実力で封鎖線を突破する試みは、
辛くも成功を収めた。

だが…。

ようやく家路につく事ができる…、
そう願う少年たちの眼前に広がる光景は、
待ち望んだ彼らの世界とは、
まったく違っていた。

はびこる悪魔、逃げ惑う人々。
封鎖の外に広がっていたのは、
内側と何も変わらぬ惨状だったのだ。
ホンダ
やぁ…。
待っていたよ、同胞諸君。
ユズ
え、あなた…ホンダさん?
そんな…どうやって…。
ホンダ
…君たちには感謝している。
注意を惹いてくれたおかげで、
私は楽に封鎖を抜け出せたよ。
…まさか君たちが
正面から天使と戦って、
封鎖を突破するとは、思わなかったがね。
ユズ
それより、何してるんですか!?
早くお子さんのところにいかないと…!
ホンダ
息子か…は、ははは…。
…全ては遅かった、
全ては、ムダだったんだよ…。
ユズ
……!
そんな…それじゃ、手術は…。
ホンダ
く…くくくくっ!
もう、私に失うものなど何もない!
守るべきものも、何もない!
こんな世界、滅びてしまえばいい。
我々の力で変えてしまえばいい!
力こそ全て…力こそ正義っ!
ユズ
そ…そんな…。
私たちの…せいなの?
私たちのせいで、こんな…!
ホンダ
…どうした?
君たちが、封鎖を
解いてくれたんじゃないか。
君たちは英雄だ…!
悪魔の力を使う事に、
もはや、何のためらいも要らないんだ!
フハハハハハ……!



…やがて東京封鎖は、
作戦の最終段階が実行されぬまま、
本当に解除された。

天使という後ろ盾を失った自衛隊は、
ホンダと、その仲間が呼び出した悪魔に、
なす術もなく敗走を続けたのだ。

崩壊を止める手段はもう無い。

その為にいた天使たちは、
他ならぬ少年たちの手で、
倒されてしまったのだから…。


…そして、封鎖解除から数ヶ月後。
暴力の支配する新たな世界の中で、
平穏という言葉の意味を忘れかけた頃、
COMPに1通のメールが着信した…。

メインフォルダ 1/1
FROM:M
SUBJECT:(No title)
都から数夜にして
秩序を奪いし「悪魔」。

彼らを野に放たぬ為の封鎖と、
汝は知っていた。

されど…汝は全てに目を背けた。
悪魔から逃げたのではない。
苦しみから逃げたのではない。

汝は…「己」から逃げたのだ。

いつか、汝ら人が真に賢明とならば、
あるいは人の手に、
平穏が戻る事もあるだろう。

その日まで、
人の子よ…悔いて生きよ。
己が招いたる混沌の中で。

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

Menu

デビルサバイバー2 BR

Wiki内検索

管理人/副管理人のみ編集できます