秋葉原の中央通りで、血相を変えて
逃げてくる男たちを見かけた…。

ユズ
なっ、何!?
一体何があったの…!?
アツロウ
アレは…!
やめろ、ケイスケっ!
ケイスケ
やあ、アツロウ、みんな。
大丈夫、ヤマはキミたちに、
危害を加えないから。
アツロウ
オレたちの事じゃない!
どうして悪魔に人間を襲わせるんだ!
こんな事…やめてくれよっ!
ケイスケ
…まだ、分かってもらえないんだね。
ボクは間違ってない…、
正しい事をしているのに。


気持ちは分かるけど
ケイスケ
…言葉だけじゃなく、
心から分かって欲しい。
優しさだけじゃ、世界は救えないんだ。
イジメはやめろ
ケイスケ
…ボクは、イジメなんてしない。
イジメは…最低の人間がやる事だ。
そんな事…ボクはしないよ…。

ケイスケ
…私情が入らないように、
ボクは裁きをヤマに委ねているんだ。
公正に判断して、死ぬべき罪を
負った者だけが、裁かれる…。
これは…紛れもない正義だよ。
自分だけの正義だろ
これが公平な裁き?
ケイスケ
…(主人公)君。
ボクは自分の価値観で人を罰するなんて
そんな事しないよ。
そんなものは、偏見だ。
だから、ボクの代わりに、
地獄の裁判官である、ヤマが裁く…。
人が人を裁くより、
よほど公平だと思わないかい?
おかげで、ボクの迷いは消えたんだ…。
ミドリ
ケースケっ!
どうして、こんな事…!
元のケースケに戻ってよっ…!
ケイスケ
…人の心は弱い。
悪の誘惑に揺れる事もあると思うよ。
でもね…ミドリちゃん。
それを耐えるから人なんだ。
誘惑に負けて、他人を傷つけてまで、
自分が楽な道を進む奴なんて、
…人間じゃない!
古来より神や悪魔は、人の弱い心を
戒めるための正義として存在した…。
だから…これこそが本来の姿なんだ!
ミドリ
人が弱いのは分かるよっ…!
だけど、あの人たちが何をしたの!?
アタシだって…イヤな事言われたよ!
命だって、狙われたよっ…!
でも…でも、だからって、
こんな事して、いいワケないっ…!
ケイスケ
…そうだね。
じゃあ、さっきの連中が、
何をしていたか教えてあげるよ。
飢えていた彼らの1人に、おばあさんが
食糧を分け与えようとしたんだ…。
…すると彼とその仲間は
そのおばあさんを殴り殺し、
残りの食糧も全て奪ったんだ…!
そんな事する奴は、
…死ねばいいんだよっ!
確かに許されないね
ケイスケ
…ありがとう、(主人公)君。
分かってもらえたんだね…。
ミドリ
…で、でも!
だからって、
悪魔に襲わせなくても…!
だから悪魔に襲わせる?
ケイスケ
…ボクはヤマに判決を任せただけだ。
彼らが裁かれるかどうかは、
本人たちの罪による…。
もっとも…、
おばあさんを殴り殺してしまった
彼らの罪が、軽いはずないけどね。
…もう、奴らの話はいいだろ…?
…ボクは、悪魔の力を使って、
人が本来あるべき心を取り戻すように、
心を鬼にすると決めたんだ。
…もし、ボクに力を貸してくれるなら、
いつでも声をかけて欲しい。
キミたちを、待っているから…。

ミドリ
あれが…正義なのかな?
本当の正義って…、
あそこまでしないと…、
ダメなのかな…。
やり過ぎ
ミドリ
そ、そうだよね!?
あんなの…やり過ぎでしょ!?
人を正すいい機会かも
ミドリ
そっか…。
何かヤダな…アタシ。
他にも方法はある
ミドリ
他の方法…?

ユズ
確かにケイスケ君の考えは、
間違ってないけど…。
アレは極端すぎだよね…。
ミドリ
アタシだって、みんなに正義の心を
持って欲しいよ…。
だけど…アレじゃ…。

アツロウ
…ケイスケ…。

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