東京の封鎖は解かれ、
街は以前の様子を取り戻した。

人々の生活は、
何事もなかったかのように
元に戻っていたのである。

ただ、ベルの魔王となった、
少年の姿だけが、
この日常から消えていた。
アツロウ
ぃよ〜ぅ、ソデコっ!
悪ぃ、ちっと遅れちった!
ユズ
ア〜ン〜タ〜ね〜ぇ。
こんな暑いトコで、
人を待たせないでよっ!
大体、誘ったのはアンタの方でしょ!
この蒸し暑ロウッ…!
アツロウ
だっ…誰が蒸し暑いか!
何じゃそのあだ名はっ…!
ユズ
ン〜…?
何か文句でもあるワケ?
アツロウ
ぅわ、わわわわっ!
悪かった、悪かったって!
銀行が混んでてさ…!
かっ、代わりに何でもおごる!
おごるからさっ…!
ユズ
ほほ〜、お金で懐柔?
…破産させてやるからな〜!
覚悟しろよ〜?
アツロウ
うっ…ぎゃああああ!
鬼っ!悪魔っ…!
ユズ
はぁ…それよりさ、
最近ナオヤさんの所に行った?
何か聞いてないの?
アツロウ
あ〜、ナオヤさん、
ずっと召喚サーバーの前に
陣取って動かないからな。
もう全っ然、構ってくんないの。
オレだって寂しいんだよ、
ソデコちゃ〜ん!
ユズ
え〜い!
甘えるな、暑苦しいっ!
アツロウ
……!?
え、この音って…!
ユズ
……!
ねぇ、COMPからだよ!


久しぶりだな。
お前たちの事だ、相変わらず、
阿呆な事をしているのだろう。

そろそろ(主人公名)を、
思い出す頃かと思い、
近況を伝えておく。
ベルの魔王は魔界の軍勢を統べ、
魔界において、天軍との
初戦に勝利した。
(主人公名)にこれほどの統率力が
あるとは、俺も嬉しい誤算だ。
戦いは予想以上に有利に進んでいる。
この分なんら、(主人公名)が人間界へ
戻る日も、そう遠くないだろう。

期待して待っているといい。

追伸:アツロウ、おまえの夢は、
儚く消えそうだな?


ユズ
……!
(主人公名)、帰ってくるんだ…!
嬉しいっ…!
アツロウ
ああ、頑張ってるんだよな。
オレたちは待つ事しかできないけどさ…。
ユズ
…大丈夫。
約束したもん、待ってるって。
絶対に帰って来るよ!
アツロウ
はは、そうだな!
ってか当たり前だよ!
帰って来なきゃ困るぜっ!
ユズ
うん…そうだね!
ユズ
お〜い、(主人公名)〜!
早く帰ってこーいっ…!

……?
そう言えばアツロウ、
追伸ってトコ、何?
アツロウ
あ…追伸…?
いっ…!?
ユズ
ねぇ、どういう意味よ。
アンタの夢って何?
消えるってどういう事?
アツロウ
うっ…ち、違う、それは…!
…ナ〜オ〜ヤ〜さぁ〜んっ!
余計な事、書かないでよ〜!



人でありつつ魔王となった少年は、
神の使いさえも地上から退け、
世界に平和が訪れた。

神は少年を人ではなく、
魔王と認め、戦いの場は、
地上から魔界や天界に移る。

魔王となった少年が、
魔界に消えて一月後…。

人々は早くも封鎖以前のような
日常に戻っていた。

…だが人々は決して忘れないだろう。

人々の日常の影で、神と戦い続ける
1人の少年がいる事を…。


(原文で黄色の部分はオレンジで表示)

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