三つ葉のクローバー 10

初出スレ:5代目107〜

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* * *

「彼女」の家にお邪魔するという事が、こんなに緊張するもんだとは。
 暖かい春の土曜日の午後。知美のご両親に会うために久しぶりに足を運んだ。
 送迎のために前まで来た事はあっても、中に入るのは数年振りだ。
 見覚えのある家具と新しいソファのリビングに通され、なんとか緊張を解そうと淹れてくれたコーヒーを飲む。
「……うん、そう。わかった」
 電話を切った彼女が振り返る。
「どうした?」
「んー、なんか駐車場が混んでて出るのも時間が掛かるみたい。道路も渋滞してて帰るのちょっと遅くなるかも、って」
「そっか……」
 夫婦揃って隣市の大型スーパーに行っているらしい。混んでるのは、今日は確か特売チラシが入った割引日だからだろう。
 夕飯がどうたらと言っていたらしいから、そのためにわざわざ足を運んでくれたのかもしれない。
 ――あの頃も独り暮らしの貧乏学生によく飯を食わせてくれたっけ。
 とすると、今日の俺の申し入れは良い返事を頂けるのでは――とつい期待に胸を弾ませてしまう。
「せんちゃん、あたしの部屋に行く?ここにいても落ち着かないでしょ」
「あー……ああ、うん。そうだな、久しぶりに子供部屋の様子でも見せ」
「うら若き乙女に対して失礼だと思わないのか?ん!?あっ、あたし以外にも生徒いたんだっけ?じゃ女の子の部屋なんか見飽きてて
 つまんないか」
「知ってて言ってるだろ、お前……」
 こいつ以外にカテキョしてた子もいるにはいたが、みんな小中学生の男ばっかだ。
 年頃のおにゃのこのお部屋なんて生まれてこの方24年、足を踏み入れた事のない鼻血もんの憧れの聖域っすよ。
 部屋に通った事は何度もあるけれど、それは役目としてであり、こいつがまだ中坊の頃の話だ。色気も何もあったもんじゃない。
 今になってみると随分勿体無い事をしたような気がする、と階段を昇っていく小花柄のスカートから伸びた脚を眺めつつ
鼻の下をのばし
「ちょっと!パンツ見えてないよね!?」
「……うん。見えない」
――つくづく残念な奴だなと思う。



 部屋に入ってすぐ写真立てが目に入った。
 卒業証書を手に笑うセーラー服のチビと、側で寄り添う家族。それからその隣にあるブレザーに姿を替えた同じタイプの物。
「どうしたの?」
「ん?いや、初めて見るからさ」
 ようやく目にした高校生のチビの姿を、嬉しく思い眺めた。
「なんか目つきエロくない?やだなぁオヤジ臭い」
「はぁん!?なんだとう!何をバカな事を……所詮あれだろ?制服なんか決まり事に過ぎないんだし。大体俺ロリコンじゃねえから
 中坊のセーラー服が女子高生のブレザーに替わった位のもんでそんな……」
「ふうん。せんちゃんは制服フェチの気はないのか。じゃあ見せに行かなくても良かったんだ、別に」
 は?み、見せにと仰いました今?
「……合格してさ、入学してちょっと落ち着いた頃に一度だけアパートの側まで行ったんだよね。けど、あの時にはもう、あたし達
 切れちゃってたから――会えなかった。そのまま帰った」
 俺もあの頃進級して、他のバイトも見つけて色々あって忙しかった。チビの事は忘れたわけじゃ無かったけど、どうにもならない、
季節の入れ替わりと同じような関係だったんだと考えていた。
「せんちゃんのお陰で着ることの叶った制服だった。だから見て欲しかった。何より『ありがとう』ってちゃんと言いたかった。
 ……でも……できなかった」
 俺だって気にならなかったわけじゃ無い。心配だったし、その一方でこいつなら大丈夫だろうとも思った。隠された脆さに
気が付かなかったのは今になって申し訳なく感じる時もあるんだけれど。
「……見たかったなあ」
「えっ?」
「これ」
 写真の中に笑うチビの体を包む紺の衣を指差した。
 ちゃんと、この目で見たかった。せっかく会いに来てくれたその想いに報いるどころか目を背けた。

 ――俺の知らなかった高校時代の知美に会いたい。

 無性にそう思えた。
 失くした時間は戻らないから――余計に無念さが募る。


「……せんちゃん、5分、待てる?」
「ん?……うん」
 クローゼットを開けるとクリーニングの袋に包まれたままの衣類を手にし、部屋を出て行こうとする。
「おい、ど、どこ……にっ」
「見せてあげる」
 ひょいと掲げて見せたそれは、今はもう必要の無くなった物。いわゆる思い出のひと品というやつなのか。

 部屋に1人残された俺は、とりあえずベッドに腰掛けゆっくりと中を見渡した。
 中学の教科書や高校受験の参考書は短大のテキストに並び替わっていた。
「懐かしいな……」
 あの頃使っていた辞書を見付けて机の前に立つが、どことなく違和感を覚えてちょっと落ち着かない気分になった。
 少し色あせて見えるこの表紙のせいだろうか?それとも、並んでいたキャラクターグッズの数が減っているせい?それとも。
 それに手を触れてみて、初めてはっきりと気が付いた。
 流れてしまった時間の長さに、改めて知美という1人の女の子の成長を認めずにはいられない。
 窓に掛かるカーテンの柄は変わった。家具は多分そのままで、中身はその時々で変化があったりなかったりといった所か。
 俺の部屋と似たようなもんかな、とまたベッドに腰掛けようとして、キャビネットの中のある物に目が留まった。

 それを見た瞬間、俺の視界はゆっくりと歪んで、堪えきれずに目頭を押さえ沈み込むようにベッドの上に腰を落とした。

「……どうしたの?」
 ドアを細く開けて覗き込むチビの戸惑った声に振り向く。
 はにかみながら微笑むその顔は、あの頃の面影を残しつつも数段美しく見えた。
 2つに結んでいた髪は肩に流れて、胸元にはセーラーに揺れるスカーフに替わり、ブラウスにえんじ色のリボンが映える。
「……へん?」
「いや。似合う」
「ほんと?なんか裏がありそうだなぁ。せんちゃんが簡単に褒めてくれるなんてさ。あ、今日の渋滞もそのせ」
「まて!素直に褒めてやってるのにお前ときたら」
 そっちこそ素直に受け取れんのか。たまには俺だってそういうことくらいあるわい。……俺の涙を返せ!

 1年前まではきっとこんなふうだったのだろう、とその姿にまた涙腺が緩みそうになる。

 高校生の知美がそこにいた。

「どうせならリアルタイムでもちゃんと見たかったな……」
 今更だけど。その時期にその瞬間でしか会えないチビの姿を、目に心にと焼き付けておきたかったと悔やむ。
「……そうかな?」
「えっ?」
「あたしは、そうならなくて良かったんじゃないかなと思うんだ」
「何でだよ」
「だってさ。……もしずっとあのまま途切れる事の無い付き合いだったとしたら、せんちゃん……きっとあたしの事、ちゃんと
 見てくれなかったんじゃないかと思うんだ」
 妹みたいに思ってた、大事な小さな友達。
 あの頃のチビと、今の彼女の姿を重ねて眺める。
「あのまま何も知らない顔してせんちゃんとこに押しかけ続けてたら、きっと……あたし達本当に会えなくなってた」
 俺の事は『信じてる』と言った親御さん達。
 だが、どう考えても盛りのついた若者と子供から離脱しかけた女の子がべったり仲良くつるんでるのを、怪しげな目で見る輩が
現れないとも限らない。
 だから俺達があのまま、どうしようもなく立ちふさがる壁の力を理由に『会わなくなる』という選択をしなかったとしたら……。
 知美にいわれの無い傷が付く前に――完全に引き離される結果になってしまっただろう。
 そしてチビをチビのまま宝箱の中の思い出で終わらせてしまったかもしれない。
「あたし、その頃は辛かったしずっと淋しかったよ。けど、今はそれで良かったと思えるようになったの」
 会えなかった4年近くの空白。その間にお互いの立場も年齢も変わった。
 それがあったから、彼女の大人への成長と俺の気持ちの変化を遂げる事が出来たのかもしれない。
 共有出来なかった高校時代の時間の流れが、お菓子のかわりに詰まった赤い靴。
 少し色褪せたサンタの顔と、その横に並んだもう1つの値引きシールの跡の残るサンタに、密かに温められてきた想いを感じた。

 ――棄てられなかった拙い15の少女のそれを――。

 制服の襟をいじりながら俯くチビを眺めて、また涙が出そうになった。

「萌える?」
「うーむ」
「なんだ。つまんないの。泣いて喜んでるのかと思ったのに」
「あほかっ!いや、あのな、そういうつもりで見たがったんじゃないんだが」
「あらそう」
 んっとに、俺がまるで年中発情期みたいに。
「ならその手はなに?」
「あ……う、いやその」
「Stand up.」
「の……No……」
「Why?」
「……」
 い、言えません。
 つうかわかるよね?その視線の先は、ばっちり股間を押さえたままうずくまる俺の両手にあるのは間違いないと思うんだが。
 つまり違う所が立(ry……萌えるどころか、燃えたぎってます、ええ。
「エロオヤジ」
「……悪かったな」
 考えてみりゃ、ほんの1年前までは現役だったんだこいつ。だから違和感はないものの、こんな格好させるのはちょっとした
背徳感というか罪悪感というか、リアルタイムで目にしていれば起こらなかったであろうイケナイ気持ちがふつふつとわき上がる。
 おお、いかんいかん!
 正面に立ち顔を覗き込むチビの指が、俺の目尻に残る雫の跡をなぞる。それに合わせて軽く目を閉じた。
 程なく柔らかな微かに濡れた感触が目蓋に当たる。それは優しく唇へと動き、これまで何度も味わった魔力へと変化する。
 屈んだ体を背筋を伸ばし、俺をふわりと包み込むと頭をナデナデしては、時折良い子良い子と呟くのが聞こえる。
「俺は子供か」
「あら、泣いた子が何を仰る」
「頭崩れるだろが」
 これでも頑張ってセットして来たんだ。まあ、俺がわしわしやるのとは随分違って穏やかだとは思うけどさ。
 やっぱり幼稚園の先生ってのはこういう感じなのかな。母性ってやつ?俺より年下の癖して。
 そういや、俺の初恋は桃組のケイコ先生だったなぁ。もう20年前の話で、まだ未来の嫁は生まれてさえいなかった。
 そう思うとつくづく俺は甘えたがりの男なんだなと実感した。こいつに世話焼かれんの好きだもんな。
 ヤキモチ妬かれんのも、それはそれで嬉しかったりするけど。


「……このままシてあげよっか?まだかなり時間あると思うし。結構ツラいでしょ?それ」
 薄いピンクの唇を指でなぞりながら見下ろしてくる。
 あれでコレを、と考えただけでパンツの中がそりゃもうあんなこんな。ていうか何でこいつはこんなにエロカワイイんでしょうね?
「そんな事したら……いくらこの状況でも我慢できる自信ないぞ」
 目の前に伸びる短い丈のプリーツスカートから覗く白い太ももガン見。ああ、触りてえ、なんなら吸い付き……いや、膝枕も良い。
つうかして色々して欲しいけど、されるだけなんて。
「なんか援交の気分だな……エロじじいか俺は」
「あのさ……女の子だって、ちゃんと性欲あるんだよ」
 ほう、なる程。じゃなきゃ人類は愛云々の前に滅亡しちゃうもんな。おまけに男が皆犯罪者か鬼だ。特にお前は俺をすぐその気に
させる小悪魔だからな。
 死ぬ前に食うとしたら迷いなく『お前』って言いますよ。勿論性的な意味で。
 立ち上がり制服姿のチビを抱き締める。
「何やってんの?」
「現役時代にこういう事出来なかったからな〜」
 不思議そうな顔で見上げるチビの頭を撫でナデしつつ見下ろして、てっぺんからつま先まで眺め、襟や胸のボタンを摘んで
弄ってみたり、またぎゅっと抱きしめて。うーん、女子高生堪能。たまらん。そんでついでにくんかくんか。
 学校帰りにデートとかしてみたかったな。高校時代の俺には、女の子が異性というより異星人に思えたもんだよ。
「きゃあっ!?何すんのバカ!!」
「のわっ!?」
 調子にのってスカートめくってみたら蹴られた。おお、弁慶……。
「ぐぉ……いてぇ……何だよ今更減るもんじゃ無し」
「うっさい!こういうのは違うんだよ。何よ、どうせやった事なんかないくせに。せんちゃんだったらボコボコにされて終わりじゃん」
 悪かったな、ヘタレで。まあ、確かにそういう事する奴は少々の事じゃメゲてなど無かったような気がする。俺は教室の隅っこで
『白』とか『ピンク』なんて言うのを聞きながらドキドキしてたもんだ。
 要はムッツリだろ、と言うチビを無視して足をさする。

「水色……」
「え?」
 俺の視線の先に気付いて、慌ててきょとんとした顔を睨みを利かせたバージョンに変える。って、恐くないんだってばそれ。
 真っ赤な頬でスカートの裾をぎゅっと押さえて、俺の前にぺたんと座り込む。
「……誘ったくせに、何恥ずかしがってんだよ」
「だって……んっ」
 抱き寄せて唇を重ねると途端に躰の力が抜けていくのが、背中や腕にに廻してきた手の感じでわかる。さっきまでの威勢の良さは
ドコ行った、おい。
「や……やぁ、んんっ」
「嫌なん?」
 ブレザーをはだけてブラウスの上から胸を触り、ボタンをひとつふたつ外すと白いレースがちらっと覗く。
「や……じゃないけど、恥ずかしいんだもん、見られんの」
「じゃ触るのは?」
 レースの浮いた隙間から指を差し込む。
「それも恥ずかし……っあんっ!?」
 ブラのカップと肌の間に滑り込んだ俺の手のひらの裏と表に、生地とおっぱいのふわふわのそれぞれに心地良い柔らかさと
温かさが……これまたもう。
「この中身なんか何べんも見てんのに。もう慣れただろ?」
「そういう問題じゃないんだってば、バカ!慣れたからって平気なわけじゃないんだからね」
「俺のほうにはあんなコトやこんなコトしてくれるじゃんかよ……」
 それは恥ずかしくないんか。
「……だって、せんちゃん嬉しそうじゃん」
 俺だってそうだ。こいつが気持ちイイって悦んでくれたら嬉しいんだ。そりゃその前に触りたいくっつきたいっていう、俺自身の
エロ心も大いに関係してますけども。
「だからそれは恥ずかしいけどもっと……あ、ちょっとダメ!」
 ブラウスのボタンを全開にしてから押し倒そうとして、両手で押さえて身ごろを合わせ止められる。
「エエェェエエ〜……」
 お前さっきシていいって……今更そんなあぁ……。
「しわになるし」
「え?ああ、そゆことね、ハイハイ」
「ね?だから仕舞うから……」
「ん〜でも勿体無い」
 要は崩さなきゃいいんだろ?
 チビの手を取るとベッドに手を置かせて跪かせ、背中から抱き締めた。


「ちょっと……あっ」
「こうしたら脱がずに触れる……」
 立て膝した状態で、ベッドに掴まるようにしがみつくチビの躰を後ろからぴったりくっついて抱き締めた。というより半ば
乗っかかるみたいな。
 既にはだけてしまったブラウスの裾をスカートから引っ張り出し、背中に手を入れてホックを外す。
 カップを持ち上げるように下から手を入れると、柔らかな重みをそれに受け止める。
 ふにふにっと形を変えて指の動きに吸い付いてくる弾力のあるおっぱいは、小さなため息と共に捩る躰が前屈みになっていく
せいで余計に重く大きく感じる。おお、なんか得した気分。重力は偉大だ!
「……な、なんか……ね」
「うん?」
 勃ってきた乳首をくりくりと擦ると、声を詰まらせてぴくっと震える。
「ふぁっ……なんか、こんな格好してる……と……んっ……イケナ……イ事してるみた……い……あぁんッ」
「ん……そうかな?」
 イイコトなんだけど、この状況を考えるとイケナイ事なのかな、やっぱ。
「せんちゃんとここで……勉強以外の事するとは思わなかった……もん」
 首筋に息を吹きかける。
「きゃんっ」
 甘い悲鳴があがってすくめた肩は、耳たぶに押し付けた唇とつまんで擦る乳首の動きに合わせて喉を鳴らして仰け反らせ、
震えてがくんと下がる。
「受験には関係無かったもんな」
「なにが……あっ」
「保健体育」
 実践付きで。
 スカートの裾から手を入れて尻を撫で回す。女子高生に痴漢する野郎はこんな気持ちなんだろか。
 そりゃ触りたくもなるわな、こんな尻が、太ももが目の前にあったら。匂いだって嗅ぎたいわな、こんなサラサラの黒髪が
目の前で揺れてたら。
 しかし、だ。もうこれは俺のだし、近い将来は全部そうなる予定でいるし。となると他の野郎に指一本触れさせたくなんかない。
冗談じゃねえ。んな目に遭わせてたまるか。
「なあチビ。お前は俺が守るから」
 これから先、ずっと。
「だから側にいろよ」
「……やだ」
「なぬっ!?」
 まさかの拒否!ここまで来て……こんなの聞いてねええぇぇ!!
「……パンツ脱がせながら言わないでよ」
 あ、ですよね。頭をぱしっと叩かれた。

 両端に指をかけ、するすると小さな布が下りてくる。スカートから突き出した尻が見えそうだ、と生で拝もうとして睨まれた。
 いいよ。直で見るだけがエロじゃねえ。
 太ももで止まったパンツの真ん中が染みになって色が変わってる。触ってみるとやっぱり。
「こっちも……」
「!?……ひっ……あ……」
 脚の間に差し込んだ指先が割れ目を見つけて撫でると、ぬめりに合わせてくちゃくちゃと滑る。
「……やあぁんっ……あ……ああ」
 ぷっくり膨らんだ柔らかい毛の感触のする肉を掻き分けて、可愛いお豆さんを転がす。くりくりと撫でてやると、膝を震わせて
スカートのプリーツがゆらゆらと揺れている。
 隠れて見えないその中で、俺の指がチビの一番大事な所を好きなようにイジってるのを、頭の中に思い浮かべては鼻息を荒くする。
 童貞歴が役に立ったぜ。想像力パネぇ。
「恥ずかしいよぉ……あっ、や、だめ、ん」
「でも気持ちイイんだろ?」
「ん……」
 付け根から内股に流れ落ちる愛液をすくって指に絡め、あそこを焦らすように撫でなで擦る。うう、やっとこういう事が出来る
までになったか。もうちょい、我慢ガマンだ!ズボンの中の暴れん棒を心の声で叱咤する。
 しかしアレだな、こう……後ろから悪戯するのも視覚的には(AV的な意味で)悪くないんだけど、やっぱ正面から攻めたいよな。
だってこれじゃ顔やおっぱい見れねえ。つうか揉みながら吸い付きてえぇ!!
「せ……んちゃ、お願い……胸……もぉ」
「ん?」
 下ばっかり触って上がお留守になってた。どんどん濡れてくるチビの女の子の部分に夢中になって、柔やわな大好物を可愛がる
のを忘れてた。てへっ。
「あっ……そっ……そこぉ、やぁんっ……あぁ、あっ、はんっ、ん」
 集中、集中。上下の粒をそれぞれ丁寧に弄る。しかし難しい、あちらを勃てればこちらも勃つし、おいらのアソコも……。
「ああもう、辛抱たまらんっ!!」
「きゃあぁっ!?ちょ……ああっ、あああっ」
 チビの躰を抱えてベッドに放り上げ、仰向けに転がったところにのしかかった。


「ちょっと、破けるっ!」
 少し乱暴にブラウスを広げ、むき出しのおっぱいに食らいついた。ええい、邪魔だ!ブラを首まで押し上げて再開。
 とっくのとうに硬くつぼんだ先っぽを、ちゅうちゅうコロコロして遊ぶ。まだ柔らかいのが段々硬くなってくのを楽しむのも
良いもんなんだけどね。これはこれで良し。なんたって反応がもう。
 さっきまでのでもうすっかり出来上がってるカラダは、少しだけ鳥肌を立てながらも熱く震えて、膨らみに顔を埋める俺の頭を
抱きしめて呻く。
 散々味わって口を離すと、その胸を揉みながら片手でスカートを捲り、中途半端に下ろしたパンツはそのままに茂みに覆われた
お宝を探す。
 こいつ割と薄い方だと思うんだよなぁ。いや、まあ比べてるわけじゃ無いけど、てか本物他に見てないから比べようが無いけど。
ってほっとけ!
 だから余計こういうシチュは『後ろに手が回るんじゃないか』という有り得ない心配にびびる。んでその分血圧が上がる。
気分は腹上死。
「ふ……んっ、んむっ、ん……んんうッ」
 ちょっとずつ声が高くなってきたチビの口を塞ぐために、俺の口で蓋をして舌を押し込んで絡める。
 キスだけでも何かすっげえ気持ちいい。
 食=エロス、うむ、どっかで聞いた気がするが、なんかわからんでもない。飯食ってる時にそんな事考えたことなんか無いのに、
乗せる物が女の舌だとこうも違うのか。
 この舌で俺のアレもぱっくんしてこんなふうにされたらそりゃ……たまらんわな。何でいちいちエロいんだこいつは!!
 キスの音に被せて下を弄る指がくちゅくちゅと濡れている。どっちがどっちのか区別つかない湿ったリズムを奏でつつ、
それにあわせて俺たちの躰も重なったまま跳ねる。
「ん……せ……んちゃ、もう、だめっ」
「……ん……イく?」
 うう、と呻いて唇を離して首を縦に振る。
「イけよ」
 小刻みに動かす指を速く、擦る力も少し強く。
「ああっ――ああぁっ――は……っんっ――!!」
 背中を大きく反らせながら俺の肩にしがみつき、脚をぴんと伸ばしながらぷるぷると震えた。

「いやぁっ、もう……だめえぇ!!」
 ゆっくりと尻から太ももを撫でる手を必死で抑えてくる。
「感じ過ぎちゃうから……だめ」
 じわっと涙を浮かべて真っ赤なほっぺして。
「やぁんっ……だから……だめえ」
「はいはい」
 かわええ。耳たぶ噛んでイタズラしたらちっちゃくなって震えてる。子猫みたいに丸くなって、イヤイヤ、って。
「もっと気持ち良くなるんだからぁ……イイの」
「え?あ、うん」
 けど、それって無理っすよ?
 ズボンのベルトに手を掛けて気が付いた。
 ――アレ、持ってねえ!!
 さすがにナマはまだヤバいだろうよ。これから親に正式に交際許可を貰おうって男が、たとえ今日許しを頂いたとしてもだよ、
あっという間に孕ませたとあっちゃそりゃ……ねえ?
「それなら大丈夫」
 脱がせかけのパンツを穿きなおすと、机の上のバッグから小さな箱を取り出した。
「これ、この前買ったの」
「お前……んな物どこで」
「通販。コスメとか下着とか、女の子向けの雑貨と一緒にそういうのもあったりするんだ。中身もバレないようにしてくれるし」
「へー」
 キラキラした可愛い箱に、よく見るとそれらしい説明書きがある。一見しただけじゃ俺みたいなのにはわからない。なる程ね。
「いつもせんちゃんに任せっきりだからね。こういうのって、やっぱり2人の問題だし」
「……ありがとう」

『女の子からこういうのって、嫌?』

 こういう時決まって付いてくるであろう台詞を言わせないために、先に礼を言った。
 ちょっと前の俺なら、嬉しく思わなくは無くとも、女の子の行動としてはどっかで引いて身構えたかもしれない。
 けどこいつは全てが俺のためで、ヘタレな俺に尽くしてくれながら一歩先を見て歩こうとしている。
 俺色に染まりつつ、後ろをついて追っかけて来ては、時々予想を超えて前を行く。
 そんなチビの色に染まりながら一緒に歩くのも悪くないと思うんだ。

「……」
「どうした?」
 ちっちゃな袋を摘んだままで悩んでる。
 おい、早くくれ。念のためのズボン半脱ぎだがこのままじゃシワになる。流石に今日はジーパンじゃないからな。つうか尻寒い。
「あのさー、これ、着けてみたい」
「げっ!?」
 まーじーかー!!いや、そんな、そりゃそういうの見てハァハァした事もあるけどさ。
「実習実習」
 袋を破って、確認しながらムスコに触れてくる。仕方ねえ、保体のお勉強といきますか。って、恥ずかしいんですけど、俺。
 手順を教えながら、自分以外の手によって準備が整えられていくのをじっと見てるのは、なんか変な気がするが。
「どう?」
「よくできました」
 よしよし、はなまるをあげよう……と言いたいトコロだが、今はこっちだよな。
「えっ……うっそ!?――あぁっ」
 俯せに寝かせて膝を立てお尻を上げると、パンツをまたぐいっと引いて下ろす。
 おお、いい尻。
 白くて丸い柔らかなふたつの肉の真ん中を指で押し開くと、今までと違う角度で全部が丸見えになる。
 そこに腰を押し付け、慎重に場所を合わせて挿し込んだ。
 こんな角度でするのは初めてだからか、チビの着けてくれたゴムのせいなのかちょっと引っかかる感じがする。キツい。
「ねぇ……なんかおっきい?」
「えぇっ?」
 くぅっと声をあげては枕に顔を埋める。うおい、こら、腰揺らすな!
「し、締めるなよ、お前……」
 すぐイッちゃうじゃないかこれじゃ。
「そんな、あたし何も……や、ふぁ、あんっ、だめ、はげ……し……」
 優しくしてぇ、と泣きそうな声を出す。でも、痛いってわけじゃなさそうだ。動かす度に絡まる液の量が多くなって、今度はめちゃくちゃ滑る。
 一旦抜くと、くるりとひっくり返して仰向けにしたチビにまた乗っかかる。
 折り曲げた膝に引っかかったパンツ。それを足首までずり下げて抜くと、スカートを捲り上げて思い切り大きく脚を開かせる。
 朱く濡れてヒクヒクするヒダにアレの先を擦り付けてつつくと、早く早くと口にしなくても腰を浮かせてねだってくるから
欲しがってるのが手に取るようにわかる。
 ああ、俺だってイきてえよ。
 内股に手を添えて押さえると、一気に腰を沈めた。


 押し曲げた膝に乗っかるように躰を押し付け、腰を揺らす。
 ギシギシと軋むベッドは2人で寝るには狭いから、激しく動くと窮屈で可哀想なくらい音を立てて揺れている。
 これじゃ隣どころか階下へも丸聞こえかもしれない。留守宅で良かったと考えながらおっぱい丸出しで喘ぐチビを見下ろして、
『親の留守に教え子を犯す不埒な家庭教師』な気持ちになった。もしくは間男ってこんなん?
 早くイカなきゃ、と思い始めて焦る。だめだ、気が散る。すっげえ気持ちいいのに……変な義務感みたいのが湧いてきて頭が
冷えて集中できん。くそう。
 いっそ手でしてもらう方がいいかもな。
 じゅるっと滴るような音で滑らせたモノを抜こうとして引いた腰が、物凄い力で引き止められた。
「!?」
 折り曲げて広げた脚を俺の腰に絡めて、しっかりと捕まえて離してくれない。うっそぉ!?
「あっ――あぁんっ――だめ!抜いちゃだめ!いやぁっ!!」
 首をぶんぶん振りながら、俺の肌と密着した部分を腰をくねらせて擦りつけてくる。
 うおっ!なんて事するんだお前という奴は。
 ハァハァしながらとろんとした目で見るな。半開きの唇がまた、あぁもうっ!!
 脱童貞した友達が昔『自慰の方が気持ち良い』って言ってたが、俺はそう言い切れない。
 出したいだけならそれはそれで間違い無いんだろうけど、到達する前のいちゃいちゃうふふが大好きな俺は断然えっちの方がいい。
 チビのもちもちの肌の温もりや柔らかさを知ってしまってから、たまにこっそり自家発電してみても、ティッシュに吐き出された
所詮『欲望の塊』でしかないそれと空っぽの腕の中に、虚しさ以上のものを見つける事が出来なくなった。
 若くて可愛いのは今のうちだ。
「なあ、チビ。俺……がおっさんになっても、こういう事……できる?」
「んっ……」
 虚ろな目でみあげつつ頷く。
「せ……んちゃんは、あたしがおばちゃんになったら無理?」
「うんにゃ」
 熟女モノも嫌いじゃないぜ。だから多分、こいつで勃たなくなったら俺の男としての人生終わる。惚れた女に萌えらんなくて
どーすんだ。

 俺だって若いのは今のうちだけだしな。すげえイケメンでもセレブでも無い俺が誇れるのは、でかいだけの背と、まだ無事な頭髪
アンド腹周り以外はそんなもんだ。確実に俺の方が先に酷い事になるだろうし、いつかチビを――ひとりにしてしまう時がやってくる。
 それまで全力で愛し抜くつもりだ。文句あっか。
「んんんっ……も、だめ、あぁ、やぁ、っ、んぁんっ、うぁ、――あッ」
 ほんのりと朱く染まった肌に、つうっと一筋の汗が流れた。
 震える首筋に唇をあて、互いの躰を力一杯きつく抱き締め合ったまま終わる。
「んあ……っ」
 絞り出す声の掠れた色っぽさに身震いがした。
 心地よい疲れに浸りたい気持ちを我慢して、チビをのしかかる体重から解放しようと腕を伸ばした。
 ああ、抜きたくないなこれ。
 今はまだ薄い膜越しにしかチビの胎内を感じる事が出来ないけど、そこから一刻も早く退散しなければならない現実はちょっと辛い。
 だって淋しそうに見てくるチビの顔に、俺も切なくなってくるんだ。
 前は終わるとすぐに躰を離して、処理をするとその流れで服を着たりしてるうちにそのまま帰り支度、なんて事になってた。
 それをチビが哀しそうにするのに気付いてからは、片付けだけは早く済ませて(いや、挿れっぱなしは危険だっていうし)
なるべく肌を合わせるようにした。それでようやく自分でも、こういう時間が何気に大切なんだなと解ってきた。
 いきなり繋がっていた温もりがなくなるのは不安になる。
 素に戻ると照れくさいけど、汗に貼りついた髪を梳いておでこにキスする時の充実感はたまらない。
 ――が、今日ばかりはそうも言ってらんないみたいで。
「制服ぐしゃぐしゃ……どうしよ。恥ずかしくて近所じゃクリーニングに出せない」
「……すまん。責任とってうちの近所に出すわ」
「それはやめた方が良くない?」
「なんで」
「……こういう目で見られるよ」
 おい、なんだその汚いモノを見るような目は。もっと見……いや、その、確かに変態扱いされるかもしれんな。下手すりゃ
犯罪者呼ばわりかも!?――お、俺は淫行はしてねえ!!

 あまり馴染みのない店に出しておくという事にして制服を脱ぐ。おお、生ストリップ。
 紺のハイソと下着だけの格好を見て、股……いや、胸がキュンとなる。
「きゃっ!せ……」
「もうちょっとだけ……」
 外れたホックを留めようとした手を掴んで抱き締めると、むき出しの背中を撫でる。
 軽く抵抗したチビの唇を塞ぐと、浮いたブラのカップの下から手を入れて胸を軽く揉んだ。
 ああ、このまま2回戦にいきたいなぁ。けど、もうこの辺で止めとかないと。
 汗ばんで少しパンツの貼りついたお尻を名残惜しく撫でる。
「……ごめんな」
 ううん、と恥ずかしそうに微笑んで俯くチビの顎を上げさせ、もう1度だけ――と唇を寄せた。
 途端に電話が鳴って、慌ててチビが廊下の子機を取りに走る。
「――もう××まで来てるって!」
 なぬう!?ああ、そこならあと5分てとこか。甘い雰囲気は一瞬にしてぶっ飛んで、身支度を整えようとバタバタする。
「替えの選んでやろうか?」
「……!?エロ親父っ!!」
「痛ってぇ!?」
 汚してしまったパンツを脱がそうとして、両手でぱちんと頬を挟まれた。
 そうこうするうち、あっという間に時間は過ぎる。
 車の音がして急いで階下へ。
 鍵を開けチビが出迎える間に、ソファで冷めたカップを手に取る。
「やあ、待たせたね」
 渇いた喉をごくりと鳴らしながら腰を上げた――。


* * *

 穏やかな春の土曜日、夕暮れの土手を散歩する。
 バイトを終えたチビを迎えに行って買い物。片手にエコバッグ、もう片方には――。
「あったかくなったねぇ」
「そうだな。風も気持ちいいし」
 まだ明るい原っぱには、走り回る子供らや犬の散歩を楽しむ人たちの姿があった。
 前はこういう景色を見ても、大した感動もせず当たり前の日常の風景の一部としか捉える事が出来なかった。
「のどかだねぇ」
「だな」
 今は、何気ない日々の中の小さな出来事一つひとつがとても大切に思えてくる事がある。
「あ、見て」
「お、すげえな」
 そして他人にとってはどうってことないものが、自分にとって特別なものに成り得るという事も。
 自分より少し小さな柔らかな優しい手。
 その温もりを確かめながら、目の前に広がる白と緑の絨毯を眺めた。


「ねえ、知ってる?」
「何を……うわっと!?」
 質問の意味を答える前に、チビはさっさと繋いだままの手を引っ張って土手を下りていく。
「危ねえな。坂になってんだから急に走るな!何なんだよお前は」
「いいからいいから。見て?」
 原っぱの真ん中でしゃがみだすチビに合わせて腰を下ろした。
「この花、シロツメクサってゆーんだよ」
 見れば辺り一面揺れている、白い綿帽子みたいな丸い花。間を埋める緑の葉っぱには覚えがあった。
「あ、クローバーか」
「すごいね、ここ。また見つかるかなぁ」
 きょろきょろと周りを見ながら何かを探している様子。
「何しとんじゃ。……で、何を知ってるって?」
「ん?ん〜っとねぇ、花言葉」
「花言葉?何か意味あんの」
「そう。あたしもこの前たまたま知ったんだけどね」
 ちょいちょいと足下の葉っぱを指でよけながら、目線は忙しなくその先を探っていく。
「四つの葉にはね、愛情とか、信仰、希望、幸運とそれぞれ1枚ずつに意味があるんだって」
「へぇー」
「それから他にも『約束』と」
 ふっと笑顔が消え、真っ直ぐ俺の目を覗き込む。
「なんだよ」

「……『私を見て』……」

 脳裏にあの夜のやりとりが思い浮かんだ。
 少しちくりと疼き痛む片想いの傷をいとも簡単に塞いでしまった、今は手帳の間に眠るたったひとつの小さな葉っぱ。
「驚いちゃうよね」
 偶然と呼ぶべき確率の出来事だったんだろう。だけどその幸運の葉にはきっと、その時気付く事の出来なかったチビの想いが
密かに託されていたに違いない――いや、そうあって欲しいと願う。
「……約束するよ」
 あの日受け取った『言葉にならない告白』に対する俺なりの答えだ。
「ずっと」

 ――お前だけを見ていくから。

 その言葉に潤んだ目を伏せながら胸元の三つ葉の飾りを弄るチビの手をとった。
「約束ね」

 守るよ。

 指切りしながら心に誓った。
 贈られた愛情と贈った誠意を一生涯忘れはすまいと。


 辺りを見渡してみれば、近くには人の姿は無い。
「あっ!あった!!」
 いきなり大声で何かを見つけ出すと、小指を絡めたまま身を乗り出して前の方を覗き込む。
「もー何してんの?唇尖らせて」
「誰のせいだ、だれのっ!」
 しゃがんでるうちに足が痺れて、引っ張られた勢いでよろけて尻餅ついた。つか、せっかく誰も見てなかったのに……くすん。
「ほら、それ」
 得意げに指し示す先にあるのは。
「おお、すげぇ!!」
「でしょ?」
 摘もうとした手を思わず止めた。買い物袋を持ってたから、やや強引に動かして中身がガサガサと暴れる。
「ちょっ!卵割れるじゃん!!何すんのー?」
「わり。いや、なんかさ、そのままにしておいた方が良いかと思って」
 穏やかな風に揺れるそれを見ていたら、何だかそんな気になった。
「もう俺らには必要ないだろ?」
 その言葉に笑って頷いてくれたチビに肩を借りて立ち上がると、もう一度しっかりと繋ぎ直した手を引いて歩き出した。
「帰ったらあのカップでコーヒー飲もうか」
「そうだな」

 だから他の誰かにその幸運を。

「今日……泊まっていける?」
「うん。でもそのかわりにね」
「何だ?」
「来週はうちでお姉ちゃん達呼んで飲もうって。お父さんが」

 この世界に生きる人々の中で、俺が唯一の相手を見つけ出す事が出来たように。

 たくさんの三つ葉の中に埋もれたあの四つ葉を見つけ出してくれたらと思う。

* * *


「ねえ、せんちゃん」
「なんだチビ」
「その呼び方やめてよ。――ね、これなんかどう?」
「いいんじゃね」
「投げやりだなぁ……もういいよ!勝手に決めるから」
「いや、そーゆんじゃなくてだな……その」
「何よ。似合わないならそう言えば」
「そうじゃねえから困ってんだよっ!き、綺麗だ……だあぁっ、何言わすんだっ!?」
「……タコだ」
「誰がタコじゃ!」
「だって真っ赤だもん。……じゃ、これにしよっかな」

 目の前にいる純白のウェディングドレスの彼女。

「引き出物決めなきゃ」
「カタログがいいな、俺」

 満面の笑みを浮かべて微笑む側に寄り添っているのは、勿論――。


――完――




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2010年06月29日(火) 16:34:42 Modified by ID:Bo5P9jtb2Q




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