6代目小ネタ39

初出スレ:6代目39

属性:男(二十台半ば)×少女(小学校低学年)



「お兄ちゃん、今日はバレンタインデーですね」
「ああ、そうですね」
「女の子からチョコは貰えましたか?」
「少ないですが、幾つか貰う事が出来ました」
「……そう、ですか(しょんぼり)」
「あ、いえ、すみません。嘘です、見栄を張って嘘をついてしまいました」
「え?」
「実を言うと、一つも貰っていません。ああ、残念で仕方が無いなぁ、今年は誰からもチョコが貰えなかった」
「そ、そうなんですか?」
「はい、そうなんです」
「そ、そうですか。じゃ、じゃあ、お兄ちゃんが可哀想なので、わ、私がチョコをあげます」
「本当ですか? ソレは嬉しいなぁ」
「ぎ、義理ですから、そんなに美味しくないチョコをあげます」
「美味しくないんですか?」
「義理ですから! 義理だから、美味しくないんです(悲しそうに)」
「開けていいですか?」
「ど、どうぞ」
「これは……(明らかに手作りの、歪な猪口の塊が出てくる)」
「……(泣きそう)」
「(せっかく手作りを用意したのだけど失敗してしまったのだと察する)もちろん食べていいですよね?」
「義理だから美味しくないですけど、どうぞ」
「パキン、ムグムグ。一つ、訊いていいですか?」
「はい」
「義理だから美味しくないんですか? 美味しくないから義理なんですか?」
「えっと、その……」
「俺的には後者のほうが嬉しいんですけれど」
「え?」
「だってコレ、美味しいですから。もし、美味しくないから義理だって言うんなら、このチョコは美味しいから義理じゃないって事になります」
「え? あ、え?」
「どっちですか? 義理だからですか、美味しくないからですか?」
「あ、あぅ、あぅ(真っ赤になってあたふた)」
「(ニヤニヤ)」
「し、知りません! ソレに、そのチョコは美味しくないって私は知ってます! 嘘をついても駄目です!」
「嘘じゃないです。その証拠に、ほら、もう全部食べてしまいました」
「……(唖然)」
「うん、ありがとう」
「〜〜!!(そっぽを向いてクッションで殴りかかってくる)」


キャスト:男(二十台半ば)、少女(小学校低学年)
場面:男の自室で二人きり。なぜか正座で向かい合いつつ。

小さい女の子に歳不相応の丁寧な言葉で話されるのが好き。それに対して、同じように丁寧に返すのも好き。





関連ページ/6代目小ネタ47/


2011年07月11日(月) 16:22:00 Modified by ID:2C3t9ldb9A




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