無題207

初出スレ:5代目207〜

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「んんっ!……んはあ!……せ、せんぱい……。」
「ああ、すごく、ん、…すごく良いよ……。」
そう言いながら俺は壁の時計をちらっと見た。昼休みが終わるまで
後30分か。俺は事務机に両手をついた彼女の紺色のスカートをまくりあげ、
張り詰めた物を叩き込んでる尻をつかみ、自分の腰のピッチを早めた。あまり
時間が無いからだ。出来ればもう少しじっくりと楽しみたい。こんな事は、
もう最後だから。
「はああ!!そ、そんなにしたら!私!もう!!……。」

話は1ヶ月くらい前に遡る。俺が配属されたこの仕事は退屈極まり
無いものだった。会社の物流部門と言えば聞こえは良いが、平たく
言えば荷受窓口にすぎない。毎日やってくる大型トラックや宅急便
で送られる様々な荷物を手作業またはフォークリフトで受け取り、
仕分けし、送り先の部署に内線で連絡する。ただそれだけだった。
4大卒で入社してもうすぐ20年。販売に始まりあっちこっちの
部署をたらい回しにされ、知らない仕事を転々とし、年取った一年生
の繰り返しの上にこの扱いとはリーマンとして終わった事を意味する
以外考えられなかった。俺は出世コースから完全に外れたのだった。
しかし俺はその事実に不満は無かった。同期や後輩で次々出世するやつら
の疲労困憊ぶりが尋常では無かったからだ。俺自身にヤツ等と同じ仕事が
出来るかと言われれば、正直NOだ。人間には分相応という物がある。
俺にはこの状況が似合ってるのだ。どうせ独り者だし給料が上がらなくても
構わない。もともと高くもないしな。そう思いながら事務所(今にも崩れ
そうなホコリ臭いプレハブ小屋)で感慨にふけってた時、彼女が息せき切って
現われた。
「あっあの!先輩!!」
「は?」
はあはあと荒い息で飛び込んできた若い女子事務職。短大新卒で今年入社
したばかりの、人事総務の女の子だ。身長は150くらい。とてもスリム
な体型で、ショートカットで背筋が伸びてて顔立ちは信じられないくらい
整ってる。まるで作ったようなルックスだ。笑うと白い歯がまぶしくて、
一見して清楚の見本のような感じが会社の受付として来客の相手にうってつけ
だった。他にも総務的な業務を山ほど持っていて、俺なんかより遥かに多忙
なはずだ。その会社の看板娘が、やたらとテンパってこんな場末の部署に何の
用だ?
「ああああの!私宛の荷物って届いてなかったですか?!!」
「? 君宛?」
「そうです!今日海外からの来客が大勢予定してて!!も、もうすぐこちらに
見えるんです!先方の国旗で!日章旗と一緒に掲げないと大変な事に!!」
この娘宛の荷物?国旗?それってひょっとして……。

「これか?」
俺は朝から事務所内の棚に入れっぱなしの小さなダンボール箱を彼女に
手渡した。
「ああああそ、それ!それです!!……って、何で連絡してくれなかったんですか!!
私がどんだけ探したか!!何でそんな意地悪するんです!!会社にとっても大変な
事なのに!!」
「したよ。」
「いつ?!。」
「今朝一番。君んとこの課長に内線いれたがなあ。君に伝えてくれって、俺はそう
言ったけど。」
「聞いてません!そんな事!!」
顔を真っ赤にして彼女はそう怒鳴った。ああ、そういう事か。組織ではありがちな
トラブルだな。俺は自分の経験から、正面から彼女に文句を言うのは非常に危険
だと判断し、たまたま作業服のポケットに入れっぱなしだった缶コーヒーを彼女に
手渡した。実はさっき会社を抜け出してコンビニに行ってたのだ。
「まあ飲め。」
「はああ?!!」
「冷たいうちにがーっと飲みな。そしたら説明してあげるから。」
憮然とした表情で彼女は缶を取り、一気に飲み干した。
「ん、ん、ん、……ぷはーっ!!……はああ……」
大きく溜め息をつく彼女の表情は、さっきより明らかにゆるんだ。
よし、今だ。
「良く聞いて。どうやらそっちの課長で話しが止まってたらしいね。
まあ、あのダンナも暇では無いから無理ないけど。」
「だって、だって私、必死になって探してたのに課長は知らないって
そればっかで……。」
そう訴える彼女の目は、何となく潤んでるように見えた。やべ、
無茶苦茶可愛いじゃねえか。俺は自分の感情を押さえながら、興奮させない
よう穏やかな口調で彼女に話しかけた。
「うん。ドタバタしてて忘れたんだと思う。大人だってそういう事は珍しく
ないんだよ。重要なポストについてる人は特にね。忙しいからどうのこうの
って、言い訳はしてた?」
「それはありません。」
「そりゃ素で忘れてたんだな。よし、じゃあこうしよう。これから君が
捕まらなかったら、総務の君の先輩にするよ。課長はスルーだ。これなら
再発はしないと思う。どうかな?」
彼女は鼻をぐすっとすすって俺に言った。
「……よろしくお願いします。」
そう言うと彼女は荷物と空缶を抱え、とぼとぼと事務所を後にした。
俺ははーっと溜め息をつくと、どっかと椅子に座り込んだ。やれやれ、
あやうく面倒事に巻き込まれるところだったぜ。タダでさえ会社では
役立たず扱いだってのにこれ以上変な事になってたまるかい。
そう思って気を抜いたところ、彼女がいきなりドアを開けて顔だけ
事務所に突っ込んだ。あっけに取られた俺は、その場で固まってしまった。
「先輩!コーヒーご馳走様でした!!今度お礼しますね!!」
それだけ言うと、彼女はダッシュで出て行った。
「は、……はははははははは!!あっはははははははははは!!!!!」
自分より20も若い娘に不意を突かれた俺は、そんな自分自身が妙におかしく
なって一人で大笑いしてしまった。こんなに笑ったのって、本当に久しぶり
だった。
そんな事があって、彼女は頻繁に俺の事務所に顔を出すようになった。もちろん
表向きの理由は荷物を取りに来るためだが、そんな彼女をもてなすために俺は
事務所の机にお茶菓子を常備するはめになった。まあそれ自体は別に嫌な事では
無いんだが。
俺達は菓子を食べながら、少しずつだがいろんな話しをした。仕事の事、家族の
事、自分自身の将来の事、そして恋愛の事。聞けば、短大の頃から付き合ってる
彼氏とうまくいってないらしい。
「それでね、彼ったらむちゃくちゃな事いうんですよ〜。」
「どんな?」
「俺は流行りの草食系だから、そんなにしょっちゅうセックス出来ないって。
訳わかんない!」
「そりゃ、確かにわからんな。」
昼間っからシラフでそんな話しをふるお前もな。しかも社内で。つかこいつの
彼氏って壮絶な罰当たりだな。こんな上玉を欲求不満で放置するなんてありえない
だろ普通は。あるいはこの娘がどうしようもなく男運が悪いのか。それとも……。
「あの…。」
そういうと彼女は俺の右腕を握り、自分の胸にぐっと押し付けた。紺色の制服
の上から小ぶりだがはっきりとした乳房の感触(パットもかなり混ざってそうだが)
が俺の右肘に伝わる。
「私ってそんなに魅力ないですかあ?ぐす、男の人から見てどう思われます?」
「どうって、そりゃ……」
潤んだ瞳で彼女が俺を見つめ、若々しい体臭と化粧の香りが俺の鼻をくすぐった。
「魅力無いなんてそんな事無いよ。絶対無い。俺が断言する。君の彼氏が分かってない
だけさ。出来る事なら変わってやりたいよ。」
「ほんとに?!」
がばっと、彼女が俺に抱きつき正面から見つめてきた。密着する上半身と紅潮する彼女
の顔から体温がじわっと伝わってくる。待て。ちょっと待て!!
「私、私先輩とだったら、どうなっても……。」
彼女は目を閉じ、俺に唇を突き出した。俺のどこかで大切な、とても大切な何かがブチっと
切れた。

その後は坂を転げ落ちるようなものだった。俺達は周囲の目を盗み、
このプレハブ事務所の隅っこで週に3〜4回ほどセックスした。他の
社員に見つかる不安は無かった。なぜなら会社というのは実に不思議な
場所で、大勢の社員がいるくせに誰の目にもつかない死角のような空間が
結構多かったりする。社内に人が出入りする時間帯はあらかじめ決まってる
し、各部署は原則として関係者以外立ち入り禁止だからだ。したがって事前
に確認を怠らなければまとまった時間、完全に無人となる部屋が数多く
存在するのが解る。
しかもこの事務所に至っては管理責任者が俺なのでもう無法地帯と言っても良い。
俺の上司など、作業中に事故さえ起こさなければもう俺のことなど知った事ではない
と思ってるようで、ここへはほとんど来た事が無いしそも俺の事を部下と認めてる
かも怪しいくらいだから。
俺は彼女の若い身体に完全に溺れた。いい年をして何を考えてるのかとも思うが、
それだけの価値が彼女から感じられたのだ。彼女とのセックスを楽しむため、俺は
あらゆる努力を惜しまなかった。タバコをやめ酒を控え、夜更かしをやめ亜鉛のサプリメント
を飲み、毎日ストレッチを欠かさず、宿便が勃起不全の原因と知るや腹痛を承知で
便秘薬に手を出す始末。全く自分でもあきれるほどだった。そんな俺達だが何故か社外で
会おうとはしなかった。今のこの危険極まりない逢瀬が、どうにも楽しくて仕方なかったのだ。


でももうそれもやめだ。火遊びにもほどがある。落ち着いて考えたらもし
ばれたらお互いとんでもない事になってしまうのは避けられない。何より
前途有望な彼女の足を引っ張るなんて論外だからだ。だから決めた。今日、
それを彼女にはっきり言おうと。
「あはあ、はああ、あうんんん……ひゃあ!やだ!」
俺は腰を突き上げるように挿入を繰り返しながら右手の平で彼女の内腿を
撫で回し、中指と人差し指でクリトリスを捕らえて包皮の上から転がした。
たまらず彼女の上半身から力が抜け落ち、机の上でがくりと突っ伏した。
「やっやっやめっやめてっそれ、そこは……」
女体の一番敏感な部分を刺激され、彼女の嬌声は途中で声にならなくなった。
俺は左手を彼女の脇の下から伸ばして制服の上着の中に差込み、さらにその
中のライトブルーのブラウスのボタンを外してブラジャーと乳房の隙間に
指を差し込んだ。クリトリスと同じように、固くしこった右の乳首をころころ
と弄ぶ。この感触が実に良い。

「ひあっ!ひああああ!!せ……せんぱい……わた、私、もう!!……」
「うん。良いよ。イっちまいな。」
そう言うと俺は彼女にとどめを刺すつもりで、パン!パン!パン!と楽器を
鳴らすように腰を打ち込んだ。
「はああ!はああああ!!あっあっあっあっあっああああああ〜〜〜〜〜〜
ひぃああぅあああああ〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!………あああ……
うんん……。」
さすがに周囲が心配になるような絶叫を上げ、彼女は達した。ぜいぜいと肩で
息をし、柔らかな前髪がべったりと顔に張り付いていた。俺は彼女の前髪を
優しくかき上げその表情を確認した。目は半分白目で何も見えていないようで、
口は大きく開いてうわ言を言うようにかすかに動き、だらしなくよだれを
垂らしていた。意識など、銀河の反対側へ飛んだ様だ。
「まだだよ。」
「……え?……。」
「俺はまだイってないから。」
俺はそう言うと、机の前で大きく開かれた彼女の片足をつかみ、張り詰めた
俺自身を奥まで差し込んだまま、ゆっくりと持ち上げた。
「ひい!なっ何を?!」
「このまま仰向けになって。顔を見ながら出したいから。」
「そ、そんな…うふう!!…な、中で、私の中で、先輩のが!……。」
机の上を転がすように、俺はゆっくりと彼女の向きを180度変えた。
そのため俺の物が彼女の膣壁をドリルのようにえぐり上げる。
「ひい!ひううううう!!!……」
可能な限りゆっくりと時間をかけ、俺は彼女を仰向けにひっくり返した。
机の上であごを出してのけぞり、はあはあと必死に酸素を取り込みながら
両手両足どっちもバンザイするように持ち上げたその姿は、まるで路上で
ひっくり返って絶命したカエルの死体のようで無様な事この上ない。普段
来客に見せている清楚な営業スマイルなどカケラも想像つかない。
俺はそんな彼女にお構いなしに両手で彼女の足首をつかむと、渾身の力で
ピストン運動を始めた。再びパン!パン!という音がホコリ臭い事務所に
響き、まるでスパンキングのようだ。
「んっんっんっ……ああ、締まる……。」
「あ゛っあ゛っあ゛っあ゛っあ゛っあ゛っあ゛っ〜〜〜〜〜〜〜〜………。」
完全に白目をむき人外のような声を上げて彼女は再び果てた。今度ばかりは
俺も耐えられない。
「んんっ!………くう!」
汗だくになって彼女の両足を抱えながら、俺はようやく射精にこぎつけた。
その時彼女はただぴくぴくとケイレンするだけで一切の反応を示せない。
酸欠で、なかば失神しているようだった。
「はあ……またイかされちゃった……やだな。こんなに気持ち良くされたら
言い出せなくなっちゃうじゃないですか。」
備え付けのウェットティッシュで自分の股間にべったりと張り付いた淫水を
ぬぐいながら彼女が言った。俺はその言葉に、コンドームを処理する手を
ぴたっと止めた。
「? 言い出すって何を?」
「昨日、彼と会ったんです」
「!……それで?」
「俺が悪かったって。お前と別れたくないから、ちゃんとセックスしようって、
彼そう言ってくれたんです!!」
「そ、そう、良かったじゃない。」
「だから、だからもう、先輩とは……。」
そこで彼女は初めて口ごもった。予想外の展開だが好都合には違い無い。
気まずい話しを俺から切り出す手間が省けたって訳だ。彼氏君も男を
見せてくれたみたいだしな。
「もう、先輩とは、もう……。」
うつむいたまま、彼女は黙ってしまった。そんなに俺の事を想っていて
くれたのか。彼女の言葉に心のどこかを針で刺されたような鋭い痛みを
感じずにいられなかった。でもこれで良い。これで良いんだ。このまま
別れたほうがお互いのためだ。俺はもう終わった中年だが、彼女の人生は
これからだ。辛いのは事実だが、何かの拍子に俺の事を時々思い出して
くれればもうそれで……。
「先輩とは、週一エッチで我慢して欲しいんです!!」
顔をあげ、ぱーっと明るい笑顔で彼女はそう言った。
「へ?」
「ほんと言うと昼間に先輩とエッチして夜に彼とするのが理想的なんですけど、
それだと彼に悪いじゃないですか〜。あっちが本命だし〜。」
「へ?」
「でもエッチの腕は先輩のほうが上なんですよね。やっぱ年の功ってやつですか?
昔はブイブイ言わせてたんでしょ?バブル期とかそんなころに。」
「へ?」
「それに私、先輩とエッチすると身体の調子がすごく良いんですよ〜!顔のむくみも
減ったしニキビもきれいになったし!髪もつやつやだし!何か最近は便秘も生理痛も
軽いんです〜!おかげで仕事がはかどって、課長にほめられました〜!!」
「そ、それはどうも……。」
「だから先輩とは、これからもここでエッチしたいんです。回数減っちゃいますけど
ダメですか?」
凝固したままの俺の表情をのぞきこむ様に、彼女が顔を寄せてきた。
俺はしどろもどろになりながらも、何とか彼女に自分の意思を
伝えようとした。
「あ、あの…あのさ、その事なんだけど……」
「何です?」
「いや、その、なんて言うかその……」
「はい?」
彼女は俺の表情をうかがったまま、軽く首をかしげた。さらっと前髪が
揺れて、吸い込まれるような深い深い瞳の色が俺を捕らえる。駄目だ。
とてもじゃないが逆らえない。
「し、週一で良いよ。正直こっちもきつかったから。ああ、そのくらいが
良いな。うん。そのくらいで逢うのが、一番良いと思う。」
「ほんとですか?!!やったー!!ありがとうございます!!実を言うと、
ちょっと不安だったんです!最近の先輩元気なさそうだから、ひょっと
したら私と別れるつもりなんじゃないかなって!!」
「ちょっと待て。それってつまり……。」
「来週からまたお願いしますねー!!あ、そのゴム早く処分したほうが良いですよ。
もうお昼休み終わるし!見つかったら大変ですから!それじゃ!!」
嵐のように言いたい事を言って、彼女は事務所を去った。ドアの向こうから
会社指定のサンダルの音がぱたぱたと遠ざかって行く。
俺は震えそうな手でコンドームを始末しウェットティッシュの残りで自分の
物をふき取って作業服を整えると、がっくりと椅子に座り込んでしまった。
「は、………ははは………あははははははははははは!!!!!!はーっは
はははははは!!!!!………はあ、はあ、はあ………。」
俺は椅子から転げ落ちそうになって大笑いした。もう、笑う以外何も出来なかった
のだ。
なんて女だ。最凶の天然ビッチじゃねえか。しかも自覚も悪意もゼロときたもんだ。
小悪魔なんて可愛いもんじゃないな。真性の魔女だよあれは。彼氏が距離を置こう
としたのも今の俺なら理解できる。単に身体がもたないのがその理由だったんだ。
俺はその男に心の底から同情したくなった。
そうこうしてるうちに午後の始業を告げるチャイムが鳴った。俺は作業に戻るべく、
軍手と安全帽をつかんで事務所を出た。

彼女のおかげで底なし沼に放り込まれたのは俺の方なのに、何故だろう。俺は自分の
足取りが妙に軽い事実に気がついていた。


END



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2011年05月17日(火) 16:59:39 Modified by ID:2C3t9ldb9A




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