合田教会で働いている。先天的な弱視で現在は盲目同然となっているが、他の感覚が研ぎ澄まされているため私生活にはそれといって支障がなく、患者の治療などを的確にできるほど。また荒事に長けている。基本的に人の脅威を感じる事で人を認識している為、脅威が全くない草十郎を認識する事が出来ない。その事で草十郎が人畜無害の証明ともなった。町では敬虔なシスターとして有名。美人で彼女を目的に協会を訪れる男が多いが、生真面目すぎる為に友人が少ない。多少守銭奴の気がある。

魔術師世界の人々
蒼崎橙子
魔術回路/質:EX(測定不能)魔術回路/量:B+ 魔術回路/編成:正常
青子の4歳上の姉。
普段は明朗な性格だが、眼鏡を外すと男性的で冷酷な性格になるいう擬似的な二重人格を使い分ける。青子とは異なり、生まれた時から魔眼を持つなど魔術的な才能に優れており、魔道の家としての蒼崎家を継ぐため幼い頃から修行に明け暮れていたが、突然祖父から青子を蒼崎家の後継者に選ぶと告げられ出奔。「過去の清算」の為、海外を拠点に魔術師としての力を蓄え、作中で青子達の前に姿を現す。出奔する前は腰まで伸びたロングヘアだったが、ルゥとの契約の時に対価として切り落としてショートヘアにした。目的のためなら冷酷になれる反面、面倒見の良い所もあり、彼女が欧州で興している魔術協会に、他の協会から不当な扱いを受けている魔術師を受け入れて共に事業を興して成功させ、莫大な利益を挙げている。また、音楽は意外に演歌派で、律架にも隠していた。最終的に戦いは橙子の敗北に終わり、三咲市に踏み入るとカエルになる呪いをかけられてしまったが、番外編時点で呪いのかかった肉体を捨て去ることで克服したらしい。草十郎とは殺し殺された間柄だが関係は良好のようで、青子の恋愛がらみに関する相談を受けたりパーティの招待状を送られたりしている。草十郎と同じく、当初のデザインから大分変更されている。元は文庫版の空の境界の時のデザインに近かった。また年齢も青子と2歳年上だったが4歳年上に変更した。

ルゥ・ベオウルフ(Lugh Beowulf)
橙子の使い魔として契約している人狼。現代まで続いた人狼の血族ではなく、自然発生した精霊に近い幻想種であり、アストラル体という形無き実体を持つ。初めから完全な存在として生まれ落ちたことから生の実感が持てず、生きている意義を求めて2年前から橙子に付き従っている。なお、「ベオウルフ」の名はその際に橙子によって付けられたもの。作中ではこちらの名を縮めた「ベオ」の愛称で呼ばれることがほとんど。魂の物質化を体現する存在の特異性からもたらされる圧倒的な戦闘力とその身に纏う強大な神秘から、現代に生きる魔術師の天敵とされる。普段は金色の巨狼という姿を取るが、その魂の在り方から本当の形というものが存在せず、状況に応じて様々な生物の形態に変化することが可能。そのメンタリティは子供同然で、人の姿を取るときはそれに見合った金髪緑眼の少年となる。とはいえ特定の性別を持つ訳ではない。魔術的な価値を持つ橙子の髪の毛を条件として契約を結んだが、それだけでは完全に律することが出来ず、時々命令を無視して独断で行動する事があった。作中において草十郎との戦いに敗北し、得体の知れない「何か」という恐怖の感情を教えられてからは、この世で初めて自分を倒した草十郎を主として屈服し、また、橙子の三咲町からの撤退も重なって、以後は居ついた店を必ず繁盛させる「商店街の座敷童子」として三咲町に居ついてしまう。何かと草十郎の傍に付き纏って甘えたり、彼に危害を加える者は容赦なく排除しようとしたりと、草十郎を心から敬愛している。

メイ・リデル・アーシェロット(May Riddell Archelot)
世界的なアイドル歌手・リデルリドルとして活動している、魔術師の少女。極めてエキセントリックな性格で、躁鬱の気がある。幼少時に有珠と親交があり彼女に執着している。義父が鳶丸の父親と企業間の付き合いがあった縁で、一時期槻司家にホームステイしていた。「煤の魔女」の血を引く近代黒魔術を用いる魔術師で、それとは別に圧倒的な資産を持つ令嬢でもある。有珠や鳶丸からは「資本主義の犬」と呼ばれている。過程こそ描かれないものの、唯一の出番である番外編時点で青子や草十郎、教会の面々と既に顔見知りである。魔術師としての実力は高いようで、ルゥとは過去に闘争し引き分けた事があるらしく、次にやり合う時は確実に勝てる自信がある模様。しかし、ルゥとしても本気を出せば一瞬で決着がつくらしい。

有珠の母
「純血の魔女(マインスター)」と言われる。英国人。故人。資産家・久遠寺家の跡取り息子と結婚して有珠を産んだ。意外とミーハーな性格らしく、ルイス・キャロルの大ファン。禁を破って子供を出産した時の名前もその時にはまっていた物語(『鏡の国のアリス』)から名前を付けている。使い魔のロビンからは「女神」と呼ばれ慕われていた。

魔法の呪文

蒼崎青子 魔弾(スナップ)

用語

三咲町(みさきちょう)
物語の舞台となる山中にある町で、正式には「三咲市三咲町」。江戸時代から宿場町として盛んで、ここ十年高度成長と共に近代化が進んでいる。近代的な面では隣町である社木には及ばないものの、ベッドタウンとして三咲市を代表する町でもある。山沿いに住居が建ち並んでおり坂道が多いが、昔の風習で高い土地に住居を構えるのは良くないとされ、一定以上の高い所からの住居は久遠寺邸以外には見られない。この一帯は数百年前から蒼崎の管理下にあり、魔術協会が所有権を持たないフリーの土地であるため、その土地を狙うフリーの魔術師から狙われている。

私立三咲高等学校(しりつみさきこうとうがっこう)
青子達が通う高校で、三咲町に設立されている私立高校。50年の歴史があり、現在の第二校舎からさらに山の方に上った所に閉鎖された初代校舎がある。20年前に一旦閉校されていたが、三咲町の近代化に伴い某デパートグループの寄付金を元に第二校舎を設立した。しかし、地元住民は県立高校を望んでいるため三咲町出身の生徒は少なく、外地から通う生徒が多い。原則として生徒は部活動の入部を義務付けられているが、青子は生徒会多忙のため、草十郎は水泳部に入部したものの時期的に入部しても意味がないとクビになってしまい、部活には入っていない。

礼園女学院(れいえんじょがくいん)
有珠が通う私立名門女子校。いわゆるお嬢様学校で、制服は修道服を模している。三咲高校より遥かに偏差値が高い事で有名であるが、郊外にあり、寮生活が義務付けられているため制服姿の生徒を見かける事は滅多にない。有珠は特例として自宅からの通学が許可されている。

久遠寺邸(くおんじてい)
三咲町白犬塚の丘の上にある屋敷。有珠の両親の形見でもある。とある経緯でイギリスから運ばれた由緒正しい洋館で、そこでは、「2人の魔女が住んでいる」「幽霊屋敷」等と噂されている。広い敷地面積に普通の住宅が3つ入るほどの大きい本館と、少し離れた高台には別館が完備してある。別館には魔術関係の図書室があり、有珠ですら全て把握できない位膨大な数の本があり、青子・有珠曰く「魔窟」。裏庭にあたる森林は有珠曰く「特殊な場所」であり、魔術の儀式などをする時は森林の状態も深く関わる事になる。物語当初は、青子と有珠が住んでいたが、後に草十郎もここで暮らすことになる。上記の通り、丘の上にあるため往来が非常に面倒くさく、また雰囲気もおどろおどろしいため、三咲町の飲食店において、「出前は三人前以上の注文でなければ受け付けない」というルールが作られた元凶になってしまっている。

やしろぎブレッド&キッツィーランド
由里彦が56歳の頃に、所有地であった社木郊外の土地を開放し、3年の月日をかけて建設した地域密着型遊園地。しかし、キッツィーちゃん(あまりにも不細工で、パチもん臭いオリジナルマスコット)を代表とし、各種専門誌はこぞってキッツィーランドの欠点をあげつらい、「キッツィーランドにドリームはない。ただ悪夢のようなユーモアがあるだけだ」とまで言われ、客足は減少。更に、母親とはぐれた6歳児が園内の施設で遭難し、衰弱死寸前で救出される事件まで起きてしまい、5年後の1986年に由里彦の引退と同時に運営が困難となり、閉園した。

童話の怪物(プロイキッシャー)
童話をモチーフにした有珠の使い魔たち。空想によって作られた破格の使い魔であり、「伝承防御」という特性のため現代兵器で傷をつけることは不可能で、攻略するためには由来となった童話や伝承に即した弱点を突くか、より強い神秘をぶつけなければならない。その特性上文明圏では本来の力を大幅に制限される。モチーフとなった寓話や童話に則った複雑な使用条件を持つが、万全な状態で発動したならば、あらゆる寓話・あらゆる不思議を許容する、「魔法以上に魔法に近い」と謳われる力を顕現させる。魔女は自分の代で先代からのプロイを自分用にチューンナップするが、有珠の母がルイス・キャロスなどにはまったので有珠が使用するプロイはマザーグースをモチーフにしたものと有珠の母の創作童話をモチーフにしたものが存在する。初代の魔女から伝わる特に強力な3体を「グレート・スリー」と呼び、その価値はひとつの王国より希少とされる。いずれも千年級の神秘を重ねた「至高の幻想(クラウン・ファンタズム)」で、現代の魔術師の大部分はその神秘の前に敗れ去るとされている。それぞれ「橋の巨人」、「月の油」、「薔薇の猟犬」という名前がついている。

夜の饗宴(ディドルディドル)
本体は有珠お手製の猫の形をした鈴で、使い切りのプロイ。鈴を地面に投下して鳴らす事によって、夜を深めて有珠の魔術を倍加する。そのため有珠にとっては最も愛用する基本的なプロイである。

ロスト・ロビン・ロンド
青い駒鳥。有珠からは散々な扱いを受けているが、マイ天使と呼んで彼女の事を慕っている。人間と会話をする事ができ、「〜ッス」という軽快な口調で喋る。ただし誰でも言葉が分かるわけではない。有珠の母の形見にあたるプロイ。持ち主の姿に変身して身代わりになる。

おしゃべり双子
カスタネットとホッチキスで作られたプロイ。本体はダイス。人間やペンギン、重しや鍋のフタなど出た目によって姿を変えるが、有珠では六の目の双子の豚の姿しか出ない。ちなみに四の目は振り直し。二体のプロイであり、トゥイードルダム、トゥイードルディーという名前が付けられている。魔術による干渉には弱いが、ホッチキスの口で挟んだ相手の行動を封じる。

午睡の鏡(セカンドチケット)
久遠寺邸に設置されている鏡のプロイ。結界を作ったり、物理法則を曲解して内部に人を閉じ込めたりする。顕現時は辺りに霧が立ち込める。有珠の母と蒼崎橙子によって修復された。「三大にはなれなかったが、機能的にはそれに劣らない」と評される強大な使い魔。

名無しの森
午睡の鏡と合わせて使用するチェスの駒。人払いの結界を作る。

スクラッチ・ダンプティ
本体は手製のイースターエッグ。顕現時は本体の10〜30倍の巨大化する。特定の対象に観察するように接近し、対象がダンプティから目を離すと地面へ落下して散乱し、呪いの欠片を振りまく。また落下しないまま一定時間が経過すると、卵の内部に対象を閉じ込めてしまう。

シックス・スィング・チョコレイト
2ダース入りのチョコレート入りの小箱。チョコレートは24羽の椋鳥の使い魔であり、主に三咲町内の監視に充てられている。またチョコレート自体を食べる事で、魔術師の傷を癒す事もできる。

スクリプス・ハンプティ
有珠の左目の魔眼。重複詠唱を可能にする。また二つの意味を一つの言葉にするアクロスティック化を事ができるが、ディドルディドルによる効果によらないと発動できない。

橋の巨人(テムズトロル)
「ロンドン橋」に由来するグレートスリーの一角。千年級の神秘を重ねた最強のゴーレムで、川や流水のある場所でのみでしか顕現できないが、その破壊力は強力無比。立地によって形態が大きく変化し、有珠の力では木々を媒介にしたものと岩石を媒介にしたものを顕現できる。岩石より上位の2つの形態に顕現する事もできるが、あまりに高度な術式を組む必要があり、現時点の有珠ではまず不可能。

月の油(フラット・スナーク)
「スナーク狩り」に由来するグレートスリーの一角。霧として顕現し、制限した支配領域内で魔力を無尽蔵に生成し、廃棄された物たちを操る「童話世界の再生」を能力とする。本体は遊牧神の脂を材料にしたという油である為、この時代で精製することは不可能。数々のプロイの中で一番我が強く、術者の指示に従わない事がある。作中では廃園となった「キッツィーランド」自体を支配下に置き、アトラクションやマスコットなどを自由自在に操った。元となった物語の通りブージャムであり、自身が敗北すると消滅する直前に光針を相手に向けて散弾状に撃ち飛ばす。

薔薇の猟犬
ジャバウォックの詩に由来するグレートスリーの一角。詳しい発動条件や能力は不明だが、地下鉄で橙子の放った自動人形30体を瞬殺するなど、絶大な力を誇る。物語開始の半年前、青子との戦闘でも使用されたようで、青子曰く「十回中百回は殺された」。発動すると、白い濃霧が周囲を覆っていき、そこから現れる無数の口が対象を蹂躙する。別名:濃霧の怪物。本編には未登場。

スイーツハーツ
卵状のプディング型のプロイ。自身を食べた者と立場を入れ替え、特定のルールを敷いて、食べた者以外が条件をクリアするまで顕現し続ける。この際、スイーツハーツ自身も擬態していることを忘れており、ルールを実行できる瞬間が訪れるとスイーツハーツとしての人格が表に出てくる。クリア条件はスイーツハーツを見つけることと、制限時間まで誰か一人でも生き残ること。クリアすれば脱落した者も元通りになるが、できなければそのままになる。クリアすると景品として参加者たちに魔力を分け与える。プロイが顕現する条件は、食べた者が片思いをしている事。

スノウホワイト
有珠が初めて製作したプロイ。ブローチ型の飴細工。数分間の間、粉雪を降らせる。

ゴブリンフロン
香水のプロイ。かけた者は一日悪口とスラングしか言えなくなる。元々は有珠のプロイだったが、幼少時にリデルが義父と初めて会う際におめかしして会いたいという話に、何も考えず譲った。ただし、この時有珠はプロイに名前をつけておらずその時の気分で気に入っている順の番号で呼んでおり、リデルが借りたかったプロイとその番号が合致していなかった結果、家庭に亀裂が入りかけてリデルの人生が狂うところだったという経緯がある。以降プロイはリデルによってつけられた名前で呼ばれるようになった。

雑記




情報更新者 ネルオフ

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